今回が初投稿です。
バリバリの初心者で会話構成などがおかしくなってるかもしれません。
そんなものでもいいよと言う方は、どうぞご覧ください。
皆さんはRTA(リアルタイムアタック)をご存じだろうか?
RTAとは、ゲームスタートからクリアまでの実時間(時計で計測した現実の所要時間)の短さを競うものである。________ニコニコ大百科より
俺は、とある大人気ゲームのRTA結果を確認して深いため息をつく。
最善最速を目指したが、一度致命的なミスをしてしまったのだ。
今回はさすがにダメかと思ったが、どうやら心配は必要なかったらしい。
ランキングには、7位に自分の名が表記されている。
自分の最低ラインは、十位以上。
今回はかなり危なかったようだ...下から数えた方が早い。
因みに今までの最高記録は二位である。
一位の人に一秒差で敗北し、優勝を逃してしまったのだ。
まあ、そんなことはどうでもいいだろう。
今は、自分の最低ラインを死守できたことを喜ぶとしようではないか。
集中力を駆使して闘うこの遊びでは、とてつもない疲労感がおそうのだ。
そんな心を癒すのは、最近趣味になってきているネットサーフィン。
適当にネットの中を彷徨って、興味をひかれるものには手を出していく。
新作ゲームについてのコメントや、或いは面白い動画、或いは動物たちの可愛い画像など......。
小猫は可愛い、異論反論抗議質問口答えは一切許さない。
心にある程度の余裕が出来て見すすめていくと、とある一つのサイトに目が釘付けになってしまう。
そのサイトのタイトルは、『もし異世界に行くのなら』。
そのサイトに言い表すことのできない感情を抱き、貪るように読み進める。
『もしあなたが異世界に行くのならば、なにを欲しますか?富?力?美貌?......あなたの思いつくあらん限りの知識を持ってあなたの望む環境を作り上げてみてください』
その言葉に、感動を覚えた俺は自分の望む環境・世界、力や条件などを......。
強すぎてはその世界を楽しむことすら出来やしない。
逆に弱すぎては、生き残る事すら難しいのだろう。
自らの思う最強最適の設定を作り上げる。
ディスプレイを眺めたまま、膨大な時間をすごしていたのだろう。
思うまま作り上げたものの、まだ作り終えない。
何かが足りない。無意識のうちにかけていない何かが。
その場で閉じてしまいそうな瞼をどうにか耐えて、自らのベットに飛び込んでみる。
ベットから発される冷ややかな冷気が、いまだ興奮状態から冷めない火照った体に伝わる。
まるで凍結するかのように、体から力が失われていく。
目はもうとっくに閉じてしまった。
かろうじて残っている脳で考える。
______なに真剣に考えてんだよ俺.....。あれはありもしない『異世界にいったら』だってのに...。存在しえぬ幻想だからこそ心を入れて身がはいるんだよ...。現実はいつも凄惨で残酷で真実だ。俺はもうそれに気づいているはずだろ....?それでもそんな真実を否定し続ける自分もいるなんて。すでに受け入れて、現状を作っていることなんて。でも、そんな矛盾の塊であるような俺の願いがかなうというなら...。
...どうか...あの世界に..............。
そうした俺のひそかな感情は、闇に包まれた空間へと飲み込まれていった。
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ふかふかした感覚が俺を包む。
温かい風が体をなでていき、新しき一日を俺へと伝えて去っていく。
鈴のような小鳥の囀りが、俺の意識を覚醒させる。
_________ふむ、これが本当の朝チュンってやつなのか?
この愛しい感覚に包まれていたいと脳が反抗するが、それに逆らい目を開ける。
そこにはいつも通り何もない白い屋根が______________
___________ないッ!?!!?
知らない天井ですらなく、もはや青空そのもの。
ノルマしっぱ~い....なんて太鼓顔(誤字に非ず)の生物が涙の湖で沈んでいそうだ。
いや、そんなことよりどういうことだ?
俺は、夜中にどこかを歩くような夢遊病になど罹っていない。
はたまた、どこぞの誰かに体を操られたわけでもない。
_________ではなぜここに?
寝ているだけでは何も始まらない。周りを見てみれば何かわかるかもしれないじゃないか。
体を起こして立ってみるが、そこからわかったものはただただひたすらに緑、それだけである。
おおおおお落ち着くんだ俺!まだだ、まだあわてる時間じゃない!そう落ち着くんだ。こういうときは.....そうだ!素数を数えろ!
0・1・3・5・7・9....あれ?0って素数なんだっけ?くっそ、ぷっち神父全く役に立ってねえ!いやそもそも素数すらしらねぇじゃん。そんなこともわからないとか.....俺ェ..........。
まあいい、とりあえずは適当に歩き出すとしようか。
探索もかねて、地形も記憶して無駄なルートを通らないようにしておこう。
これは大きな一歩だ。何もわからない新しい世界に生まれた赤子同然の自分にとっては......
________さあ、始めよう......新しい自分語りってやつを.......。
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とりあえず状況整理だ、これをしなくちゃ何事もはじまらない。
ここは恐らく、俺が『もし異世界にいくのなら』で想像された世界なのだろう。
であれば、すべての位置は把握できる.......ここがどこかわかれば、だが。
俺があこの世界で適用されるよう設定したルールは結構単純。
1,俺がもっとも好んでいたゲームのデータを引き継ぐこと。
2,ゲームと同じ縛りのある無限アイテム。
3,サポートしてくれるキャラクターがいること。
ホントはもっと細かいのだが、大まかにはこんな所だ。
日にちを重ねるごとに、強い装備が解禁されて使用できるようになるのだ。
アイテム自体は無限だが、一日に使える数は決まっている。
武器は自由に切り替えることが可能だが、そのために五秒ほどのインターバルが必要。
などなど。
こんなところで突っ立っていても何も変わらない。
とりあえずどこか適当に歩き出そうか。
あ、因みに今はユクモと言われる温泉が有名な村の初期装備だ。
木!木!とことん木!!前後左右見渡しても一面緑。
こんなに広い森林あるのか....これはもうジャングル(都会版)といっても過言ではないぞ?
ここには足首までの草が生えわたり、花が見事に咲き乱れている。
日向の多い暖かい場所でもあるから、ゆっくりしたいときはここに来るといいかもしれないな。
ひときわ大きい木を見つけ、そこの寄りかかる。
温かい空気に身を任せていると、それを引き裂くかのように______
「きゃあああああああああああああ!!!!!」
______女性特有の高い悲鳴が響き渡る。
ここがどんな世界なのかはよくわからないが、遠くで聞こえる金属音は恐らく武器なのだろう。
ここで無視して歩みはじめるのはいささか気分が悪い。
行ったは良いが、間に合いませんでしたってのも気分が悪い。
こうなったら全力で行こうじゃないか。
悲鳴があった方向へ、全力で走り出す。
木を擦れ擦れで避けてまっすぐに向かっていく。
数キロ走り抜けたころだろうか、少し先にいくつかの人影が見えてきた。
それにともなって、いくつかの声も聞こえてくる。
「おい!早くお守りしろ!!」
「そんなことわかって....がぁぁ!!」
「なんでこいつらがこんなところにいるんだよおおおお!!!!」
やっとだ!ようやくたどりついた!!!
そこには、王族が乗るような馬車とそれにつれそう騎士みたいな人たち。
それを襲う一見オークみたいな赤いやつらの群れ。
あきらかにやられてしまってる人も幾人か見えた。
オークが敵だ。駆逐してやる...一匹残らず....ッ!!!
____________お邪魔しまーす。
手始めに、馬車の中に手を突っ込んでるオークを標的にセット。
オークを抜き去り際に一太刀入れる。
初期武器ではあれどもG級装備、オークを豆腐を切るように切断する。
騎士さん達が驚愕しているのを軽く無視して、近くにいたもう一匹を切り捨てる。
「誰だお前は!」
_________地獄からの使者...スパイダーマッ!!!!
はいはい、クモ男さんは帰って、どうぞ。
「俺に話があるのなら、こいつらを始末してからにしろ」
何をとちくるったのか、俺に敵意を向けてきた騎士に一言入れてオークに向き合う。
残りは五匹、リズムよく行けば逃げ出す前に倒せるだろう。
「おい!ひとりじゃ太刀打ちできんぞ!!」
ひとりじゃ無理?一体おれは何年間一人で戦ってきたと思ってるんだ?
初期装備で星五クエストなんて通常だろ...なぁ?
ひとりだけ突っ込んできた俺に狙いを変えたのだろう、全てのオークがこちらに向かって進んでくる。
全部が全部ぶたみてぇな声あげやがって!そんなに声が出したいなら、ドSな施設に行ってくるんだな!!!.........え?違うって?
脳内一人コント中にオークの一匹が太い腕をあげ、大きな棍棒をたたきつけようと迫る。
__________真上からッ!
太刀に手をかけた俺は、予想通り真上から来た棍棒をかわし、抜き放ちと同時に切りつける。
オークの体は、某零閃をくらったてきのように横一文にわかれて血しぶきをあげながら倒れていく。
そのまままっすぐ進めばもう一匹にぶつかることも確認できている。
__________今度は横からかよ...ッ!
オークの少しだけとれている統制にいらっときながらも、対応する。
横から来た棍棒は、ごうっと空気を揺らしながら迫ってくる。
受け流しきれないと判断した俺は即座に回避に変更、一撃でも喰らったら最速クリアはできない。
前に前転し、棍棒がすぐ去ったのを確認すると体勢を立て直して突きを放つ。
太刀が深くまで貫通し、血が流れ出す。
そのまま頭まで上に引き裂き、次のターゲットを視界に入れる。
奥にいた赤いオークたちは、縦に並びながら走り出した。
「あ?あれ?...この動き、まさか...........」
本来なら一機に見えるようにするためなんだが、ばらばらに走ってるせいで丸見えである。
すぐそばまで迫ってきた一匹が棍棒は横なぎに、背骨をへし折るような動きだった。
しゃがみでは回避できないと判断した俺は、オークの首元に飛び込み首を切り落とす。
赤い鮮血がふきだし、地面に奇抜な絵をかき上げていく。
斬ったはいいんだが、切れ味が良すぎるせいで空中で回転してしまった。
「ブヒィィッィィィィィィッッ!!!!」
そいつの後ろから追従してきた奴が、声?を上げながらまさかの棍棒を投げてきた。
「ちょっ、おま!?目くらます物ないからって投げんなよ!!」
まさかの行動に驚くも、棍棒を叩き落として首を切り落としたオークの体を台に、自らの体を縦に回転させ続くオークの体を縦に切り裂く。
一番後ろにいたオークは遅れていたのか、少し遠い位置にいるようだ。
「ここから先は....俺の距離だ!!!!」
勢いを消すように回転しながら肉薄し、連撃最終抜刀を繰り出す。
一筋の光りの流星が煌めき、体長何メートルという体をなぞる。
大きく一歩を踏み出し、腰の位置から逆袈裟斬りにする。
「プギィィィィ......ィィィィ」
オークは一瞬にして生きるための肉体を失い、力なく地面へと倒れる。
草葉を巻き上げ、巨体は光りとなってその姿を失っていった。
刃についた血を振り落とし、ゆっくりと鞘に納める。
その光景を眺めていると、後ろから声が......。
「あんた...一体なに者だ.....いや、そんなことより助かった...感謝する」
「いや、あんたたちには守るものがあったんだ......それに俺は何もしてない。だからあんたらがお礼を言う必要はないし、俺が言われることもない。後......さっさと馬車にいる人、無事かどうかの確認とかしなくていいのか?」
残り少ない騎士のまとめ役みたいな人が話しかけてきた。
笠を深くかぶり、顔が見えないようにしながら返事を返す。
あんた...国直属の騎士なんだろ.......?姫だか王子だかしらないけど無事確認しなくていいのかよ....。他にいる騎士たちも酷いありさまだし、俺を気にしている場合じゃないと思うんだが...。
「すまん、そうだった!!お前はここで待っていろ!国王様一家の確認が済み次第、お前と少し話があるんだ。いいか?動くなよ?」
あんた....それはフリか?ふりなのか?そんなこといったらつい体が動いてしまうじゃないか。
「じゃあな、どこぞの国の王と一族一家。それとたぶん精鋭騎士団。お前らが無事に行先につくことを祈ってるぜ」
リーダー(仮)が走って馬車に駆け寄るのを尻目に、背を向けて歩き出す。
振り向いているとき、姫様的な服装をした女性と目があった。
金髪に澄み渡るスカイブルーの瞳、白磁な肌に儚げな印象の美少女。
彼女はこちらに向かって手を伸ばし、何かを伝えようと口を動かしているが何を伝えたいのかが分からない。
_______俺、知ってるんだ。こういうときって大体待てやゴラァァ!!!とか、逃げんのかワレェ!!!とか言ってるんだって、本に書いてあったよ。
姫様?が声を出したせいか、騎士たちが俺が逃走しようしいているのに気付く。
だが、距離的に追いつくことはできないだろう。
一番近い距離にいる騎士でさえ、二十メートルほど離れている。
むしろ、なぜあれだけの傷を負ってるのに全力疾走できているのか........謎だ。
______........勝ったッ...........僕の勝ちだ..........!!!!
今の俺は、自分でもドン引きするほどの気持ち悪い笑みを浮かべていることだろう。
おいこら、うえっwwwキメェwwwwwとかいうんじゃない!!!
「それでは失礼します.......さようなら」
オンラインでのあいさつは必要不可欠だよね。
そのまま俺は勝利の余韻を溢れさせ、背を向けた状態で手を振る。
______後は逃げるだけ、逃げるだけなんだ!なにか....なにかきっかけが欲しいでござる!!
どういうタイミングか、落ち葉を巻き上げるほどの暴風が巻き起こる。
______キタこれ!!これならいける!にぃぃげるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
風に体が隠れたと同時に、渾身のマラソンを開始する。
落ち葉を吹き飛ばし、空気を揺らして駆け抜けていく。
風で飛ばされそうになる笠を押さえ、太刀の柄を握りながら前傾姿勢で走る。
強烈な風が収まったころには、謎の人物の姿はなく、ただただ、落ち葉がゆらりと浮かぶだけだった。
_______________________________
私の名は、アリシア・キルリオス・ド・リリテリア。リリテリア皇国の第一王女です。
私は、第一王女という肩書のせいなのか自由というものが禁じられていました。
民のみんなが遊ぶ遊具も、カードを使った遊びも、公園なるものも知りません。
城の者たちはみな口をそろえて、
「あなたは王女なのです。下々の者と同じことをしていては、王女としての風格が損なわれてします」
というのです。この国の民をよく知るためには、この国の民の気持ちを理解し考えを張り巡らさなければいけないのです。
より民の皆を幸せに、楽しく生涯を送ってもらうために......。
持つものがするべき使命とは、持たざる者のために尽くすこと。
私のおじい様はそうおっしゃっていました。
お父様もお母様も、民のためにこの国のためにと日々を過ごしておられるのです。
今回はその一環として、ピクニック?なるものをしに森林に訪れました。
木々の楽園_______新人冒険者の定番ダンジョンです。
現れるモンスター達は現在観測されている中でも最弱の種族しか確認されておらず、死亡率1パーセントという安全なダンジョンとして知られている場所です。
燦燦たる陽の光を浴び大きく育った大木。
木漏れ日が草原を照らし、百花繚乱と言わんばかりに咲き乱れる花々を輝かせている。
木の枝にとまった小鳥たちが、かわいらしく合唱を始める。
それらすべての光景が、輝かしく華やかに見えました。
「木々の楽園....そうなずけたかたは随分と才能の溢れているかたのようですね」
「ああ、そうだなアル。こんなにこの光景とあっている名前はこの世界には片手ほどもないだろう」
「ええ、ここは気持ちのいいところね。公務がないときはここにきて気を緩めるのも悪くないわね」
お父様もお母様も、楽しんでいらっしゃるようです。
一段と広い場所に出ると、馬車がゆっくりと止まりました。
どうやらここで昼食にするようですね。
ふかふかの草のじゅうたんにシートをひいて、料理が並べられていきます。
サンドイッチやおにぎり、ウインナーなどお城ではほとんど見ないものばかりです。
料理を食べ終え、昼休みになりました。
え?料理ですか?......いつもと同じくとても美味しかったです。
たくさんある木の中でも一際大きい木にもたれかかり、目を閉じます。
メイドさんの制止の声が聞こえますが、無視です。
満腹感と暖かい空気に充てられて眠いです。
もう...限界.......で..........す..........。
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もう何十分たったのでしょうか?
近衛騎士の切羽詰まった声で目が覚めました。
「国王さま!ご報告します!ここから東一キロほどの距離にオークの群れを発見、相手はこちらに気付いており現在こちらに進行中です!」
「なんだと!?群れの数はどれくらいだ?」
「遠目で木に隠れて詳細はわかりませんが、十一匹ほどかと思われます」
「ふむ....その程度ならば問題ないだろう。騎士を三つの班に分けろ。索敵班、迎撃班、防衛班に分けて迎え撃つ!リリテリア近衛騎士の力を見せてやれ!」
どうやら魔物がこちらに来たらしいですね。
オークがここに出るのはめったにありませんが、近衛騎士たちの敵ではありません。
お母様に連れられて馬車の中に戻り、そこから様子を見ることにします。
しばらくして近衛騎士たちとオークの群れとの戦闘が始まりました。
オークの攻撃を弾いたり避けたりして捌き、反撃します。
オークたちはみるみる数を減らしていき、遂には後二匹です。
そうしてオークたちをあっと言う間に殲滅し、戻ってきます。
やはり騎士達は頼りになりますね。
安全を確認するためか、騎士の一人が死体の数を数えています。
しかし、騎士の一人が死体の数が合わないことに気づいたようです。
困惑している騎士の声は、こちらにも届いてきました。
「ん?死体の数が足りない...いや、そんなはずは....うん、やっぱり足りない.....数は五匹か?しかし一体どこに行ったというのだ......奴らほどの図体ならば、歩くだけで地が揺れるだろう。揺れどころか先ほどまでいた動物たちの気配も木々のざわめきすらも聞こえん。一体どこに.....」
「おい、どうかしたのか?」
「数が、死体の数が足りないんだ。何度数えても六匹しかいない。索敵班にも探してもらってるんだが死体発見の報告はない。だが、俺たちは確かに十一匹倒したはずだ、間違いない」
「そうか....だがもういいだろう。そろそろ引き上げるそうだからな、確認しても意味はない。ほら、さっさと行くぞ!」
「あ、ああ....わかった」
馬車が動き出すと同時に、大きな咆哮が響き渡る。
オーク特有の野太い声が、助けを呼ぶように響く。
「きゃっ!!」
そこまで聞こえた瞬間、私たちの乗る馬車に、鋭い衝撃が走りました。
「な、何事ですの!?」
「オークです!突然変異種のオークが攻撃を.......がぁぁぁぁ!!」
「馬車が襲われてるぞ!!いそいで護衛に回れ!!」
「出来るならさっさとやってるッ!!くそッ!邪魔だどけぇ!!!」
「なんでここにこいつらがいるんだよおおおおお!!!」
そこからはもう死屍累々としか言いようがありませんでした。
いきなり強襲された騎士たちは、陣形を立て直そうと必死になりますが、三匹のオークたちが邪魔をしています。
残りの二匹ががこちらに迫ってきました。
安全なダンジョンだからと、護衛の数を減らしていたのが悪かったのでしょうか?
護衛についていた二人は既に倒されています。
あっさりと馬車にたどり着いた赤いオークは、こちらを覗きこんできました。
体色と同じの真紅の眼は、確かに私たちをとらえて離しません。
「お父様......お母様......」
情けないことに、私は自分の体を恐怖から守るように抱えて震えることしかできませんでした。
まだ、死にたくない____それだけが私の心を駆け巡っていました。
「アル...母さんも......私の後ろに下がっていなさい」
そんな私を見てか、お父様が私たちの盾になるように前にでて、帯刀していた剣を抜きました。
オークが手を伸ばし、お父様をつかもうと......。
______どんなに願おうと現実は変わらない。
狭い馬車の中で満足に戦えるはずがなく、お父様はもうオークの手の中に.....。
溢れる涙が止まりません。
このままじゃ、お父様が.....!
誰か、お父様を....助けて............だれかぁ...................。
突然輝く一筋の剣線が、お父様をつかむオークを二つに両断しました。
その主は、旅人のような服装をしたひとりの男性。
笠をかぶっていて、袖のない胴を覆い隠す服。
独特な模様の、東の島国に伝わる『袴』なるものに似た履物。
その男性は振り向きざまに剣を滑らせて、近くにいたオークも一太刀で斬り伏せてしまいます。
その武器をよく見てみると、横に広く厚い剣とは違い、細く長く鋭い。見たことのない武器を背中に背負っていました。
「........誰だお前は!」
騎士の一人がオークに応戦しながら、その男性に声をかけました。
いきなり現れた男性を警戒しているのか、声に威圧が入っています。
「俺に話があるなら、こいつらを始末してからにしろ」
聞こえてきたのは、いまだ青年としか言いようがない若者の声でした。
ですが、戦いの場に出ているときの気配の消し方、空間把握能力は明らかに素人のものではありません。
「あなたは........いったい.....?」
小さいながらも声に出てしまいました。
ですが、どうやらお母様にもお父様にも聞こえていないようだったので安心です。
そこからの彼の戦いは思わず目を見張るものでした。
騎士の危機を知らせる声にも耳をかさず、ひとりで突撃していきました。
横なぎの攻撃を上に回避し、ついでとばかりに首を刎ねます。
そして飛んで来た棍棒を叩き落とし、首のないオークを台に空中で縦に回転。
そのままオークを二つに切り裂くと、勢いに乗ったまま最後の一匹に突撃。
得物を腰あたりで構えると、オークより少し離れたところで突如時計回りに体を捻りました。
廻りながらおおきく一歩を踏み出し、遠心力を使って得物を振りぬき、制止しました。
真っ直線にあてられただけで両断されるのですから、そこに回転エネルギーが加えられて無事はずがありません。
斬られたオークは逆袈裟切りにされ、光りとなってその命を散らしていきました。
彼はその様子を見終わると、得物についた血を振り落とし鞘に納めました。
彼の戦いに私は見惚れてしまっていました。
まるで演舞しているような動きに、目が離せなかったのです。
私は、ふと上空で何かが飛行しているのに気づき、顔をあげます。
空を飛んでいたのは見たことのない魔物。
そう断言できたのは、あまりに大きい体にこちらを.....というより旅人の彼を睨みつけているような気がしたからです。
その魔物はしばらくその場にとどまると、私たちの進路方向とは反対に飛んでいきました。
彼もそれをみていたのでしょうか?その魔物が飛んでいった方向をみています。
その後騎士に一言二言告げると、魔物が飛び去って行った方に向かって歩き出してしまいました。
「そこのお方!待ってください!!」
私の声に気付いたのか、騎士たちが逃げ出そうとしている彼をとらえようと走り出します。
「まだお礼も、何もできていないのに.......」
彼は、私たちに背を向けて歩き出してしまいました。
が、何を思ったのかその場で立ち止まります。
騎士達は、これが好機ぞとばかりに捕獲に走っていきます。
彼は顔をこちらに向け、私だけに見えるように笠の先をあげました。
そうして顔が見えたとき......
噴火した火山のように全身が熱くなるのを感じました。
漆黒の流れるような黒髪に、一房だけ純白な三つ編みの髪。
心まで見透かされてしまいそうな黒い瞳。
ありえないほど整った、まさに神がかりの顔立ち。
そして、ちょうどよく引き締まった肉体。
「....ぇ.........ぅぁ...........」
私が彼の虜になるまでに、そう長い時間はかかりませんでした。
私が熟れたリンゴのように赤くなっていると、彼は優しい笑顔を浮かべ口を開きました。
「それでは.....さようなら」
今度こそ私は心を彼に奪われたのでしょう。
もう、頭から彼の笑顔が離れません。
あぁ...お父様、お母様....私は...アリシアは..............
.............彼に初恋をしてしまったようです。
その後、鬱蒼と茂る森林の中で巨大生物と戦うハンターの姿があったという。
「え?...ちょちょちょペッコさんや....ここでジョーさん呼んだらあかんやろ...あら!?ほんとにジョーさん出てきよった!!なんでこんなところにいんの!?あん?うわ......そのドヤ顔まじいらっときたわ。おらこいやおふたりさんや!!仲間を呼ぶ咆哮なんて捨ててかかってこい!睡眠不足からくるストレス.......ここで発散してやらぁぁぁぁぁ!!!!!!」
どうだったでしょうか?
最初から最後までよくわからない感じで終わってしまいましたが、これでも結構頑張りました......。
図々しいとは思いますが、主人公の名前を募集しようと思ってます。
活動報告の方に乗せておくので、何かいい名前があったらお願いします!