ダンジョンに飯を求めるのは、間違っているだろうか?   作:珍明

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閲覧ありがとうございます。
タイトルがわからなかったので、適当に付けています。

これにて完結です。


OVAのアレ

 

 タケミカヅチ・ファミリアにはトシローという冒険者がいる。彼は優れた剣士であり、迷宮には鍛練の為に降りていると言っても過言ではない。

 出自については語らないが、物腰や振る舞いから良い家柄の出だと桜花でも理解出来た。

 同じファミリアながらパーティーを組んだ事がなくても、桜花とトシローはそれなりに信頼関係を築いている。

 

「おまえ、シュローって呼ばれてるがなんでだ?」

「最近、組むようになったライオスがそう呼ぶ。俺の名は発音しにくいそうだ。……なかなか気に入った。桜花もそう呼んでくれて構わない」

 

 本人の希望もあり、ファミリア内でも彼は「シュロー」の名が浸透していった。それと同時に「ライオス」の名もよく聞かされた。

 聞かなくなったのは【ただのライオス】の悪評が広がった頃だ。

 誰とパーティーを組もうが、タケミカヅチは口出ししない。これは他の神々も同じだ。しかし、彼の神は一度だけシュローとその話をした。

 

「シュロー、仲間が大変な時に離れてもいいのか? 迷宮に潜るだけがパーティーではないはずだ」

「……あいつは、頭を冷やすべきだ」

 

 苦渋に満ちた表情からシュローの苦悩を悟り、神は追及しなかった。自然と皆も気を遣い【ただのライオス】について口にしなくなった。

 

 

 そんな事を思い出しながら、桜花は目の前にいるライオスを眺める。

 ライオスは今、ミノタウロスに一騎打ちを挑んでいた。

 しかも、これで10体目。

 

「ライオス、いい加減にしなさい」

「アスフィ、後一回だけ」

 

 18階層での激しい戦闘を終え、一行は休む間もなく地上へ向けて出発する。まだまだ体力を回復し切れていないが、神2人をいつまでも迷宮に居させるべきではない。

 だからといって魔物は一切手を緩めず、遠慮なく襲ってくる。

 十分に回復していないのはライオスも同じだが、さっきから必死に魔物を狩り続けている。しかも、特定の魔物ミノタウロスばかりだ。

 狙いは喰い損ねた肉のドロップアイテムである。

 

「ライオス、もう十分だよ」

「俺も怒るぜ」

「リリもう帰りたいです!」

「狩り過ぎは感心せんぞ」

 

 ベル、ヴェルフ、リリ、センシに文句を言われてもライオスは止めない。

 

「後一回だけだから!」

 

 ライオスは一向に引かず、独りで立ち向かう。

 

「いつも、あんな感じなのですか? 根性は認めますが……」

「……無理はよくない……」

 

 命が呆気に取られ、千草は本気でライオスの体調を心配する。

 

「この角、持って帰るんですか?」

「ちょっとでも稼いでおかねえと修理代も馬鹿にならねえだろ? 出来れば、俺も置いて行きたいけどな」

 

 リューの質問にチルチャックはミノタウロスの角を拾いながら、淡泊に答える。彼の言う「置いて行きたい」とはライオスを指していると桜花にも十分、伝わった。

 

「あー、また角だ! 後、一回だけ、本当にこれで最後だから!」

「いい加減にしろ、早く帰ってベルくんを休ませるんだ!」

 

 ヘスティアに怒鳴られてもライオスは止まらない。

 今のライオスは課金ガチャで狙ったアイテムが諦められず、次々と軍資金を投入するプレイヤーと例えたくなる姿だ。

 胸中で例えている桜花も意味が分からず、ため息を吐く。シュローに聞いただけでライオスへ勝手な偏見を抱いてはいけないと思っていた。

 

「だーめだ、こりゃあ」

 

 桜花がライオスに抱いた感情は「変人」の一言に尽きる。彼の心情を察してか、千草が腕を撫でてきた。

 

「あはは。んじゃ、さっさと次行こうか」

 

 笑みを崩さないヘルメスの一言でリューの手刀がライオスの首を襲う。無理やり気絶させられた彼をこのメンバーで背の高い桜花が渋々背負った。

 

「チルチャック、角、こっちにも分けて下さいね」

「てめえも魔石拾ってんだろ、そっちのと分けろ」

 

 お互いのバックパックを叩きながら、リリとチルチャックは交渉し合う。

 

「サポーターくん達はちゃっかりしてるね」

「「しっかりしているんです、んだよ」」

 

 ヘスティアが素直に感心すれば、2人から語尾の違う反論をされた。

 

「でも、さっきのミノタウロスもそうだけど、帰り道で肉とかのドロップアイテムないよね。人数が多すぎるから……なのかな?」

「そういえばそうだな、行きは大量に取れてたのに」

 

 ベルの疑問にヴェルフも真剣に考えるが、2人では答えが出ない。

 何故なら、ライオスが『悪食(グロスイーター)』を発動させない為に魔物への食欲を必死に抑え込んでいる。その結果『美食家(グルメ)』にまで影響して、欲しい部位が入手できないのだ。

 ふたつのスキルによる効果の相殺が起こっているなど、この場ではヘルメスしか思いつかない。

 

「まだまだ扱い切れてないってところか、どうするライオス?」

 

 愉快げに呟くヘルメスに対し、アスフィは怪訝そうに眉を寄せたが質問しなかった。

 

●○

「ライオス、起きて下さい」

「……ん、どした?」

 

 アスフィの声と頬をペチペチと打たれる感触で目を覚ます。首筋に妙な違和感を覚え、首の運動をしながら説明を受ける。

 ヘスティアが蹴った小石によって壁が砕け、未開拓領域を発見という。あるのは温泉のみ、魔物は一匹もいない。

 

「ああ、この匂いはお湯の香りか……」

 

 周囲を見渡すと女性陣は既に水着を手にしている。何故か、アスフィが持ち歩いていたらしい。原因はヘルメスに違いない。制裁を受けたと言わんばかりに神の顔はボコボコにされていた。

 

「なんですか、言いたい事があるなら言いなさい」

「いや、君の気苦労が覗えただけだ」

 

 急に涙目になるアスフィをライオスなりに労わった。

 

「疲れも溜まっているし、地上に戻る前に体を休めようってことになったんだよ」

 

 差しのべられたベルの手を取り、ライオスは視界の隅にいるチルチャックとセンシを一瞥する。

 

 ――実はこの場所にはアンコウ型の魔物がいる。温泉は冒険者を呼び寄せる餌なのだ。

 

 しかも、食事の姿勢になると温泉が衣服だけ溶かす成分に変わる。怒ったマルシルが大暴れして場所を丸ごと、魔法でぶっ壊した為にギルドへの報告は控えていた。

 二度目に訪れた時は場所そのものが見つけられず、安心していた。

 チルチャックは知っている場所か聞かれていないから答えず、センシは思う事があるのか沈黙を貫いている。

 

「反対だ、すぐに発とう」

「ええええええ―――!? どうしてですか、温泉ですよ!? しかも湯加減、塩加減、申し分なしの最高の一品です!」

 

 まっ先に命が情けない声を上げた為、他のメンバーは反論のタイミングを失った。

 

「迷宮は狡猾だ。油断させて、誘いこむ。中層からは特にそうだ。魔物の姿がないのなら、その必要があるからだ。ギルドに報告して安全を確認してから、またここに来よう。」

 

 これは本心だ。

 温泉のみでアンコウがいない可能性もある。またいたとしても、潜伏している最奥に行かなければ良い。

 いつになく真剣な表情と態度で言い放ち、ベルは深刻さを感じ取る。

 

「どうしたの、ライオス? そんな真面目な事言って、頭でも打った?」

「まるでベテランの冒険者みたいだよ、今の君」

 

 ヘルメスとヘスティアはライオスの変貌ぶりに動揺し、声を震わせる。

 

「神様、ライオスはベテランですよ」

「ヘルメス様、ライオスは変態ぶりさえなければ本当に有能な冒険者です」

 

 ベルとアスフィにまで擁護され、神々は吃驚仰天。彼女にまで黙っていた案件な為、追及されたくないのも理由だ。

 

「普段の態度をみれば、驚くのも無理ねえわな」

「それよりも、発つなら急ごう。喋っている間にも十分、休めた」

 

 チルチャックがからかい、センシは下してた荷物を背負うとした。

 

「ま、待って下さい! こんなに良い温泉は地上でも滅多に入れません! ここで入らねば、私は後悔します!」

「……命、落ち着いて」

 

 半ベソで訴える命を千草が宥め、彼女らにベルは情を湧かせる。

 

「ねえ、ライオス。女の子達だけでも入れてあげよう。僕らがちゃんと見張れば、魔物が出ても対処できるし」

「えええ! ベルくんも入ろうよ」

 

 今度はヘスティアまで駄々を捏ねだすが、ライオスの態度は変わらない。

 

「あ、あの……湯治って傷にもよく効くんです。せめて、桜花だけでも……」

 

 もじもじと指先を弄びながら、必死に声を出す千草にライオスは桜花を振り返る。簡単な処置しかしていない彼には、痛々しい包帯が目立つ。

 

「俺は平気だ。ここで無理に休む必要はない」

 

 ぶっきらぼうに返す桜花から、仲間への気遣いが感じられる。

 

「そうか、わかった。俺が見張るから入ってくれ。ただし奥には行くなよ。何があるかわからないからな」

 

 緊張を解いて笑うライオスに命が一番嬉しそうに、はしゃぐ。

 

「俺は荷物を見張る役。ライオスの言うとおり、油断はできないからな」

「では、遠慮なくリリは浸からせて頂きます。荷物、お願いしますね」

 

 言葉通り、リリはバックパックをチルチャックへ投げるように渡した。

 

「さて、わしは飯の支度でもするか」

「いや、センシは入れ。俺が背を流してやるよ」

「そうです、センシ殿。その頭髪は私めが整えて差し上げます!」

 

 ヴェルフと命がセンシの肩を掴み、水着に着替えさせようとする。

 

「センシくんの着替えは後、まずは女性陣からだよ」

 

 ヘスティアの号令で女性陣は岩場の陰に向かう。半脱ぎにされたセンシは命から解放され、ライオスの後ろでガタガタと怯える。

 

「ヴェルフ、無理してやるな」

「悪かった、センシ。つい調子に乗っちまって……」

 

 苦笑いしながら、ヴェルフはセンシへ詫びる。

 リューは湯治しない為、男性陣(ヘルメス)対策で見張りだ。

 

「今頃、あの岩の向こうでは美の共演が繰り広げられているんだろうねえ」

 

 待ち時間を持て余したのか、ヘルメスが嬉しそうに呟く。ベル、ヴェルフ、桜花は急に意識してしまい、気恥ずかしさでドキマギしてしまう。

 ライオスは周囲の警戒でそれどころではなく、センシは興味なく、チルチャックはヘルメスの下卑た考えにうんざりする。

 ヘルメスは反応のおもしろいベル達へ1人1人の魅力を熱く語る。

 

「生であの岩の向こうにあるかと思うと――」

「神ヘルメス。ヴェルフ達はまだまだ子供、仲間を異性として認識してしまえば、これからに支障が出ましょう。その辺にして下され」

 

 思春期真っ盛りの3人を気遣い、センシがヘルメスへ願い出る。

 

「ふー、しょうがない。わかったよ」

 

 ニヤついた笑みを解かず、ヘルメスは頭の後ろで手を組む。ベル達は安堵の息を吐き、必死に煩悩を払おうと頭を振るう。

 

「皆さんは……よく平気ですね」

「俺はそういうのパーティー解散の原因としか思ってねえから、煩わしいんだよ。センシは自分基準で俺達の保護者面しているだけだ。……ライオスは色気と無縁だしな」

(あのアンコウ、今の俺なら食えるな。けど、皆とも食べたいし……、マルシルは肝が良いとか……)

 

 ベルの質問にチルチャックは仏頂面で律儀に答える。確かにライオスは美の競演よりも、アンコウの身を欲していた。

 

「おまえ達には、まだ早いだろう。異性との事はちゃんと順を追って……」

「相変わらず、ドワーフは変に頑固だねえ」

 

 真剣な顔で説教しようとするセンシにヘルメスは乾いた笑みで返す。

 

「リリ助が好きだから、組まねえのか?」

「あいつとはポジションが被るだけだ。サポーターはパーティーに1人いれば十分だろ」

 

 からかうヴェルフへ冷静な対応をするチルチャックを見ながら、ベルは「リリが好きって部分は否定しないんですね」と胸中で微笑ましく呟いた。

 途中、ヘスティアの豊乳により水着の糸が切れるトラブルはあったが、ヴェルフの手腕によって無事に着替えを終えられた。

 

「神様のお役に立てて良かったな」

「どうも」

 

 今度はチルチャックがからかう。複雑な気分に駆られ、ヴェルフは正直に喜べない。

 ライオスもアンコウの潜む奥へ行く為、アスフィから水着を借りる。剣を構え、桜花の盾も借りた。

 着替えを終えた後、命に勧められて温泉への敬意を払う。どう考えても変としか言いようのない敬意の払い方だが、桜花と千草は呆れて彼女へツッコまない。

 

「俺は奥を見てくる。楽しんでくれ」

「では、私は皆さんの傍にいます」

「俺、寝てる」

 

 ライオス、リュー、チルチャック以外は天然温泉をさっそく楽しむ。

 楽しそうに水浴びならぬ湯浴びをする女性陣とは違い、男性陣はセンシを必死に洗う。髪や皮膚に滲み込んだ汗や汚れが頑固すぎて湯だけで取れない。

 

「これはちゃんとした石鹸で洗うしかねえ。なんつー剛毛」

「流石はドワーフ、髪まで頑丈か」

「痛い、痛い、地味に痛い」

 

 湯にも浸かっていないのに、ヴェルフと桜花は汗だくだ。

 

「チルチャックさーん、髪に良いポーション持ってませんか?」

「俺の専門外だ、リリ!」

「あー匂い消しならありますけど、足ります?」

 

 のんびりと答えるリリへチルチャックは手振りで了解を伝える。

 結局、センシの洗いを諦めて湯かけに届める。肩まで湯に浸かり、ようやく一息吐いた。

 

「無駄に疲れた」

「センシ、兜は取れよ。暑っ苦しい」

「散々、わしの頭を弄んでおいてその言い草!」

「……気持ち良いなあ、ライオスも入ればいいのに」

「ははは、まさか我が愛しのライオスにあんな一面があるとは思わなかったよ」

 

 今までいないかのように気配すらなかったヘルメスが当たり前のように、ベルの隣にいる。彼が声を発するまで気付かなかった面々はビックリして悲鳴を上げた。

 

「ヘルメス様も帽子を取らないんですか?」

「ん? まあ、俺のトレードマークだしね」

 

 その帽子がヘルメスのトレードマークだと今、知った。

 桜花は千草を呼び、ベルはヘスティアに呼ばれる。

 

「わしもライオスと奥へ行ってくる。おまえたちは絶対に奥へ来るな。いいか、絶対だぞ。ヴェルフ、神ヘルメスを頼む」

「おい、センシ……」

 

 ヴェルフの返事も聞かず、センシはさっさと水着姿のまま奥へ行ってしまう。神と2人きりにされ、一先ず口元まで体を湯に沈める。

 

「ヘファイストスも良い体つきしてるよねえ」

 

 唐突に聞かれ、油断していたヴェルフはぶっと噴き出したせいで湯を飲んでしまった。

 

「ごふっ、いやそんな風に考えた事……」

「本当に? 絶対? 一度も?」

 

 不敵な笑みで追及してくるヘルメスにすっかり動揺したヴェルフはあわあわと目を泳がせる。助け舟の如く、リューが葉っぱを小舟代わりにして漂ってきた。

 その手にはドングリを餌にして釣りだ。

 

「君のお眼鏡に叶う殿方はいるかな? 勿論、俺も含めて」

「それは意識している殿方という意味でしょうか?」

 

 自然とリューもからかいの標的だ。全く動じない彼女は間を置かずして答える。

 

「ライオスさんです」

 

 予想外の答えに硬直した2人を無視し、リューは聞かれてもいない理由を語り出す。

 

「あれはまだライオスがガネーシャ・ファミリアに所属していた頃です。酒を飲み交わしてお仲間と女型の魔物でどれが一番かという話しで皆がハーピィを選ぶ中で、彼はオークの雌を選びました。鼻筋が通り、目が大きく、歯並びが良く、柔らかなそうな口元、豊かな乳房に良い形をした尻……」

「それオークの雌の話だよね?」

 

 笑顔のままドン引きしたヘルメスに答えず、リューは明後日の方向を見つめて勝手に頷く。

 

「納得の行く説明を聞き、私は感銘を受けました。それからです。私がライオスを意識し出したのは……」

「それ好意じゃなくて、物珍しいって意味だろ?」

 

 熱い湯に浸かっているはずなのに、ヴェルフは心まで冷め切った。

 

「ライオスの意見があったから、見張りに回ったのか?」

「いいえ、私なりに勘が働きました。私の勘はよく外れるのですが、ライオスがあそこまで言うなら、残念ですが当たる確率は高いです」

 

 残念そうに見えないが、その口調は真剣そのもの。

 

「ライオスの考えすぎであんたの勘も外れりゃいいな」

「全くです」

 

 頭まで体を沈め、ヴェルフは息止めに挑む。その間、リューが見張ってくれたがいつの間にかヘルメスは湯から上がっていた。

 

 それぞれが湯を楽しむ中、ライオスは皆の声も聞こえぬ奥を進む。

 以前、見た景色と同じだ。

 岩場のあちこちに水晶のように輝く石は湯の蒸気に濡れ、淡い光を放つ。水源はわからないが、上から流れる小さな滝の音を邪魔する者もいない。

 

「ライオス、どうだ。アンコウは居そうか?」

 

 バシャバシャと音を立て、センシは追いつく。

 

「おそらく、この向こうだ」

 

 一見すれば、ここが最奥だ。しかし、餌となる冒険者が油断し切っているところで光を照らし、更に奥へ導く。経験者であるライオス達を警戒しているのか、まだ光は見えない。

 

「奴がおらんでも、わしは食事の支度をしよう。風呂の後は腹が減る」

「ライオスー、センシさーん」

 

 ベルが陽気に手を振り、ヘスティアは邪魔者を見る目つきで眉を寄せた。

 

「ベル、奥へは来るなって言ったろ?」

「心配症だな、ライオスくん? ここまで魔物は一匹もいないじゃないか。君も温泉を楽しみたまえ。まずは剣を預けに行ってはどうだい?」

「神様もこう言っているんだし、ライオスもちょっとくらい羽目を外しなよ」

 

 ベルは純粋に労わっているが、ヘスティアはどう考えても邪魔なライオスとセンシを追い払おうとしている。男女関係に疎いライオスでさえわかる。

 不意に思い付く。

 ここに無防備な態度で温泉を楽しむ女神と冒険者だ。しかも、丸腰。

 

「ベル、ヘスティア様を守れるか?」

「……うん、勿論」

 

 ベルの即答を聞き、ライオスは2人で実験してみる事にした。彼は魔法も撃てるし、対応はできるだろう。

 

「ちょっと待て、ベル1人では危険ではないか?」

「大丈夫です。センシさん、僕も伊達にLV.2じゃありません。神様を守ってみせます」

「ベルくん、僕の為に……」

 

 察したセンシは慌てて止めようとするが、ベルは自信を持って引き受ける。男前な彼の姿に愛を感じたヘスティアは感涙した。

 

「信じているぞ、ベル(囮になってくれ)」

「うん、任せて!」

 

 若干、話が噛み合わないと知りながら、センシはベルの真剣な態度に免じて口を挟むのを止めた。

 

 ぷかぷかと葉の上にいるリューと向かい合うヴェルフは瞑想して、湯加減を堪能中だ。

 

「ヴェルフ、飯を作る。手伝ってくれ」

「おう、奥はどうだった?」

「今のところ、大丈夫だ」

 

 ライオスの返事に納得し、ヴェルフはセンシと荷物番をしているチルチャックへ行く。しかし、リューは疑問を感じて瞬きした。

 

 岩場にもたれ、眠っていたチルチャックは物音で目を覚ます。センシとヴェルフが普段の服で鍋や包丁を用意し、残った食材をお湯で洗う。

 

「んあ? おまえら上がったか」

「うむ、わしらは風呂後の飯を支度する」

「やっぱり、鍋がいいよな。人数的にも」

 

 ウキウキと準備する2人の後ろから、ライオスも顔を出す。

 

「チルチャック、水をくれ。奥にいるベル達に渡してくる」

 

 耳を澄ませ、近くからリリの声を確認してからチルチャックは水筒をライオスへ投げ渡す。

 

「ありがとう、持って行ってくる」

 

 礼を述べ、剣を下げたまま奥の方角へ向かうライオスを見送る。けだるそうにチルチャックは起き上がった。

 

「リリー、その辺で食えそうな草を探すぞ。一緒に来い」

「ええー、そのくらい1人でやって下さいよー。しょうがないですねー」

 

 文句を言いつつも、さっさと湯を上がったリリはタオルで体を拭く。

 

「あれ、ベル様はどちらへ?」

「さあな、その辺で神様とイチャついてんじゃねえの?」

 

 ベルの所在を心配しつつも、リリはチルチャックと食材探しに専念した。

 

 奥へ向かうライオスに着いてきたリューは疑問を口にする。

 

「ライオスさん、貴方ここに来た事がありますね」

「……皆には内緒だぞ」

 

 全く顔色を変えないライオスを凝視し、リューはこの領域にいる魔物は彼でも対処できる程度だと理解した。

 

「最初に反対していたのをゴリ押ししたのは、こちらです。魔物が出た際は対処をお願いします」

 

 目を伏せて願うリューにライオスも気づく。

 

「君もここの異常に気づいていたのか……。でも、ここまで強行軍だった皆に疲れを取って欲しくて黙ってた……。悪いな、君の気遣いを俺は無視するところだった」

「お構いなく」

 

 危険から遠ざけるのは簡単だ。しかし、それでは冒険すらできない。

 

「ところで、あれは何かに攻撃されたのか?」

 

 地面にぐったりと伸びきった桜花へ千草は必死に水タオルをかける。アスフィと命は彼に構わず、それぞれで湯を満喫している。

 

「いえ、あれはただの湯当たりです」

「なんで湯当たりする前に上がらなかったんだ?」

 

 ライオスの疑問に流石のリューも一緒になって首を傾げ、通り過ぎた。

 

(……2人で奥へ? 色恋とは無縁の組み合わせですが……、何かを発見した? それならライオスはまっ先に私へ報告するはず……)

 

 一瞬だけ考え、アスフィは深呼吸して考えるのをやめる。帰還すれば、彼女が纏めるべき案件が山のようにある。

 今だけは団長ではなく、ただのアスフィとして湯治を楽しむ事にした。

 そして、この場所に関する情報料の計算も忘れなかった。

 

 ベルとヘスティアを置いてきた場所に戻ってきてみれば、誰もいない。

 

「ライオスさん、あれを」

 

 葉に乗った状態のリューが更なる奥行きを指差す。暗闇から赤い光がうっすらと浮かぶ。

 

「やはり、出たか」

 

 ライオスが呟いた瞬間、湯は赤く光沢を放ってその成分を変える。リューの手にしていたドングリが音を立てて溶ける。葉が溶け切るより先に彼女は湯のない岩場へ飛び移った。

 

「これは布や葉は溶かすが、剣や鎧は溶かさない。遠慮なく構えろ」

「それでブーツを履いて来なかったんですね、水着には気を付けて下さい」

 

 赤い光と自分との間合いを計り、リューは水面に足が付かぬように駆け出す。先陣を彼女へ任せ、ライオスも後を追う。

 案の定、異変に動揺したベルと全然、危機に気づかぬヘスティアが手を取り合っている。その2人を狙い、3匹のアンコウが天井から飛び出してきた。

 

「伏せて下さい!」

 

 リューの掛け声に瞬時な反応を見せ、ベルはヘスティアを押し倒す形でしゃがむ。鋭い一閃に斬りつけられ、アンコウは消え去る。突然の魔物に驚くがすぐに倒されたので、2人は安心した。

 湯に濡れたヘスティアの水着が大変な事になったが、ベルのシャツをすぐに渡した。

 

「……ライオスの読み、当たったね」

「まだだ、来るぞ!」

 

 岩場まで下がっても緊迫したライオスは剣を構え、赤い湯を睨む。先ほどより数倍巨大なアンコウが周囲の岩壁や天井を破壊しながら登場した。

 

「これだけデカいなら、肝も皆で食べられる分だけあるな」

「え!? これを食べる気かい?」

 

 舌なめずりするライオスは食欲をそそられ、ヘスティアはドン引きだ。

 

「でも、肝が出てくるとは限らない……!!」

 

 ベルが言い終わる前にアンコウの触手が襲いかかり、ヘスティアはリューが運んで避けた。

 

「ライオス、僕が通る道を作って!」

「わかった、トドメは任せる!」

 

 盾を構え、ライオスは触手を斬りながら突進する。彼に続いてベルも手に魔法の光を込め、斬り損なった触手を避けながら魔法の射程範囲と狙い所を探す。

 

「ライオス、肝が欲しいって事は口の中は避けるべきかな?」

 

 ランダムなドロップアイテムの心配をした瞬間、その隙を突いてベルの顔面に触手がブチ当たる。

 

「ぎゃあ、僕のベルくんがあ!?」

「神ヘスティア、落ち着いて下さい」 

「ベル、肝は気にするな! 取れないなら、また取りに来ればいい!」

「……お、おう」

 

 痛む頬を軽く撫で、左手への意識を高めてライオスの背を踏み台代わりに飛ぶ。

 

「ファイアボルト!」

 

 白いファイアボルトを真正面から受けたアンコウは内部から破裂し、魔石も残さぬ程の爆風が起こる。粉塵が消え去った後には、ライオスの両手でも抱えきれない肝が確かにあった。

 

「……やった、ドロップアイテムだ」

「肉や手足じゃなくて、内蔵物は初めてだね」

 

 何年も手に入らなかったかのような感動を覚え、ライオスは目に涙を浮かべる。

 

「もう終わっていたのですか……!?」

「きゃあ、ベル様(棒読み)」

「……!!」

 

 ようやく追いついたアスフィとリリ、命はライオスとベルの姿に言葉を無くす。彼らが手にしている肝……ではなく、下半身の部分だ。

 

「駄目、ベルくんのを見ていいのは僕だけ!」

 

 様々な感情で顔を赤らめたヘスティアは小さな体で必死にベルだけでも守ろうと奮闘する。

 女性陣の反応から気付いたベルは羞恥心で耳まで真っ赤になり、ちゃっかり盾で身を隠すライオスの後ろへ隠れる。

 

「ずるいよ、ライオス……?」

 

 見るとはなしにライオスの下半身を見てしまう。半分、溶けかけた下着の隙間から、アレではない何かが見える。

 

「それ、何?」

 

 ベルに指を指され、ライオスも視線を下げる。

 

「ああ、これは○ン○カバー。ベルは付けてないのか? パンツの下に付けておくんだ。男には必需品だぞ」

「へえ、確かにあると便利だ。これどこで売っているの?」

 

 盾で大事な部分を隠しながら、指を指して会話し合う2人に女性陣は見当違いの妄想を膨らませる。

 

「大きさでも比べているのでしょうか?」

「ベ、ベルくんが穢れた大人に……」

 

 命が耳まで真っ赤に染め、場を取り繕うとするが失敗だ。ヘスティアは半ベソで嘆き、アスフィは目を逸らす。

 聴覚の優れたエルフと獣人に変じているパルゥムの2人は大まかに会話が聞こえ、無言。

 リリに着替えを貰い、ライオスとベルは事なきを得た。

 

「他の連中はどうした?」

「センシ殿とヴェルフ殿は調理中で手が離せなくて、桜花殿は動けず、千草はその看病で……チルチャック殿はヘルメス様の護衛として残りました」

 

 命の説明を聞き、チルチャックは面倒がって残ったと察した。

 

 くしゃみをしたチルチャックをヘルメスは小気味良く笑う。

 

「なあ、センシ。俺達は行かなくてよかったのか?」

 

 火加減を見ながら、ヴェルフは奥の方角を見やる。温泉が布だけ溶かす成分に変わり、奥へ行ったメンバーが心配だ。

 

「わしらは疲れて帰った皆に美味い飯を用意する。そういう役割だ」

 

 そわそわするヴェルフを宥め、センシは鍋に食材を投下していく。

 

「大量だぞー♪」

「おー、肝か!」

 

 ライオス達が持って帰ってきたアンコウ肝は予想以上に大きく、ヴェルフはドン引きしたが、センシは心から喜んでいた。

 

「申し訳ありませんでした!」

 

 命が見事な土下座で謝罪している中に、センシ特製のアンコウ鍋の完成だ。

 

「おお、まさか……アンコウ鍋を食べられるなんて……」

「魔物の肝か……」

「体力つける」

 

 出来たての鍋に感動し、命は謝罪モードから感激モードに切り替わる。ようやく意識を取り戻した桜花は起き抜けの鍋に抵抗を示し、千草は竹筒で出来たお椀でよそう。

 

「俺も食べるの? ライオス、俺の分も食べなよ」

「ヘルメス! ベルくんがその身を犠牲にして獲ってきた食材が食えないってのかい?」

 

 逃げようとしたヘルメスにヘスティアはお椀を付きつける。

 

「残った部分はギルドで換金するか……」

「そうじゃな。即興でも上手くいったが、まだまだ研究は必要だ」

 

 センシは皆にお椀を回し、ヴェルフは残った肝を丁寧に布で包む。

 

「ねえ、チルチャック……なんでもないです」

「そうかよ」

 

 リリはチルチャックのお陰で、水着が溶かされる災難から逃れた。それは彼の機転で助けられたが礼を述べても、はぐらかされそうなのでやめた。

 魔物の臓物入りの鍋、見た目だけならそうは見えない。アスフィは自分に回ってきたお椀を眺める。これを市場に出せばマニアに高く売れる。そんな計算も含め、思考する。

 

「アスフィ。俺との約束覚えているか?」

 

 目を輝かせて問うてくるライオスにアスフィは眼鏡の真ん中を押し上げる。彼がLV.4になった時、ドロップアイテム化した魔物の部位を食べる約束だ。

 

「覚えてますよ、残さず食べますから安心しなさい」

「そうか、嬉しいな」

 

 好物を前に「待て」を強いられる犬のようにライオスは我慢している。

 

「皆にお椀回ったね。それじゃあ、頂きます!」

 

 リューにお椀を回したベルの号令で皆、一斉に口付ける。

 

「美味しー、これが即興で出来た鍋の味ですか!? 本当にここは迷宮なのですか!?」

「命、うるさい」

「体、あったまる……」

 

 大興奮した命が目を輝かせ、高らかに吠える。汁を舌で味わっていた桜花が流石に注意した。

 

「あ、思ったよりイケる。ふうん」

 

 意味深に笑い、ヘルメスはお椀を一気に飲み干した。

 

「ふむ、やはりキノコが欲しかったな」

 

 センシはより美味しくなる方法を模索する。

 

「御代わりを所望します」

「自分でよそえって、甘えん坊が」

 

 リリにお椀を押し付けられ、チルチャックは渋々とよそう。

 

「本物のアンコウもこんな感じかな……」

「俺、アンコウって見たことねえんだけど、どんな姿だった?」

 

 ベルとヴェルフが話を弾ませる隣でリューは黙って御代わりをよそう。

 言葉を述べずとも、皆、色々な反応を見せて鍋を楽しんでいる。それを眺めながら食べる事が一番、美味しいとライオスは思う。

 

「美味しいですよ、これ」

 

 ライオスにしか聞こえない小さな声でアスフィは感想を述べた。

 

「ああ、顔を見ればわかるよ」

 

 急にライオスは思いやりのある笑顔を見せ、アスフィはちょっとだけ胸が高鳴った。

 

●○

 第一層までくれば地上までは目と鼻の先だ。

 

「すっかり遅くなっちゃったねえー♪」

「そりゃあ、あそこでゆっくり飯食ってたらねえー」

 

 ヘスティアとヘルメスは他の冒険者に気づかれぬ為に、フード付きマントで身を隠す。

 

「あれは……シェロー?」

「知っている人?」

 

 ライオスが呟き、ベルは命達と似たような服装の剣士に気づく。

 

「シェロー、来てくれたのですか!」

「まさか、ここで待っていたのか?」

「……1人?」

「……随分と大所帯だな」

 

 命、桜花、千草が親しげに話しかけても、シェローは胡散臭げに一行を眺める。彼の態度に慣れているらしく、怒る者はいない。

 

「彼はシェロー、タケミカヅチ・ファミリアの冒険者だ。以前はよく組んでくれたんだ。ここだけの話、桜花より腕は立つ」

「聞こえているぞ」

 

 率直かつ丁寧に教えるライオスへ桜花はわざとらしく咳払いしながら、答える。

 

「シェロー、久しぶりだな。この前、倒れていた俺を本拠(ホーム)に運んでくれたって聞いた。ありがとう」

「……ああ、ついでだ」

 

 挨拶と共に礼を述べるライオスに対しては、何処か線引きをした態度だとベルにもわかる。

 

「あの僕はベル・クラネルです。命さん達にはお世話になりました」

「事情は聞いている。さきに戻ったロキ・ファミリアの遠征組に知り合いがいて、そいつから無事は確認していた。桜花、命、千草、彼らをキチンと本拠まで送り届けろとタケミカヅチ様からの言付けを賜った。だから、俺はもう帰る」

「伝言の為か、わざわざ、すまん」

 

 桜花の礼を聞き、シェローは一行へ会釈して背を向ける。

 

「シェロー、今度一緒に飯を食おう。是非、シェローに食べて貰いたい食材を手に入れたんだ」

 

 傍から聞けば、普通に食事の誘い。しかし、シェロー以外のメンバーはその食材の正体を知っている為、ライオスの発言に肝が冷える。

 

「今はまだ、おまえとそういう気分になれない」

「そっか……」

 

 抑揚のない声で返され、ライオスは心底、ガッカリする。

 

「おい、そんな言い方……」

「待て」

 

 咎めようとしたヴェルフをセンシが宥める。

 

「最近、良い酒が手に入った。いずれ、酒を酌み交わそう」

 

 決して振り返らず、不確かではあるがライオスには嬉しい誘いだ。

 

「ああ、その時は俺がツマミを用意するよ」

 

 ライオスの返事を聞き、シェローは行ってしまう。

 

「そのツマミは是非、『豊穣の女主人』にてお求め下さい」

「ああ、そうか。その手もあったか」

「ええ、まさか今回の戦利品を食べさせる気だったの?」

 

 リューの提案を聞き、ライオスは迷う。ヘルメスはいきなり魔物の部位を食わされるシェローを憐れんだ。 

 昔馴染みと酌み交わす酒の味が如何に美味いかがベルにはまだ、わからない。自分の知らぬライオスを知っているシェローに少しだけ妬けた。

 

「勿論、ベルくんも連れて行くんだろ?」

「か……、いいえ、僕……」

 

 ヘスティアの強い声にベルが吃驚する。

 

「おい、リリはまだガキだ。茶だけにしておけ」

「え!? リリ、強制参加ですか?」

 

 チルチャックの当たり前のように述べ、リリは思わず大声を上げる。

 

「いっそ、ヴェルフがツマミを作って行くというのはどうか?」

「センシがサポートしてくれるなら……」

 

 センシの思いもよらぬ思いつきにヴェルフは自信無げに答える。

 

「貴方が大変な時に離れた元メンバーに教えて差し上げなさい。貴方に付き合っていける今のメンバーの凄さを」

 

 アスフィの念押しにライオスの視線がベル、リリ、ヴェルフへと向けられる。

 

「ああ、是非一緒に来てくれ、紹介するよ」

 

 穏やかに微笑むライオスに3人は照れ笑いを見せた

 

「そうだ、仲間と言えば……アスフィ、それにヘルメス様。これを機会にヘスティア・ファミリアへ改宗(コンバーション)したい。今度の活動を考えるなら、そのほうが俺にとって都合が良い」

「げえぇ!!」

 

 良い閃きと言わんばかりのライオスにヘスティアは本人を目の前に悲鳴を上げ、チルチャックとリリは憐れんだ視線を女神へ向ける。

 女神の悲鳴を気にせず、己の主神と団長の反応を待つ。

 

「うん、駄目」

「寝言は寝てから言いなさい」

 

 笑顔のままヘルメスは腕で「×」を作り、アスフィはブチ切れんばかりの険しい顔になる。

 

「良かったー」

「神様……」

 

 またも本人を前にヘスティアは安堵の息を吐く。ライオスは気にも留めていないが、ベルが困った笑顔で女神を窘めた。

 

「俺はヘルメス様に改宗してから、一年経ってなかったか?」

「そういう問題ではありません! 貴方という人は易々と改宗できる身分だと思っているのですか! 帰ったら、その辺を詳しく説明する必要がありそうですね」

 

 ライオスは純粋に疑問を感じて首を傾げ、それにアスフィはついにブチ切れる。彼の背を無理やり押し、さっさと歩かせる。

 

 その後、本拠に帰ったライオスは一晩中、アスフィから説教を受けたのは言うまでもない。

 




ゲド「彼らの冒険は続く!」
カブルー「ご閲覧ありがとうございました!」
リン「なんで貴方達が締めるのよ!?」

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