IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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十九羽

六月頭の昼前―――

 

本来なら初夏と言う事で、気温が上がり蒸し暑く感じる季節だが………

二人の間では、その暑さが感じられない…

 

「…………」

「…………」

 

お互いに口を閉ざし、二人揃って様子を伺っていた

 

「……………」

 

一方は警戒し……

 

「……………」

 

もう一方は何かを考えて……

しかし、その沈黙も直ぐに破られる事になる。

 

 

インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~

 

 

第十九羽 真実

 

 

 

「……ふぅ、このままだと昼休みに入ってしまうな?」

「う、うん……」

 

シャルル・デュノアは、吃りながら答えるが、まだ警戒してるのか?

 

「そんなに気を張るな、俺が呼び止めたのは、別に喧嘩を売る為ではない。」

「そ、そうなんだ…」

「あぁ……」

 

やはり、会社が敵対同士なのでソッチを考えていたか……

 

「呼び止めた理由は、二つだ。一つは……今朝はわるかったな。」

「………え?」

「なに……俺のダチと女から『俺らしくない』と言われてな?反省したんだよ。」

「………」

「とりあえず、その謝罪だ。」

 

そう言って頭を下げる

トップ(社長)が個人に頭を下げるのはレアだぞ?

トップは常に、偉くなければならないからな……

 

「え?えぇぇ!?だ、大丈夫だよ!僕は気にしてないから!」

 

手を慌ただしく振り、焦るシャルル・デュノア…

……ふむ、こういう仕草を見るとまだ年相応、こちらの世界に慣れていない事が伺える

 

「そうか、ありがとう………で、もう一つだが…」

「なにかな?」

 

最初に比べ目に見える様に、緊張が解けていたが…

 

「……俺と友達にならないか?」

「………へ?」

 

直ぐに、顔が頬張った…

コロコロと表情が変わる奴だな

 

「だから、会社の事を無しにして俺と友達にならないか?」

「え?えぇぇ!?」

「そう騒ぐな、先生も言っていただろ?ここにいる間は生徒と生徒だ。……仲良くしようじゃないか?」

「…………」

 

俺の言葉が、信じられないのか口を開け、ポカーンとしている。

 

本当に良く表情が変わる、面白い奴だ

だが、このまま放っておくのもいいが、昼休みが無くなってしまうし

 

「……やはりダメか?」

 

答えを聞いてみる。

するとシャルル・デュノアは目を輝かせ……

 

「ダメなんかじゃないよ!僕嬉しいんだ!まさか雑賀と友達になれると思っていなかったから!」

 

良く見てみると、笑顔の中にうっすらと涙が伺えた。

輝いていたのは、涙の性か?

こんなに喜んでくれるとは驚きだ

 

「秋奈だ。……友達なら名前で呼んでくれシャルル。」

「っ!うん!わかったよ秋奈!」

 

……ふむ

無事仲直りもした事だし、そろそろ行くか

 

「機体の整備があるんだろ?俺は先に行く。………って言っても一夏に昼メシ誘われているんだろ?」

「うん!屋上で食べようって!」

「そうか……俺も残念な事に誘われている、これがな」

「…残念な事?」

「あぁ、シャルルは知らないのか……人の恋路を邪魔したくないんだが、断れなくてな」

 

心に思うは、箒の怒った顔……

あぁ、本当にすまない、箒……

 

自分の無力さを感じながら、俺は購買で、昼メシを買う為にも更衣室に足を向けたのだが…

 

「……ねぇ、秋奈。」

「……なんだ?」

 

さっきの笑顔を消し、顔を伏せながら…

 

「本当にいいんだね?僕が友達になって?」

 

…と聞いてきた。

 

…………

 

………なるほどな

 

「SSS社長は、相手の後ろ盾を見ない……気にするな。」

「……そっか、ありがとう。」

「あぁ……」

 

元気のない返事を意味合いを込めて返し、その場を後にしたのだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

足元に購買で買った昼メシを置き、壁に寄り掛かりながらも俺は電話をかけていた

そう、SSSのデュノア社抹殺計画実行部に…

 

『………本当かい?秋奈くん?』

「俺を信じろ磯野。」

 

もちろん部長は俺。

副部長は磯野。

書記はノエルさん。

 

………どうでもいい事だな

 

「…まさか初日から核心をつけるとは、思っていなかったが………シャルル・デュノアはスパイだ」

『デュノアの血は、争えない、ですか……』

「……」

 

シャルルも爪が甘い。

『本当にいいんだね?僕が友達になって?』

裏を返せば…

『僕はスパイで、君のIS情報を貰っちゃうけど本当にいいの?』だよな。

 

「……対象は、『白式』と『八咫烏』だな。贋作者も調べたい所だが、今は学園が管理してるし、ノエルさんの情報ではシャルルは、専用機持ちだから貸出申請は、通り難いだろう」

『なるほど……で今後は、どう動きます部長?』

 

声が笑っているぞ磯野?

まぁ、先代の頃から働いている磯野だ。

敵の失態を喜んで当たり前か…

 

しかし……

 

「……まだ、泳がせる」

『なッ!なぜですか!?』

「シャルルはデュノアの血縁関係だが、考え方は、まるで違う……むしろ俺の心配をする程のお人よし、どうも父親とは違う様に感じられる」

 

まだ多くは話していないが、あの対応、仕草、話し方を総合して見るに『あのデュノア』と『シャルル』は違う人間だと感じられた。……先入観で判断していた俺では行き着かない答えだったと思う

そこは、一夏とセシリアに感謝しなくてはいけないな

 

『お人よしですか……。わかりました、コチラは引き続きノエル女史の情報をまとめます。』

「あぁ…、あと保険としてプランBも会議してくれ」

『プランBですか?……会議しなくてもノエル女史に決まりそうですよ?本人の希望で……』

「一応だ」

『……わかりました、では失礼します』

「あぁ……」

 

 

電話を切り、昼メシを持つ…

デュノア社の消滅はカウントダウンに入った

後はシャルルの事だけだが、シャルルの出方によっては……

俺は、今後の事を考えながらも屋上へと繋がる扉を開く

 

「遅いぞ、秋奈。先に食ってたぞ?」

「わるいな、一夏」

 

屋上には、他の生徒は、いなく、一夏、箒、鈴、セシリアと言ういつものメンバーにシャルルを足して円になるように座って食事をしていた。

俺は、セシリアの隣に座り円の中にまざったのだが…

てっきり、箒から何か言われるものだと思っていたのに言われなかった。

むしろ上機嫌で頬を染めている。

 

一体どうしたんだ?

 

「一夏が口を付けた唐揚げを篠ノ之さんに『はい、あ〜ん』していたんだよ。仲睦まじいね」

 

疑問に思っていた事の答えをシャルルが教えてくれたが………なるほど、しかし……

 

「……間接通りこして、そこまでいったか、一夏」

「?……あぁ、秋奈も唐揚げ欲しかったのか?」

 

………ダメだコイツ

冗談抜きで、いつか刺されるぞ?

一夏に対する評価を改める必要があると感じる今日この頃……

今まで視線に入れない様にしていたが……

 

セシリアよ……

 

その期待に満ちた目はなんですか?

その意味合いを込めてセシリアに視線を送ると…

 

「デュノアさんが、日本のカップルは『はい、あ〜ん』をすると言うので『ゴーイング・ゴウ』と言う訳で!」

 

焦りながらも、説明してくれました。

別に日本人カップル全員がやっている訳ではないんだけどな……

 

しかし!

男として!

彼氏として!

断る理由はない!!!

 

「そうか、なら頼む。」

「は、はい!あ、あ〜ん」

「あ〜ん」

 

……うん、セシリア手作りタマゴサンドの味が口に広がる。

 

卵の白身をバニラエッセンス

 

卵の卵黄をマスタード

 

レタスを……キャベツか?

 

 

とりあえず口の中が、デンジャラス。

 

そんな危険な味でも愛があれば三ツ星レストランに並ぶ様な味になるのは、愛が故、か……

彼女の手料理に愛を感じていると、三人から同じ視線、一人からは違う視線が俺達に送られていた

 

「……一夏、箒、シャルルは、同じ事を聞きたい様だな?それは、後回しにして……なんだ鈴?」

「……セシリアの手料理食べてなんとも思わないの?」

「……愛と言う調味料が入っていれば、それは、絶品料理へと変わる。」

「あ、秋奈さん////」

「……惚気じゃない」

 

俺の返答に照れるセシリア、呆れる鈴。

いいだろ!実際に美味いんだから!

 

ノエルさんと比べると!

 

 

「……惚気て何が悪い。さて、三人の聞きたい事を答えよう。」

 

そう言い、三人に視線を向けると怖ず怖ずと一夏が手を挙げ、聞いてきた。

 

「『はい、あ〜ん』はカップルがやるものって言っておきながら何でやってんだよ!おまえら幼なじみだろ?」

 

箒、シャルルは首が取れるのでは?っと言うぐらいに首を上下に降っている。

 

…………ふむ

一夏、お前も箒とやってんだろうが……

 

 

「……今は恋仲だ。やってもいいだろ?」

「「「はぁ!?」」」

「いいい、何時からだ!」

 

三人は、唖然とし硬直していたが、箒が再起動しセシリアの肩を掴み再度問いかける。

 

「箒さん落ち着いてください!……クラス代表戦が終わった頃からですわ。」

「ちなみに、鈴は知ってたのか?」

「えぇ…仲良く抱き合っている所を見たわ。」

「鈴さん/////」

 

あぁ…見られたな

いい雰囲気だったのにな……

あの時は恨んだぞ?

 

俺は鈴に、「なんでバラすんですか!」って抗議しているセシリアを横目に納めながら昼メシに手を伸ばそうとしていたら……

 

「秋奈ー!!!」

「なんだ、グフッ!」

 

……殴られた。

……一夏に殴られた。

余り力が入っていなかったのを感じると……

 

……ノリか?

ノリでお前は、人を殴るのか!?

 

「公共の場でイチャつくな!」

「しるか!俺達の勝手だろ!」

「お父さんは、そんな子に育てた覚えはない!」

「お前に育てられた覚えはない!」

「お前の事信じてたのに!」

「………何をだよ」

 

まったく!

お前だってその気になれば、直ぐに出来るだろうに!

ほぼ女子高なんだから!

 

俺は、理不尽思考な一夏をシカトしながら昼メシを食べ始めたのであった。

 

 

「……流石、SSS社長だね。」

 

「う、うむ。流石と言うしかないな。」

 

 

シャルル、箒……

 

………何が『流石』なのか教えてくれ

 

 

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