IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

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五羽

インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~

 

第五羽  志

 

・・

 

・・・

 

・・・・・

 

 

―――暗い?

 

いや、静かだ……

 

 

聴こえるのは、僕の心臓の音だけ……

 

うっすらと瞼をあげるが……

 

やはり、見えるのは暗闇だけだった……

 

ハハハ……死んだのかな

 

地獄にも天国にも見えぬ暗闇に薄らと涙が溢れてきた

 

僕は『死』を受け入れ、体の力を抜くが……

 

ありえない事に……

 

……神々しい一筋の光が近付いて来たのだ

 

『……貴方は死んでないわ。眠っているだけ』

 

僕は知っていた

この光を放つ生き物を…

 

………八咫烏

 

両親に教えられた、sssのSymbolMarkにして、守り神

 

そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………太陽の化身

 

 

『貴方は本来は『裏切り』『拒絶』『憎悪』が一斉にうごめいて、死ぬ運命だった。でも…………私は認めたく無かった』

 

……どういう事です?

 

『貴方の両親に頼んで、『死』からの螺旋に対抗する手段を教えた。そして貴方は生き残った』

 

………僕だけが?

 

『『死』の螺旋は、貴方達3人を飲み込む……一人一人が持つ力だと対抗出来ないけど、貴方は二人に力を、希望を貰えた』

 

……………

 

『そして貴方は『死』の螺旋に抗い生き残った』

 

………何が起きたんですか?

 

『……知れば悲しいですよ?』

 

………知らない方が悲しい

 

『……そうですか。なら――』

 

八咫烏が大きく翼を広げると、翼から光が漏れ僕の頭に流れてくる

 

ぐっ!!!

 

激しい頭痛が僕を襲う

そして、映画の様に映像が流れ出す……

 

……

 

『どういう事だ!デュノア!』

 

激しく燃え上がる炎の中、声をあげる僕がいる

 

『し、しらない!お、俺は知らない!こんな事になるなんて!』

 

走り逃げ出す男

 

『秋奈!逃げろ!』

『父様は!?』

『俺は社員達を避難させる!』

『僕も手伝う!』

 

父様と共に扉をこじ開ける僕がいる

 

『キャー!!!』

『『百枝!/母様!』』

 

母様に崩れ落ちてくる瓦礫

 

それを……

 

『僕は守りたいんだ!だから動いてくれ!』

 

ISを装備した僕が破壊していた

 

『ISの武器を俺に!』

『私も手伝うわ!』

 

ぎこちなく武器を呼び出し両親に渡す僕

 

『こっちよ!速く避難して!』

 

社員達を誘導する母様

 

『ハァァァ!』

 

崩れ落ちた瓦礫を切り捨てる父様

 

『こちらから逃げて!』

 

試作段階で強度も精密性もない武器を駆使し、避難路を作る僕

流れゆく情報の中、避難作業は順調だと思われたが……

 

『ヤバい!遮断シールドが降りる!』

 

分厚い二重遮断シールドが何故か発動していた

このシールドは50m間隔に二つ連動して閉じるシールド

 

……つまり、一つ通れてももう一つが間に合わない

 

なぜ、発動したんだ…?

 

体験後は、幾らでも対処法が考えられる

 

でも体験中の僕は……

 

 

 

……自身の身体で閉まるシールドをこじ開けていた

 

 

『っ!この隙間から速く逃げて!』

『秋奈くん!』

『磯野さん!速く誘導してください!』

『っく!任せてくれ!』

 

二重遮断シールドの隙間から続々と避難する社員達

 

……でも

 

『父様!母様!二人も速く!』

 

両親は僕と一緒に非力ながらシールドを支えていた

 

『息子が頑張っているのに先に行く親がいると思うのか?これがな』

『秋奈!頑張りましょう!』

 

3人のおかげで最後の社員が脱出するまで時間を稼げたが………

無情にもエネルギーが切れ、ISは解除された

 

それを合図にシールドも降ろされたのだ

 

…………

 

降ろされたシールドに背を預けながら僕たちは………

 

『ゲームオーバー、か……』

『まぁ、奈祈さんたら……』

『父様、人生はゲームじゃないですよ?』

 

人生最後であろう家族での会話をしていた

 

 

『ハハハ!秋奈は現実主義か?楽しく生きなきゃな!』

『父様……。でも僕達はもう生きられませんね』

『‥‥いいえ、違うわ』

『母様?』

『貴方は生き残るわ……必ずね♪』

『……何を根拠に?』

『『八咫烏が導くから!』』

『ッ!……や、た、からす?』

『そう!だから貴方は大丈夫』

 

僕を抱きしめる母様

 

『何があっても、強く生きろ』

 

母様ごと抱きしめる父様

 

『『頑張って生きて秋奈』』

 

………その言葉を最後に三人は崩れ倒れ、爆発音が響き渡ったのだ

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

再生されていた映画が終わり、僕の意識は、またこの暗闇に戻ってきた

 

………………。

 

上映された映画の一つ一つを思い出しながら、考えをまとめていく

 

……デュノアは、確かに『裏切った』が、黒幕はデュノアではない

 

あの慌てぶりから見るに、アイツにとってもイレギュラーな出来事だったと言うこと………

 

そうしたら黒幕は…?

 

『……貴方はどうしますか?』

 

八咫烏が話し掛ける

 

『私が、導きます。貴方がしたい事を教えてください――』

 

……僕が・・・俺がしたい事

 

…………

 

………

 

……

 

 

……俺は―

 

『俺は黒幕を潰し、同じ悲しみを起こさない為に戦いたい!』

 

俺の意志に反応するように暗闇にヒビが入り初め、光が漏れだす

 

『――わかりました。私が貴方を導きます。世界の闇を無くせるように……』

 

『……世界の闇?』

 

そして光が強くなっていく―

 

『え……ファ…ト…・………む…抗う……に』

 

八咫烏と光が重なり視界が白くなっていく――

 

『あぁ、頑張るさ――八咫だから……』

 

最後に聴こえるかわからないが、八咫烏―・・・八咫に

 

『―俺を導いてくれ…』

 

そう囁いたのだ……

 

 

 

――――――

 

 

Side 八咫烏(八咫)

 

 

あの子の体が粒子になり、消えていく………

 

 

心の深層から旅立ったのだから……

 

……本当ならあの二人も助けたかった。

 

でも、私は所詮神の使い……

 

運命を曲げる事は出来ない……

 

二人を助ける事が出来かった私を怨んでもかまわない……

 

でもどうか……

 

『我が子に幸せを…』

 

そして私は秋奈を待つ為に……に戻っていった

 

 

out 八咫

 

 

―――――

 

 

 

「ここは………」

 

重く塞がった瞼を開けると、真っ白な天井が見えた……

 

「そうか…戻ったのか…」

 

普通は『起きた』と思うが、俺には『戻った』と言う感じの方が強かった。

 

……そう、死の淵から

 

どのくらい寝ていたのかわからないが、体を起こす作業が難しい……

 

やっとの思いで体を起こすと……

 

正面にある扉が開き……

 

「ッ!秋奈君!」

 

磯野さんが入ってきた。

 

「あぁ、磯野さん。おはよう。」

「よかった!本当によかった!」

 

膝を付き必死に涙を拭く。

 

あぁ、本当に迷惑をかけたな……

 

でも、俺はまだ迷惑をかけるかもしれない…

 

「磯野さん、感動している所で悪いんですが、今のsssの状況を教えてください」

「そんな!目覚めたばかりと言うの 「磯野!」 ……わかりました」

 

 

俺は止まる訳には行かないんだ……

 

世界の闇を無くす為に……

 

 

 

 




悲しみを糧に秋奈は一歩、大人になった
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