あの後、セシリアと共にアリーナを去り、夕食を取ってから自室に戻ってシャルル・デュノアが女である可能性を考え、デュノア社抹殺計画実行部に連絡を入れたのだが………
「………マジかよ」
シャルル・デュノアが女である事が決定してしまった。
『情報に間違いは無いそうです。ノエル女史もタイムリーな情報を拾いましたね。』
「あぁ……」
パソコンの画面に写る映像写真を何回確認してもシャルル・デュノアが女装?をして映っている。
………見合い写真に
『デュノア社の保険でしょうか?』
「そうだな。……贈り先が第三世代型研究が進んでいる企業の幹部または、その息子になっているからな」
『酷いですね。……親が子の人生を決めるなんて』
「あぁ……」
……しかし、俺達の業界では、政策結婚なんてよくある事だ。
恋愛結婚の方が珍しい
「規則として、IS学園にいる間は手出し出来ない。……卒業式と同じタイミングで結婚式だな。」
『えぇ…』
デュノアの奴、本当にどうしようもない奴だな。
と言うか、SSSの幹部や、まさか俺までにも見合い写真を贈る予定だったのかよ
舐めてるのか?
俺はセシリア一筋だ!
『しかし世間にはあまり、この見合い写真は出回っていませんね?ノエル女史も結構深くまでハッキングしたそうですから……』
うむ……
確かにそうだ
見合い写真の前にシャルル・デュノアと言う第三の男性操縦者が現れた事に対して世間が騒ぎ立てていないな……
「磯野、デュノアの家族構成ってあるか?」
『はい、あります。今送りますね』
送られたデータに目を通す……
スカット・デュノア…………男性・父
マチルダ・デュノア…………女性・母
シャルロット・デュノア………女性・養子
ん?
女性?
シャルロット?
あぁ、なるほど……
「どうやら世間は、デュノア社の娘がIS学園に入学した事になっている様だ」
『……どういう事で?』
「IS学園に出す書類の偽造だ。IS委員会には女性として提出し、IS学園では男性として提出した」
『しかし、国立のIS学園ですよ?バレるのでは?』
「先入観だ。シャルルの容姿が中性的かつ自分から男性と名乗っているんだ。身体検査をしない限りわからんよ」
実際に、デュノアの子が来ると分かっていたSSSですら、ノエルさんの情報が無ければ女性と言う事が分からなかったのだからな。
『なるほど、シャルル・デュノアは、養子で女性。養子にした理由は……』
「愛人の子、だろうな」
SSSにいた頃から女癖が酷かったらしいからな……
少しは、親心が動いたのだろう
『はぁ〜、まったくデュノアは……。それで今後どのように動きます?』
「プランBを行う。……シャルルには今から説得しに行く」
『プランBですか……。わかりました。決行は?』
「シャルルの了解を取ってからだ。あんなのでも一応は親だろ?……それでプランBの責任者は?」
『案の定、ノエル女史です。あぁ、それとノエル女史から伝言です。『早く彼女をデュノア社から解放してあげてください!』っだそうです』
「了解、ノエルさんに何時でも帰れる様に言っといてくれ」
『わかりました。それでは……』
「あぁ……」
通信を切り、シャルルの見合い写真をプリントアウトしてから、部屋から出たのであった
インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~
第二十一羽 嘘
一夏とシャルルの部屋は、隣だし時間はかからなかった
しかし、一夏の奴……
また女と同室か?
間違いが起き無ければいいが……
と考えつつ、ドアをノックする
「一夏にシャルル、話があるのだがいいか?」
「ッ!あ、秋奈か!少し待ってくれ!」
ん?
いきなり慌ただしくなったな?声もなんだか緊迫な色を帯びているし…
だが、待てと言われて待つ様じゃ企業のトップには立てない!
「入るぞ!」
一夏の返事を待たずに部屋へと踏み込む
「「!!!」」
そして俺の目に飛び込んできたのは……
「「ははははは……」」
ベッドに入ったシャルルを一夏が布団の上から襲っていた!
「遅かったか………避妊はしろよ?」
「「秋奈////!!」」
「大丈夫、俺はお前達の味方だ。」
「なんでそうなるんだよ!」
「ん?シャルロット・デュノアじゃ不満か?」
「いやそうじゃなくて!」
「シャルロット・デュノア、お前はどうだ?」
「えっ!い、一夏が嫌じゃなきゃ………ってシャルロット!?」
「シャルルどうした?」
シャルルは驚愕した面持ちで俺を見ている
「……さて、場も落ち着いた事だし俺とOHANASIしようか?」
「「…………」」
とりあえず一夏にお茶を入れて貰い、SSSがシャルルが女だと突き止めた経緯と一夏がシャルルが女だと突き止めた経緯を教えてもらった。
ふむ………
「何と言うか………ラッキースケベめ!」
「不慮の事故だ!………しかし見合い写真か……」
「お父さん……」
二人は、デュノアが結婚まで仕組んでいた事に少なからずショックを受けているようだ。
「……シャルル、今自分が置かれている立場は、わかったか?」
「うん……お父さんは、僕の事を道具としてしか見ていないんだね」
「そうだ。フランスの情勢は俺も理解している。シャルル、お前は、この事でデュノア社が潰れると思っていると思うが、現実は違う」
「…………」
「デュノア社は、シャルルが持ち込んだデータをフランス政府に売り、政府の傘下として生き残るだろう」
「なッ!じゃあシャルルはどうなるんだよ!」
「数年は、刑務所または牢屋。その後は政策結婚だな……」
「………」
「………」
「………」
二人に『重い現実』がのしかかる……
俺は、二人より早く社会に出たからそれ程ではないが、二人にとっては人生初の経験なんだろう……
「………それじゃあ、シャルルは利用されてるだけなのか?」
「あぁ……」
「………この三年間で何とかしなきゃシャルルの人生は、決まってしまうのか?」
「あぁ……」
「………裏で操っている奴だけが、生き残るのか?」
「あぁ……」
「ッ!ふざけんな!勝手に生き方を決めるんじゃねーよ!」
「「…………」」
「俺は、他人に!勝手に!人生を決められる事なんかまっぴらごめんだ!」
シャルルの事柄を理解したのか、声をあげて否定する一夏
…………
…………純粋だ
一夏は、物事に対する考え方が純粋過ぎる
織斑先生の教育の賜物なのか、その純粋さが一夏にカリスマと言うモノを授けている……
俺とは違うカリスマ……
俺も一夏を自分の目的の為に利用していると知ったら軽蔑するだろうか……
いや、今は考えるのはよそう……
今は、ただ目の前の事に集中するべきだ
「秋奈!お前はSSSの社長なんだろ!シャルルを助ける事は出来ないのかよ!」
「落ち着け一夏!……俺を誰だと思っている。策は我にあり、だ」
「……え?」
「……シャルル、今までの人生を捨てる覚悟はあるか?」
そして夜はあけていった・・・・・・・
◆
「………眠い」
シャルルの覚悟を聞き入れ、急ピッチでデュノア社抹殺計画を進めること一日、デュノア社抹殺は、秒読みの所まで進んだ
………おかげで、日曜日にセシリアとデートする予定が潰れてしまい、更には徹夜明けと言う二重苦
今日程、学校を休もうと思った事はない……
「……ごめんね秋奈。僕なんかの為に……」
「『僕なんか』って言うな。これはSSS社にとっても利益になることだからな、気にするな……」
「仕事に生きてるな、無理せずに休めばよかっただろ?」
「いや、セシリアに会わなくては!……彼女の存在が俺を癒す!」
「「リア充乙」」
くだらない事を話しながら三人で教室に向かうが、何やら教室が騒がしい……
「本当?――に優勝出来たら織斑君達の誰かと――って!」
「本当よ!頑張って――達と交―したいなぁ」
騒がし過ぎてうまく聞き取れないが……
こう?
したい?
………交尾か?
………いかん、疲れているな……
「俺達がなんだって?」
話の内容が気になるのか、教室に突入し詳細を聞こうとする一夏……
そのストレートさは、素直に尊敬するよ
しかし、女子達は一夏が来た事に気づいた瞬間、ごまかしながら散って行った
ハハハ!まるで虫の様だ!
………疲れているな、俺
やはり学校を休むべき 「秋奈さん!」 っ!
この声は!
声の正体がわかる俺にとって、振り向けば我が姫がそこにいるのがわかる!
我が姫にこんな顔を見せない為に、振り向く瞬間のコンマ何秒の間に最高の笑顔を用意する!
「おはよう、セシリア。どうしたんだ?」
「……実は、お願いがありまして」
「?」
「私達……一緒の道を行けなくなりましたの」
「えっ?」
一緒に…行けない…?
「鈴さんと一緒に望む事になりましたので……」
「ッ!」
鈴と一緒に……?
俺は女に負けたのか?
と言うかフラれた?
「放課後も一緒に『やる』ことになりましたので……」
……何を『やる』の?
まさか! こうび?
「授業が始まりますわね。ではまた夕食後に伺いますわ」
「…………」
そう言い残し、教室に入っていったセシリア……
ハハハ……
「秋奈!お〜い秋奈?」
「どうしたんだシャルル?って秋奈どうした!?」
ハハハハハハ!
「………もう無理」
バタン……
「「秋奈!!!」」
俺は、愛しいセシリアからの言葉に、精神的攻撃と言う名の究極殲滅呪文を言われ、倒れ伏せたのであった……
その後、雑賀秋奈の姿を教室で見たものいない……
GO TO 保健室……