IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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二十六羽

side シャルロット

   

「ふぁ~‥‥大きいな~」

 

青空から出る太陽の光を受け、光り輝くガラス窓‥‥

 

ずっと見上げていると首が痛くなりそうに高いビル‥‥

 

清潔感漂い、都会の中のオアシスを感じさせる中庭‥‥

 

「‥‥ここが僕が働く場所、か」

 

そう僕こと、シャルロット・ヴァーミリオンはSSS本社に来ていた

 

養子縁組みの話で一回来たときはあるけど、改めて見るとやっぱり感じるモノが違うね

 

苦笑を1つ漏らしながらも入口を通り、受付のお姉さんに話しかけた

 

「あ、あの~…秋奈‥雑賀社長に来るように呼ばれたんですけど‥‥」

 

「‥‥失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

 

受付のお姉さんは、手元の資料を見ながら聞いてきた

 

あ!そうだよね、名前言わなきゃダメだよね!

 

「シャルロット・デュ・・・・シャルロット・ヴァーミリオンです」

 

「ッ!」

 

名前を言った瞬間、お姉さんの顔色が変わった、その表情にはほんのり赤みがかかっている

 

あれ?僕何かしちゃったのかな?

 

「あ、あの~?」

 

「いえ!すみません!伺っております!突き当たりのエレベーターに乗り、パスワードを6f3rと打ち込んだ後に1階を押して下さい。」

 

パスワード?一階?

普通エレベーターにパスワードなんてないよね?

しかも一階ってここだよ?

 

「‥‥テロ対策だと思ってください」

 

「あっ!すみません」

 

僕の様子が気になったのか、お姉さんは教えてくれたけど、秋奈ってテロで両親を亡くしているんだよね

 

悪い事かんがえちゃったな‥‥

 

「いえ、お気にせずに‥‥社長がお待ちですよ?」

 

「わかりました、ありがとうございます」

 

「暁の天女に八咫烏の加護を‥‥」

 

頭を下げて見送ってくれるお姉さん

でも、暁の天女ってなに?

 

‥‥後で秋奈に聞いてみよ

 

とりあえず生まれた疑問を横に置き、お姉さんが教えてくれたエレベーターに乗った

 

「うわぁ‥‥本当にあった」

 

1階から38階まであるボタンの上に携帯のボタンみたいな機械が取り付けてあった

 

「えーと‥‥6f3rで一階っと!‥‥え!?」

 

お姉さんに教えてもらった通り打ち込むと目的地の表示が49階を記し、高速にしかし、揺れを全く感じさせないで上に上がっていった

 

チィン‥‥

 

そしてありきたりの音が鳴り、扉が開く‥‥

 

「うわぁ~すごい!綺麗!」

 

扉が開かれた先にあったのは都市を一望出来る絶景であった

 

ISで見る高い所からの風景と違ってとても新鮮だった

 

「シャルル、お前もSSSの一員になったんだ。いつでもこの風景を見る事ができるぞ?」

 

「あっ!秋奈!凄いねこの風景!‥‥隣の人は?」

 

横から上司にあたる人物の声が聞こえたので、素直に風景の感想を言おうとしたが、見知った三人の他に知らない人物が目に入った

 

「シャルルは初対面か‥‥コイツは磯野海里。ここにいる理由は後で話す、とりあえず座ったらどうだ?」

 

「う、うん」

 

進められるが儘にソファーに腰を下ろしたけど、やっぱり視線が向いてしまう

 

秋奈は普段通りIS学園の制服、磯野さんとノエルさんはスーツ、なのに‥‥‥

 

「‥‥なんで着物なの?」

 

「趣味だ。後これは着流しというんだぜ?」

 

そ、即答だ!

しかも訂正された!

 

秋奈達はさぞ当たり前のように構えているし、着流しを着た海里さんも当たり前のようにしている

 

ここってSSSの社長室だよね!?

大企業の社長室だよね!?

僕が間違っているの!?

 

困惑してる僕を後目に海里さんは笑ってるし、なんか僕はずかしくなってきたよ‥‥

 

「海里は、まだ社員じゃないから私服OKなんだよ、それより仕事内容の説明していいか?」

 

「あっ!うん、ごめん」

 

そうだった、僕はそれを確認するためにここに来たんだった

 

SSSの専属パイロットって前に言っていたからSSS開発の『贋作者』のデータ採取やISスーツのテストかな?

 

「んじゃあ、コレを読んで置いてくれ。読んだ後に質問に答える」

 

「うん」

 

秋奈から渡される資料‥‥

 

『贋作者』の改良案に関するもの‥‥

ISスーツの改良案に関するもの‥‥

 

うん‥‥ここまでは予想通り、でも‥‥

 

「‥‥秋奈、これって?」

 

「うん?言葉の通りだが?」

 

「え!?」

 

渡された資料の中にある異名な資料、それは‥‥

 

「‥‥ISスーツ及び一般服の広告ポスターのモデルって、なに考えているのかな!?」

 

「宣伝を考えている」

 

「違くて!!僕は学生だよ!?モデルなんて出来ないよ!」

 

ポスターのモデルって皆に見られるってことだよね!?恥ずかしいよ!

 

「出来る出来ないの問題じゃない、やるんだ。前までモデルだった人が辞退したから丁度良いし穴埋めだ」

 

「‥‥前任者は?」

 

「ノエル・ヴァーミリオン」

 

「ごめんね、シャルちゃん!私には耐えられなくて!」

 

ノエルさーーーーーん!!!!!!

 

‥‥わかったよ、これが企業の柵なんだね

ははは‥‥あきらめよ‥‥

 

「そんなに落胆するなよ!SSSブランドのトップモデルだぜ?前向きに行こうぜ!」

 

「‥‥人事だからって無責任だよ海里さん」

 

「な~に、容姿なら気にするな!暁の天女様なら大丈夫だ!」

 

褒められてるのかな?

今の僕には、そう言う風に聞こえないよ‥‥

 

ん?暁の天女?

 

「そう言えば受付のお姉さんも言ってたけど『暁の天女』って僕の事?」

 

「そうだ。そこにいる秘書が会長を勤める『シャルロットファンクラブ』の連中が勝手に『カラドリウス』とシャルルの合成写真を広め、その姿がその様に見えたからそう言われている。‥‥見るか?」

 

秋奈から渡された一枚の写真‥‥

 

そこにはオレンジ色をした八咫烏に乗っている僕が写っていた

 

「『カラドリウス』通称・治病鳥。SSS開発『八咫烏』の兄弟機でSSSオーダーメイドの二番目の第3世代型ISだ。」

 

そう説明しながらもう一つの資料を渡してくれた

 

「『カラドリウス』は、SSSで今後開拓していく産業に大きく関わる機体だ」

 

「?」

 

今後?‥‥と言うことはこの機体データによってどうなるか決まるって事だね

 

秋奈から渡された『カラドリウス』の詳細を呼んでいると気になるページを数カ所見つけた

 

「‥‥秋奈、この子ってもしかしてナノマシンの研究をするために作ったの?」

 

「理解が速くて助かる。『カラドリウス』はナノマシンの活用性を実験実証する為に作られている。」

 

「ナノマシンって言っても色々と種類がある。医療用、軍事用、栽培促進。『カラドリウス』は主に軍事用‥‥防衛システムの活用性を表向きは考えとる!」

 

「表向き?」

 

「そう言わなきゃ委員会がうるさくてな!もっぱらSSSは医療用‥‥『カラドリウス』のナノマシンが人体に影響を与えないのは研究済みだからナノマシン自体の継続時間、効果範囲をデータがほしんのよ!」  

 

「SSSは兵器を作らない。‥‥信念は変わない」

 

「委員会も気づいていると思いますが、表向きは軍事用なので渋々製造の許可をおろしましたけどね~」

 

‥‥会社経営にも色々とあるんだね

無許可で製造したら委員会に対する抵抗力を持っていると思われちゃうもんね

 

「あとこの『ロンギヌス』って槍だけど‥‥鈴さんに許可取ったの?」

 

「取ってない。海里が暴走した」

 

「はははは!暴走言うな!溢れる知識が形になっただけだ!」

 

海里さーーーーん!!!

 

「これって『衝撃砲』だよね!先端の銃口から空気の衝撃を与えるって『衝撃砲』だよね!中国政府が黙っていないよ!」

 

「「はははは!」」

 

「秋奈!海里さん!」

 

「‥‥シャルロット女史、明確に説明すると『ロンギヌス』は銃槍ですよ?それに本家の『衝撃砲』は銃口が見えないのに対し『ロンギヌス』は見えています。」

 

「おかげで槍の特徴である『突く』行為が弱まりましたしね?‥‥どちらかと言うと薙刀ですね」

 

「ははは‥‥ふぅ、と言うわけだ、シャルルは明日から海里に槍術を習うように」

 

「え!?」

 

「任せろ!俺は槍術をマスターした男だ!」

 

「ええ!?」

 

な、なんでいきなり槍術!?

確かに槍なんて持ったことないけど僕と何の関係があるの!?て言うか僕、SSSに来てから驚いてばっかりだ!

 

「‥‥‥まだ気づかないのか?」

 

「ふぇ!?」

 

「ふむ‥‥想像より少し鈍いようですね」

 

「そこが良いところですよ!海舟さん!」

 

「頼むぜ暁の天女さん~」

 

‥‥なんか色々と言われてる

でもこの流れって、まさか‥‥

 

「‥‥僕のISなの?」

 

「そうだ。SSSの代表パイロットなんだ、第4世代とは言わないがそれなりのISを専用機にしてもらわなければ困る」

 

秋奈の瞳には強い意思と信頼を感じる

でも‥‥‥

 

「‥‥‥ダメだよ受け取れない。」

 

「‥‥理由を聞いても?」

 

「僕は‥‥私はデュノアだったんだよ。私がどうあれその事は変わらないよ‥‥それなのに秋奈の・・・SSSの信頼をこんなに受け取っちゃいけない!‥‥みんなだって許してくれないよ」

 

ダメだ‥‥涙が出てくる

このISを受け取ったら、私は信頼されている事になる

嬉しい!嬉しいけど‥‥デュノアがやってきていた事を考えると受け取れないよ‥‥

 

 

4人とも何とも言えない顔をしている。

でも‥‥

顔を伏せる私にかけられたら言葉は意外なモノだった‥‥

 

「‥‥そんなことか?」

 

「‥‥え?」

 

「くだらな!信頼して何が悪い!お前はもうSSSなんだぜ!?緊張してそんしたわ!」

 

「か、海里さんならわかるでしょ!『ラファール・リヴァイヴ』は『全ては嘘』の模造品なんだよ!それは罰するモノなんだよ!?」

 

そう私がデュノア社のIS開発に関わった時、最初に言われたのは『全ては嘘』の模造だった

 

その時、私には言い返す‥‥委員会に内通する事が出来なかった

 

デュノア社での自分の居場所がなくなる事を恐れて‥‥

 

「そうですね、確かにデュノア社の『ラファール・リヴァイヴ』は『全ては嘘』の模造ですね、それは違法に関わる事です。」

 

「そ、そうです海舟さん!だから!「しかし!」 ッ!」

 

「‥‥製造したのがSSSでも最初に発表したのはデュノア社です。なんの問題にもならず罰せられる事はありません」

 

「‥‥‥」

 

「それに私達、SSSは最初からデュノア社を敵対企業としか見ていません。潰すのなら裁判ではなく社会的に潰します」

 

「潰すとか兄貴怖!‥‥実際潰したけどな!うちには『相手の後ろ盾を見ずに本人を見ろ!』って言葉がある。‥‥シャルロット・ヴァーミリオンはSSSから見て信頼にたりる人物と判断されたから『シャルロットファンクラブ』が出来たり、『暁の天女』とか言われてるんだろ?気づけっての!」

 

「シャルロットは此処にいていいんだよ‥‥アナタを信じない人なんか此処にはどこにもいないよ」

 

ノエルさんがそっと近づき後ろから抱きしめてくれた

 

「ノエルさん‥‥」

 

「お姉ちゃん、でしょ?」

 

「‥‥うん!お姉ちゃん!」

 

さっきとは違う涙が出てくる‥‥

でも、これは流していい涙だ‥‥

 

「もう一度聞く。‥‥受け取ってくれるな?」

 

「うん!」

 

その日から『カラドリウス』は僕のISになることが決定した。

 

out シャルロット

 

 

 

IS ~八咫烏の導き~

 

第二十六羽  カラドリウス

 

 

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