.hack//G.U. 繋がれし異世界   作:.hack//好き

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ギルドの長という責任

「き、貴様は何者だ?」

 

「・・・・・・」

 

静寂が広がるナザリック地下大墳墓の王座の間。そこに立っているのはモモンガと葬炎のカイトの2人だけ。

 

この状況になるまで振り返ると、八長ラ音が聞こえ蒼い炎が確認できた瞬間、葬炎のカイトが現れた。

アルベドやセバス、プレアデス達はすぐに葬炎のカイトを殺す為に襲い掛かった。

 

だが、一瞬で全員を吹き飛ばし、謎の力で抑えつけられてしまう。そんな部下たちを見て唖然とするモモンガ。

 

今は骸骨の身体となっているが元は人間でゲームを熟知しているプレイヤーでもあったモモンガ。この圧倒的な力を目の当たりにして最初に思い浮かんだのはチートだった。

 

こんな異常な力、チートしたとしか考えられなかった。頭の中は混乱しつつあるが、なんとか冷静を保ち質問の言葉を出した。

 

しかし、葬炎のカイトは答えない。女神に言語機能を授けられていないので満足に喋れないというのが理由の一つ。

モモンガがそれを知っていたとしてもその沈黙がモモンガの心を痛めつけていく。

 

それに加え怒りが込み上がっていく。

何故自分がこんな目にあっているんだろう、こいつに自分が何をしたと言うのだろうと、かつてPKされていた頃を思い出してしまう。

 

「モモンガ様!お逃げください!!その人間は危険です!」

 

謎の力によって動きを封じられたアルベドが必死に叫ぶ。だが、モモンガは逃げない。

 

「アルベドよ。私が逃げるという事は、アインズ・ウール・ゴウンの名を汚す事となる。それは決して出来ん!」

 

「しかし!」

 

「このアインズ・ウール・ゴウンの支配者、モモンガに敗北はない!!龍 雷(ドラゴン・ライトニング)!!」

 

モモンガは先制攻撃を仕掛けた。その魔法は確実に葬炎のカイトをとらえる。

 

「ハアアアアア」

 

「なっ!?」

 

葬炎のカイトは電撃をもろともせず、一瞬にしてモモンガとの距離を詰める。

 

「ハアッ!」

 

「ぐうっ!?」

 

モモンガは(スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)で反撃しようとするが葬炎のカイトは杖を双剣で弾く。

 

モモンガはすぐに弾かれた杖を手元に戻そうとしたが、葬炎のカイトの三つ又の双剣によって固定されてしまった為不可能だった。

 

「アアアアアアアア・・・」

 

「っ!?」

 

体長差があるからか、葬炎のカイトは跳んでモモンガの肩に乗って何も持っていない右手でモモンガの頭を掴んだ。

 

「き、貴様アアアアアア!!偉大なる、私の愛するモモンガ様に!んなにを!するううううううううう!?」

 

じたばたと奇声を上げるアルベドだがまったく気にしていない葬炎のカイト。それはモモンガも同じことでただ葬炎のカイトの目を見ていた。

 

何の感情も感じない冷たい目。今の骸骨になった自分よりも数倍怖く感じた。

 

「アアアアアア」

 

葬炎のカイトの手が光り出す。

 

「・・・ここまでか。アインズ・ウール・ゴウンの皆、すみません・・・」

 

誰も聞こえないぐらいの声でモモンガはかつての仲間達に謝罪を述べる。

 

 

 

 

 

 

パキィン

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・なんだ?今の音は・・・?」

 

その音はまるでガラスに亀裂が入った時のような音。葬炎のカイトはモモンガの顔から手を離してその場から引いた。

 

そして、葬炎のカイトが上を向く。それにつられるようにモモンガも上を向いた。

 

「空間に亀裂、だと?」

 

信じられない光景に精神安定が間に合わないモモンガ。

その間にも亀裂が広がっていき最後には大きな音を立てて割れた。

 

亀裂が入った空間が割れた事によって光の粒子が飛び散り、それと以外の何かが同時に落ちてきた。

 

「モモンガ様!!」

 

「あ、アウラ!?」

 

空間から現れたのは行方不明だったアウラ。そして、その隣でアウラの手を握るハセヲと葬天のバルムンクに葬海のオルカがいる。

 

ハセヲ達は葬天のバルムンクと葬海のオルカに頼んで葬炎のカイトのところまで運んでもらったのだ。

 

「ほら、行って安心させてやれ」

 

「う、うん」

 

アウラの手を放してそういうハセヲ。

何故アウラの手を握っていたかというと、空間移動という特殊な移動だったので、はぐれない為にハセヲはアウラの手を握っていたのだ。

 

解放されたアウラはモモンガの元へと走った。

 

「モモンガ様!御無事ですか!?」

 

「う、うむ・・・。お前も元気そうでなりよりだ、アウラ」

 

「そんな!あたしがあの装置を勝手にいじったのが原因です。そのようなありがたいお言葉は必要ありません!本当にすみませんでした!」

 

必死に頭を下げるアウラ。モモンガはアウラが無事に帰って来て安心するも気が気でない状況なのは変わらない。

 

「それで、お前と一緒に現れた奴らは何者だ?それに手を握られていたようだが・・・」

 

「それは、その・・・」

 

「アンタがそのガキの保護者か?」

 

モモンガの質問に口ごもるアウラ。そこにハセヲが割り込んできた。

 

「・・・まあ、そうであるともいえるが貴様は何者だ?あそこにいるツギハギの奴らの仲間か?」

 

「そんなところだ。俺の名前はハセヲ。そこのガキが仲間に襲われて泣いてたから助けてやった」

 

「ちょ、ちょっと!泣いてなんかいないでしょ!?嘘を言うな!!それにあたしは『ガキ』じゃなくって、『アウラ』って言う創造主様から授かった大事な名前があるんだ!」

 

ハセヲの言葉に顔を真っ赤にして怒るアウラ。ハセヲはアウラの反応に笑いながら返事をする

 

「それは悪かった。名前を聞いても教えてくれなかったから仕方なくな」

 

「名前だけじゃなくて、泣いてたと嘘を言った事を謝れ!」

 

「はいはい。悪かった悪かった」

 

「ううう~・・・」

 

ハセヲの適当な対応に唸り声を上げながら睨み付けるアウラ。完全に遊ばれているアウラを見てモモンガはハセヲが只者ではないと理解する。

 

「まあ、俺は質問に答えた。で、あんたは何者だ?」

 

「・・・私はここナザリック地下大墳墓を拠点にするギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルド長モモンガだ」

 

モモンガの応えに目を瞑りながら考え込むハセヲ

 

「・・・ナザリック地下大墳墓、ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』・・・聞いたことないな」

 

「そうか。私のいた世界では結構有名だったのだが・・・」

 

「私のいた世界、ね・・・」

 

モモンガの言葉に引っかかるハセヲ。モモンガもあえてそのような言い方をしたが理想の反応してくれたようだ。

 

「出来ればこの世界の事を詳しく教えてほしい。そして、お前たちがなぜ我々を襲ったのかも」

 

「襲ったのは俺じゃねえんだけど、まあ良いぜ」

 

「では、私の部下を解放してもらいたい。この状態でちゃんとした話が出来るとは思えない」

 

周りを見れば身動きが取れず、地面に這いつくばっているアルベド達の目がかなり怖い事になっている。ハセヲはその視線を見ないようにしてたが空気の悪さはどうにもならない。

 

「そうだな。これじゃあ視線だけで呪われそうだ。カイト!頼む」

 

「アアアアア」

 

ハセヲに返事をするように声をだすカイト。それと同時にアルベド達を押さえる力が消えた。

いち早く起き上がったのは、守護者統括のアルベド。その顔は般若のようにおぞましいものだった

 

「この・・・。この下等生物があああああああああああああ!!」

 

「っ!?」

 

いきなりの大声にハセヲは思わず驚いて耳を塞いだ。さすがのハセヲもアルベドの見た目からそんな発狂された声が出るとは思いもしなかった。

 

「あの人間は我々だけではなく、モモンガ様にその汚い足で肩を踏み、汚い手で美しい顔を掴みやがって!!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対に許さない!絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイ絶対ニ許サナイイイイイイイイイイイイイイイイ!」

 

「うわあ・・・」

 

アルベドの変貌具合にドン引きするハセヲ。葬炎のカイト達もどこか戸惑いを感じられた。

 

「アルベド!!静まるのだ!!セバスにプレアデスも戦闘態勢を解け!!」

 

「し、しかし!!」

 

「良いのだ、アルベド・・・。そして、すまない」

 

「も、モモンガ様?」

 

モモンガの謝罪にアルベド達は驚愕した。モモンガは構わず話を進める。

 

「私はお前たちに主君として情けない姿を見せてしまった。このような私などお前たちの上に立つ者として相応しくないかもしれん」

 

「そ、そんな事ありません!?モモンガ様は私たちの為に精一杯頑張っております!原因は不甲斐ない私たちに―――」

 

「聞け。私は責任を持ってお前たちを元の世界に帰そう。そして、帰ったら・・・ギルドを、アインズ・ウール・ゴウンを解散させる」

 

「「「!?」」」

 

モモンガの発言にアルベド達が驚愕する。

ギルドの解散。それはモモンガにとって苦渋の決断だった。

だが、41人の仲間と築いたギルドを汚した罪を償うにはそれしかないと思ったのだ。

 

「私よりも相応しい主君を―――」

 

「とりあえず落ち着け」

 

「「「!?」」」

 

またもやアルベド達は驚愕する。モモンガが話している最中、いつの間にか背後に回ったハセヲがモモンガの頭を殴ったのだ

 

「なっ、なにを?」

 

「なにを、じゃねえ!!お前は何もわかっちゃいない!」

 

殴られた頭をさするモモンガにハセヲは怒鳴った。

 

「ギルドの解散はそんな責任から逃げるような理由でするもんじゃねえんだよ!!それにあいつらの目を見ろ!あいつらはお前を信じてる!それを無碍にするな!お前も奴らを信じてやれ!!」

 

「信じる・・・」

 

モモンガはアルベド達を見る。その眼は自分に対する絶望の眼差しではない。捨てないでと見捨てないでと懇願するような眼差し。

 

アルベド達は心の底からモモンガを崇拝しているし、行動すべてを信じている。

 

「お前がしなきゃいけない事はギルドを解散して責任から逃げる事じゃない。仲間を信じ、これから何をなすべきか一緒に考える事だ」

 

ハセヲの言葉にモモンガはゆっくりと顔を動かして仲間である者達の方へと向けた。

 

「・・・アウラ」

 

「は、はい!」

 

「セバスにプレアデス」

 

「「「はい!」」」

 

「そして、アルベド」

 

「は、はい!」

 

モモンガの呼びかけに答えるアルベド達。そんなアルベド達を見て心が震えあがるのを感じた。

 

「私が間違っていた。解散する事でアインズ・ウール・ゴウンの名前にこれ以上泥が付くことはないと。私が居なくなれば、お前たちは幸せになれると思っていた。こんな主君ではお前たちを導くことなど出来ないからと・・・」

 

「そんな事ありえません!!モモンガ様は41人の至高なる方々で唯一、私たちを見捨てずに残ってくださったお優しき方。そんなモモンガ様に付いていく事が私達の最大の喜びなのです!!」

 

アルベドの言葉にアウラ達も頷いた。気持ちは一緒だった。

 

「お前達・・・。すまなかった。先ほどの世迷言は忘れてくれ・・・」

 

「「「はい!モモンガ様!!」」」

 

モモンガとアルベド達の絆が強くなった瞬間であった。




いかがでしたでしょうか?

次回はハセヲがナザリックメンバーと!?
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