「クラス代表は織斑一夏。異存はないな。」
「「「は〜い♪」」」
「はぁ…」
俺とセシリアが辞退した事によって自動的に一夏がクラス代表になったが、一夏よ……
態度に不満が出ているぞ?
約一名を除き、クラス全員が一丸となった瞬間だった
インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~
第十二羽 学園生活
机で伏せている一夏のもとに、慰めの言葉をかける為に俺とセシリアは向かった
「はぁ〜……」
「諦めてクラス代表をまっとうする事だ、これがな」
「そうですわよ一夏さん、私達が認めたのですから、頑張ってもらいませんと」
「でもよ〜…俺は秋奈にもセシリアにも負けてるんだぜ?なんかよ〜……」
モチベーションが上がらないと言う訳か…
確かに一夏は、負けたがそれを補う程の収穫があった事に気付いていないな?
成長速度は異常に高いと言う事を……
いくらセシリアと同じ様な戦法で攻めたとしても、起動時間数時間の奴が対処出来るかと聞かれればNOだ
実戦は何よりの糧となる、と言うが彼の学習能力は高水準、みっちり鍛えれば一年後には今の俺に追い付くかもしれない
俺と違い後ろ盾がない一夏には強くなってもらわなくてはならないと言うのに、これは嬉しい誤算だ
「そう腐るな、お前には才能がある…世界の頂に挑めるほどの強さを身に秘めているさ」
「つよさっか……」
「あぁ、強くなって家族を…姉の名を守るんだろ?」
「ッ!聞いてたのかよ………そうだな!俺は強くなるぞ!」
「それでこそ私と秋奈さんが認めただけの事がありますわ♪」
単純と言うか何と言うか、まぁ、一夏の調子が戻ったようだからいいか
「…所で秋奈とセシリアって仲がいいよな?知り合いだったのか?」
ん?知り合い、ね……
「六年前からだから………幼なじみ、かな?」
「そう、ですわね」
世間一般から見ると『幼なじみ』なんだろうが…
なんか釈然としないな…
セシリアも納得していないみたいだし……
俺はセシリアとどんな関係を望んでいるんだ?
「幼なじみなら俺にもいるぜ!箒!ちょっと来いよ!」
……俺らの雰囲気が読めないのか?
「大声で呼ぶな一夏!」
「秋奈、コイツが俺の幼なじみの篠ノ之箒だ!」
「自己紹介くらい私にやらせろ!」
……篠ノ之とやら一夏のペースに乗せられているぞ?って篠ノ之?
「……篠ノ之さんってもしかして―――」
「ッ!あ、あの人は関係 「剣道全国大会優勝者でしょ?」 ……へ?」
「強さの中に芯の通った決意を感じたから覚えていたよ」
「そ、そうか」
「あぁ…sssにスカウトしようとしたが、学園に入学したから手出しが出来なくなってしまってね」
「俺も優勝したのは知ってたけど、秋奈がそこまで言うのなら見てみたかったな……」
「一見の価値はあるぞ。そこまで篠ノ之さ 「箒でいいぞ!私も秋奈と呼ぶ。」 あぁ…わかった」
その後、休み時間が終るまで箒の試合について話し合っていた
………でも
「……秋奈さん、随分と箒さんにお熱なんですわね?」
「あぁ…逃がした魚はデカかったって感じた」
「そうですの……………………
………………釣れている魚がいると言うのに」
「どうしたセシリア?」
「なんでもありませんわ!」
何故かセシリアが不機嫌になってしまったのだった
◆
放課後
「―――便所が職員用のしかないから気の付けろよ?」
「そうか…」
「あぁ…それと―――」
久しぶりに同性と話せたと喜ぶ一夏に乗せられて結構な時間まで話し込んでしまった
まぁ…仕方がない事か
一ヶ月とは言え、一人だけ男だったんだからな…
俺だったら耐えられないかな?
「――だからな。って聞いてるか秋奈?」
「うん?あぁ…聞いてるよ」
聞いてなかったけどな
「ならいいけど。それでな、このあと 「雑賀君いますか〜?」 ん?山田先生?」
呼ばれて顔を向けると、副担任の山田先生が書類を片手に立っていた
「どうかしましたか?」
「えっとですね、雑賀君の部屋が決まったので教えにきました」
「え?秋奈は俺と同じ部屋じゃないんですか?」
「政府が色々と煩いんだ。今だけだから我慢しろ織斑」
開けられたドアに体を預けながら織斑先生が教えてくれた
確かにsss社長である俺と世界初男性操縦者である一夏が同室になると何かしらのアクションがかけると思うのはごく自然だな
「……そういう訳だ。わかったな雑賀?」
「わかりました」
企業同士、会社同士の腹の探りあいは嫌と言うほど潜ってきた
それは織斑先生も同じと言う事か
「……どういう訳だよ?」
「……一夏は知らなくていい事だ」
そう、一夏にはまだ早いからな、この世界は………
「それで、俺の部屋は?」
「はい、そのうち許可も下りると思うんで1024室、織斑君の隣にしました」
「わかりました」
「少しばかりの我慢だ、織斑」
「わかったよ、ちふゆね……織斑先生」
「ふ〜…では私達は会議があるから失礼する」
たぶん俺の部屋割の件だな……
織斑先生と山田先生には苦労をかけているなっと思いながらも教室から出ていく二人を見送った
「さて、俺は部屋を見に行くが一夏?お前は?」
「俺も帰るよ。あっ!後で飯誘いにいくからな?」
「あぁ…待ってるよ」
そして俺達も教室を出て部屋に向かったのだ
◆
部屋の前で一夏と別れ、いざ自分の部屋へと入ってみると……
「安っぽいビジネスホテルかよ……」
……一様、羽毛布団らしいが質が悪いな
しかも枕が一つ、か…
とりあえず荷物を部屋の片隅に置き、携帯を取り出した
『ppppp… どうしたんだい秋奈?』
「あぁ…磯野、用意してもらいたい物がある」
我社の執事長であり右腕の男、磯野にかけた
「俺がいつも使っている布団に枕を3個」
『羽毛のSランクに枕が3個……枕ってそんなに使うかい?』
「使うさ……」
頭に一つ、抱くのに一つ、足に挟むのに一つ。
俺は枕に囲まれたい!
「それとPCを一台欲しいな、ノートだけじゃ物足りない」
『わかったよ……他に何かいるかい?』
「特にない 「ティーセット一式ですわ!」 ……ティーセットで」
『了解、明日までには届けるよ』
「助かる、また連絡する」
とりあえず欲している物を磯野に伝えので、我が部屋に来た侵入者を迎えるとしよう
「……セシリア、せめてノックぐらいしろ」
「細かい事は気にしなくてよ?」
気にするって……
「………誰から聞いた?」
「一夏さんですわ。殿方同士だと思って伺ったのですが、違ったみたいでしたので……」
「一夏も一人か?」
「いいえ、篠ノ之さんと一緒ですわ」
「……箒と?」
男女別じゃないのかよ
どうなっているんだ、この学園?
「普通、思春期真っ盛りの男女を一緒にするか?」
「本当ですわ……
……私ですって秋奈さんと一緒がいいですわよ」
「なんか言ったかセシリア?」
「なんでもありませんわ」
顔を赤くしながら、返事を返すセシリア
昼といい、今といい、コロコロと表情が変わるな…
しかし、幼なじみと言う理由で同じ部屋と考えると俺の場合、セシリアか……
…………
…………
…………
いかん!俺の理性がもたん!
セシリアとの同棲を想像してしまい自分の顔に血が昇っていくのがわかる
「……どうかしまして?」
俺の変化に気付いたのか、下から見上げてくるセシリア
いかん!り、理性が!
俺の理性が本能と言う荒波に呑まれそうになった瞬間……
「セシ 「秋奈〜飯食いに行こうぜ〜」 ……。」
荒波が一気に引いていく
「……セシリア、夕飯を食べに行こう」
「え、えぇ……
……一夏さんの馬鹿」
俺は、本能に打ち勝ち夕飯を頂くのであった
しかし……
食事中ずっとセシリアは、一夏を睨んでいた
一夏には悪いがセシリアの色んな顔が見れて少し嬉しかった雑賀秋奈でした
「……なぁ、秋奈?俺セシリアに何かしたか?」
「……さ〜な。」
「何かって何をした一夏!」
「それがわからないって言うんだよ!竹刀を向けるな!」
………うん。
平和だ。
◆
4月下旬、遅咲きの桜の花がちょうど全てなくなった頃……
「よし、飛べ」
……織斑先生の授業を受けている
IS基本的飛行操縦を実戦する為に指名され、一夏、セシリア、俺はISを起動させ飛び立った。
結果から言うと俺が1番速く目標地点に到着しセシリア、一夏の順で到着した
『何をやっている。スペック上の出力は八咫烏には劣るが、ブルーティアーズよりは上だぞ』
八咫烏は高速戦闘をコンセプトに作られているからな……
出力では他の機体には負けられませんよ
………その他は、白式に負けるけどな
「えぇと……急上昇は確か『前方に角錐を展開するイメージ』」
「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ。」
「そう言われてもな…だいたいどうやって浮いてるんだ これ?」
「……反重力力翼と流動波干渉の話になるぞ?」
「うっ……いや…いい説明はいい……」
「だろうな……」
一夏にはっと言うか一般的な高校生にする話ではないな…
「そう…残念ですわ。」
「セシリア、その話を理解出来るのは代表候補生だけだ」
「そうですの? 秋奈さんは理解しているようですが?」
「セシリア… 俺と秋奈を一緒にするなよ」
……失礼だな
人を人外みたいに言い寄って
俺だって最初から理解出来た訳ではないぞ?
ノエルさんの指導のもと、技術方面も教えられたからな!
………勉強中には甘い物!って言われて出されたクッキーには死にかけたけどな!
物体Xと呼べたな、あれは!
噛むとグニグニするんだよ!
断じてクッキーではなかったな………
ギュイィィィィ……
………ズドォァン!!
闇歴史を振り返っている中、一夏が自爆した
「……何やっているんだあいつ?」
と言うかどんだけ考え込んでいたんだ 俺?
俺の短所が発見した事と一夏が自爆した事以外は順調に授業は進んだのであった。
◆
「というわけでっ!織斑君クラス代表決定おめでとう〜!!!」
………どう言う訳だよ。
いきなり拉致されたと思ったら就任パーティーかよ!
何なんだ!このクラス!祭り好きか!
「……磯野からの報告書読まなきゃならないんだけどな」
「たまには休息も必要ですわよ?秋奈さん」
俺の隣をナチュラルに陣取るセシリアに諭されながらもジュースを飲む
「俺には騒ぐ理由が欲しいだけにしか感じられないがな」
「……一理ありますわね」
全く、織斑先生も大変だよな
このクラスの担任で…
「あっ!いたいた〜♪セシリアちゃんに雑賀く〜ん♪」
セシリアと話している中、メガネをかけた女がやって来た
「代表候補生と社長さんのインタビュー件コメントが欲しいから協力してね?
これ名刺!よろしくね〜!」
名刺を受け取り、確認してみるが・・・新聞部副部長 黛薫子
ふ〜ん 新聞部ね〜
「まずセシリアちゃんから!……ズバリ織斑君にクラス代表を譲った理由は!?」
「わ…私ですか?」
直球だな〜
まぁ〜グダグダで時間をとるよりマシか……
「こう言うことはあまり好きではありませんが仕方ないですわね……まず、どうして私がクラス代表を辞退したのかというと…「ああ、長くなりそうだからいいや♪」 ッ!聞いといてそれですか!?」
「織斑君に惚れたからって捏造するから♪」
「断じてありえませんわ!!!」
おい…そこの記者……
捏造するなよ……
つーかセシリア。
そんなに断固否定すると一夏が傷つくぞ?
「お〜怖い怖い♪…え〜と、次に社長さんいいかな?」
「……どうぞ。」
「ありがとう〜…ズバリ織斑君に戦いを挑んだ理由は!?」
「俺の中にある闘争心に火が宿ったからだ。」
「わぁお♪読者向けのコメントありがとう〜♪」
……捏造されたら困るからな
「次に、今後のsssの方針は?」
「……企業の拡大とIS部門の積極的進出」
「ふむふむ……sssは、世界各国と同様に第三世代を作ると?」
………ふむ
「……俺のISは、SSS製造の第三世代型だ。」
「なるほど〜SSSは、第三世代の製造に成功していると。……第三世代の製造は、日本政府からの要請で?」
……これは?
「企業秘密だ、っと言うか生徒の俺じゃなく、社長の俺に対する質問だな?」
「いや〜♪大企業の社長さんにインタビュー出来る機会なんて滅多に無いもんだから…つい♪」
「はぁ〜……」
この後も、根掘り葉掘り聞かれたが、SSSに対する質問は企業秘密にして答えなかったがな。
最後に写真を撮るっと言われた時、何故かセシリアが俺とのツーショットを希望していた。
俺も欲しいから撮ってくれ!って言ったらセシリアが顔を赤くした。
………なぜ?
「どうやらオルコットは、敵では無いらしいな。」
「セシリアで構いません。私も箒さんと呼びますわ。」
「あぁ、わかったよセシリア。……お互い頑張ろう。」
「えぇ、頑張りましょう。」
就任パーティー中に、不思議なタックが結成されていたのは、一夏だけが知らない