今回から来訪者です!
来訪者編第一話
四葉の双璧:パラサイト編1
USNA(北アメリカ合衆国)実験場。
ここで、今まさにマイクロブラックホールの生成実験が行われていた。この実験の理論は数年前から分かっていたものの、リスクなど余りにも危険かつ不明だったため実際に行われていなかった。しかし、先日の横浜でのテロ撃退、戦艦内の乗務員や戦闘魔法師等を燃焼反応を伴わずに炭化させ、炭の粉へと変えた魔法、前兆なしに起きた超大爆発、そして沖縄戦で突如周りの生命体の消失と共に出現した世界樹。これらUSNAにとって理解不能であった魔法は、自国にとってとてつもない脅威となる。それが、今回の実験許可の後押しをしたのだ。大爆発に関しては物質のエネルギー変換によるものだろう、ということと使用者の推測までは出来ている。正確に言えば2人まで絞っている。しかし、もう二つの魔法(?)に関しては何一つ分かってない。この実験でそれが掴めるかもしれないと考えているのだ。…何が“生まれる”かも知らずに…
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
USNAの某所、クリスマスイブなど関係なくここでは張り詰めた空気が流れていた。
「フレディ!!何故貴官のような人が逃亡したのです!!」
スターズには逃亡者や裏切り者を処刑するという原則がある。
「この街で起きている焼死事件も貴方の発火能力ーパイロキネシスーだという人もいます!!どうなんですか!?」
「………」
「答えて下さい!!!」
言葉での答えは帰って来なかった。
少女が、即座にその場所を離れる。すると何も無かったはずの場所が一瞬にして炎に包まれる。
「っ!!…スターズ総隊長権限で、貴方を処刑します!!」
その原則は1人の“少女”が負うには、重すぎた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「リーナ、日本での事件は知っているな?」
「はい。…それがどうかしたのですか?」
リーナと呼ばれた少女は上官からの質問を疑問に思い、つい質問した。
「その件について、日本で極秘調査をしてもらいたい。」
「、、、しかし、それならば偵察部隊に要請すれば良いではないでしょうか?私のようなものよりプロにやらせたほうが良いでしょう」
余りにも嫌な予感がしたため、早々に切り上げようとすると、
「あの件の容疑者は二人に絞られている。そして二人とも高校生だ。スターズ、いや、軍の中で高校に潜入できる人など君だけだろう?」
「…わかりました。ではその2人のデータを下さい」
「これがその2人のデータだ。怪しまれないよう接触し、証拠を抑えろ」
「Yesマム」
そう言って二人の写真を受け取る。
その二人の内、一人の名は司波達也、そしてもう1人の名は…
「…キショウ?」
リーナの友人であり、沖縄戦以来あっていない四葉貴将その人だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
貴将達は今、北山邸に居る。その理由は。
「あぁー!!もう何なのよ!!」
「痛ぇ!分かんねぇからって八つ当たりすんなこの暴力女!」
そう、学生なら誰もが(一部を除き、かつその一部に成りたいと誰もが思い)苦労する、定・期・考・査の勉強会だ。
「あぁぁ!!わかんねぇ!
達也、教えてくれないか?」
「そこに寝ている貴将にでも聞けばいいだろう」
皆が勉強会している間、貴将は真由美と会えないことをぐずったあと、すぐさま寝てしまった。やる気のなさが滲み出ている。
「おい…。起きろよ貴将、ここわかんねぇんだけど」
「…すー、すー」
安らかな寝息を立てて、惰眠を貪っている貴将に、秘策とばかりにレオが叫ぶ。
「…仕方ない、おい!貴将!!真由美さんが!!」
瞬間。安らかに寝ていた筈なのに。
「真由美!!」
がばっ!と、寝起きである事を感じさせない速度で、貴将が起き上がる。…CADを待機モードにしながら。
「いや、貴将、落ちつけよ嘘だって」
HAHAHAHAHA!とレオが笑っている。が、貴将は笑わない。
「レオ…死ぬ覚悟はデキテルヨナ?」
「ひっ!!そんな本気になるなよ…」
こんな風にグダグダと勉強会をしていると、ふと雫が。
「あ、私、アメリカに留学することになったの」
爆弾を投下した。
「ん、?雫、ゴメンもう一回言って」
聞こえなかった(聞こえたけど理解不能、もしくは理解したくなかった)のか、誰かが聞き返す。
「アメリカに留学することになったの」
「えぇぇー!!」
そんな中貴将は。レオをシメて機嫌が直ったのか、
「じゃあ、送別会しないとな」
至極当然の事を、至極当然の様にレオ(ただのしかばねのようだ)の上に座り、言った。