「おい、お前誰だ?」
出口に向かおうとしたときぶつかった白髪の少女は慧音に向かって聞いてきた。
「わ、私は上白沢 慧音というものだ。」
慧音はいきなりあらわれた少女に動揺していた。髪は長く頭の上に大きな紅色のラインがはいったリボンをつけており、小さめの似たようなリボンが髪にいくつかついていた。服は小袖に赤い袴でぼろぼろだった。手には薪をもっており今帰ってきてばかりのようだった。
少女は見られていることに気付いたのか目を細めて睨んできた。慧音は人里で相談するときのために情報を入手しようと考えた。
「お、お前はなんという名だ?」
はじめに焦り噛んでしまったがやさしめの口調できいた。
「妹紅だ。」
あっさり返されてしまった。
慧音は一瞬心を落ち着かせるため深く呼吸してから次の質問をした。
「妹紅、おまえは此処に一人で住んでいるのか?」
「そうだが、おまえはさっきから勝手に人の家に入り込んできたりしてきていったいなんなんだ?早く帰ってくれないか?」
慧音は気づいた。今、完全に自分は人の家に勝手にあがりこんでしまっているのだ。今まで生きてきたなかで人の家に勝手に入ったというのは初めてだった。
「す、すまない。こんなところに小屋があったものだから不思議におもってな。すまなかった。」
慧音は足早に扉のほうに行き、妹紅とすれ違う時に軽く頭を下げ、人里に向かって小走りで帰って行った。
慧音は家に戻って、こたつに入り居間でみかんを食べながら今日あった妹紅という少女について考えていた。本当に妹紅という名前なのだろうか?なぜあんなところに一人で住んでいるのか?考えれば考えるほど疑問が生まれてくる。
こたつの上をみると綺麗に花形にむかれたみかんの皮が4個も置かれていた。完全に自分の世界に入り込み無意識のうちにこんなにも食べてしまっていた。
「考えても仕方がないか。」
そう独り言を言い立ち上がり慧音は机にむかい歴史書の編集を始めた。まだ仕事がない慧音は、この歴史書を書くことで生計を立てていた。半獣の時の能力で歴史書を書くことは簡単で頑張ったら、このままこの仕事だけで生計を立てれるが、慧音自身は人と関わる仕事がしたかった。自分が半獣で人と関わりあうことが難しいことがわかっていたがそれでもやりたく、仕事をさがしているが採用してくれるような店はなかった。しばらく作業をしていると
コンコン
玄関のほうで扉をたたく音がした。しかし、慧音は立たず深くため息をついた。
「はぁ、どうせお前だろ早く入れ。」
すると先ほどいたこたつがある居間の空間に裂け目が入った。その中から傘をさした金髪の長髪の女性が姿をあらわした。身長は高く、冬だというのに扇子をひろげあきらかに胡散臭い。
「それじゃあ、お邪魔するわね」
「紫、人の家に入る時ぐらい傘をしまえ。」
「あら、ごめんなさい。」
この女性だが妖怪の賢者と呼ばれる八雲紫だ。スキマとよばれるものをつかうのでスキマ妖怪とも呼ばれている。時計を渡してきたのもこの妖怪だ。
「何か用か」
慧音は突如訪ねてきた紫に尋ねた。すると紫は、
「・・・どうやらあなたは今は別のことで悩んでるようね。私もそろそろ冬眠したいしまた今度にしようかしら。」
「どうした。何かあったんじゃないのか。」
慧音は不思議に思った。いつもなら断っても話を持ちかけてこようとする紫なのに今日は自分から話をやめようとしているのだ。
「それじゃ、私は帰るわね。あとこれプレゼントよ。」
「おい!ちょとまっ」
言おうとしたときにはもうそこには紫の姿はなかった。慧音はため息をつき、紫が置いて行ったものを見た。そこには、新聞が置かれていた。何かあるのではないかとページ開いてみるものの何の変哲もないほんだった。あいつは何がしたいのか、と思いその新聞を読むと今日のものだった。すると見出しに「今夜、これまでにない強風に注意!」と書かれていた。その見出しをみて慧音はふと、妹紅のことを思い出した。あの小屋だったら簡単に吹き飛ばされてしまうだろう。それに、このことは人里離れたところに住んでいる妹紅は知らないだろう。助けに行かねば、そう思い時刻を確認する。まだ夕方だ、間に合う。慧音は素早く準備し妹紅のいる小屋まで風が吹く中走っていった。
紫さん初登場
ん?大袈裟?まだに二話目?まだ初投稿から3時間しかたってない?
気にするな!