IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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頑張って更新します!

2羽ぐらい!


三十一羽

時刻は十八時半、俺と箒そして秋奈は海面を疾走していた

今回の作戦では俺がキーマンとなり、箒と秋奈は援護役として出撃したが・・・・正直、秋奈が一緒に来てくれて助かったと思う

 

俺は初心者で戦闘経験が少ないから実力者が一緒にいるだけで安心する・・・

それに・・・

 

俺は視線を下に向けた・・・

 

箒の専用機は、使い始めてからまだ一日も経っていない。いくら束さんがパーソナライズとフィッティングをしたといっても、操縦者はそうもいかない・・

 

秋奈も気づいていると思うけど、何かあったら俺がフォローしないとな

 

そう思い、気を引き締めた

 

『織斑、篠ノ之、雑賀、聞こえるか?』

 

ISのオープン・チャンネルから千冬姉の声が聞こえる。俺たちはうなずいて返事をした

 

『今回の作戦の要は一撃必殺だ。雑賀がいるのである程度は時間が稼げると思うが短時間で決めろ』

 

「了解」

 

「織斑先生、私は状況に応じて秋奈と共に一夏のサポートをすればよろしいでしょうか?」

 

『・・・そうだな。だが、無理はするな。お前は専用機を使い始めてからの実戦経験は皆無だ。なにかしらの問題が出るとも限らない』

 

「わかりました。できる範囲で支援をします」

 

箒のそれは一見落ち着いた返事のようだが、やはり口調は喜色に弾んでいて、どこか浮ついた印象を受けてしまう。俺の取り越し苦労ならいいんだが・・・

 

『―――織斑、雑賀』

 

「は、はい」「・・・はい」

 

今し方まで使っていたオープン・チャンネルではなく、プライベート・チャンネルで千冬姉の声が届く

俺は慌ててそちらの回線に切り替えて返事をしたが・・・秋奈は何故か遅れて返事をした

 

『どうも篠ノ之は浮かれているな。あんな状態ではなにかを仕損じるやもしれん。いざというときはサポートをしてやれ』

 

「わかりました。ちゃんと意識しておきます。・・・秋奈?」

 

千冬姉の声に返事をしたのは俺だけで秋奈は返事を返さない。気になり秋奈の方に視線を向けると何か考えているように見えるが・・

 

「・・・織斑先生、増援を要請します」

 

『・・・・・何故だ?』

 

「俺は臆病者なので・・・『かも』『もしも』などと言った不安定要素がある中では戦いたくはありません。保険の為にも後方300キロに待機させといて下さい」

 

・・・秋奈が言った言葉が臆病者の弱音ではなく、孔明の策の様に聞こえてしまうのは俺だけか?

 

『・・・いいだろう、海上保安官に連絡をいれておく。・・・では頼むぞ』

 

それからまた千冬姉の声がオープンに切り替わり号令をかけた

 

―――作戦、開始

 

 

 

 

 

IS ~八咫烏の導き~

 

第三十一羽  エモーション

 

 

 

 

 

 

「見えたぞ!一夏!秋奈!」

 

「!!」

 

ハイパーセンサーの視覚情報が自分の感覚のように目標を映しだす・・・

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』、資料では大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型システムを搭載しているらしいが・・・今は考えている暇はない!

 

「うおおおおっ!」

 

零落白夜と瞬間加速(イグニッションブースト)を同時に発動させて一気に間合いを詰めて、光の刃を振り下げた―――が・・・

 

「なっ!?」

 

福音は高速度のまま反転し、ぐりん、と。体を一回転させ零落白夜の刃を数ミリの精度で避けた

 

「敵機確認。迎撃モードへ移行。《銀の鐘(シルバー・ベル)》稼働開始」

 

「!?」

 

オープン・チャンネルから聞こえたのは抑揚のない機械音声だった。けれど、そこに明らかな『敵意』を感じ、俺はぎくりと―――

 

「一夏!手を休めるな!箒!援護しろ!」

 

「ッ!」

 

「任せろ!」

 

ハッと俺は意識を戻した。・・・そうだった!時間がかかればこちらが圧倒的に不利になってしまう!

俺は二人に背を預けて再度、福音へと斬りかかる!

 

「くっ!このっ・・・!」

 

しかし、またひらりひらりと紙一重で回避されてしまう!箒と秋奈が援護してくれているのになんでなんだ!?

零落白夜の残り時間が迫っていると言うのに!

もう一度、斬りかかる為に距離を開けタイミングを計るが・・・・・・俺は気づいてしまった

何故、攻めきれないのかを・・・

 

 

「はあぁぁぁ!」

 

「っち!」

 

・・・箒と秋奈で連携がとれていない?いや、箒が行き過ぎているんだ

箒が秋奈の射線上に来るものだから思ったように援護ができないのか!

 

「おい!箒! 「ッ!一夏、箒!後退しろ!デカイのが来るぞ!」 なッ!?」

 

「La・・・・・♪」

 

秋奈の声に俺の声が遮られてしまい・・・そして次の瞬間、一斉に砲口が開き幾重もの光の弾丸が打ち出された

 

「ぐぅっ!」

 

その弾丸は、高密度に圧縮されたエネルギーで、ちょうど羽のような形をしている。それがISアーマーに突き刺さったかと思うと、一斉に爆ぜた―――

 

「ッ!爆発するエネルギー弾かよ!」

 

「それになんて連射速度だ!・・・秋奈の声が聞こえなかったら私でも危なかった」

 

直撃は防げたが、なにせあの爆発弾だ。わずかでも触れれば、そこからえぐられる!

 

『二人共無事か?・・・次で決めるぞ』

 

オープン・チャネルで秋奈の声が聞こえた

 

『《銀の鐘(シルバー・ベル)》・・・確かに脅威だがそれほど精度は高くない様だ。・・・俺がアレの弾幕を潜り抜け隙を作る。一夏は箒を盾にして進み一撃で仕留めろ』

 

「了解した!」

 

「おう!・・・って大丈夫なのかよ!?」

 

あの威力の爆発だ、いくら秋奈だって・・・

 

『それが一番ベストな作戦だ。それに・・・当らなければどうって事はない』

 

フッと笑いながら返事を返してくれる秋奈・・・秋奈がそう言うんだ、必ず成し遂げるだろうな

でも、さまになりすぎだろ?その笑い方・・・

 

「・・・カッコつけても、ここにはセシリアはいないぜ?」

 

『それは残念だ・・・来るぞ!』

 

「「おう!/あぁ!」」

 

福音が先程と同じモーションで翼を広げた瞬間、秋奈は動き出した

秋奈の接近に対し福音は何の脅威にもならないと判断したのか、構わず砲口を俺達に向け打ち放った

しかし福音は秋奈を甘く見ていたようだ・・・一斉に打ち出された砲弾の雨を秋奈は減速するどころか更に加速し潜り抜けたのだ!そして――!

 

「絡め取る!鳥巻!」

 

福音をワイヤーで拘束する事に成功した!

 

「流石だぜ!秋奈!」

 

「弾幕は私が処理する!押し切るぞ、一夏!!」

 

「おう!行くぜ!ッ!? うおおおっ!」」

 

「っ!?どこへ行くんだ!一夏!」

 

箒の声も聞かずに俺は福音とは真逆の、直下海面へ全速力で向かった

そして零落白夜と瞬間加速(イグニッションブースト)。その両方を最大出力で行い、海面に向かう一発の光弾をかき消した

 

 

「何をしている!?せっかくのチャンスに――」

 

「船がいるんだ!海上は先生達が封鎖したはずなのに――ああくそっ、密漁船か!」

 

けれど、だからといって見殺しにはできない!

 

「海上保安官には連絡を入れた。俺達は船が安全域に到達するまで護衛した後、任務を再開する事を提案したいが・・・」

 

キュゥゥゥン・・・・

 

「・・・無理みたいだな」

 

俺の手の中で≪雪片二型≫の光の刃が消え、展開装甲が閉じた。・・・エネルギー切れ、か。最大にして唯一のチャンスを失い、そして作戦の要もたった今無くした

 

「・・・ごめんな、秋奈。折角のチャンスを」

 

「気にするな。俺は人命を選択したお前を尊敬する。・・・懸念はあるが、鳥巻の強度から計算するに拘束時間は残り5分弱」

 

俺は俺がしたいように行動したまでだから、尊敬とか言われると照れちまうよ

 

「念のために箒には遊撃体勢で待機してほしいのだが・・・箒?」

 

「―――者」

 

秋奈の声が聞こえないのか、箒はワナワナと振るえ何かを呟いていた・・・

そして次に発した驚く言葉に対し俺は悲しみから言葉をぶつけた・・・

 

「馬鹿者!犯罪者など庇って・・・。そんなやつらは 「箒!!」ッ―――!?」

 

「箒、そんな―――悲しいことは言うな、言うなよ。力を手にしたら弱いヤツのことが見えなくなるなんて・・・・どうしたんだよ、箒。らしくない、全然らしくないぜ」

 

「なっ!?・・・らしくない、だと? クッ!お前に私の何がわかる!」

 

「ッ!箒!?」

 

苦虫を噛み潰したような表情から一転、箒は福音へと加速していった!

 

「何をしているんだ、箒!!!」

 

「まだ拘束出来ているのなら此処で私が落とす!『紅椿』なら出来る!」

 

「無茶だ!撤退しろ!」

 

「貴様に命令される義理はない!はあぁぁぁっ!」

 

秋奈の停止の言葉を無視し一直線に福音に向かう箒・・・・俺も箒を止める為に行動しようとしたが、ふっとヤツと眼があったような気がする。いや、間違いなく眼があった!

 

「ッ!!!箒ぃぃぃぃぃぃ!」

 

俺は刀を捨てて一直線に箒へと向かう。最後のエネルギーを全て使っての瞬間加速(イグニッションブースト)

 

―――アイツの眼には最初に俺に向けていた『敵意』と似たモノを感じた!そんな眼をする奴が、ただ黙って殺られるはずがない!頼む!間に合ってくれ!

 

「な、なんだと!?」

 

「くそっ!やはり余力を残していたかっ!」

 

視線の先では驚きの声をあげる箒と秋奈が!

驚きの原因は福音。奴は拘束具を引き千切り、再び一斉射撃モードへと入っていたのだ。しかも、今度は照準を箒に絞っている!

 

―――頼む!頼む、白式!頼む!!

 

スローモーションの世界で、俺は光弾が放たれるのを確実に視界で捉え、そして次の瞬間に箒と福音の間に割って入った

 

「ぐあああぁぁぁっ!!」

 

・・・・爆発光弾が一斉に背中に降り注いだ

エネルギーシールドで相殺し切れないほどの衝撃が連続で続き、みしみしと骨があげる軋みが聞こえる。同時に悲鳴を上げる筋肉、アーマーが破壊され、熱波で肌が焼けていく・・・

 

この気が狂いそうなほどの激痛が無限のように続くと思われたが・・・

 

―――ズダンッ!ズダンッ!ズダンッ!

 

・・・と言う銃声が聞こえたと同時に背中に衝撃が無くなった

 

意識が朦朧とするなか俺が見たのは・・・

 

「くそっ!実弾だと相殺し切れなかったか!?」

 

険しい表情をしながらショットガンを二丁構え、福音に牽制する秋奈と・・・

 

「一夏っ、一夏っ、一夏ぁっ!!」

 

泣きそうな顔をしながら俺を抱きかかえた箒であった・・・

 

―――二人ともなんて顔しているんだよ・・・あ、箒のリボンが・・・。ふーん、髪を下ろしたのも悪くねえじゃん・・・

 

箒に抱きかかえられる中、俺は気を失った・・・

 

 

 

OUT 一夏

 

 

 

 

 

 

seid 箒

 

 

・・・いつからだろうか、私が(専用機)を欲するようになったのは

決して入学当初は力を欲していた訳ではない・・・むしろ、力の振るい方を間違え自己嫌悪した

こともある。―――でも・・・・一夏やみんな(専用機持ち)と出会い過ごす中で私の中に吐きようのない感情が渦巻いてきたのだ・・・

 

最初は・・・みんな(専用機持ち)が羨ましかった・・・

練習の時も模擬戦の時も!私は・・・訓練機の貸し出しの関係上、一緒に練習が出来ない日があった。羨ましかった・・・アリーナで見ることしか出来なかった私にとってみんな(専用機持ち)は別の世界にいる人のように感じた・・・

 

私はみんな(専用機持ち)が羨ましかった・・・

クラス対抗戦の時の襲撃。私は生徒が避難する中、中継室に赴き一夏に声援を送ることしか出来なかった。悔しかった・・・本当なら私も戦場に赴き、共に肩を並べて戦いたかった

 

私はみんな(専用機持ち)を嫉妬してしまった・・・

一夏と共に肩を並べる事が出来るみんな(専用機持ち)を・・・

 

この時だろうか・・・私が(専用機)を欲するようになったのは・・・

本来なら易々と手には入らない(専用機)だが・・・私には手に入れるすべがあった

思い悩む事はあった。いままで避けていた人に頼るのだから・・・でも、私は(専用機)が欲しかった!

 

一夏の隣に立てる力が―――ッ!

 

・・・そして姉さんは私に(専用機)をくれた

 

第四世代型IS『紅椿』―――。・・・一夏と同型の世界で2機しかない、私の・・・私だけの(専用機)を!

私は歓喜した!これで一夏の隣で!共に!戦う事が出来るのだから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・でも!でもッ!この有様はなんだ!?

 

「一夏っ、一夏っ、一夏ぁっ!!」

 

私の呼び声にも答えることもなく、ただ私の腕の中で血を流す一夏・・・

 

なにが!なぜ!どうしてっ!?

 

「箒ッ!一夏はどんな感じだ!」

 

私を庇って?・・・イヤだ。イヤだイヤだ嫌だッ!

 

「ッ!・・・火傷に裂傷、外見からは判断しづらいが、骨に罅は入っているな」

 

私はアイツを睨んだ・・・翼を広げ優雅に浮遊するアイツを!

こんな事を許していいのか?・・・許されるはずがないッ!!!

 

「作戦は中止だ。帰還し 「一夏を頼む」 なっ!?」

 

一夏を秋奈に預け、私は福音へと立ち向かう・・・

一夏をこのようにしたアイツを殺す為に!!!

 

「・・・う、うわぁぁぁぁ!」

 

「La・・・Laaaaaaaaaa!」

 

私の叫びに答える様に福音から数十発の光弾が放たれた。・・・しかし、構うものか!私は・・・私はッ!!!

 

福音に一矢を報いる為に飛び立とうとした瞬間、後に引き寄せられた・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・初めは理解できなかった

 

 

なぜ・・・預けた筈の一夏が再び私の腕の中にいるのか?

 

なぜ・・・私を狙っていた光弾が目の前で爆発したのか?

 

なぜ・・・秋奈の背中が私の目の前にあるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・そして私はわかってしまった

 

「あ、秋奈!何故庇ったんだ!私はまだ ――バシンッ!・・・あ」

 

秋奈に問い詰めるが、振り向きざまに頬を殴られてしまった・・・・・・・・・頬は殴られた事によって熱を帯びてきたが・・・何故か頭から熱がなくなってくる

 

でも、殴られて黙ってはいられない!反論しようとしたが―――

 

「戦えるとも?・・・ふざけるな!自身が犯した失態を理解しない貴様など雑魚のカスだ!現状を理解しろ!」

 

 

「ッ!!!」

 

 

――――険しい表情をした秋奈の怒声を聞いた瞬間、私の中の何かが確かに折れた音がした―――

 

 

 

OUT 箒




ほぼ原作に近いですね・・・

オリジナリティがほしい・・・
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