進行速度はかなり遅いです。
「やあ、みんな集まってくれたね」
提督室には一人の男と四人の女性が集まっていた。
「各型の長女から聞いた人もいるかな。これからみんなでTRPGを始めようと思うんだ」
「ねえ提督、妙高姉さんからは重巡と航巡の各型から一隻ずつ来るって聞いたんだけど、利根型が来てないわよ?」
女性の一人、足柄が進言する。
本日、早朝に提督は重巡・航巡の各型一番艦に連絡を回させた。『各重巡から一人ずつ集めてTRPGをやります。TRPGについては別紙に詳細が書いてあります。お姉さんたちは概要を説明せずに長女権限を発動させて行かせてもオッケーです。自分が行っても大丈夫だけど、出来れば行きたい人がいないか聞いてください』という紙を渡した。利根型・妙高型・最上型・古鷹型(ここでは青葉型を含む)・高雄型に伝えた。
結果、来たのは足柄、鈴谷、青葉、摩耶だった。
「うん、それについては今から説明するよ。
説明とかが書いてある紙を渡してすぐに筑摩がやってきたんだ。『利根姉さんが読んでみたところ意味をくみ取りかねていたので説明を聞きに来ました』ってね。だいたいのことを説明してルールがクトゥルフ神話、説明を聞いたら『利根姉さんには合いません、辞退します』ってさ」
「じゃあ筑摩が来るわけ?」
鈴谷の質問にも首を横に振る。
「僕もそう思って聞いてみたんだけど、『私は利根姉さんとセッ・・・世間話をしたほうが楽しいので遠慮します』だって」
「スクープの匂いがしますね」ガタッ
「野暮なマネはやめときな」
青葉が立ち上がって摩耶が止める。
「提督よお、あたしたちはTRPG?ってやつをやるんだよな。簡単に説明してくれよ」
~TRPGの説明中~
「だいたい分かったかな?」
「TRPGのだいたいのことは分かったけどさ、机の上のノーパソとヘルメットは何なの?」
鈴谷が言う通り、提督の机の上には六つのヘルメットと一台のノートパソコンがあった。ヘルメットは普通のものよりも一回りほど大きい。
「パソコンのほうは僕のものだよ。ヘルメットは親友からの送り物さ、パソコンに送られたプログラムを読み込ませてTRPGを面白くできるらしいんだ」
「面白くって、どんな風に面白くなるんですか?」
「友達が送ってくれた説明文を見ると、フィルター越しにサイコロを振ったりNPCと会話が出来たり自動でBGMが流れたり・・・パソコンが重くなりそうだなあ」
「ステータスは一回振りしか出来ねえのか?」
「んー、最初だから二回まで振り直していいよ。一つのステータスを二回、二つのステータスを一回ずつ、全部をまとめて二回のどれかのパターンで」
「ねえ、これってどこで振ってもいいのよね?」
「足柄さんのラッキースポットでもどこでもいいけど、鎮守府内にしてくれないとデータが届かないよ。あ、でもやってみたら分かると思うけど、鎮守府内なら通信もできるよ」
言い終わった時にはすでに足柄はヘルメットを持って退出していた。
「勝利が私を呼んでいるわー!」
その声は扉を閉めたにも関わらず、中の四人にはっきりと聞こえた。
「足柄さん、どこに行ったんだろ」
鈴谷の言葉に返る言葉はなく、ヘルメットを装着する音とパソコンを操作する音だけが響いた。
ガラガラさんはいったいどこに行ったんでしょうねえ(すっとぼけ)