変's(two)    作:和三盆百馬

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―第二幕―第二十話「新たな悪意」

そして、月日は流れ課題の発表会当日―。

 

各々が調べた内容を、ノートPCを介してプロジェクターに投影、スクリーンにスライドショーとして流されている。

 

それを、各ペアチームが順番に発表していくという形式だ。

 

矢代「…これで以上です。」

 

先生「よし、いいぞー…そんじゃ次、天照・二宮ペア。」

 

誉めたりとか指摘したりとか、なんか感想無いのかよ!?相変わらず適当だな…こいつ。

 

先生「ん?どうした、天照?」

 

天吾「あ、ああ…いえ…それじゃ、発表を始めます。」

 

天吾が、スタートボタンをクリックする。

 

有紗「…え、ええっと…私達が調べたのは…」

 

英吉「有紗ちゃん頑張れー!」

 

珠稀「有紗ちゃぁぁん!」

 

先生「お前ら黙れぇぇ!!」

 

有紗「…それじゃ、気を取り直して…。」

 

天吾「…あれ?」

 

すると、今度は天吾が有紗の進行を遮った。

 

先生「どうした?」

 

天吾「いや、なんか…用意してたデータと違うみたいで…。」

 

有紗「え?」

 

そうこうしている内に、違うデータがスクリーンに映し出され始める。

 

天吾「…これって…。」

 

スクリーンに映された光景は、三週間前の図書室での二人のいる風景だった。

 

英吉「…なんだ?これ…。」

 

友子「お前ら、これなんのアピールのつもりだ?」

 

天吾「ち、違う!」

 

天吾は、映像を必死に止めようとするが、何故か操作不能で止める事が出来ない。

 

マ、マズイ!!この映像がこのまま流れ続けたら…。

 

しかし、必死の抵抗も虚しく画面上には、デカデカと有紗のパニックの瞬間が映し出されてしまった。

 

有紗「…」

 

有紗はそれを、ただ呆然と見詰める。

 

天吾「…あ、あり…。」

 

英吉「…」

 

珠稀「…有紗…ちゃん?」

 

友子「マジかよ…。」

 

先生「…と、止めろ止めろー!」

 

天吾が、先生の指示に従って停止ボタンを押すと、映像は正常に停止した。

 

天吾「ウソ!なんで!?」

 

先生「天照!これは一体どういう事だ!?」

 

天吾「お、俺にも何がなんだかサッパリ…。」

 

?「それ、本当かなぁ?」

 

先生「…どういう事だ、石崎?」

 

石崎「だって、課題用の映像は各々がパスワードで管理していて、消去したり書き換えたりするのは他人には難しいですよね?それに、映像を止めればいいだけの話なのに、天吾君はそれをしなかった…一体、二宮さんになんの恨みがあって、こんな真似をしたんだか…。」

 

天吾「ちょ、待てよお前!!映像が流れてる間、操作が利かなくなってたんだよ…俺は、必死に止めようとしてた!!」

 

石崎「それだって、演技かもしれない…パソコンの影に隠れて見えなかった以上、必死に止めようとしていたかどうか…それを証明するものはないよね?」

 

天吾「え、演技なんかじゃねえよ!それに、俺は有紗になんの恨みもない!!」

 

石崎「そんなの君以外分かりようがないだろ…人はくだらない事で恨みを持ち、くだらない理由で殺意すら抱く生き物だ…表面上、好意的に接しているように見えても、腹の底ではどう思ってるかなんて、本人以外誰も知り得ないよ。」

 

天吾「…お前なに言ってんだよ…そんな事言ったら、俺がやったっていう証明だって、どこにもねえじゃねえか!」

 

石崎「ああ、だが俺は確率論の話をしているんだ…状況証拠を鑑みるに、天吾君を疑う事はそれほど的外れとは思えないが?」

 

友子「でも、あの映像天吾も映ってたじゃねえかよ。」

 

天吾「友子…そうだ、そうだよ!」

 

石崎「映像を見る限り、あれは固定カメラで録っている筈…それなら、あとは二宮さんの体調さえ把握していれば、映像に映り込んでいる人物にでも撮影は可能だよ。」

 

天吾「ふざけんな!俺が、有紗の体調なんか知ってる筈ねえだろ!なあ、有紗?」

 

その時、有紗の脳裏にまたしても過去の記憶がフラッシュバックされる。

 

『友達だと思ってたのに。』

 

『裏切り者!』

 

有紗「…天吾…。」

 

有紗は、後退りした後逃げ出す様に走り出した。

 

天吾「有紗!?おい!!」

 

すると、有紗は躓いて英吉にぶつかりそうになる。

 

英吉「うお!?あぶね!!」

 

有紗「キャッ!!」

 

それを、英吉が咄嗟にかわし有紗は転んでしまう。

 

有紗「…」

 

起き上がった有紗は、無言で教室を飛び出していった。

 

石崎「二宮さんのあの反応…やはり、犯人は君で間違いない様だね。」

 

天吾「…」

 

マジかよ…。

 

俺も有紗も、このままじゃ…。

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