一年間……
どうやら一年の間、俺は寝ていたそうだ
一年と言う時間は色々と世界を変える
ISがスポーツとして、扱われる様になったり、sssの傘下にあった企業が続々と独立していった
中でも驚いたのは、フランスでデュノア社が設立した事だ
なんでも第1世代型IS『ラファール』を量産し業績を伸ばしているそうだ
……だがスペックを見ると『全ては嘘(オールフェイク)』のパクり
むしろ、劣化している
『全ては嘘(オールフェイク)』は試作機だが、第2世代型と言われていたが、『ラファール』は第1世代と言う点からみるにな…
…………
……この事について、社員達、主に技術班達が色々言っていたが、デュノア社をシカト、放置する事にした
理由は簡単
sssの技術班がデュノア社に移っていない点、『全ては嘘(オールフェイク)』が劣化している点からに見て、デュノア社は必ず技術・情報力不足で経営危機に陥ると言う事・・・
だから、弱った所を喰らえばいい
三日天下とは言わないが、後五年の猶予だな
……だが、よく社長不在の中、社員達は辞めたり、移ったりしなかったものだ
経済的にも一人の人間としても何時倒産するかわからない会社に席を置き続けていたのだから……その事を不思議に思い聞いてみたが……
技術班達
『デュノアの下で働くのはプライドが許さない!』
社員達
『助けてくれた、社長達に申し訳ない!』
幹部達
『秋奈君は必ず目覚めると信じていた!』
などなど……
本当に俺は、いい社員を持ったよ、これがな
「社長!たった今水着製造企業Swimmingがsssとの合併に受諾しました!」
「了解。引き続き他企業にもアプローチをかけてくれ」
そして、俺自身も変わった
社長不在ではまずいので社長に就任した
それから、一年で右肩下がりの実績が右肩上がりになり、独立していった企業が戻ってくる様になった
基本的に独立していった企業は『裏切り者』とは見ずに接している事が好印象だったらしく55%の企業がまたSSSの元に戻ってきてくれた
そして俺の身体だが……
髪の色素が抜け、白髪に。後遺症なのかわからないが、目が赤く染まり視力が下がったのだ
父様と母様の遺伝であった茶髪黒目で無くなったのが悲しいが、セシリアが『よく似合ってますわ!気にしないでよくってよ!』っと言ってくれたので、心が軽くなった
そして1番の変化は、男性でISを動かせる様になった事だ
世界初だが世間では、俺がISが使える事はニュースなどには流れていない
なんでも社員達が口を揃えて隠蔽してくれたそうだ
その行為は、とても嬉しかった
sssを離れる事が出来ない身として今、政府に連行されるのはまずい
遅かれ早かればれる事だが、せめてsssが立ち直るまでは秘密にしておきたいのだ
……まぁ、バレたとしても世界的大企業の社長を強制的に連行する政府は何処にもないだろう
……sssからの援助金が貰えなくなるしな
…………
……以上が目覚めてからのsssの状況だ
つーか、俺は誰に説明しているんだ?
電波を感じたのか?
…気のせいか
それはそうと、ISの第一回IS世界大会(モンド・グロッソ)が開催されるらしい。
ISの初めてとなる世界大会と言う事で、各国のお偉いさん並びに企業に招待状が送られていた
そんな訳で俺にも招待状が届いた訳だが……
優勝者は、もう決まったと言ってもいいだろう…
……織斑千冬
IS発足の地の代表にして、判断力・技術力・そしてISをよく理解している面から見て優勝者は確実だろう
何より俺の考えでは彼女が・・・であるからには負けはしないだろう
優勝者が『♪〜♪〜♪〜』 ん?メール?
プライベート用のアドレスを知っているのは、ごく僅かだから、多分セシリアだろう
携帯を取り出し、メールを確認すると、そこには、信じられない事が書いてあった
「磯野!至急イギリスに向かうぞ!」
「秋奈君?第一回IS世界大会はどうするんだい?」
「しるか!親友が泣いている時に会いに行かない親友なんているか!」
俺は急ぎ社長室を飛び出した
……………
『……お母様とお父様が亡くなりました。……………忙しいのは承知ですが…………貴方に会いたくなりました。』
………八咫は、いや違うな
神は優しくはないようだ、これは…
インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~
第六羽 直立
Side セシリア
―越境鉄道の横転事故
死傷者は百人を越える大規模な事故だった……
……あの二人はいつも別々にいた
でもそれは、4年前の話し……
秋奈さんの誕生日を堺に父は変わった
婿入りした性か、いつも伯母様の機嫌を窺っていた父が、自身の出来る事を必死に探し、母をサポートしていったのだ
ISが発表され女尊男卑になっても変わらなかった
伯母様が女尊男卑の影響を受けて父にいまよりいっそう強くあたるそうになったけど、決して折れずに母を支え続けた
そんな父を母も信頼し、昔では有り得なかった夫婦間が戻りつつあった……
なのに……
莫大な遺産と私一人を置き去りにして、二人はいなくなってしまった
「お母様……お父様……」
二人の墓標の前でただ立ち尽くす……
隣には伯母様のお墓……
高齢という事もあり伯母様も去年亡くなったばかりだというのに…
悲しみに浸る私に、数人の大人が近付いてきた
「オルコットさん。以後、資産の管理は私達で管理しようと思うのだが?」
「……え?」
な、なにをいきなり……
「君はまだ子供だ。大人の私達が管理する方がご両親の為だと思うのだが?」
「………」
「なにより、私達は君には、何も考えずに過ごしてほしい。……君も平和的に一生を過ごしたいだろ?」
お母様とお父様の遺産を他の人に預ける?
そんなこと!
「わ、私は! 「いいから私達に任せろ!」 ッ!」
「君は無知過ぎる!だから私達が管理すると言っているんだ!」
「変な考えを持たずに『はい』と言えばいい!」
目の前で、ニヤつく大人が憎いのに言い返せない
それほどに私は無力でしかなかった
……私では、お母様とお父様の遺産も守れないのは事実
………
「……わかりました。以後はオルコット家の遺産は、あな 「目を覚ませ!セシリア!」 え!?」
いつの間にか、私を囲っていた集団が二つに割れ、とても会いたかった人が現れた。
「………秋奈さん」
「セシリア。回りに流されるな!無知が悔しいのなら学べ!ローズさん達の遺産は君が守るんだ!」
「………」
「何よりご両親は、それを望んでいる。」
わ、私にも……
「……私にも守れるのですか?秋奈さんみたいに?」
「出来る!……君は、その才能を持っている」
秋奈さん……
「わかりましたわ。私が遺産を全て管理します!」
今は、まだ拙いですが、必ず守ってみせますわ!
だから……
秋奈さん?
見守ってくださいね?
out セシリア
……危なかった。
やはり、急いで正解だった……
目のハイライトが消えていたからな、セシリアは
しかし、何処にもいる者だな
こんな 「ちょっと君?何を勝手に決めているんだい?」 ……
「部外者な君が何を勝手に言っているんだ!俺の金の管理は俺が 「黙れ!屑ども!」 な、何ッ!」
「その子の財産、将来、夢を潰す事は、俺が許さない。この金の亡者どもめ!」
「か、金の亡者!?人聞きの悪い事を 「黙れ!っと言った筈だが?」 き、君は何を権利に言っているんだ!」
確かに俺にはこの問題に口出す権利はない……だからと言って!友を見捨てる事はできはしない!!!
「俺は……幼なじみとして!親友として言っているんだ!以後、オルコット家に不正を行うのなら……………
sss二代目社長 雑賀秋奈が相手になろう!」
「え、sssッ!」
使いたく無かったが、社名を使ってしまった
こんな屑どもの為に!
「直ぐに立ち去れ!死者が眠るこの地に貴様らは不要だ!」
「ひ、ひぃぃぃ!」
二つに別れていた人が一斉に散っていった……
ははは、まるで虫のよう ゲフン!ゲフン!
……いかんな。テンションが上がりすぎた。
…………
「……セシリア、わからない事があったら直ぐに俺に聞け。……俺でよければ力になる。」
「……あの時と同じですわね?貴方の力、頼りにさせてもらいましすわ。」
そして、笑いながら握手をし俺はこの地(イギリス)を後にしたのであった。
余談
「・・・そう言えばSSSで働いている社員の親戚がイギリスにいるそうなんだ・・・将来有望だとの事だ。オルコット家に勧誘してみたらどうだ?」
「本当ですか?」
「あぁ、社員研修などはSSSが面倒を見よう。どうする?」
「そこまでして頂いては断れませんわ。・・・その方のお名前は?」
「たしか・・・チェルシーと言う方だ」
「チェルシー?チェルシー・ブランケットですの?」
「あぁ、知り合いか?」
「えぇ、幼馴染ですわ」
数年後、オルコット家にチェルシー・ブランケットと言うセシリア専属のメイドが誕生した