ダンジョンに飯を求めるのは、間違っているだろうか? 作:珍明
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・16.6.5に誤字報告を受け、修正しました。
シルバーバックは、なんとベルによって倒されていた。彼は神様と呼ぶ少女を抱えてこの場を走り去ったらしい。現場を見ていた住人達から、ライオスはそう聞かされた。
もしかしたら、ベルは満身創痍で倒し、今は虫の息かもしれない。勝手に不安が増長し、ライオスは彼の姿を見なければ安心出来ない気分だ。
「ライオスさん、確認事項が……ライオスさん!?」
ギルド職員の制止も聞かず、ライオスはまた走り出す。古びた教会、バベル、ギルド本部、心当たりを全て探したが、2人は見つからなかった。
陽が沈んだ頃、ライオスはアスフィに捕まりギルド本部に連行された。
「え~ライオスさん。貴方が倒したバトルボアからアイテムドロップしたという肉についてですが、安全性が確認されるまで、ギルドで調査します。……よろしいですか?」
折角、待望の肉を手に入れたライオスが怒りだす。エイナはそう踏んだ。しかし、彼はアスフィの隣で少々、苛立った様子で沈黙していた。
「肉なら、そちらで好きにすればいいだろう。俺はベルを探しに行く」
「ええ!? いらないんですか!!」
全く予想外の発言に、エイナは礼儀を忘れて叫んだ。アスフィも眼鏡を拭いて、もう一度、ライオスをじっくりと観察して真意を図ろうとした。
「貴方、正気ですか? あれだけ魔物を食う事に拘っていたのに、ここは駄々を捏ねてもいいところですよ?」
「2人が俺にどんな印象を持っているのか、よくわかった。自業自得だから否定もしないよ。後は団長に任せる。それよりも俺はベルの無事を確認しないと、何も食えない」
抑揚のない淡々とした口調でも、その眉間は悲痛にシワを作っていた。真剣さが伝わったアスフィは、ベルの居所を推察する。
「そのベル……んとかとやらは通いの店はありませんでしたか? 飲食店なら宿屋を兼任している場合もあります。可能性は十分にあるでしょう」
「ありがとう」
感謝して、ライオスはギルドを駈け出した。
残った淑女達は、お互いを見て苦笑する。
「アンドロメダ氏、よろしいのですか? 今回の騒動の報告なども済んでいませんが?」
「既に報告書として纏めてあります。これで十二分に足りるかと……」
部下を走らせ、住民からの目撃証言を元に作成した報告書の束をエイナに提出された。受け取った彼女は、一見、冷淡な印象を受けるアスフィから穏やかな微笑が見えた。
この若くして団長を務めるアスフィからも、ライオスの人間関係を心配されているとわかった。
●○
『豊穣の女主人』にライオスは突撃した。眼を血走らせて、店内を見回す彼の姿に何人もの獣人達は「あ、人生、オワタ……」と勝手に人生の終わりを悟った。
シルを捕まえて聞けば、ベルは神ヘスティアと2階にいた。黒髪少女が眠る寝台の傍ら、彼は床に鎮座している。
「あれ? ライオスさん、どうしたんですか?」
普段と全く変わらないベル、手当された包帯は見えるが欠損はない。ライオスは心底、安心する。気が抜けて、階段の手すりにもたれるように座り込んだ。
「良かったああ~」
口からも素直な感想が漏れる。ライオスの崩れる姿に、ベルはビックリして狼狽えた。
「ど、どうしちゃったんですか? あ、もしかして、今日、街で魔物が暴れたから……怪我したんですか?」
「君が怪我したんじゃないかと心配したんだよ……。シルバーバックを1人で倒したそうじゃないか、全く駈け出しのすることじゃない! 命知らずだ! エイナにも言われただろう、冒険するなって!」
肩を揺らして荒い呼吸を繰り返し、ライオスはベルに指を突き付ける。突き付けた後、その手でベルの肩に優しく触れた。
「無事で良かった……」
ライオスは感慨深く、口元を引き締めてから綻ばせて笑う。僅かな表情の変化がベルを心底、心配してくれたのだと理解した。
心配して貰える嬉しさで、ベルの心は弾んだ。
「心配かけて、すみませんでした」
――ぐるううう。
真剣なやり取りをライオスの腹から鳴る空腹音がブチ壊した。
シルに幾分か前払いし、適当な料理を2階へ運んでもらう。2人は食事しながら、お互いの相手した魔物について情報交換する。
「ヘスティア・ナイフ? ヘスティア様から剣を貰えたのか?」
「はい。僕の為に、色々とかけあってくれたんです」
ローンを組んでまで手に入れた武器。大いに興味をそそられ、ライオスはベルに黒いナイフを見せてもらう。肌触りは鉄と変わらず、重さも従来のナイフと差異はない。
「そういえば、ライオスさんの武器はどこのファミリア製なんですか?」
「今、使っているのは上層用の装備でね。ファミリアの武器庫から拝借してきた剣だ。愛用の剣は中層にも降りない限り、本拠に置くようにしている。そっちは……ちょっとした事で手に入れた。良い剣だ」
含みを込め、ライオスはナイフをベルに返した。
上層用の装備。
この単語に、ベルは興味を抱く。
「どうして、普段から愛用の装備を使わないんですか?」
「……俺がこっそり、中層に降りない為の団長の言いつけさ。団長には迷惑かけているからな。出来る限り言う事は聞いてやりたいんだ」
努力の方向がズレているライオスの笑みは、ベルには眩しい。
「責任感が強いんですね」
「いやいや!? ベルくん、騙されてるよ! え? 騙されるてるのかい? おかしいだろ、普通は迷惑をかけないようにするものだよ!」
いつの間にか起きていたへスティアは、ベルの発想に驚いて喚く。だが、彼女は親友の神ヘファイストスにかなりの迷惑をかけた事を都合よく忘れている。
「あ、神様。起きたんですね。食べられそうなものがあったら、どうぞ」
「ヘスティア様、起きてもよろしいのですか? 倒れられたと聞きましたが?」
ヘスティアの疑問を物ともせず、ベルは呑気に料理を勧める。ライオスも全く意に介さず、挨拶した。マイペースな2人に怒る気力も湧かない彼女は、とりあえず、皿の肉を適当に齧る。
「ふん、君に心配される謂れはないよ。ベルくんが僕の為に、全身全霊を込めて戦ってくれたからね」
ライオスに悪態を付き、ヘスティアはベルの腕にその巨乳を押し付ける。まるで、恋人への密着だ。
胸の感触に硬直したベルの頬へと、ヘスティアは愛おしげに頬擦りする。こうして、男女の仲良さげな部分を見せつけたいからだ。
ライオスには何故だが、孫を可愛がるお婆ちゃんの印象を受けた。
「それで? ベルくんが大物を仕留めた時に【ただのライオス】くんは何をしていたのかな? どうせ、雑魚相手に右往左往していたんだろ?」
「そうだ! ベル、聞いてくれ! 不思議な事が起こったんだ!」
ヘスティアの嫌味に気づかず、ライオスは今日発生したアイテムドロッブについて、生き生きと語る。今までの寡黙に近い雰囲気が消し飛び、喜びを爆発させた。
興奮しすぎて、ライオスは笑みが強張ったままで、変な顔になる。
「万に一でも、魔物はアイテムドロップ出来るんだ! やっと味を知れる……」
「苦労が報われるんですね……良かったですね。ライオスさん……」
我が事のように喜ぶベルをヘスティアは無言で、目を逸らす。
「ベル、俺の事はライオスでいい」
途端に、ライオスは普段の冷静そうな口調に戻る。変わり身の早さに、ヘスティアはドン引きした。
「シルバーバックを1人で倒せた冒険者なんだ。俺を「さん付け」するなよ」
「……!! ……うん、ライオス!」
実力ある冒険者として認められた。
ベルは嬉しさで、満面の笑みで返事をする。冒険者仲間として見つめ合う2人に、疎外感でヘスティアはむくれた。むくれた彼女へとライオスはある事に気づいて、向き直す。
「神ヘスティア、挨拶が遅れて申し訳ありません。改めまして、俺はライオスと申します。ヘルメス・ファミリアの眷族ですが、ベルとパーティを組ませて頂いております。今後とも、よろしくお願いいたします」
唐突な丁寧な物腰で挨拶され、ヘスティアは一瞬、目を丸くする。しかし、素直に受け入れるのが癪でまだむくれた表情で顔を逸らす。
「ふん。よろしくも何も僕のベルくんは、君を気に入っているんだ。……僕にとっては、僕の眷族も同じだよ。この前みたいにベルくんをボロボロにしたら……僕自らお仕置きしてやるからな」
ヘスティアの言葉を胸に刻み、ライオスは感謝で頭を垂れる。彼女の素直ではない態度を照れ隠しと認識したベルは、微笑ましくこの場を見守った。
●○
同時刻、本日の業務を終えたミィシャは、夜勤組と交代になる。報・連・相をきっちり行い、ギルド職員専用の通路を歩く。廊下の向こうから、裏方の職員がぞろぞろと歩いてくる。
すれ違い挨拶しながら、その面子に、バトルボアの肉を預けた職員を見つけた。
「センシさん、こんばんは」
「こんばんは、ミィシャ」
センシはミィシャより小柄でずんぐりむっくり体形、髭に覆われた姿が特徴のドワーフだ。何故か、常に双角の兜を被っており、仲間内では【兜の人】と呼んでいる。
ドワーフは基本、アイテムの鑑定などの裏方作業を行う。その中でも、センシはキワモノ類を専門に取り扱ってくれる。他にも、誰もやりたがらない作業を率先して行ってくれるので信頼も厚い。
ミィシャも気さくなセンシが男性職員の中では一番好きだ。
「あの肉の鑑定はどうですか? やっぱり危険ですか?」
「やっぱりと決めつけんでも……、現段階では毒性はないな。じっくり調べたいから、冷凍保存しておる。調査の一環で肉の一部を料理してみようと思う。だから、これから包丁を買いに行くのだ。また詳しい事は報告書として提出するので、ここで失礼」
ミィシャの馴れ馴れしい態度にも怒らず、センシは少しだけ情報を教えて去って行く。彼が見えなくなってから、彼女は不意に気づく。
「え!? 魔物の肉を食べるって事!?」
甲高い疑問は悲鳴となり、他の職員を驚かせた。
●○
怪物祭も終わった商店では、昼間に高名な冒険者によって魔物を討伐するショーが催された。【剣の姫】の舞うが如く美しい一閃は、好評だった。
武器屋には、【剣の姫】のような型を求めて客が訪れる。
そんな事情、センシには知った事ではない。
魔物の肉を切るには、どのような包丁が良いのか、そればかり考える。試しに自前の包丁で切ってみたが、肉の固さで切れ目が悪かった。
普通の包丁では、絶対に駄目だ。
いっそのこと、武器職人に頼んで包丁を打って貰えないか、漠然とした考えを持ちながら、店に入った。
「置いておけない!? どうしてだ、まだ期間は残っているはずだ!」
着流しを着た人間の青年が鬚の店主に怒鳴りつけていた。
「あんたの商品が邪魔で、他の商品が置けないからだよ。とにかく持って帰ってくれ」
怒鳴り声を物ともせず、髭の店主はカウンターに置かれた包みを指差す。おそらく、青年の作った武器が入っているのだろう。職人と店との間には商品を置く際、お試し期間が設けられる。これは、どんな駆け出し職人にも機会を与える為の街の方針だ。
それを期間より短く返却されるとは、センシが知る限り初めてだ。
悔しそうに奥歯を鳴らし、彼は逆らわずに包みを持ち帰ろうとした。
「すまんが、それをちょっとわしに見せてくれんか?」
唐突に声をかけられ、青年は驚いてセンシを凝視した。やがて驚きに嬉しさが混ざっていた。
「お客さん、そいつは……」
「すまんが店主、また寄らせて貰おう。ここではなんだ。もう少し明るい場所へ行こう」
「お、おう……じゃない。はい」
店主の声を丁寧に遮り、センシは青年を連れて行く。青年は戸惑いながら、礼儀を思い出した。
『豊穣の女主人』の外側を借り、2人は簡単な食事を注文する。店内で刃物を出すのは、店に失礼だからだ。猫人のウェイトレス、アーニャ・フローメルに運んでもらった。
「まず、わしの名はセンシ。ギルド職員だ。裏方なので受付にはおらん。わしの呼びとめに応えてくれた事、嬉しく思う」
「……あ、俺はヴェルフ……です。ヘファイストス・ファミリアの鍛冶師です。こちらこそ光栄です……」
落ち着いた口調のセンシと違い、ヴェルフは緊張した声で自己紹介した。
「さて、では失礼して……、拝見させてもらおう」
食事には手をつけず、センシは包みを解く。刃渡り30センチのスティレットだ。鞘を抜き、店の灯りを頼りにその輝きを眺める。
ヴェルフも食事に手を付けず、センシの一挙一動を見逃さない。
「……ふむ、この剣おもしろいな」
情けでもなく、純粋な感想だ。今まで見てきたスティレットは型通りの品ばかりだった。これにはヴェルフの性格がよく出ている。つまり製作者の我が強すぎるのだ。
センシの呟きを聞き取ったヴェルフの表情は更に緊張で、強くなる。
「ヴェルフ、わしはおまえさんに依頼したい事がある。もしかしたら、武器の鍛冶師としての誇りを少々、傷つけるかもしれん」
「それはどういう意味だ?」
露骨に不愉快さを出し、ヴェルフは低い声を出した。まだ青い若造の声には迫力は乏しい。しかし、純粋な怒りを感じ取った。
「わしは、おまえさんに包丁を作って貰いたいのだ」
ヴェルフの表情が真っ青を通り越して白くなった。目はスティレットだけに焦点を合わせて、瞬きもしない。その沈黙に様々な葛藤が覗えた。
「勿論、ただの包丁ではない。魔物を切る為だ」
「……魔物?」
顔を白くしたまま、震える声でヴェルフは首を傾げる。
「実は、これはまだオフレコなのだが、バトルボアの肉を手に入れた。その肉を調理したい。並の包丁では駄目なのだ」
「……魔物の肉を切る……?」
顔色を取り戻したヴェルフは俄かに信じ難そうに眉を寄せ、口元に手を当てる。
「……つまり、俺の腕なら、あんたの……失礼、センシさんの望む包丁を作れると?」
「それはわしにもわからん。故に1本、頼みたい。わしの希望通りでなくても報酬はキチンと払う。約束しよう」
出来るだけ淡々とした口調で、気のない風に語りかける。断ってもよいと印象付け、また、ヴェルフ以外の鍛冶師を探すという脅しでもある。
ヴェルフはまだ悩んでいた。無理もない。熟練の鍛冶師なら、生活用品も割り切って製作できる。しかし、駈け出しには自尊心と誇りが付き纏う。
「良いか? わしの希望通りの品が作れたなら、わしはおまえさんの顧客になろう。包丁は1本では足りんし、様々な種類の型も作ってもらわんといかん」
顧客という単語。これにヴェルフは勢いよく顔を上げて喰いついた。
「な、なんで……俺にそこまで言ってくれるんだ? まだ、その1本しか見せてないのに……俺をからかっているのか?」
驚きのあまり、ヴェルフは不躾と知りながら質問した。
「さっき言ったように、おまえさんの武器はおもしろい。……しかし、冒険者は普通の武器や防具を求める。だから売れん」
唐突に注意され、ヴェルフの心臓にぐさっと刺さる。これまで彼の作品はひとつとして売れなかった。理由はわかっているが、まさか、おもしろいから売れないなど、初めて言われた。
「じゃが、わしはおもしろいモノを求めておる。それだけじゃ」
嫌味や罵倒は、微塵もない。
暗い道を歩いてきたようなヴェルフは、センシの言葉に光を見た。
「ははっ、その仕事引き受けた!」
「交渉成立じゃな」
行儀よくしていた気分をふっ飛ばし、ヴェルフは無造作にセンシの手を握る。彼は怒らず、目元を細めて笑い返した。
――ぎゅるるる。
「すまん、わしの腹だ」
淡々と謝罪し、センシは料理を食べだす。マトモな仕事が得られた嬉しさで、ヴェルフも遠慮なく、夕食にありついた。
●○
ベル達と別れたライオスは代金を払って店を出る。何故か、店の外に見慣れたドワーフが見慣れぬ青年と樽を囲んで座っていた。
かつて、ライオスと共に赤竜を倒したメンバーの1人センシだ。
ギルド職員でありながら、迷宮での探索を望んで勝手に下りた。しかも、自力で11階層まで下りた強者である。
偶然、鉢合せたライオス達の仲間となり、ギルドに内緒で狩りを行った。しかし、あの赤竜を倒した時だけは、正直にセンシの存在を報告した。
ギルドの神ウラノスは「何してくれてんだ、てめえ!」とセンシにガチ切れしたそうだ。その凄まじい剣幕に、彼は2度と迷宮へ下りないと誓っってしまった。
それがパーティー解散のきっかけとなった。ほぼ、半年ぶりの再会だ。
「センシ、何しているんだ? こんなところで珍しい」
「おお、ライオス。ちょいと交渉しておったんじゃよ」
頬を赤く染めたセンシの足元には、大量の樽ジョッキが転がる。傍で、リューがテキパキと片付けては新しい樽を持ってくる。完全に出来上がっていた。
「こちらはヴェルフ、へファイストス・ファミリアの鍛冶師じゃ」
紹介された青年ヴェルフは、樽につっぷして寝ている。幸せそうに微笑んでいた。
「折角だ。一緒に帰ろう……ちょいと話もある」
代金を払い、センシは普段通りの動きで軽くストレッチする。ヴェルフは起こすのも忍びないので、ライオスは彼を背負う。
「この子の家は知っているのか?」
「そういえば聞いておらん。仕方ない、わしの寝床に連れて行くか……」
住処も知らない青年を酔い潰す。珍しいセンシの接待にライオスは苦笑した。
「例の肉な、料理する事にしたんじゃ。もし、何の問題なければ食いにこんか?」
嬉しい誘いにライオスの心は弾む。
「勿論……一緒に食べて貰いたい仲間がいるんだが……いいだろうか?」
「……それは構わんが……おまえさんとこの団長は嫌がるぞ?」
ライオスのお願いに、センシは見当外れな答えを返す。センシにとって、今、ライオスが仲間と呼ぶのはアスフィだけらしい。
「最近、一緒に潜っている駆け出しの……頼りになる冒険者だよ」
「……そうか、良い出会いがあったんじゃな」
照れたように笑うライオスをセンシは我が事のように喜んだ。
あの頃のメンバーはライオスとセンシしか、オラリオにいない。ファリンは故郷に帰り、残り2人も彼女の護衛として着いて行った。
正直、帰ってくるか疑問だ。
特にソーマ・ファミリアだったチルチャックは、ファミリア内で酷使されていたという。あまりにも酷い内容らしく、教えて貰えない程だ。
戻るとすれば、ファリンとロキ・ファミリアのマルシルぐらいかもしれない。そのファミリアには彼女が尊敬する【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴがいる。抜ける理由もない。
「皆、元気かな?」
感傷に浸るライオスの呟きは、夜風に攫われた。
閲覧ありがとうございました。
センシはギルド職員です。なぜかって、彼が神の加護を持ってダンジョンに挑むとは思えない!あと、普通にライオスと潜ってしまい、ベルとの出会いがなくなりそうだったからです!
そして、ライオスとヴェルフはニアミス?です!