IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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だから更新できました


三十二羽

IS ~八咫烏の導き~

 

第三十二羽  銀の鐘が鳴る頃に

 

 

 

 

「あ、秋奈!何故庇ったんだ!私はまだ ――バシンッ!・・・あ」

 

 

「戦えるとも?・・・ふざけるな!自身が犯した失態を理解しない貴様など雑魚のカスだ!現状を理解しろ!」

 

「ッ!!!」

 

俺は箒を殴り一喝した

 

・・・女性に手をあげる事は紳士的ではないが、冷静さを取り戻す為には一旦感情の方向性を別の事に向けてリセットする必要がある!

 

 

・・・・セシリアに見られてたら何か言われそうだが仕方ないんだ

 

 

福音を横目に見ながら状況を把握する・・・いつもなら罵倒には反論する箒が黙り込んでいる。冷静になり、自分の犯した失態に気づいたようだな。・・・・だが、一夏の負傷は思わしくない・・・となると残された道は只一つ、か・・・

 

「箒・・・お前は一夏を連れて離脱しろ。殿は俺がやる」

 

「・・・えッ!何を言っている!お前の方が損傷が激しいだろ!ここは私が食い止める!」

 

「だからこそ、だ・・・見た限り一夏の傷は深く一刻も争う状態だ、万全の状態の『紅椿』の方が速く離脱できる」

 

「しかし!!」

 

「箒!・・・二度同じ事を言わせないでくれ・・・一度でいい事を二度言わなけりゃいけないってのは・・・状況を理解してない奴と言う事だ・・・今のお前は違うだろ?」

 

「・・・・・・すまない、後を頼む」

 

「あぁ・・・」

 

一夏の負担にならないようにブースターを始動させ離脱をはかる箒を横目に見ながら損傷を確認するが・・・

 

スラスター一部全壊、予備ブースター損傷率65%、全体損傷率C、使用可能武器『ベルヴェルク』のみ、か・・・思ってみたより損傷は激しいな・・・

 

 

 

「さて、福音よ・・・この雑賀秋奈には守らなくてはならない約束がある・・・こんな所で死ぬ事は許されないのだよ?」

 

「敵機2機の撤退を確認・・・残機の情報を更新・・・」

 

 

粋がってみたが、絶体絶命だな、これがな。・・・しかし殺りようは有る、

 

 

「俺も友を傷つけられては黙ってはいられないのだが・・・あいつ等が無事に離脱できるまでの凡そ600秒・・・付き合ってもらうぞ?」

 

「敵機情報更新完了。・・・警戒レベルをBからAへ変更・・・」

 

 

SSS・・・特に磯野には怒られそうだが、この状況化では仕方ないだろう

なにより、俺はセシリアの所に戻らなくてはいけないのだ!

 

だからッ!・・・多少のリスクがあったとしても俺は勝つ為に戦う!

二重の意味で苦しい戦いになると思うが、付き合ってくれよ?八咫烏・・・

 

 

「術式解放!コード『Ashes to Ashes』発動!!!」

 

「敵機に高エネルギー反応確認・・・優先順位変更!」

 

 

八咫烏の翼が今までに無い程に光り輝き始め、俺を包む機体に熱が帯びてきた

 

 

―――warning!It is 15 minutes until the movement electrolysis of the 『YATAGARASU』

 

 

「クッ!悠長にしている暇はないか!先手は貰うぞ!『瞬間加速(イグニッションブースト)』!」

 

後部スラスター翼からエネルギーを放出し一気に福音の懐に潜り込んだ!

 

 

―――warning!Heat release is not enough. Please refrain from use

 

 

「La!?」

 

いきなりの奇襲に福音の対応が遅れるが、即座に翼部の砲口を俺に向けた、が・・・

 

「遅い!フェオ!略式弍式・ブルームトリガー!」

 

TRAの過程をふっ飛ばし決め技に移行する

瞬間加速(イグニッションブースト)の勢いを殺さずに放たれた蒼い衝撃は福音を海に叩きつけ大きな水柱を作りあげた

 

 

―――warning!A body temperature rise! The further use is dangerous!

 

 

警告通り『八咫烏』に付着した水滴が湯気を上げるほどに熱を帯びてきている

 

「くっ!ISスーツに耐熱処理がしてあるとは言え・・・コレはキツいな。しかしまだ終わらないだろう、な!」

 

俺の言葉を遮るように水面が光輝いた瞬間、数十発のエネルギー弾が向かってきたのだ!

すぐさま、回避行動に出るが・・・

 

「くっ!動きが遅い!スラスターの破損率が高すぎるか!クソッ!迎撃する!」

 

思った通りに機体は動いてはくれず、回避行動に移れない!

 

「コード・世界蛇!・・・術式始動!『ヨルムンガッ!』ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

追撃の為、新たな術式を解放しようとした瞬間、両腕に激痛が走った・・・本来は黒い装甲の八咫烏がオレンジ色に変わる程に熱を帯びていたのだ

 

 

―――warning! exceeded heat resistance level! Please cancel use!

 

 

ええい!そんな事は分かっている!でもココで辞めたら一夏の二の舞だ!

 

「『ヨルムンガンド』オォォォォォ!いっけぇぇぇぇ!」

 

――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

 

『ベルヴェルク』が展開し一つなって現れたのは北欧神話にて世界を囲んでいるとされる大蛇『ヨルムンガンド』の名を冠するガトリング砲

その銃口から放たれる狂弾はエネルギー弾をもろともせずに福音ごと飲み込んだ

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

荒れ狂う狂弾は確実に福音の命を刈り取っているだろう・・・しかし、その代償も多く秋奈の身は自身のISに焼かれていった・・・

 

ドドドドドドドドンッ!―――カラカラカン・・・

 

打ち止めを知らせる空音が悲しく響き渡り、狂弾が生み出した水飛沫が段々と晴れていく・・・だが八咫烏に帯びるオレンジ色はより一層、黒を侵食していた

 

「はぁはぁ・・・コレで終わりに・・・して・・くれよ?」

 

まだ晴れぬ水飛沫を眺めながら言葉を投げるが・・・秋奈の両腕は焼かれ、ダラリっと垂れ下がり『ヨルムンガンド』を持つのが精一杯の状態であった

 

しかし・・・

 

「・・・L・・La・・」

 

水飛沫が完全に晴れた時、其処には存在して欲しく無い者があらわになった

 

いたる所に破損がみられ、両翼が片方だけになっていたが・・・確かに其処には福音は存在した

 

「マジかよ・・・・だが、共に限界だろう・・・次で決める。・・・コード・死国・・術式始動『ヘルへイム』」

 

無茶な術式の連続解放に身体、IS共に悲鳴を上げるが・・・もう終わりだ・・・

『ヨルムンガンド』が粒子科され、また一つの形になる・・・・

セシリアの『スターライトMK-Ⅲ』に似て異なるスナイパーライフル・・・『ヘルへイム』に姿を変えた

 

「約束の600秒・・・確かに食い止めた・・・後は知らん・・・だが!俺には守らなくてはいけない約束がある!だから俺を導け!八咫烏!!!!」

 

「La・・・Laaaaaaaaaaaa!」

 

放たれる死の国を冠する死弾は福音と一緒に水柱を作りながらも海の底へと沈んでいった

 

・・・・そして、俺の意識も暗闇へと沈んでいったのであった

 




英訳

―――warning!It is 15 minutes until the movement electrolysis of the 『YATAGARASU
―――警告!『八咫烏』の可動限界まで15分です
―――warning!Heat release is not enough. Please refrain from use
―――警告!放熱量が十分ではありません。使用を控えてください
―――warning!A body temperature rise! The further use is dangerous!
―――警告!機体温度上昇!更なる使用は危険です
―――warning exceeded heat resistance level! Please cancel use!!
―――警告!耐熱レベルの限界を超えました!使用中止して下さい
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