よろしくお願いします!!
第3話
貴将がゲリラに向かって飛んでから数分後、真由美は風間に車を出してもらい、出来る限りの速さで貴将のところまで急いだ。
しかし、風間のいう広場に着くと。
「嘘、遅かったの?」
貴将は燃え盛る木々の中、広場の中央に佇み、その広場にはタンパク質の焼ける匂いが充満していた。
真由美がその光景に固まっていると、その背後に影が踊り出る。自分が何をしているのか自覚もなしに。
「真由美殿、敵兵が!」
少し遅れてやってきた風間が、真由美に危険を伝える。しかし遅かった。
真由美が振り返った時、敵は既に魔法を発動する寸前だった。
真由美に対して魔法を使おうとする哀れな敵兵に、地獄から響く様な声がかけられる。
「真由美に手を出すとは…死にたいようだな…」
瞬間、敵の周辺を高温の焔が焼き尽くした。一瞬で灰になる敵兵。風間はこの魔法に見覚えがあった。もちろん、威力は貴将の方が桁外れに大きいが。
その魔法の名前を辛うじて口に出す。
「ムスペルヘイム…だと…!?」
「貴将くん!!なんで殺すの!?」
そんな風間を無視し、貴将に突っかかる真由美。
「真由美、俺はどんな相手でも真由美に手を出す輩は許さない。例えそれが神であろうとも」
真由美には殺気を向けずに答える貴将。もっとも、殺気は、真由美に向けてないだけで、だだ漏れであるが。
そんな貴将に声がかかる。優しげな声だ。
「まあまあ、一旦落ち着け、貴将。殺気がだだ漏れになってるよ?」
その人物の登場を予期していなかった貴将は、一瞬で殺気を抑える。
「え?あ、お、お久しぶりです!修次さん!」
殺気を抑えさせたのは千葉修次。渡辺摩利の恋人で、貴将の剣術の師匠である。
「さて、貴将。ここだけでなく、他の場所でもゲリラの残党が暴れ回っている。最悪の場合、そいつらは殺して構わないそうだ。久しぶりに暴れるかい?」
修次から、少しだけ殺気が漏れる。それに答える様に貴将も殺気をちらっと出す。
だがその2人が出した殺気は軍人の、風間でさえも足がすくむほどのものだった
(あれでほどの殺気なのに底が見えない…修次殿はともかく貴将君、君は一体なにものなんだ?)
「もちろん、行きます。と、いうわけだ。ごめんな、真由美。納得してないかもしれないが、十師族の男子として行かなくてはならない」
風間の思いなど露知らず真由美の方を向き、真由美に謝る貴将。それを援護するが如く、修次がいう。
「という訳なので、彼を残党狩りに連れて行きます」
決定事項かのように真由美に告げる修次。流石の真由美も諦めたかのようだ。
次で横浜編はラストです
貴将君の本気がでます!!