某抱き枕二次に影響されたというのも大きいかなと思ってます。
殆ど設定気にしないでも書けそうな話なんですが、書いてみると大変なもんですね。
小説書いてる作者の方々は本当に凄いんだなと感じました。
誤字などございましたら教えて下さい。
宜しくお願いします。
ナザリック地下大墳墓 第七階層――溶岩
七階層は終わった世界を表現したような場所だった。
それは、階層のいたるところで溶岩が勢い良く吹き出し、それが集まって大河を作っていた。まるで原始の地球をそのまま切り取ったようなこの場所には、ところどころに崩壊した神殿が配置され、異様な静寂さを醸し出していた。この階層を見るだけで、製作者がどのような人物であるか……おおよその検討が付くというものだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――!」
絶叫だ。
崩壊した建物の中でも一際大きい神殿の一室から、拷問でも受けているような声が壁を突き抜けて、七階層全域に響き渡った。
「大丈夫かね? 君の気持ちは痛いほどよく分かるさ。同じくナザリックの一員としてね……」
上下スーツを着たオールバックの悪魔が囁きかける。非常に耳あたりの良い声で、対面に座り、頭を両手で抱えてエビ反りしている
傍から見ればそう見えたかもしれない。悪魔は優しく、穏やかな表情で、ゆっくりと少女に言葉を投げかける。
「辛いのはわかる。私が君ならば、自ら首を跳ね飛ばすだろう。 だがね、シャルティア……寛大で慈悲深い我らが主は君を許した! 自らの不徳であると……そして私はアインズ様より君への説明を任された……わかるね?」
「……わかっているでありんす。デミウルゴス」
「そうさシャルティア。アインズ様がお許しになった君を責めるようなことは決してしない! ……断言しよう」
悪魔は約束した
事実を事実のまま伝えることを
――話は、数刻前に遡る。
シャルティアは、アインズ・ウール・ゴウンに剣を向けた。
だが裏切ったわけではない。
それは世界情勢を調べるべくアインズの勅命を受け、愛しい人へ贈り物を選ぶような気持ちで意気揚々とナザリックから出立したシャルティアを襲った事故だった。彼女の性格や特性を考慮したとしても、間違いなく不運だったと言えよう。
そして操られ、放置された場所でアインズと決闘し、敗北した。
敗北しただけであれば、まだ救いようがあったかもしれなかったが、残念ながら、ナザリック出立からの記憶を一切覚えていないことが事態に拍車をかけた。
そして現在、デミウルゴスから、
アインズは許したが、デミウルゴスは許していない。
だが、デミウルゴスは絶対にシャルティアを責めることはしない。
何故なら、もし罵倒一つするようなことがあれば、それは敬愛してやまないアインズを侮辱することになる。それがわかっているデミウルゴスは、シャルティアに説明することで、彼女の良心の呵責……もとい、階層守護者として、ナザリックNPCの頂点の一角として自覚をしてもらうために、じっくりとした説明を行うことで自分の気持を抑えていた。
「落ち着いたかね? さて……どこまで話したかな」
「……せ、清浄投擲槍を放ったところ……でありんす」
「あぁ! そうだったね……君がとてもいい笑顔で、アインズ様への特効属性である神聖属性のスキルを……必中スキルを当てたところだったね」
「うぐぅ! 早く話を続けるでありんす!」
シャルティアは血反吐を吐くような思いで、デミウルゴスの言葉攻めによる拷問に耐えている。
デミウルゴスの言葉が重く伸し掛かる。
「アインズ様が身を削って
「ぐふっ!」
「弱点を攻めるため神聖魔法を連続使用し……」
「がっ!」
「
「げぶ!」
自分の対面で叫びながらバタバタと動きまわる色白の少女。
その姿は陸の上でもがく魚のようだった。壊れた玩具のような鳴き声で暴れまわっている。あまり言い過ぎると、創造主に与えられた部屋が壊されるのでは無いかと移動も考えるほどだった。
「そしてスキルを消化しきった君はエインへリアルを召喚して、自らは眷属を……」
「あ……あれまで使ったでありんすか!?」
シャルティアの視界が歪んだ。
エインヘリアル――神話では、ワルキューレによって、『ヴァルハラに導かれた戦士』の肩書を持つそれは、物理攻撃しかできないゴーレムのようなものではあるが、シャルティアの能力値をそのままにした、
それを愛する至高の存在に放ったという事実。
「あぁ そうだよ」
悪魔は肯定するだけだった。
ただそれだけで効果は抜群だとわかっていたからだ。
シャルティアは心臓が締め付けられる思いだった。
気がつけば自らの手で自分を
「お゛お゛お゛お゛お゛」
シャルティアの喉から見た目に似合わないような雄々しい雄叫びが上がる。 それを迎え撃つ男から本当の意味で優しい声が届く。
「シャルティア……ここからは、アインズ様の逆転劇だ」
ばっと、デミウルゴスを見つめるシャルティア。
目は充血し、涙で顔もぐちゃぐちゃだったが、探していた宝箱を見つけたような驚きの顔をして答えた。
「逆……転?」
「そうさ、あたりまえだろう? アインズ様は君に勝利したのだから」
「……あぁそうか…………流石は至高の御方……」
「うん。そうだね。全てはアインズ様の狙い通りに動いていたのさ」
――まぁ、このあたりかね
デミウルゴスは優しい。
その優しさは、ナザリックの者限定になるが、シャルティアが事実を聞いて悶え苦しむ姿を見て安心していた。
もし彼女が苦痛を感じないようであれば、もはや相容れぬと見切ってしまい、あの執事以下の位置付けになったことだろう。最悪、例え主人の命に背いてでも、断罪やむ無しと考えていたが――
「……ルゴス! デミウルゴス!」
「ん? あぁ、すまない」
「何を呆けているでありんすか! アインズ様がわたしをどう殺したか、詳しく聞かせるでありんす!」
「わかっているさ。キチンと説明するよ。……今までもそうだったろう?」
「お、おう……」
説明を続けるデミウルゴス。
自らが死んだ話になるというのに、シャルティアはうっとりとした表情を見せ、恋する乙女のような溜息を吐き出し、彼女は
「ゲイ・ボウ! ペロロンチーノ様のゲイ・ボウで一方的な射撃から、わらわは消滅したでありんすかえ!?」
「残念ながらハズレだ。ゲイ・ボウを使う……それもまたアインズ様の偉大なる計略の一つだったのさ。シャルティア、君なら次の手はどうするかな?」
最も敬愛する
「持久戦が当初の狙いとは言え……あくまでもアインズ様のMP切れが狙い。離れれば射られる状況であれば……アインズ様のMP自然回復力を考えると、もはや持久戦は愚策、短期決戦を狙い、一気に接近するでありんすね」
「コキュートスも似たようなことを言っていたよ……その通り君は動いた――だが、シャルティア! それすらアインズ様手の内だったのさ」
「ということは……アインズ様は接近戦で戦ったでありんすか!?」
「
「そっ! それは!?」
デミウルゴスはいつの間にか語ることに熱中していた。
シャルティアに対する目的はもはや薄れ……主人の命を忘れるデミウルゴスでは無いが、アインズの素晴らしさを如何に上手く伝えれるか、それだけに心血を注いでいた。 対面で恍惚とした表情を浮かべているとは言え、シャルティアのほうが若干冷静なくらいだった。
「そして君は――死んだ。アインズ様が再び発動された
「……あぁ、アインズ・ウール・ゴウン様、万歳。至高の御身こそ、まさにナザリック最強の御方」
神話を聴き終えたシャルティアは心底嬉しそうにそう言った。
デミウルゴスも大きな仕事をやりきった気持ちで一杯だった。
聞くことを終えたもの、語ることを終えたものを待っていたのは静寂だった
「……」
「……」
「……そうだったんでありんすか」
虚空を見上げるシャルティア。
至高の御方の話――自身と戦った大逆転劇。この相手が憎い相手であればなお嬉しかったが、戦ったのは自分だった。階層守護者、ナザリックNPCの頂点の一人として恥ずべき姿である。アインズが許したと言った手前、誰も表立って自分を非難することはないだろう。それは確信している。
しかし、自分の心は晴れない
それと同じように、多くの者の心の奥底に、今回の件――シャルティアに対する評価というものは間違いなく下がったであろう。それが悔しくてたまらない。いつの日か……必ずこの雪辱を晴らし、「ナザリックにシャルティアあり!」そう思われるよう、強い決意を抱いてシャルティアは立ち上がった。
「デミウルゴス! わらわはやるでありんす! 必ず蘇るでありんす!」
「5億だね」
「は?」
「あぁ、思い出したよ……君が蘇るために使われた資金さ。アインズ様が宝物庫から君の復活の資金を、わざわざ御用意してくださったんだよ」
「…………」
「最低でもそのくらいの働きは……目標にするべきだろうね」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛――!」
少女は再び絶叫した
オリ設定:エインヘリヤルがワルキューレランスのスキルという話
クリスタルモニターだと、ビューイングの方もそうですけど言葉は伝わらないんですよね
だからアウラの行動は永遠に闇の中ということで……
デミ「なんで直前であっちむいてホイしたの?」
シャ「ごめん 覚えてない」
コキュートス出すの忘れてた
セリフ考えてたのに
※3/28 誤字とか言葉使いとか細部を修正 信仰系属性ってなんだ 神聖な