慧音は風呂の中で考えていた。なぜいきなり、妹紅に明日からは自分が作ると言われたことについて。私はなにも悪いことをしていないし、別に今日の料理も多少は焦げたりしてしまったものの悪くはなかったはずだ、と慧音は考えた。まあ、妹紅の料理も気になるのでそれはそれでいいやと思った。
「客人に迷惑ばかりかけてはいけんな。」
そう独り言を言い立ち上がり、風呂場から出ていった。
妹紅はこたつの中に入っていた。吐き気は完全にひいていた。家にはこんな便利なものがなく、今のうちにしか使えない代物だ。妹紅は自分で炎を出すことはできるが、こたつの暖かさは別物だ。しかも、体力も使わなくてよいのだ。そんなことを考えこたつに入りくつろいでいると慧音が風呂からあがってきた。
「妹紅、何か問題なかったか。」
「ああ、ありがとう・・・えっ?」
妹紅は気づいた。今自然と「ありがとう」と自分はいったのだ。人への感謝の言葉、蓬莱人になってからこんなに自然に言ったことがあるだろうか。
「妹紅、どうかしたか?」
妹紅がいきなり狐につつまれたような顔をしたので慧音が不思議そうに聞いてきた。
「べ、別になんでもない。」
妹紅は慧音から顔をそらした。
しばらくの間沈黙が続いた。聞こえてくるのは雨の音だけ。
「すまん妹紅、何かいやなことでも思い出させてしまったか?」
慧音がいきなり謝ってきた。妹紅は焦った。別に上白沢はなにも悪いことはしてはいないのに謝らせてしまった、と。
「い、いや別にそういうのじゃないんだよ、だから別に気にしなくてもいいから」
慧音はまだ腑に落ちないような顔をしている。これ以上怪しまれると過去について聞かれてしまう、と妹紅は考えた。
「お、おいもう外が暗いじゃないか、もっもう寝ないか。さて今何時だ」
無理矢理になったと妹紅はわかっていた。けれども人とほとんどしゃべったことがなかったのでどうすればよいかわからなかった。
とりあえず、時間を確認しようとした。
「11時半か・・・あっ」
妹紅は思い出す。このくらいの時間になるといつも奴等が襲いにくることを。
輝夜の刺客が
次の瞬間、外でとてつもなく大きな爆破音がした。妹紅は立ち上がり靴もはかずに爆発音のしたほうに走っていった。慧音は状況がつかめず戸惑っている。
雨の降る人里の中、妹紅はただひたすら走り続けた。風が吹き荒れ視界がとても悪い。しかし、妹紅はそんなこと気にしている暇などなかった。助けてもらったのに人里に被害をもたらすなどもってのほかだ。
目を凝らして見てみると何か赤いものが近づいてきた。提灯だろうかと思い妹紅は話しかけた。
「おい、この辺で怪しい奴をみなかっt」
妹紅は近づいてきたものの正体に気付いた。
それは大量の弾幕だった。
密度も高く、こんなに近づいたところで回避は不可能だ。妹紅はゆっくと目を閉じようとした。
次の瞬間、目の前にスキマが広がった。
弾幕はその中に吸い込まれて消えていった。
「あらあら、危ないわね」
次回、ネタ回はさもうと思います。