四葉の双璧   作:狂った道化師

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第2話です!
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横浜編第2話

第二話

『質量爆散』の発動十数分前、四葉本邸

「貴将、真由美さんが来て欲しいそうよ」

「真由美が?うーん、久しぶりに会うし、色々かっt「残念ながら、今回そんな暇はないわよ」…?」

急な呼び出しで、急いで駆けつけた上に、会話を中断され、どんな用か戸惑う貴将。

「今、横浜は大亜連合との戦いで戦場と化してるわ。このままでは真由美さんや達也さん、さらに深雪さんにも被害が及ぶかもしれないわよ?」

真由美が危険に晒されている。その言葉を理解した瞬間、貴将の纏う空気が変わる。目が細められ、表情が消える。その雰囲気は、『終わりを告げる者(ロキ)』と呼ばれる所以となる程の殺気を放っていた。

「『天照』以外の魔法は許可します。行って来なさい」

この言葉が真夜の口から出終わる前から、貴将の体は宙を舞っていた。そして、旧山梨県から黒い影として飛び出た。

(くそっ!こんな速さじゃ間に合わねえッ!真由美に何かあったら…ッ!)

実際には真由美の身には何も起こっていない。が、『守るべき人』の身に何かあるかもしれないという確率が高くなっていくのを感じ、加速に加速を重ねる。

(自己加速術式ッ!)

CADが使われずに、魔法式が展開される。

彼自身の天性の動体視力と、『精霊の眼』を使い、『擬似瞬間移動』を展開する。もちろん、想子消費量は半端ではない。が、異常な程の想子量を誇る貴将はその状態を維持していた。結果、飛行機などと同等の速度が出る。

(飛んでる時に衝撃波が出てるが気にしたら負けだ。何にかは知らん)

取り敢えず、横浜までの道を十分未満で通り越す。

(あと少し!あと少しでッ!)

(見つけたッ!)

彼は真由美を見つけて安堵したその時だった。『質量爆散』の発動による津波に気が付いたのは。

(クソがクソがクソがクソがぁぁぁぁああ!!)

今の自分の最高速度で飛びながら、指輪を自分の特化型の両刃状CAD『天叢雲剣』に変換し、構える。そして固有魔法の発動。彼にしか使えず、達也と双璧を成すと呼ばれる所以の魔法。

【変換対象:500m先の海水】

【変換後:桜花弁】

【質量変換、発動】

彼が剣を振るう、と同時に真由美を呑み込もうとしていた津波が、大量の桜花弁に変わる。

「遅くなってごめんね、真由美」

彼女が涙を流しながら応える。

「本当よ、いつまで待たせるつもりだったのよ」

彼女が無事であるのを実感し、笑いかける。

「けど、ありがとう。貴将くん」

だが、ふと疑問に思う。

「で、何でこんな事になってんの?」

「えっと、それ「それは我々が説明しましょう」…」

「貴方がたは誰ですか?」

自分と真由美との会話に入られてちょっとだけムスッとしながら貴将が問う。

「我々は、国防軍の第一〇一旅団独立魔装大隊に所属する魔法師です。私の名は風間と申します」

「独立魔装大隊、風間…あぁ、達也が世話になってる所か…。あぁ、失礼、俺は七草真由美の婚約者の四葉貴将と申します。以後、お見知り置きを」

国防軍、と聞いて、警戒の色を醸し出す貴将。

「ところで、なぜ真由美が津波に呑まれかけてたのでしょうか?」

にこやかに、しかし警戒を崩さずに貴将が問う。

「敵戦艦を対象とし、政府の指示によって、『質量爆散』を大黒特尉が使用したためです」

「…手加減を知れっての。あのバカ」

原因を知り、少しばかり警戒を解き、落ち着く貴将。そして次は大切な人に傷が(少しでも)ないかの確認に入る。

「真由美、怪我はないか?具合は大丈夫か?頭痛は?腹痛は?火傷とかない?」

「ええ、全部大丈夫よ。貴方に会えたもの//」

バカップルに成りかけの貴将と真由美を見て、思い出した様に風間が言う。

「そういえば真由美さんは、少しの間人質に取られていたが、大丈夫だったのか?」

風間は、自分が失敗した事にすぐ気付くが、今はまだ気付かない。

貴将の笑顔から、優しさが消える。

「失礼とは思いますが、そいつ等は今どこに居ますか?」

殺気を抑えて質問する貴将。

「ん?ああ、××広場で国防軍が取り押さえているよ。それg…⁉︎」

真由美に危害を加えかけた輩の居場所を聞いたところで、貴将は殺気を抑えるのを止めた。

とんでもない殺気が溢れる。研ぎ澄まされた殺気が、軍人で、かつ殺気の矛先を向けられてないはずの風間の本能が叫ぶ。危険だ、と。

今になって、風間は悟る。しくじった、と。

「そうですか。教えてくださり、ありがとうございます。…真由美に手を出したんだ。嬲ってからじっくりと殺してやる」

独り言の様に呟く貴将。次の瞬間には、擬似瞬間移動を展開し終え、猛スピードで広場に向かっていた。

「…真由美さん、彼は何ですか?」

殺気を感じなくなって、風間が真由美に問う。

「そんな事よりも!!速く追いかけないと!!…殺さないでよ、貴将くん…」

風間が解答を聞くことはなく、貴将が何者かは分からず仕舞だった。

〈広場〉

広場では、貴将がゲリラに近寄り、ニッコリと殺気を抑えて話しかけていた。

「お前等か?真由美を襲ったゲリラ、っていうのは」

ゲリラは、自分の目の前に立っている黒服の男のいう、真由美、という人が七草の令嬢だと理解し、それでも悪びれもせず、答える。

「ああ、そうだ。で、なんだ?」

殺気を抑えるものが消える。

「そうか、良かった。これで心置きなく消せる。死ね、クズ共が」

瞬間、広場を中心とし、濃密な殺気が貴将から放たれる。

その殺気にゲリラが慄く。

「ヒッ!な、何なんだお前は!?」

「…目上の人間への態度が成ってないな。そんなお前等に吉報だ。お前等は限界まで生きれる。まあそれがいい事かは知らんが」

貴将が天叢雲剣を振るう。

(『ラグナロク』)

ビビって、一瞬だけ目を閉じる。そして目を開けると。

世界が黒く塗り潰され、漆黒の世界が広がっていた。

ゲリラ達はその世界で、違和感を感じた。そしてすぐに気付く。

月が、いや、月だと思っていたものが、太陽が落ちてきていた。

「さあ、まずは四肢からだ。消え去れ」

広場に絶叫が響きわたる。

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