今日も貪食   作:4256巻き

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ただいまあああああああああああああぁぁぁぁ!!!

ふぅ・・・・久しぶりの貪食の投稿で
雑なところがあったら申し訳ない

そして書いてる内に色々思いついてまた展開が遅くなってしまった


13話 それは激しく

連日様々な授業の続くトリステイン魔法学院にも

虚無の日曜日と呼ばれる一週間毎の休日が適用されており

 

寮暮らしの生徒達は思い思いの過ごし方で休日を満喫していた

 

そしてこの休日を二度寝で過しつつあるルイズであるが

空高くにまで日が昇り、暖かな昼頃になると目を覚ましていた

 

ルイズはゆったりとした動きで上半身を起こすと

ぐっと両腕を力強く上に伸ばしたあと、力を抜いて一息吐く

 

「はぁ・・・・なにもない心地の良い目覚めね」

 

そう言葉にして空を流し見るルイズの顔は

憑き物が落ちたかのように穏やかな微笑を浮かべていた

 

「ふふ、顔洗って着替えなきゃね」

 

暖かなベッドから抜け出し地面を踏みしめると

軽い足取りでルイズは歩き出し

 

ずる

 

「わっ」

 

なぜか地面に広がっていた布に足を滑らせ

転びそうになる体を支えようと前に出した右足は

その先に落ちていた硬いなにかと衝突してしまう

 

ガッ

 

右足の小指で

 

「ッ~~~~!!?」

 

突如小指に生じた激痛に体を支えられず倒れたルイズは

声にならない悲鳴を体で表すかのように悶えながらも

足元に衝突した硬いなにかを目にした

 

それはルイズが夢と断じ、見なかった事にしていたもの

光る文字を記した布に折れた直剣がそこにあった

 

――――

 

――

 

 

 

あの決闘騒ぎにより露になってしまった使い魔の全容は

少なからぬ衝撃を与え、良い意味悪い意味の噂が浮かんだ

 

まず良い噂の一つで決闘後に連れ去られたギーシュが

気絶してはいたが五体満足な上、傷一つなく返された事

 

そして悪い噂は散々ゼロのルイズと侮辱された腹いせに

殺して喰らうをそのまま形に現したようなあの使い魔を

仕向けてくるのではないかと言う物

 

ザッ

 

そんなひそひそ話しが絶えない昼の食堂に

噂の中心人物ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが颯爽と食堂に現れた

 

そして誰とも目を合わせず誰が声を掛ける間もなく席に着き

普段よりも姿勢よく行儀よく静穏に食事を済ませると

凛とした佇まいで席を立ち、テーブルに置かれた料理の一つ

クックベリーパイを片手に持って食堂を去って行った

 

腰に着ける布に巻かれた剣もたいして気にされずに

 

 

 

 

見惚れるようなルイズの立ち振る舞いは

腰に着けた一振りの剣も違和感なく似合っていた

 

似合っていたが故に違和感をあまり感じさせず

誤魔化せている?内に食堂を立ち去る事でいらぬ問答なく

なんの問題も起こらず余裕を持って食事を済ませられた

 

このなにげない事実にルイズの心は穏やかに

そして安らかな日常の尊さを感じ、癒されていた

 

「(よし!まずこの布と剣の事は絶対関係あるだろうから聞くけど

昨日ちゃんと私の事を見て主と認めてくれた訳だし・・・・

まぁ良き主として差し入れくらいはしてあげなくちゃね)」

 

心に余裕のできたルイズは小さな笑み浮かべ

意気揚々と貪食ドラゴンが居るであろう学院の広場へと向かう

 

「(貪食ドラゴンを召喚してから二日間・・・・

色々と振り回されたままだけどこの虚無の日曜日に

貪食ドラゴンの事を私なりに、できるだけ理解してみせるわ)」

 

「(そして滅多な事では怒らないし騒がない

威厳ある最高のご主人様になって―――ってもう着くじゃない)」

 

歩きながらパーフェクトな自分を思い浮かべ始めたルイズだが

広場への扉が見えるとそこで立ち止まり、身だしなみを整える

 

「完璧なら身だしなみもちゃんとしてなきゃね・・・・うん」

 

身も心も綺麗に整えたルイズが扉を開けると

 

ドドドドドドドド!

 

多種多様、大小様々な使い魔であろう生物達が

ルイズの眼に前を猛然と走り去って行った

 

まるで走り去る反対側が危険であるかのように

 

・・・・

 

なにかを察してしまったルイズはその反対側を

凄く見たくなかった、確認などしたくはなかった

 

でも早く確認しなければなにか酷い事になっているかもしれない

その原因が自分の使い魔ならばなんとしても止めなければならない

・・・・そんな不安と義務がルイズの体を無理矢理にでも動かす

 

そしてギギギと音が鳴りそうなほどに硬く

人間にあるまじきギコチナサで首を横に回すと―――

 

 

 

 

「きゅいいいいいぃ!きゅいいいいいいぃ!」

 

『吐け』『吐け』『吐け』

 

上半身を垂直に真っ直ぐ仰け反らせた貪食ドラゴンが

両側の手の甲と頭に『吐け』と光る文字を書かれた状態で

逆さに持った風竜が幾ら暴れようとがっしりと胴を掴んだまま

上へ下へと力強く、ひたすら激しく振り続ける

 

そしてこの二体から距離を置く二人が居り

一人は皿に盛られた草、もとい葉もの野菜を食みながら

これらをただ見物し続ける背の小さい青髪の少女

 

もう一人はこの現状にとても落ち着かない様子で

貪食ドラゴンを見たり青髪の少女を見たりと

困惑しているのが見て取れる黒髪の少女シエスタ

 

なにがどう合わさってそうなってしまうのか・・・・

予想だにもしない出来事が目の前で起こっていた

 

 

 

・・・・

 

この光景を目にしたルイズの行動は速やかなものだった

 

口を開かず真顔のままパイを片手に地を駆け

声が充分届くだろう距離になると閉ざしていた口を大きく開き

なんの表情も表れずにいた顔には赤みがかった憤怒が現われ

それはそれは大きく息を吸い込み・・・・

 

「なにしてんのよあんたらああああああああああッ!!!」

 

猛々く、はっきりとした発音の叫びはここから離れた距離にある

キュルケの部屋にまで届き、彼女を大変驚かせたそうな




次回こそ街に入れない
そしてデル公とかも出せたらいいなぁ・・・・

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