本当に申し訳ございません
ですが見捨てないで下さい。よろしくお願いします!!
過去編2
四月が終わり、五月も後半に入った頃。
五月二十日。その日は日曜日だった。そのため、真由美は家でゆっくりしていたのだが、その頭の中では、一ヶ月前からずっと考え続けていた事、いや考え続けていた人がいた。彼の名前は四葉貴将。今までで一回しか会っていないが、真由美はすでに貴将の事を異性として気になっていた。いや、一ヶ月間も考え続けている時点でもう好きなのかもしれない。
(貴将くん、今ごろ何してるんだろ)
完全に思考が乙女のそれであった。
(はあ、貴将くんの誕生日があの日だったなんて…。もう、お父さんもきちんと教えてくれたらいいじゃないの…。誕生日プレゼントあげなかったから嫌われないかなあ…)
その表情は可愛い(確信)。そんな事は置いておけないが頑張って置いておいて、真由美が悩んで(?)いると、弘一が扉をノックして、入ってきた。
「真由美、今日から貴将君がここに泊まる事になった。その事でお願いがあるんだが…貴将君にどこで泊まりたいか聞いたら、その…お前の部屋を所望したんだが…いいか?」
後半にいくに連れて明るく(さらに可愛く)なっていく真由美の表情。その表情を見て、弘一が苦笑いを浮かべる。
「その表情はいいって事か?…まあそういう事なんだろう。ああ、そういえば一ヶ月遅れだが、二十四に貴将君の誕生日パーティーを開くんだ。だから誕生日プレゼントを選びに行くぞ。貴将君は夕方に来るから急がなくてはな」
「はいっ!お父さま!」
その言葉に元気に返事する真由美。この様な子供の事を天使というのだろう。
数十分後、ショッピングモールを訪れた真由美と弘一は、誕生日プレゼントを選んでいた。実際に決めるのは真由美なので、弘一は付き添いといった感じである。だがしかしいい物が見つからない。
「真由美、あのぬいぐるみは…」
「貴将くんにはもっとオトナなのがにあう!」
即答されて、少し落ち込む弘一。しかし何かを見つけた様で、真由美に問う。
「なあ、あのアクセサリーショップは結構大人っぽいと思うんだが…。いや、五歳の少年にあげる物ではないか…」
「お父さま、あのお店の物にします!」
これが反抗期なのか。いや、かなり早い気がするので、違うのだろう。だが反抗する真由美も可愛い。
「…うーん、この腕輪かネックレス…どっちがいいかなあ…」
既に候補を二つに絞った真由美が、手に持っている物は腕輪とネックレス。両方とも黒を基調とした、落ち着いた物だ。
「…貴将君は似合いそうだな」
弘一がそれらを見ていう。その言葉には、五歳児なのに、が隠されていた。
「やっぱりネックレスはちょっと…じゃあお父さま、この腕輪を買って下さい!」
それを渡され、値段を見て驚く弘一。
「なぜこんなに高いんだ…」
そういいながらも、会計に行ったのだった。
夕方、七草邸。
一台の黒塗りの高級車が止まる。その車から出てきたのは、貴将一人だった。荷物は持っていないが、既に真由美の部屋に発送済みであった。
「…久しぶりだな、真由美ちゃんに会うのも…」
五歳児に似つかわしくない発言の内容だが、貴将が呟き、インターホンを鳴らす。
「四葉貴将です。遊びに来ました」
その言葉と同時に、玄関が開かれる。
「四葉貴将様。お待ちしておりました。ご当主様と真由美お嬢様が居間でお待ちです」
真由美が待っていると聞き、一瞬だけ表情が明るくなる貴将。だがしかし、訓練の賜物だろうか、他人の前ではすぐ表情を隠した。
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて、廊下を奥に奥に進んで、大きな扉の前に辿り着いた貴将。そしてノックをし、扉を開ける。
「四葉貴将です。本日はお招き頂き、有難う御座います」
見た目も少々大人びてはいるが、それでもギャップが激しい言葉と共に部屋に入る貴将。
「やあ、貴将君。待って「貴将くん!待ってたわっ!」真由美…走るな、飛ぶな…」
弘一が挨拶をする前に、真由美が貴将に抱きつく。そして年相応に顔を赤らめる貴将。
「ま、真由美ちゃん、弘一様の前ではさすがに「いいから、私の部屋に荷物があるから、一緒にいくでしょ?」…うん」
完璧に真由美に主導権を握られた貴将であった。
真由美の部屋は、居間とは別方向の奥にある。その部屋は大変豪華で、女の子の部屋らしく飾られている。
「貴将くん、今日から大体どれぐらい泊まるの?」
「えーとね、二十七の日曜日までだよ」
つまり一週間。それを聞き、真由美がいう。
「えっ、じゃあ時間がいっぱいあるわね!私、もっと貴将くんの事が知りたいなぁ」
小悪魔的な表情を浮かべ、上目遣いで貴将を見つめる。
「…僕は真由美さんの事の方が知りたいな」
「先にお姉さんのしつもんにこたえなさいっ」
あまり自分の事を話すのが得意ではないのか、貴将は真由美の事を聞こうとする。が、無視されて結局自分の事を言う事になった。そしてこの日は、は真由美の部屋で摂り、風呂以外、二人はずっとお互いの事を喋り続けていた。
そしてその日の夜。真由美のベッドには、貴将と一緒に寝る、真由美の姿があった。