IS~八咫烏の導き~   作:誤字脱字

9 / 47
九羽

朝の9時

 

VIPが宿泊するとある高級ホテルの前

 

真っ白なベンツの前で、缶珈琲を飲み

 

サンサンと降り注ぐ陽射しを受けている男

 

そう………俺だ

 

「……秋奈君?何黄昏れているんだい?」

「磯野、俺仕事終わったの日の出の時だ、これがな」

「私は寝ていません」

「「はぁ〜……」」

 

ノエルさんの無謀とも言えるスケジュールを見事クリアし、いまお姫様をお待ちしている所だ

 

「悪いな磯野、今日は休日なんだろ?」

「ノエル女史に『私は大切な仕事がありますので!』 っと言われまして…」

「「はぁ〜……」」

 

一年目の社員に言い返せない社長と執事長ってなに?

と言うか本当に成長したねノエルさん…良い意味でも悪い意味でも

 

「お、お待たせしましたわ!」

 

男二人で嘆いていたら、主役のお姫様が登場しました

 

「おぉ、おはようセシ――」

「ど、どうかしまして?」

 

ジーザス!

彼女の服装が……

薄蒼色のワンピースに白のボレロを羽織っている

 

いかにも清純派お嬢様って感じだ!

まさに俺好み!

 

「……どうでしょうか?」

 

軽く服を摘み、その場で回って見せるセシリア

 

ぐはぁ!可愛い!

じゃなくて!!

 

「あぁ、とても似合っているよ。…見惚れてしまったよ」

「え!?」

 

おっと、本心を隠しきれなかったか

セシリアの顔が真っ赤だ

 

これはいかん!話を変えなくては!

 

「……セシリア、今日は色々と日本を見せてやるよ」

「えッ!あ、はい!」

「ではお手を……マドモアゼル」

「えぇ、お願いしますジェントルマン」

 

俺は車のドアを開け、セシリアの手を引いたのであった

そう、誰かが……

 

「きゃー!セシリアちゃん可愛い!」

 

見守っている事を知らずに……

 

 

 

インフィニット・ストラトス~八咫烏の導き~

 

第九羽 来日

 

 

 

 

 

 

 

車に揺られる事、数時間………

 

俺達は都会で唯一見れる『日本庭園』に来ていた

 

ここは、表向きには都会に自然の素晴らしさを知ってもらう為にsssが作った場所だが、実際は母様が趣味で作った雑賀家の庭の様な所だ

 

一般公開もしており、都会観光.の穴場となっている場所だが今回は貸切ってもらった

 

そんな庭園を俺とセシリアは、白砂を踏み締めながら歩いていく

 

「ここは、俺が疲れた時に良く来る場所なんだ」

「そうですの?…確かに癒されますね」

「あぁ、都会のコンクリートジャングルに囲まれると気が滅入る」

 

会話は少ないが、庭園から聞こえる鳥の鳴き声や水の音で心が安らいだ

ただ歩いているだけでも水の音や草木の掏れる音を楽しむ事ができ、俺は満足なのだが・・・・若者同士のデートで日本庭園ってどうなのよ?

 

………

 

…素直に言おう、俺が来たかっただけだよ!

 

「……どうかしまして?」

「いや、電波を感じて…」

「……電波?」

「いや、気にしないでくれ」

 

一通り、庭園を周り雑賀家専用の母屋に入り昼食を取ることになった

 

そんな中……

 

「どうして、ここを?」

 

こんな事をセシリアは聞いてきた

 

ジーザス!

やっぱり若者同士のデートには渋過ぎたか!

 

………

 

「…………」

「?」

 

……素直に言うか

 

「……ここは、母様が作った場所で俺のお気に入りだとは話したよな?」

「はい」

「ここは、一般入場も出来るが、母屋(ここ)に入る事が許されているのは、ごく一部で、その…」

 

やはり言葉が出ない!ええい!ままよ!

俺は立ち上がり、襖を開けた

 

「ここからの風景は、俺が認めた者しか見せないんだ」

 

開けた襖の先には、先程の庭園が霞むぐらい美しい庭園が広がっていた

 

「まぁ……」

「…俺はセシリアにも、この風景を見て欲しかった」

「私にも……私も秋奈さんの……」

 

ん?

顔を伏せているが、つまらなかったか?

 

「……やっぱり気に入らなかったか?」

「いいえ!そんな事ありませんわ!」

「そか……、よかった」

 

ふぅ〜よかった。

つまらないって言われたらショックどころじゃなかったよ

 

「秋奈様、お食事の用意が出来ました」

「わかった、運んでくれ」

 

運ばれてくる料理の数々…日本に来たのなら和食を食べなくちゃね!

 

「それじゃあ食べようか!」

「はい!」

「「いただきます!」」

 

刺身に少し山葵、醤油を付け口に運んだ

……うん

脂がのっていて、うまい!

 

しかし、う〜ん~

ここを解放するのは嫌だけど別館を解放して、料理を提供すれば利益が上がるか?高級和食《禅》っていう名前で出展するか……

 

デートでは考えられない事を考えていると…

 

「あ、あの!」

 

セシリアが気まずそうに聞いてきた

 

「は、箸が上手く持てなくて……」

「あぁ…そうか」

 

セシリアは箸が始めてだったな、どうも気遣いが出来ていないな俺は…

 

俺は立ち上がり、セシリアの後ろに回り…

 

「いいか?こう持つんだ」

 

母様が俺にやってくれた様にセシリアの手に俺の手を添えて使い方をレクチャーした

 

「あ、秋奈さん!」

「どうかしたか?」

「い、いえ!」

 

一通り教え、上手くなった頃合いに離れ食事を再開したが……

 

離れ際に「あ……」ってなによ?

 

興奮するだろ?

 

…………

いかんな、疲れているのか……

 

その後、問題無く食事を終えて庭園を後にした

 

 

 

 

 

 

 

………そのころ、隣の部屋では、

 

「きゃー!秋奈くんったら大胆!セシリアちゃんも可愛い〜!」

「ノエル女史よ……落ち着いて食事は出来ないのか?」

「磯野さんテンションが低いですよ?」

「はぁ〜……」

 

なんてやり取りが行われているとは知らなかった

 

 

 

 

何故かゲッソリした磯野の運転で午後は普通にショッピングを楽しんだ

やはりセシリアも女の子だ

生き生きとして、俺に試着した服の感想を求めてくる

そう言うのは母様で慣れていたから大丈夫だが、磯野?

 

大丈夫か?

 

トイレに行く回数がハンパないが?

 

 

一方、ストーカーは……

 

「……ノエル女史、いい加減にしたらどうだ?」

「何を言っているんですか!?セシリアちゃんの色々な服装をカメラに収めるチャンスじゃないですか!」

「……うちの系列だから、見逃して貰っているが……説明しに行く私の身にもなってくれ」

「あぁ!セシリアちゃん大胆〜!可愛い〜!」

「……聞いてくれ」

 

 

 

 

ある程度、回り何故か先程より顔色が悪い磯野の運転のもと夕食を取った

 

今回は洋食にして、セシリアに負担をかけない様にした俺!グッジョブ!

 

 

……だが

 

「……ナイフとフォークの使い方を教えてくれませんか?////」

 

とお願いしてきましたよ

セシリア?

貴女は俺より上手く使えますよね?

 

………まぁ、昼と同じ様に教えましたが

終始、満面の笑みのまま食事を終えたが、楽しい時間は本当に直ぐ終わりを告げるようだな?……お別れの時間だ

 

「秋奈さん今日はありがとうございました」

「いや、俺も楽しかったよ」

 

いや本当に、今日はいい休日だった

 

「来年からはIS学園に通いますので、休みの日にはお邪魔しますわね?」

「あぁ、セシリアなら歓迎するよ」

 

セシリアは、俺がISを使える事も専用機を持っている事もしらない

親友に嘘を付くのは心が痛いが……

世界が動くまでは俺は動けない……

 

「そろそろ、時間ですわね……」

「あぁ……」

「名残惜しいですが、また会いましょう?秋奈さん」

「あぁ…また会おう、近いうちに…」

「えぇ……さようなら」

 

セシリアは手を振りながらゲートを去っていった

セシリアを乗せた飛行機はイギリスへと飛び立っていったのであった

 

 

 

 

 

 

 

帰りの車の中……

 

「……学園に通いたくなりましたか?」

「………少しな」

「もうちょっと素直になれないんですか?」

「世界が動くまでは動けないさ……

 

 

……ノエルさん何でいるの?」

「気にしたら負けです!」

「世界が動いたら秋奈君も動くと?」

「………あぁ」

「……私達も準備しませんとね」

 

ノエルさんの言葉に短く「はい」とだけ答える磯野、その短いやり取りだけでも磯野の重いが伝わってくる

 

「頼りにしてるぞ、磯野」

「心得てますよ、秋奈君」

「……あの、私は?」

「ノエルさんは罰を受けてから頼りさせてもらうよ」

「………罰?」

「ふふふ、ノエル女史にはキツイですね?」

「………妥協案だ」

 

そう、気付いてないとでも?

 

「まぁ〜俺の準備は出来ている。後はsssと世界だな」

「?……上手くわかりませんが、セシリアちゃんと同じクラスですといいですね♪」

 

夜道をヘットライトが照らす中、俺達三人はsssと帰っていったのだった

 

 

 

Side セシリア

 

祖国イギリスに帰還する飛行機の中……

 

今日の事を思い出す……

 

 

日本庭園と言う日本特有のガーデンでの事……

 

秋奈さんが私を特別として見ていてくれている事がわかり…

 

昼食で触れ合った時に感じたあの……

 

胸が熱くなる思い…

 

もう一度確かめたくて夕食に無理を言って確かめたが……

 

やはり胸が熱くなり高鳴った…

 

そして、 別れ際……

 

 

秋奈さんと別れると思うと胸が痛くなった……

 

……………

 

…………

 

秋奈さんと出会った時は分からなかった胸の高鳴り

 

あの時は父、いえお父様が私に向ける笑みと同じ暖かさを感じた

 

でも、今日の感じた胸の高鳴りと痛み、これは……

 

「……私は、セシリア・オルコットは、秋奈さんに恋をしてますのね?」

 

ミラーに写る自分に問い掛けると、頬を赤く染めていた。それだけじゃありません

 

胸の鼓動も早くなっていました

 

「//////」

 

は、恥ずかしい……

私は、小さくなっていく日本を見ながら自分の気持ちに気付いたのだ

 

「……秋奈さん、貴方が好きです」

 

この想いはいつか……貴方の届きますか?

 

 

見えなくなった日本にいる貴方へ私は問うのでした

 

 

 

……………

 

out セシリア

 

 

 

 

 

 

 

Side 三人称

 

 

年が変わり三月……

 

世界は動き始めた……

 

世界初である男でISを動かす事の出来る人物『織斑一夏』の登場によって…

 

八咫烏の導きなのか……

 

世界変動と共に八咫烏の子は動き始めた……

 

『世界の悪』を潰す為…

 

仲間を照らす為………

 

愛する人を守る為……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「委員会め!いつ気づきよった!」

「………落ち着け、碇。社長、手配書はこちらに」

「秋奈君!委員会と日本政府がIS学園に通え!って要請が酷いよ!」

「あ、秋奈くん〜!各メディアが取材したいって言って来てるよ!」

「社長!IS学園が入学を許可する代わりに『贋作者』を収納しろ!とほざいています!」

 

「う、うるさ〜い!」

 

 

………八咫烏の子は表舞台へと飛び立つのであった

 

 

 

 

そして、世界に広まった

世界で二番目にISが動かせる男がsssと言う大企業に在籍していることが………

 




後日、sssの掲示板には

辞令

秘書課 ノエル・ヴァーミリオン

以上のモノをISスーツ及び一般服の広告ポスターの専属モデルに抜擢する

sss社長 雑賀秋奈

PS 反省しなさい


と張り出され、一人の秘書が悲鳴をあげたとなんとか・・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。