.hack//G.U. 繋がれし異世界   作:.hack//好き

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本日2話目更新!


勘違いには制裁を

ハセヲとナーベラルが戦闘を始める少し前。

マーレは感知魔法で2人が円形闘技場(アンフィテアトルム)にいる事が分かり向かう事にした。

ナーベラルはともかくハセヲがどうして円形闘技場(アンフィテアトルム)にいるのかを確認しておきたかったのだ。

 

しかし、着いたタイミング悪すぎた。

着いた時に見た光景はナーベラルの頭に銃を突き付けるハセヲの姿だった。

 

案の定、マーレはナーベラルを殺そうとしていると勘違いしてしまう。

マーレはナーベラルを助ける為にハセヲに攻撃を仕掛けた。

 

不意討ちを躱されたが、ナーベラルからハセヲを引き離す事に成功したのを見て一安心したマーレは、今までみない眼を鋭くしてハセヲを睨んだ。

 

それを見たハセヲはマーレの考えている事をなんとなく察して声を上げた。

 

「止めろ、マーレ!お前は勘違いしてる!」

 

「・・・・・・」

 

ハセヲの言葉など聞く耳など持たんと言わんばかりに土の突起や波が襲い掛かってくる。それを舌打ちしながら避けて行く。

 

「くそっ!さっきからこういうのばかりだな!」

 

ハセヲは文句を言いながらも双銃を装備してマーレの魔法によって襲い掛かる土の突起や波を撃ち抜いていく。

 

「ま、マーレ様!お、お止め下さい!あの人間は悪くありません」

 

「おっ!」

 

ナーベラルがマーレを止めようと声をかける。その姿にハセヲは意外そうな顔をしてそれを見ていた。

 

「・・・・・・」

 

「うおっ!?」

 

ナーベラルの行動を見て足を止めていたハセヲだったが、マーレには身内の声すら届いていなかった。

足元から木の蔦が飛び出てハセヲの身体を拘束する。

 

仲間以外は無関心のマーレ。故にそれ以外がどうなろうとどうでもいい。

だから、殺す。仲間でもなんでもない人間は殺す。

 

ハセヲの周りに土の突起がいくつも浮かんでいる。そして、ハセヲを拘束する蔦はハセヲの身体中を締め付ける。

 

「・・・死んじゃ―――」

 

「マーレ!!」

 

「あうっ!?」

 

マーレがハセヲを殺す為、突起で串刺し、蔦で絞めようとした時だった。

マーレの頭に強い衝撃が走る。可愛らしい声を上げて、痛みが残る頭を押さえながら振り向くとそこには拳を固めた姉のアウラがいた。

どうやらアウラはマーレに拳骨を喰らわせたようだ。

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「マーレ!あんた一体何をしているの!」

 

「何って、あの人間がナーベラルを殺そうとしてたから・・・」

 

「ハセヲが?」

 

アウラの表情が険しくなる。

マーレの言葉が信じられないという訳ではないが、ハセヲがナーベラルを殺そうとするなんて事も同じくらい信じられなかったアウラは、呆然とするナーベラルに視線を向けて話しかけた。

 

「そこんとこどうなの、ナーベラル?ハセヲは貴女を殺そうとしたの?」

 

「・・・・・・いいえ。あの人間・・・ハセヲ様は襲い掛かる私を沈黙化させる為に武器を頭に突き付けていただけであります」

 

「・・・ええっ!?」

 

ナーベラルの言葉に驚くマーレに、やっぱりかと少し安堵したアウラ。

 

「ほら見なさい!ハセヲが意味もなくナーベラルを殺そうとする筈ないでしょ!早くハセヲを解放しなさい!」

 

「う、うん・・・」

 

マーレはアウラの言う通りにハセヲの周りに浮かんでいた土の突起を消し、締め付けていた蔦は一気に枯れて灰となる。

自由になったハセヲは締め付けられた所をさすりながら溜息を吐いた。

 

「ハセヲ。大丈夫?」

 

「おう、大丈夫だ」

 

心配そうな顔で駆けつけたアウラにそういうハセヲ。

その姿に安心した様子のアウラはマーレとナーベラルを睨んだ。

 

「ナーベラル・・・話だと貴女が主犯みたいだけど、誰かに命令されてハセヲを殺そうとしたのかな?」

 

「・・・いいえ。これは私の独断で行ったものです。至高なるアインズ様に気安い態度を取るくz―――にんg―――ハセヲ―――様に制裁をと思った次第です」

 

正直に話すナーベラル。アウラは横目でハセヲを見ると、首を縦に振って頷いたのを見て事実である事を理解する。

 

「それで、ナーベラルが返り討ちあっている所に事情を知らないマーレが来て、何も聞かず全てハセヲが悪いと決めつけて攻撃を仕掛けたと・・・」

 

「う、うん・・・」

 

ガクッと頭を項垂れて溜息を吐くアウラ

 

「あんた達は・・・。そこに正座!」

 

「「は、はい!」」

 

アウラの一喝でマーレとナーベラルはすぐに正座をした。

 

「まず、2人がしようとした事の重大さを理解してる?ハセヲが無事だったから良いものの死んでたら大変な事になってた!2人の命どころか、このナザリックが消されてしまっていたかもしれない!」

 

ナザリックとThe Worldのパイプ役となっているハセヲが襲われたとなれば、The World側が黙っている訳がない。

 

もしThe World側が全勢力を上げて戦闘となったら終わり。それ程の力の差がある事をアウラは理解している。

 

葬炎のカイト、葬天のバルムンク、葬海のオルカなどと会ってきたアウラは、その3人が攻めて来ただけでもナザリックが滅ぶと確信していた。

 

「この事はアインズ様に報告する。ナザリックが滅ぼされる事はないだろうけど、2人の安否は保障できない・・・。被害者のハセヲ次第だし、アインズ様もハセヲをかなり気に入ってる。2人は気付いていなかったみたいだけど、ハセヲの指に至高なる41人の方々しか持たない『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』を付けている」

 

「「!?」」

 

本当にアウラに言われるまで気付かなかったのだろう。ハセヲの右手に付けられている指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)を見て驚愕していた。

 

「アインズ様が信頼しているハセヲを攻撃した。これは、アインズ様の顔に泥を付けたと同じ意味・・・」

 

「「・・・・・・」」

 

マーレとナーベラルは何も言わず、ただ黙って俯いていた。

アウラの言っている事は正しい。これは謹慎で済む話ではない。

最悪は命をもって償わなければならないだろう。

マーレとナーベラルは自分がしてしまった重大さにようやく気付いたのだ。

 

そんな暗い雰囲気の中、取り残されたハセヲは声をかける。

 

「アウラ。ちょっと落ち着け」

 

「ハセヲ・・・?」

 

「俺としてはこの事を大事にしたくない。せっかくアインズと仲良くなったのに、これで関係が悪くなるのは嫌なんだ」

 

「ハセヲ・・・。気持ちは嬉しいけど、これは私達の問題だから」

 

「そう堅い事言うなって。アインズだって俺が許すならって納得するさ」

 

「うーん・・・」

 

ハセヲの提案に悩むアウラ。個人の意見としては嬉しい話だ。

弟のマーレやナーベラルが消されるという最悪な事態は無くなるのだから。

それでもギルド全体としてのけじめをそんなんで済ませて良いものだろうかと悩むアウラ。

 

そんな悩む様子のアウラにハセヲがまた一つ提案した。

 

「んじゃあ、この場で俺が制裁を与えれば良いだろ?命まで取るような事はしねえから安心しろ。それで、アインズに話せば、もう制裁を受けているならって納得するだろ?」

 

「うーん・・・だと良いんだけど・・・。まあ、どっちみちハセヲから何かしら二人に対する罰を考えてもらうつもりだったし、それで行ってみよっか」

 

「よし。んじゃあ、早速制裁するぞ。まずは・・・名前なんだっけ?」

 

「ナーベラル・ガンマだよ」

 

「そうか。それじゃあ、ナーベラル。お前に制裁を与える」

 

「はい・・・」

 

ハセヲは正座するナーベラルの前に立つ。その様子に心配そうに見るアウラとマーレ。目を瞑るナーベラルは覚悟を決めた。

 

「ふん!」

 

「うきゅ!?」

 

ハセヲは、ナーベラルの頭に拳骨をお見舞いした。ナーベラルは拳骨の痛みに耐え切れず、可愛い声を上げ、両手で拳骨された頭を押さえて悶える。

 

「よし、制裁終了」

 

「なっ!?」

 

「えっ?それだけ?」

 

ハセヲの言葉に痛みを我慢するナーベラルは驚いた声を上げ、アウラは呆気にとられた。

 

「そうだが?」

 

「私はてっきり腕か足の1本叩き切るのかと思ってた。それか全身の皮を剥いで熱湯を浴びせるとか」

 

「えぐっ!?そんな事する訳ねえだろ!?」

 

やはりどこか感覚がずれてるのは、ゲームの違いだからだろうかと思うハセヲ。そして、次にマーレの前に立った

 

「次はマーレだ」

 

「は、はい!」

 

マーレは、ナーベラルと同じように拳骨が来ると予想し、歯を食い縛り、目を瞑った。

そして、来たのは2、3回頭を軽く置かれた。拳骨する場所の確認だろうかと、未だに来ない拳骨にびくびくしているとハセヲが話し出した。

 

「次からはちゃんと確認をしてから行動しろよ。いいな?」

 

「は、はい。分かりました」

 

「よし」

 

「・・・・・・えっ?」

 

拳骨を待つマーレだったがいつまで経ってもこないので目を開けてみると、ハセヲが背を向けてアウラのところに向かっている姿だった

 

「ハセヲ?制裁(拳骨)は?」

 

「見てたろ?注意をした、それが制裁だ」

 

「ええっ!?それでいいの?ハセヲ、マーレに蔦で絞めつけられてたんだよ?」

 

「ダメージなかったし、良いんだよ。ほら、行こうぜ?アインズに報告すんだろ?」

 

「あ、うん・・・」

 

先に歩くハセヲについていくアウラ。

正座したままその2人を呆然としながら見るマーレとナーベラル

 

「アインズにはちゃんと言っとくから安心しとけ!ちゃんと反省しろよ!」

 

背を向けながらそう言って円形闘技場(アンフィテアトルム)から居なくなるハセヲとアウラ

 

「・・・ハセヲ―――様は変わった人間ですね、マーレ様」

 

「うん・・・。ハセヲさん・・・か・・・」

 

マーレはハセヲの手が置かれた自分の頭に手を置いて嬉しそうにそう呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

玉座の間。

ハセヲは再びアインズに会ってマーレとナーベラルの事について話した。

 

「つう訳で、2人にはお咎めなしで頼むわ」

 

「う、うむ。私としては構わぬのだが・・・」

 

とても言い辛そうにするアインズ。骸骨の顔を横にずらすのを見たハセヲも同じように動かしたら執事の『セバス・チャン』がいた。

 

「ハセヲ様」

 

「お、おう・・・なんだ?」

 

「まずはナーベラル・ガンマに対し、寛大な処置をして頂きありがとうございます。普通であれば首を飛ばされても文句は言えません」

 

セバスが綺麗に頭を下げる姿に、ハセヲは「ああ・・・」と少し動揺しながらそう答えた。

何故、ハセヲがそうなっているのか。それはセバスがかなり怒っているからだ。

 

無表情であり、いつも通り鋭い目でありながらもその瞳の奥にある輝きが怒りによるものだという事をアインズとハセヲは理解したのだ。

ハセヲは、こいつは面倒なタイプだぞと思っている。

 

「アインズ様、僭越ながらナーベラル・ガンマの処罰につきましては私めに任せては頂けないでしょうか?」

 

「そ、それは構わぬが・・・」

 

「せ、セバスだったか?俺はそんな怒ってないからほどほどに、な?」

 

セバスに少し怯えながらそういうハセヲ。セバスは再び頭を下げる。

 

「かしこまりました、ハセヲ様。では、アインズ様。ナーベラル・ガンマの処遇を考えなければなりませんので、私はこれで失礼いたします」

 

「う、うむ・・・」

 

アインズ達に頭を下げたセバスは頭を下げると玉座の間から出て行った。セバスが居なくなったのを見てハセヲとアインズは同時に溜息を吐いた。

 

「お前が言ってた通り、お堅い奴だな。俺の苦手なタイプだ・・・。ナーベラルは大丈夫なのか?」

 

「まあ、セバスもそこまで厳しくはしないだろう・・・多分」

 

「あーあ・・・ナーベラル、どんまい」

 

心の中でセバスにこってり絞られるナーベラルに合唱するハセヲ達であった。

ちなみに、マーレはハセヲの要望とナーベラルが原因ともあり、お咎めなしになる。




如何でしたでしょうか?

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