IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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完了


十四羽

 

「―――って感じだったのよ!」

「まぁ!一夏さんったら乙女心をわかっていませんわね」

「そうなのよ!全く一夏は、昔から唐変木なんだから!」

「……紅茶のおかわりいるか?」

「「いただきますわ!/いるわ!」」

 

way? 神よ…どうしてこうなった?

 

セシリアが鈴を連れてきたのは、百歩譲って良しとして、なぜ鈴の愚痴を一時間も聞かなければならないのだ!その間、俺はお茶くみだよ!

 

「……興奮も治められる様にハーブティーにしたから、そろそろお開きにしろ。消灯時間も近い、織斑先生に注意されるのはキツイだろ?」

「そうね、そうするわ。」

 

礼儀や作法を無視し、ズズズっと飲む鈴

一度注意したんだが、彼女いわく『女々しいからイヤ』だそうだ

この時に、呼び名についても言われたな

 

「しかし、秋奈って気配りや気遣いが上手いわね?……一夏に爪の垢でも飲ませてやりたいわよ」

「長年企業のトップを務めているのだ、そのぐらい出来なければ社員達は付いて来てくれないよ」

「……セシリアもそうなの?」

「社交界のマナーと言えばいいでしょうか?……一夏さんも経験を積めば出来る様になりますわ」

「どうだか…あいつには、無縁の話しよ」

 

確かに、一夏には難しいとは思うが、レディーの扱い方は覚えるだろう

 

「……結局、どうするんだ?一夏が、その約束を正しく思い出すまで許さないのか?」

「思い出すだけじゃダメ!謝るまで許さないんだから!」

「そこまで怒るって、そんなに大切な約束なのか?」

「うッ!そ、それは……」

 

言い止る鈴の様子を見る限りでは相当大切な約束だと読み取れるが、実際はどうなのだろうか?

 

「秋奈さん?人の大切な約束を無理に聞くのはNGですわよ?」

 

これは俺とした事が……まだ精進が足りていないようだ

 

「それもそうだ「待って!」……どうした?」

「秋奈達は、私の愚痴に付き合ってくれたし言うわ!……………『私が料理出来る様になったら毎日酢豚をつくってあげる』って約束したのよ」

 

これは……

 

「『みそ汁を作る』中華版、か」

「乙女の一世一代の告白を忘れるなんて……」

 

これは、一夏に代弁の価値はないな……

 

「……だから謝るまで許してあげない!許すもんか!」

 

………一夏だと期待出来ないとは、この場では言い出せない、これがな

 

「……長い戦いになるとは思うが頑張れ」

「私達も応援してますわ!」

 

俺は、こっち側なのね

まぁ〜今回は、一夏が悪いし仕方ないか

 

「ありがとう二人共!」

 

その後も軽く話した後、お開きになった

はぁ〜、一夏よ……

なんで、こんな大切な事忘れるかな……

 

 

しかし、鈴の思いは叶わず数日が経ってしまうのであった

 

 

 

IS ~八咫烏の導き~

 

第十四羽  禁忌

 

 

Side 一夏

 

 

鈴の件から数日が経った

あれからずっと鈴には避けられてるし、こっちは怒ってる理由すらわからない

秋奈とセシリアは、何か知っているみたいだけど、『自分で気づけ!』の一点張り

俺にどうしろって言うんだ………

 

「こら!聞いているか 一夏!」

「明日からアリーナが使えないって言うのに随分余裕だな 一夏?」

「代表候補生を舐めない方がよろしくてよ? 一夏さん」

「……あぁ、わかってる」

 

いつものメンバーである箒、秋奈、セシリアにせかされるが、鈴の事がどうしても気になる

 

「……なぁ秋奈? 鈴が怒っている理由を教えてくれないか?」

「こればかりは、無理だ」

「一夏さんが悪いですわよ?」

「はぁ〜……」

 

やっぱりダメか……

 

「一夏!今は対抗戦に集中するんだ!」

 

……約束が違うのか?

 

「聞いているのか一夏!」

 

いや、あれであっている筈だ

 

「おい無視するな!」

 

じゃあ、なんで避けられているんだ?

 

「だから無視するな!聞け!一夏!!」

「俺は聞いてるって!」

 

というかなんで俺が怒られてるんだよ!

 

何か理不尽なものを感じつつ、ドアセンサーに触れた

どうでもいいが、ドアがバシュッと音を立てて開く音って格好いいな

 

ドアが開くと……

 

「待ってたわよ、一夏!」

 

ピットに鈴が仁王立ちしていた

怒り心頭だったのに、どういう変化だ?

 

「強行手段にでたか!」

「どういうつもりで? 鈴さん。」

 

なんか秋奈とセシリアが盛り上がっているな

 

「貴様、どうやってここに――」

「箒さん!ここは、私の顔に免じて許してください!」

「せ、セシリア!」

 

セシリアが鈴を援護してる!?

なんか二人共頷きあってるし!

 

「ありがとうセシリア、……で一夏…反省した?」

「へ?なにが?」

「だ、か、らっ!あたしを怒らせて申し訳なかったな〜とか、仲直りしたいな〜とか、あるでしょうが!」

「いや、そう言われても……鈴が避けてたんじゃねぇか」

「あんたねぇ、女の子が放っておいてって言ったら何もせずに放っておく訳?」

「おう!」

 

そりゃそうだろう。

放っておいて欲しいんなら、放っておいてやるのがいいだろ

 

「……一夏、マイナス一点。」

「なんだよ秋奈?変な事言ったか?」

 

………なんかため息つかれた

幸せが逃げるぞ?

 

「あんたって……いいからとにかく謝りなさいよ!」

「なんでだよ!ちゃんと約束覚えてたじゃねぇか!」

「約束の意味が違うのよ、意味が!」

「意味ってなんだよ!俺は納得出来ないまま謝るつもりは無い!」

 

一度啖呵を切った以上、引き下がれるか!

 

「……一夏さんマイナス2点ですわ。」

 

今度はセシリアかよ!

 

「わかったわよ……じゃあこう言うのはどう?来週のクラス対抗戦で負けた方は勝った方の言う事を何でも一つだけ聞く事!」

「おう!いいぜ! 俺が勝ったら約束の意味を教えて貰うからな!」

 

約束の意味が鈴を怒らせているんだ!

教えて貰うぜ!

 

「えっ!あ…だから…意味は、その……」

 

鈴は焦りながら、赤くなった

屈辱的な事なのか?

 

「「……マイナス2点。」」

 

今度はダブルかよ!

……合計マイナス5点?

 

「……なんだ?やめるならやめてもいいぞ?」

「誰がやめるか!あんたこそ謝る練習しておきなさいよ!」

 

なっ!親切に聞いているのに!

 

「なんでだよ馬鹿!」

「馬鹿とは何よ!この朴念仁!間抜け!アホ!馬鹿はアンタよ!」

 

………むかっ。

 

「うるさい!貧乳!」

 

一瞬俯いた顔が上がり、目をキリッとさせた鈴が俺を睨んだ

 

―――あ。やばい。

 

ガギィイィィィィン!

 

金属と金属が激しくぶつかり合う音が響いた。

一瞬の事で、わからなかったが、ISを展開した鈴の右腕で振り下ろされた拳を秋奈が同じくISを展開させ、双銃の片方で防いだ音だった………

どうやら俺は秋奈に守られたらしい……

 

…………でもよ、

 

「……秋奈さん、どうして銃口がコチラにムイテいるのでショウカ?」

 

俺の警戒音がビンビンになっているぞ!

IS無しで!

 

「一夏、レディーに対する禁忌その一、身体的特徴の暴言。………今のはマイナス100点だ」

「い、いや、悪い。今のは俺が悪かった!すまん!」

「今の『も』だ。……前にマイナス5点貯めている。……それに謝るのは、俺じゃない」

「鈴!悪かった!だから秋奈をとめ 「人に頼るな!」 う゛……」

「威力は落としてある。…………逝ってきな」

「字が違うッ!グァァァ゛〜!」

 

俺は、薄れていく意識の中、勝敗がどうあれ鈴に謝らないといけないと思い、また秋奈には逆らわない様にすると誓って意識を手放したのであった

 

 

out 一夏

 

 

 

 

 

「―――てな訳だったんですよ?だから見逃してください」

「愚弟の失態だ。見逃してやりたいが、教師としては見逃す訳にはいかない。」

 

………はい、秋奈です

只今、生徒指導室にて説教中です

あの後、山田先生に一夏制裁を見つかってしまって連行されました

 

「ISの無断展開、一般生徒に暴行………何か言い訳は、あるか?」

「……ありません。」

 

鈴も展開していたが、俺が逃がした

傷付いた乙女には、この説教を受けるのはキツイからな

 

「よろしい、処罰は二週間の自室謹慎だ。」

「……それだけですか?」

 

処罰にしては優しいな

 

「sss社長の暴力行為、これ程までにマスコミが食いつくネタはないだろう」

 

なるほど、表向きは俺へ借りを作る為に、裏ではSSSからの援助を受けているIS学園でこの事を表沙汰に出したくないから事が落ち着くまで行動を制限すると言った所か

……釈然としないが織斑先生個人へと言う事なら借りを作っておきましょうか

 

「了解です……クラスのみんなには?」

「お前の場合は、仕事が忙しくなったで通じるだろう」

 

二週間は苦しいが………妥当だな

 

「わかりました」

「では、もういいぞ」

「はい」

 

用も終わり、早々に生徒指導室から出る

自室謹慎だから仕方ないとはいえ、対抗戦の応援には行けないのか

 

あ〜……

マジで暇になるな、これは……

本当に仕事するか?

 

などと全く反省の色を見せずに寮に向かっていると……

 

「秋奈………」

「秋奈さん……」

 

鈴とセシリアが、寮門で待ち合わせていた

 

「セシリアに鈴……どうしたんだ?」

「秋奈さんが、連れていかれまして心配で待っていましたわ」

「……どうだったのよ?」

 

かなりの時間を待っていたみたいだな

二人の足元には、飲み終わった空き缶が置いてある事から

 

「二週間の自室謹慎」

「そう、ですか」

「ごめん…あたしのせいで……」

 

明らかに鈴は、落ち込んでいるな

俺が良かれと思ってした行動だから後悔はしていないと言うのに、ったく……

 

「そう落ち込むな、織斑先生も理解してくれているし、カタチだけの処罰だ………それより一夏は何か言っていたか?」

 

説教中でも、そればかり気になっていた

いくら一夏に非があるとは言え暴力で制裁してしまったのだからな

 

「一夏さんは、『秋奈は俺の為を思ってやったんだ。怒るはずない。』とおっしゃってましたわ」

「そうか……」

 

一夏って本当にイイ奴だな

あんな事したんだから、普通怒るぞ?

 

「鈴、応援に行けなくなったが、頑張れよ?応援してるかなら」

「秋奈……」

「お前らしくない、別に謹慎だからと言って遊びにくる奴を追い返せ!っとは言われていないんだ………何時でも遊びに来い」

「……うん!わかったわ!絶対に謝らせてやるわよ!」

「その意気だ……そろそろ自室謹慎の身なんでね?失礼する」

「うん!遊びに行くから!」

「おう!待ってるぞ」

 

二人に見送られながら、俺は自室に戻っていったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………のだが、

 

「……いくらなんでも早過ぎではないか?セシリア」

「あら?追い返しますか?」

「そんな事する筈ないだろ?」

 

ざれ言を一言二言交わし、紅茶をいれる。

 

「一夏の周りは素直じゃない奴ばかりだな。箒に鈴………もしかしたら織斑先生もか?」

「これは素直ではなく、照れ隠しですわよ?」

「……俺もまだレディーを理解していないようだな」

 

二人で苦笑しつつ、紅茶をすする

前に一夏に言われたのだが、俺とセシリアが、こうしてお茶をしていると別世界になるらしい……

 

意味が分からん

 

「……秋奈さん、少しよろしくて?」

 

ん?

少し考え込んでいたか…

 

「……なんだ?」

「秋奈さんは、お友達の鈴さんの為に嫌われるかも知れないのに一夏さんを撃ちました。もし……

 

 

 

 

………鈴さんではなく、私でしたらどうしてましたか?」

 

ふむ……

一夏に暴言を言われたセシリアか

 

「……社会的抹殺する」

「なっ!例えでも行き過ぎではありませんか?」

「そうか?」

 

セシリアは、俺の……

八咫烏の守護に入っている

守護下の元にいる者に対する敵対行動は全力で排除するものだ

 

……だが、守護うんぬんとは違う感情もあるのも事実

 

これは……いったい…

 

「大切な人が馬鹿にされるのが許せない……からか?」

「えっ!今なんと?」

 

おっと、口に出てたか…

 

「いや、何でもない………忘れてくれ」

「……納得出来ませんが、わかりましたわ」

 

そう言って紅茶を飲むセシリア

セシリアか……

 

一度、セシリアに対する気持ちを見つめ治す必要があるな

考え込まないよう注意しながら、セシリアとのティータイムを時間が許す限り楽しんだのであった。

 

 




秋奈がセシリアと鈴と別れた後に……


「秋奈って優しんだね?セシリア」

「えぇ…本当に……」

「そんな秋奈にセシリアは惚れたんだね?」

「そうですわ………って何を言っているのですか!」

「照れない照れない♪」

「う〜…わ、私もう行きますわね!」

「秋奈の所に?」

「鈴さん!」


と言う会話が成り立っていた事を秋奈は知らない。
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