『ギフトゲーム名〝FAIRYTALE in PERSEUS〟
・プレイヤー一覧
逆廻十六夜
久遠飛鳥
春日部耀
・〝ノーネーム〟ゲームマスター ジン=ラッセル
・〝ペルセウス〟ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒
・敗北条件
プレイヤー側ゲームマスターによる降伏。
プレイヤー側のゲームマスターの失格。
プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。
・舞台詳細・ルール
*ホスト側ゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。
*ホスト側の参加者は最奥に入ってはならない。
*プレイヤー達はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない。
*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦権を失う。
*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行できる。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、“ノーネーム”はギフトゲームに参加します。
〝ペルセウス〟印』
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~三人称視点~
ルイオスとの会談でゲームは三日後に行うということでまとまり、拠点へと戻ってきた四人とレティシア。それに夜も遅かったから、ジン君には明日話すということに決めた。
今は談話室に耀と影の中からレティシアも出して集まり、事の顛末をあらかた話し終えた。
「これで粗方話したかな?」
「・・・おい蒼奇。さっきのは何だ?」
「え?・・・・・・・・・・・・・・・どれ?」
蒼奇は思い当たることが多すぎて、十六夜が何のことを言っているのかを判別できなかった。
「全部だ」
「・・・なにから話せばいいのかわからないから、とりあえず一個ずつ質問してほしいかな」
「じゃあまず、最後のあの玉はなんだ?」
「それについては僕もよくわかってないんだけど・・・黒ウサギは知ってる?」
「えっと、はい。〝ペルセウス〟への挑戦権を示すギフトです。クラーケンとグライアイにゲームで勝利することで手に入れることが出来ます」
「へえ。蒼奇はなんで知ってたんだ?」
「僕はただ、襲ってきた兵士の記憶を盗み見ただけ。それでその二つを持っていけば挑戦できるって知っただけ」
そう。たったそれだけのこと。そうして蒼奇は分身を生み出し、取りに行かせた。記憶を、ルイオスの人間性を見てしまったから。もしも、和解しなかった場合の保険として。
「そうか。で、
「そうね。あれについては私も聞きたいわね」
「黒ウサギも同じです」
「私も興味があるな」
「・・・あれ?」
その部分については詳しく話していなかったので耀はわかっていなかったが、おそらく四人が言っているのは蒼奇が青鬼によって意識を乗っ取られたことについてだろう。
「ああ、あれは青鬼が僕の意識を乗っ取ったんだよ。召喚獣は基本的に強力な奴らばかりだから、彼らが暴走したりするとたまにああなっちゃうんだ。今回はルイオス君が僕のことを戻そうとする意志がみえなかったから、キレたんだろうね。普段なら他の召喚獣が止めてくれるんだけど、ルイオス君の言動は許容できなかったみたいだね」
今回のことは同化していた召喚獣の暴走ということを聞いた四人はその身を強張らせる。
「ああ、そんなに硬くならなくても大丈夫だよ。もうやらせるつもりはないし。それに君らに手を出したらどうなるかってのは彼らはよく理解してる」
「・・・そうかよ。それで?ゲームに参加しなくてよかったのか?」
「むしろ僕が参加するなんて言ったらルイオス君はたとえ伝統だろうと嫌がったろうね。それに、君らにはいい経験だとも思ったし。僕無しで頑張ってみせてよ。それじゃ、すこし疲れたから休むよ。三日後のゲーム、がんばって」
そういい蒼奇は談話室から出ていく。
「・・・お前ら、どう思う?」
「傍目から見ても疲れていたと思うわ」
「・・・うん、顔色が悪かった」
「黒ウサギもそのように感じました」
「私もあまり良いようには見えなかったな」
青鬼に意識を乗っ取られたあと、見るからに顔色が良くなく、体調が悪そうだった。
「乗っ取られるのは相当の負担ってことか」
「「「「・・・」」」」
十六夜の言葉に四人は黙り込む。
「なんにせよ、次は蒼奇に手を出されたり何かされる前に俺らでどうにかするぞ。これ以上アイツに出番は取られたくないしな」
「ええ、そうね。これ以上、蒼奇君の世話にはなりたくないわ」
「うん。お荷物のままは嫌だ」
「黒ウサギも手伝いますヨ♪」
「「「「期待はしない」」」」
「ひどくないですか皆さん!?それにレティシア様まで!?黒ウサギだってやればできますヨ!?」
その後も談話室で五人はうるさく騒いで盛り上がっていた。蒼奇はその会話を自分の部屋のベッドに寝転がりながらひそかに聞いていた。
「・・・くくくっ、面白い会話してるねー。・・・でも、うん。人に頼らず自分たちで何とかしようなんてのは、いい傾向だね。やっぱり人の成長ってものは見ていて楽しいよ・・・少し寂しいものもあるけれどさ。でも直接指導しないってのも面白いかな?成長こそ遅いけど見ていてなんか和むよ」
それから蒼奇は少し兵士の記憶を思い返し〝ペルセウス〟のゲームの内容について思考し、
「・・・うん。あの三人なら平気そうだ・・・」
あの三人の成功を確信して眠りについた。
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三日後の〝ペルセウス〟のギフトゲーム当日。もう六人は出発し〝ペルセウス〟の本拠へ着いている頃、蒼奇は今日も留守番している。
「蒼奇お兄ちゃーーーん!遊んでー!」
「蒼奇お兄ちゃん!これ運んでー!」
「蒼奇お兄ちゃーん!肩車してー!」
子供から引っ張りだこで大忙しで増殖まで使って子供の相手をする。
「・・・はあ。早く帰ってこないかなーあの六人」
「蒼奇お兄ちゃん!早く早く!」
「・・・はぁ・・・今行くよー!」
(これ、体を取られるよりも疲れそう)
その後、蒼奇はゲームに勝利して、ゲームに向かった時のままの六人で帰ってきた彼らによって、干物のような状態で倒れているところを発見された。
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蒼奇は自室のベッドで上体を起こした状態で黒ウサギに叱られていた。
「まったく!驚かさないでくださいよ!」
「ごめんねー。いやー子供は怖いってことを初めて知ったよ。次からは気を付けるよ」
「うっ・・・い、一応子供たちにも言いつけておきますが、蒼奇さんも本当に気を付けてくださいね!」
「了解でーす」
そして黒ウサギは部屋から出ていく。
「さてと」
蒼奇は問題児三人へと向き直る。
「言いたいことがあるなら言えよ」
「ヤハハ!いや、何もねえよ!」
「ええ、そうね。言う事はないわね・・・ふふっ」
「うん。なにもない・・・クスッ」
三人はそんな理由で倒れた蒼奇に対して明らかに笑いを堪えている。
「はあ、自分でもやらかしたと思ってるよ。正直子供を舐めてたよ」
「「「どんまい」」」
「なら替われ」
「「「だが断る」」」
「・・・はあ、最近君らのせいでため息が増えた気がするよ」
「・・・私は最近、蒼奇が本当に強いのか疑問に思うときがある」
「そうね。子供に負けるのはどうかと思うわ」
「そうだな。子供に負ける最強ってのはな」
「よし、表に出ろ。今すぐギフトゲームをしようか。なに加減はしてやろう。雀の涙ほどだが、な」
「「「悪かった/ごめんなさい」」」
「わかればいい」
蒼奇の口調と声色が変わり、危険を察した三人はすぐに謝る。その謝罪を聞いた蒼奇は満足して、改めてレティシアへと向き直る。
「さて。とりあえず、お帰りレティシア」
「あ、ああ・・・た、ただいま」
「うん。・・・あ、ちなみに君の扱いに関してはこの三人に一任してるから」
「・・・・・・・・・は?」
「「「これからよろしくメイドさん」」」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「・・・ということらしいから、頑張ってね?」
ちなみに所有権は3:3:3:1らしい。言わずもがな蒼奇が1だ。
そのうえ倒れた蒼奇は歓迎会に参加できずに、流れていく星を窓から眺めるしかなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・おなか、すいたなぁ・・・・・・」
・・・料理すらも持ってきてもらえなかった。
・・・・・・そんな蒼奇の目の縁には、月と星の光で輝く雫が見えたような気がした。
その日は空腹のせいで一睡もできず、翌朝に黒ウサギが顔色の悪い、どころかさらに悪化している蒼奇に対して必死に謝ってる姿が見られたとか見られなかったとか・・・。
とりあえずこれで一巻終了です。
次話は一週間以内に投稿予定です。遅れる可能性がありますのでご了承ください。
それと一つ聞きたいんですけど、主人公視点と三人称視点、どっちが読みやすいですか?もしくは読みたいですか?
活動報告の視点アンケートにて返信いただけるとありがたいです。