四葉の双璧   作:狂った道化師

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遂に編入編最後です!!
よろしくお願いします!


編入編第3話

四葉の双璧:編入編3

 

「待ったぞ、真由美」

放課後、達也達が深雪を待ていたのに混じり、貴将は真由美を待っていた。

そんな貴将の姿を見つけた瞬間、真由美が何も言わずに近ずいてきて、貴将を抱きしめる。

 

「貴将くんっ、会いたかったわっ」

 

「俺もだ。真由美」

 

抱き合っている二人を見て、周りの人がポカーンと呆気に取られていると、達也が二人に声をかける。

 

「貴将、そろそろ行くぞ」

 

「ああ。分かった」

 

ようやく真由美と抱き合うのを止め、手を握りながら歩き出す。

そして貴将達が昇降口から出てきた時、森崎が声をかけてきた。昼休みの事があるのでもう絡んでこないと思っていたので、そのままスルーしようとするが、それでも貴将に声をかけてくる。かなり緊張している様に見えるのは気のせいではないだろう。

 

「お、おい、四葉。お前十師族の四葉家の直系なんだってな。そ、その癖して、そこのポンコツ魔法師とライバルなのか?」

 

逃げ腰である森崎の開口一言目の、ポンコツ魔法師という言葉に、貴将と深雪、真由美の目がスッと細められる。

 

「ライバルってのはあれか?同程度の魔法しか使えないって事か?なのに一科生って事は金でも積んだのか?そこまでするとは、四葉家も落ちたもんだな、おい!」

 

足を止めた貴将達が見ている中、言葉を言い終わった森崎ははあはあ言いながら貴将を見つめる。

 

「…言いたい事はそれだけか?」

 

無表情のまま問う貴将。

その背後で真由美が貴将の変化に気付く。貴将はキレる寸前だった。それをなだめようと真由美が口を開く前に、森崎が悪魔の怒りを買った。

 

「テメエ!金じゃ無かったら、そこの会長様の体を汚して入っーー」

 

気づけば、森崎は空中に居た。正確には、首元を貴将が掴んでいて、その貴将が飛行魔法を使った為、森崎が宙に浮いている状態だ。

 

「なあ、森崎。お前今自分が何を言おうとして、何に喧嘩売ったのか理解してるか?」

 

無表情のまま、貴将が問う。その手には、いつどこから取り出したのか、剣状のCADが握られている。

 

「ここは戦場じゃないから殺せないが、もちろん、それ相応の覚悟があって、さっきの言葉は口にしたんだよな?」

 

じゃあ、と一度間を置き、恐怖心を煽る様に言う。

 

「その覚悟を試そうか」

 

貴将が森崎を吊るしあげながら飛んている高度は、校舎の三階と同じ位の高さ。

 

「なあ、お前、『流星群』って聞いた事はあるか?まあ今から使うのはそれの劣化版なんだが…」

 

その言葉と共に森崎が投げられる。その目は見開かれ、恐怖に染まっている。劣化版であったとしても、自分の命を奪う事が容易であると理解したのだろう。そして次の瞬間。

 

校舎が、学校が『夜』に包まれる。

 

その魔法は、最強の魔法師と謳われる、貴将の母親の魔法の劣化版。貴将が『手加減する』事を目的として開発したものだ。それを見て、真由美が叫ぶ。

 

「貴将くんっ!!殺すのはダメよッ!!」

 

自分に出来るのは民衆の目の前で貴将に人を殺させないことだけ。手加減をしろというだけ。それを理解している真由美は叫ぶ。

貴将が振り返り、空から真由美を見下ろし、その言葉に答える。

 

「大丈夫。手加減してあるから」

 

穏やかな笑顔で。

暗闇の中、光が森崎を襲う。だがしかしそれは森崎を貫かない。威力が高いと思われる光は全て森崎を掠っていき、森崎に当たるものは、森崎に軽度の火傷を負わせるだけに留まる。だがしかし、それは貴将が調節し、当たらない様にしているに過ぎない。

 

「まあ、手加減してやるから感謝しろ」

 

その言葉と共に『夜』が割れ、光が闇をかき消す。貴将は未だ宙を舞い続ける森崎に硬化魔法をかける。そして疑似瞬間移動を使い、森崎の真上に移動する。貴将が『何か』の魔法を使うと、CADを持っていない方の拳が雷を纏う。

 

「良かったな、森崎。テメエはまだまだ魔法師として使えるぞ」

 

ニタァと悪魔の様な笑みを貴将が浮かべる。

その言葉と共に拳に纏った雷が数十倍の大きさに膨れ上がり、貴将が拳を森崎に向けて突き出すと同時に、雷が森崎を貫き、そのまま地面に大きな穴を穿った。

 

〈一時間後〉

貴将は真由美と共にようやく帰路に着いた。遅くなる事は分かっていたので、達也達は先に帰してある。

ここまで遅くなった理由は、貴将が森崎に対して魔法を行使した事にある。

あの後、貴将は校長に呼び出され、事情の説明をさせられた。それを聞いた後、校長は貴将への(たったそれだけの事であそこまでする事に対する)恐怖心からか、今回の事は不問にすると言われた。だが、入院費は払えとの事だった。それだけの刑罰に驚いた貴将だが、停学になるよりは確実にいいので何も言わなかった。

 

「じゃあ貴将くん、また明日ね」

 

駅で真由美は貴将にお別れの挨拶をする。が、貴将の答えは予想外のものだった。

 

「いや、俺は今日から昔みたいに真由美の家に住むんだが…。まさか弘一さんから聞いてないのか?」

 

「へっ?」

 

淑女らしからぬ言葉を出してしまい、真由美が赤面する。そんな真由美には触れずに貴将が言う。

 

「司波家に住むのも良かったんだが…あそこの住むと達也達の素性がバレるしな…」

 

それに、と貴将が続ける。

 

「真由美の部屋で寝ていいとの許可を弘一さんから頂いてるから、真由美の寝顔が見れるしね」

 

この言葉を聞いて瞬間、へっ、という様な間抜けな声を発する余裕があるはずもなく、真由美の顔が赤面から沸騰にランクアップする。

 

「〜〜〜っ!」

 

そのまま真由美が両手で顔を覆う。その肩を抱き、貴将が笑う。その笑い声が夕暮れの駅にこだまする。

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