IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

17 / 47
十五羽

雲一つない晴天の中、クラス対抗戦が今日行われる事になっている

 

「――と言う訳だ。十分に気をつけろよ?」

『OK、秋奈』

 

そして、俺は自室とピットで離れているが、通信で鈴と対一夏の最終注意事項を話し合っていた

 

なぜ同じクラスの一夏側につかないのか、だと……?

 

鈴と同じ事を……

 

『秋奈は一夏に協力してると思っていたけど……何で、あたしに協力してくれるの?』

 

そう質問されたのは、謹慎を受けて翌日のことかな?

確かに俺は一組で、鈴は二組

クラスを裏切っているが、俺の中では些細な事……

ただ二人には最高な試合をやってほしい気持ちの方が強かっただけさ、これがな

 

なので対抗戦までは、IS素人な一夏にセシリアが助力し(ほとんど箒が訓練してたが)、代表候補生の鈴に自称経済解析者 兼 自称戦闘解析者の俺が助力し、最高な試合を行う為に力を貸している訳だ

 

『―奈、秋奈!ちょっと聞いてるの!?』

 

っと考え込んでいたか…

 

「あぁ…、大丈夫だ。」

『時間だから行くわ……モニターでシッカリとあたしの勝つ所を見てるのよ!』

「了解、楽しみにしてる」

『えぇ!じゃあ行くわ!』

 

プツンと通信が切れて、画面が黒くなる

俺は素早く手を動かし、黒画面に新しい光を入れた

 

「……満員御礼だな。」

 

左上にLIVEと書かれた画面――

アリーナが映し出され、そして5分も待たずに、颯爽と現れる白と……茶?いや紫?

……とりあえず両者が揃い多くのギャラリーが見守る中、試合は開始された

 

……………うむ

 

「………防戦だな。攻めなければ勝てないぞ 一夏?」

 

箒との訓練の成果なのか、鈴の初撃を防いだのは、評価するが……

第三世代型兵器『衝撃砲』に苦戦しているのが直ぐにわかる

やはり、砲弾・砲身が見えないのがキツイのか?

 

……俺だったら

 

肉を切らせて骨を断つ、だな

急接近し、衝撃砲使用時に出るタイムラグを狙い、弐式……いや、『三本目の足』を使うか?

でも『アレ等』は全て威力が高すぎて、シールドエネルギーを突破してしまう可能性が捨てきれない

 

やはり弐式か……?

 

衝撃砲対策を考えながらも、モニターを見るが…

 

「……ははは。」

 

一夏の目つきが変わっていた、俺の時と同じく覚悟を決めた目だ

本当にこの試合は、どうなるかわからないな!

 

お互いが構え直し、一夏が動いた瞬間……

 

 

ズドオォォォォン!!!

 

 

激しい音と砂煙が舞い上がった

 

 

「………っ!!!」

 

砂煙が晴れ、乱入者がモニターに映った瞬間、俺はアリーナへと走り出していた

 

 

 

インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~

 

第十五羽 襲撃

 

 

 

 

……ようやくだ

ようやく、餌に虫が食いついた!

 

遮断シールドを貫通するだけの攻撃を放てる全身装甲の機体

 

一夏へ対する公共の場での強行襲撃

 

そして何より……

 

 

無人機を製造できる技術力!

 

 

 

SSSの情報収集力を過信している訳ではないが……

全世界で無人機の製造・開発に成功・隠蔽している企業が存在するとはあがっていない!

ただ気掛かりがあるとすれば………

 

……コアナンバー

 

存在するナンバーであるとこの襲撃は虫の可能性が高い。

逆に存在しないナンバーなら……

 

……いや、やめよう。

 

やっと掴んだチャンスだ、『if』を考えるより、今は目の前の事に集中するべきだ

考えをまとめ、スタジアムに入り階段を駆け登る。

 

ステージに1番近く通じる扉は……

 

「秋奈さん!!!」

「っ!セシリアか!」

 

扉に向かう途中でセシリアに呼び止められた

 

だが、ちょうどいい!

 

「秋奈さん、どうして 「状況はどうなっている!」 っ!……ステージに通じる扉は全てロックされ、遮断シールドがレベル4に設定されてます。」

「なにっ!」

 

あの機体の仕業か!

……上等だ!俺も覚悟を決めるぞ!

 

「……セシリア観客席に行くぞ」

「ですが!遮断シールドがレベル4に!」

「俺に考えがある」

「……わかりましたわ」

 

観客席に走りながらも、セシリアに作戦を伝える

 

「やる事は簡単だ。俺が遮断シールドを破壊し、セシリアがあの機体を容赦なく狙い撃て」

「っ!あれには人が乗ってますわよ!」

「あれは無人機だ」

「………えっ!」

「あのスラスターの量は、人が乗る事を前提に考えていない……同じ高機動型を乗る俺にはわかる」

 

いくらISが優れていたって、あのスラスターの量が生み出すGは、操縦者の事を考えてはいない!例えGが軽減できたとしても次の行動に支障を生む

 

……有人機であっても『亡国』の連中だし、セシリアが人殺しになろうとも

 

………。

 

「でもどうやって遮断シールドを!?」

 

………。

 

「……SSSの八咫烏は元々、二本足だった」

「えっ!?何の事ですか?」

「聞いてくれ、数多の文献の中でも八咫烏は三本足で語られている。……しかしそんな幻想的な足では欲しい物は掴めないとデザイナーは考え書かなかった」

「……でもSSSの八咫烏は三本の足がありますわよ?」

「先代……父様が幻でも何でも掴める物は多い方がいいって言ってな?」

「まぁ」

「以来、SSSの八咫烏は二本の足では掴めない物を掴みとるのは3本目の足だと言われている」

「二本で捉えられなくても、三本目で捉える………SSSの八咫烏の事は分かりましたが今は!「聞いてくれセシリア!」…秋奈さん」

「…俺のIS『八咫烏』はSSSの意志を受けて生まれている。 ……このISは、二刀一対の武器を一つにした時、二つでは得られない三本目の『力』が現れる」

「っ!その武器がシールドを破壊する程の威力をお持ちで! ……それなら遮断シールドを破った後に秋奈さんも参戦すれば一夏さん達の負担も減りますわよ?」

 

……………。

 

「確かにそうだが………………無理だ

 

………三本目は、まだ調整中で威力制御が出来ない……だから使用時に『八咫烏』のエネルギーを全て絶対防御に回す」

「えっ!?」

「……破った後、俺はエネルギー切れで動けないだろうな。」

 

レベル4のシールドを貫通させる程の威力を防ぐ為にはこのぐらいはしなくてはならないだろう

 

「……安全面は、いかがなのですか?」

「……計算上ではグリーンゾーンだと表示された」

「………わかりましたわ」

 

セシリアに渋々承諾を貰い、観客席へと歩みを速めた。

そして、観客席にたどり着くとアリーナには一夏達と不明機が対峙し、互いに様子を伺っている様に見えた

 

「よし!行くぞ!セシリア!」

「はい!」

 

俺達は、ISを展開し《ベルヴェルク》と《スターライトMKⅢ》を構えた

 

「コード・銃神………………術式始動《ベルヴェルク》解放!」

 

《ベルヴェルク》が粒子化し、一つになる。

 

「《フェンリル》展開!術式解放!弾丸トール、セット!」

 

一つになった《ベルヴェルク》……今は《フェンリル》の銃中が割れ、一つの弾、トールが現れる

 

「くっ!……続いて、エネルギー分配をシールドエネルギーに全て 「一夏ぁ!!!」 っ!箒か! 」

 

中継室に箒が!!

 

「……危険だって言うのに、来ちまったのかよ」

「恋する乙女は強いのですよ?秋奈さん。」

「………ふぅ」

 

緊迫した雰囲気から一気に和んでしまった…………が

 

「ッ!セシリア!あいつ箒にロックしているぞ!」

「なんですって!」

 

イレギュラーな存在に興味をもったか!

くそ!

まだエネルギーが、不十分だが、やるしかない!

俺は《フェンリル》を構え直し、コードを放熱システムに接続した

それにより『八咫烏』の翼は輝きを醸し出す

 

「放熱システム起動!いくぞ!セシリア!……零式・ネメシスライザー!!!」

 

《フェンリル》から発射された凶弾は、轟音と共に遮断シールドに衝突し爆発した

 

「くっ!」

 

ネメシスライザーの余波と爆風がシールドエネルギーをガンガン削っていく

だが、ボーダーラインギリギリで防ぎきり、視界が晴れ、遮断シールドが破壊出来ている事を確認する事が出来た

 

「よし、行け!セシ「秋奈さん!!!」 なっ!」

 

晴れていく煙の中、あいつの腕が……

 

先程まで箒をロックしていた腕が………

 

俺に向いている!!!

 

「ッ!俺に構うな!越えて行け!セシリア!」

 

 

鳴り響く警戒音の中、俺が最後に見た物は、光り輝く脅威と顔を青くした幼なじみだったのだ

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。