人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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魔王&会談

その後、ゲーム盤として大樹が現れてゲームが開始された。

ゲーム内容は大樹の外へと先へ出た方が勝者という単純なもの。

耀が先に動き、あの二人は耀を追いかけるという展開が繰り広げられていた。

しかし、ある場面で状況が一変する。

 

(あのカボチャ、本気になったかな)

 

そこからは耀がカボチャによって足止めされ、一歩も進めなくなるという盤面へと変化した。

そこで、耀は勝てないと判断したのか―――――

 

 

 

―――――自身の降参を宣言した。

 

 

 

「春日部さん、負けてしまったわね・・・」

「仕方ないよ。あのカボチャが本気を出した時点で勝ち目は消えてたよ」

「ま、気になるなら後でお嬢様が励ましてやれよ」

 

サンドラや白夜叉が慰める声をかけている中、僕は空に目を向ける。それにつられたのか自分で気づいたのかは知らないけど、同じく空を見ている。

 

「・・・白夜叉、アレはなんだ?」

「どうやら来たみたいだよ、白夜叉」

「なに?」

 

空から降り注ぐ黒い契約書類。

 

 

 

『ギフトゲーム名〝The PIED PIPER of HAMELIN〟

・プレイヤー一覧

現時点で三九九九九九九外門、四〇〇〇〇〇〇外門、境界壁の舞台区画に存在する参加者、主催者の全コミュニティ。

 

・プレイヤー側・ホスト指定ゲームマスター

太陽の運行者・星霊 白夜叉。

 

・ホストマスター側・勝利条件

全プレイヤーの屈服・及び殺害。

 

・プレイヤー側勝利条件

一、ゲームマスターを打倒。

二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

 

宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

〝グリムグリモワール・ハーメルン〟印』

 

 

「魔王が現れたぞオオォォォ―――――――――!!!」

 

 

ああ、楽しみだ・・・!!

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

あそこにいるのは・・・ああ、間違いない・・・!あのイカレ野郎だ・・・!!

 

「悪いが、他は任せた。くれぐれも俺の邪魔はするな」

「え、ちょっと!?蒼奇君!?」

「蒼奇さん!?」

「・・・」

 

飛鳥と黒ウサギの二人は止めようとしたみたいだが、遅いよ。十六夜は静観している。

 

しまさん、転移頼む。

 

『・・・』

 

自制はできてるから問題ない。

 

『・・・』

 

ああ、ありがとう。

しまさんは納得して指示通りに男の傍へと転移してくれた。

 

そして、僕はボロボロのローブを身にまとった剣を持つ男に蹴りをぶち込む。

 

「ぶっ飛べや・・・!このクズがっ!!」

「くっ!?」

「「「なっ!?」」」

 

僕は男を驚くペストやその仲間から離れさせる。

そしてすぐに転移で近づく。

 

「よぉ、元気そうだな?」

「・・・」

「おいおい、しゃべれねぇなんてことはないだろ?」

「・・・ダマレ!!」

 

男はそういって僕を攻撃してくる。

 

蹴り。

 

殴打。

 

ギフトによる業火。

 

はたまた剣による斬撃。

 

ありとあらゆる攻撃をしてくる。

 

 

 

でも、

 

 

 

「足りねぇよ」

 

 

 

それら全てを防いだ僕には何一つとして、届きはしない。

 

「なぁ、会話をしようぜ?久留井鏡夜(くるいきょうや)君?」

「ダマレ!その煩わしい声で話しかけるな!!」

「おいおい、元・師匠に対してそれはひどくねえか?たしかにお前の人生をダメにしたかもしれんが、そこまでかよ?」

「お前と話すことなどない・・・!」

「俺はあんだよ。まずお前から教え子の気配がするのはなんでだ?殺したのか?いや、お前程度に殺られるほどあいつらは弱くない。一体何が目的で接触したんだ?」

「話すことはないと、言ったはずだ!!」

 

そういって彼、鏡夜は僕に突っ込んでくる。

 

「だから、届かねえって」

 

鏡夜の斬撃を防ぐ。

 

 

防いだ、はずだったのだ。

 

だが、あいつの斬撃は僕に当たる前にはすでに切り傷が出来ていた。痛みもなく、違和感もなくできていた。そして防いだ後にも、もう一つ別の傷が出来ていた。

 

「・・・どういうことだ?」

「話すと思ってんのかよ・・・!」

「ごもっとも」

 

話している間にも激しい攻防を繰り広げる。しかし僕の身体には傷が増えていく一方だった。

 

(鏡夜の攻撃のカラクリはなんだ?空間?時間?因果律?切断の事象の付与?)

 

傷を〝再生〟で治しながらも、多くの仮説が頭の中を駆け巡る。そして一つの結論に達する。

 

(・・・・・・いや、何にしろ圧倒的な力でねじ伏せればいいのか・・・)

 

そう結論付けて実行しようと攻撃を仕掛けようとしたとき、

 

 

激しい雷鳴が鳴り響く。

 

 

僕と鏡夜の二人はほぼ同時に動きを止める。

 

「チッ、今はここまでか」

「・・・オマエは絶対にこの手で殺す・・・!」

「こっちのセリフだ、イカレ野郎」

 

「〝審判権限〟の発動が受理されました!〝The PIED PIPER of HAMELIN〟 は一時中断し、審議決議を執り行います!プレイヤー側、ホスト側は共に――――――――」

 

黒ウサギの声を聞きながら、僕らは戦闘を一度預けた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

僕は気配をたどって大広間まで来た。そこには十六夜やジン君、黒ウサギをはじめとした多くの人がいた。

 

「やあ、どんな感じだい?」

「・・・蒼奇。大丈夫そうだな」

「蒼奇さん!お怪我は!?」

「もう治したから平気だよ。他の人たちは?」

「・・・やはり被害が大きいです」

「そう。エリクサーを箱で置いて行くからよかったら使って。足りなかったら言ってくれれば追加するよ」

「はい、ありがとうございます」

 

そういって影から三箱ほど出した。

 

「・・・さっき、もう治したって言ったか蒼奇?」

「言ったけど、それがどうかした?」

「お前が全力でやったうえで怪我なんか負う相手だったのか?」

「「・・・!?」」

 

黒ウサギとジン君が十六夜の言葉に驚愕する。

 

「・・・初見だったからね・・・ちょっと遊んでたんだよ。まあ、油断していたのは否めないけどね。次はもう少し本気になるよ。それに付け加えるなら僕の耐久は人と変わらないし、子供でも僕を倒せるんだよ?前みたいに」

「・・・どんな相手だったんだ?」

「・・・シャレは無視かい?いや、いいけどね。・・・・・・僕の元・教え子だよ。危険思想を抱いていたから、ギフトを剥奪して破門したんだ。でも最初はそんな子じゃ、なかったんだけどね。たぶん、力に溺れたのかな・・・・・・だからこそ、僕がこの手で終わらせるよ」

「・・・そうかよ」

「じゃあ・・・少し気が立ってるから落ち着かせて来る。話し合いが始まる頃に呼びに来てよ」

「ああ、わかった」

 

大広間を出るとそのまま建物の外へ行く。そして建物の屋根へ上がる。

 

「ああ・・・腹立つ。次に戦うときは、全力で、即、殺す・・・!!」

 

鏡夜は危険だ・・・!――――――――――――

 

 

 

 

 

―――――――――――第三次世界大戦が勃発する寸前まで世界を操っていたアイツは・・・!!

 

 

いや()が止めなければ確実に起きていた。

日本、アメリカ、ロシア、中国、EU。その周辺国や関係のない国もすべてを巻き込む歴史上最大最悪の戦争が確実に・・・!!

 

 

 

それから僕は黒ウサギが呼びに来るまで屋根でその時に鏡夜を殺しておかなかったことを後悔していた。

 

 

 

 

 

「ギフトゲーム〝The PIED PIPER of HAMELIN〟の審議決議、及び交渉を始めます、けど・・・蒼奇さんはなぜ魔王陣営にいるんでございますか!?」

「精神が安定しないんです。だから魔王ちゃんとネロの絡みを間近で見て和んでます。ホント情緒不安定なんで許してください。アイツが来ないっていうからここに来たんだからマジで勘弁してください。いや本当にお願いします。本当ならすぐにでもアイツを殺しに行きたいけど、この状況を見ることで抑えてるんだからさ」

「・・・は、はい、わかりました」

 

黒ウサギは僕の必死すぎるお願いが通じたのか、すぐに引き下がった。

今の僕はペストちゃんを膝にのせていて、さらにペストちゃんの膝にはネロがいる。

・・・うん、かわいい。前みたいに場所が場所だからとろけてはいないけどネロを撫でて微笑んでいる。

今度、レティシアやリリちゃんにもネロを渡して反応を見ようかな?

 

それからはかなり順調に話が進んでいった。それでもそこそこ横着しているけど。

日を跨ぎ再開は一か月後。そこに十六夜とジン君が待ったをかけてペストちゃんと仲間たちの名前を当てた。

それをペストちゃんが気に入り、一つの提案をする。

 

「蒼奇、ここにいる人たちが参加者側の主力かしら?」

「・・・なんでそれを僕に聞くのかな・・・?・・・まあ、そうだね」

「き、貴様っ!!それでもっ!!」

「僕が言わなくてもそこの、ヴェーザーさん、だっけ?その人にならバレてたと思うよ」

「・・・ああ、その通りだぜ」

「そう。なら、此処にいる人たちと白夜叉。それらが〝グリムグリモワール・ハーメルン〟の傘下に降るならそれ以外の人たちは見逃してあげるわ」

 

ふぅん?・・・ここら辺の交渉は僕の今の立ち位置じゃ無理だね。そこらへんはジン君に任せよう。

 

 

そこからは交渉により少しずつゲーム再開までの日数が縮まっていった。

マンドラが黒死病感染者を殺すと言い出した時は驚いたけど。

 

そして十日後まで縮めると、ジン君が勝負に出た。

 

 

「―――――――ゲームに期限を設けます。再開は一週間後でゲーム終了はその二十四時間後として、同時に〝主催者〟側・・・あなた方の勝利とします」

 

・・・!!大きく出たね。

 

でも好ましいよ、そういう大胆な決断ができる子は。

 

「ジン。貴方は一週間生き残れたら・・・私に勝てるつもり?」

「勝ちます」

「・・・・・・・・・そう、わかったわ」

「僕からも少しいいかいペストちゃん?」

「・・・何かしら?」

「ここに署名してほしいんだ。そっちの二人もね」

 

僕はギフトカードからボロボロの古びた本を取り出す。

そしてあるページを開く。人が見れば落書きにしか見えないようなものたくさん書かれているページだ。

 

「・・・これは?」

「君には言ったはずだよ。僕は君らが欲しいと。これはそれを成すものだよ。それで?署名してくれるの?」

「・・・ええ、いいわ。ヴェーザーにラッテンも書きなさい」

「ちょっ!?マスター!?」

「命令よ」

「・・・は~ぃ」

 

ペストちゃんはすぐに署名し、残る二人も渋々といった感じで署名した。

 

「ありがとうね」

 

 

「ええ。それじゃあ―――――――――貴方達は必ず私のものにするわ」

 

 

すると黒い風が吹き抜けペストちゃんたちは消えていった。そしてもうそこには黒い契約書類一枚しか残っていなかった。

 

 

 

『ギフトゲーム名〝The PIED PIPER of HAMELIN〟

・プレイヤー一覧

現時点で三九九九九九九外門・四〇〇〇〇〇〇外門・境界壁の舞台区画に存在する参加者、主催者の全コミュニティ(〝箱庭の貴族〟を含む)。

 

・プレイヤー側ホスト指定ゲームマスター

太陽の運行者・星霊、白夜叉(現在非参戦の為、中断時の接触禁止)。

 

・プレイヤー側禁止事項

自決及び同士討ちによる討ち死に。

休止期間中にゲームテリトリー(舞台区画)からの脱出を禁ず。

休止期間の自由行動範囲は、大祭本陣営より500m四方に限る。

 

・ホストマスター側勝利条件

全プレイヤーの屈服、及び殺害。八日後の時間制限を迎えると無条件勝利。

 

・プレイヤー側勝利条件

一、ゲームマスターを打倒。

二、偽りの伝承を砕き、真実の伝承を掲げよ。

 

・休止期間

一週間を相互不可侵の時間として設ける。

 

宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

〝グリムグリモワール・ハーメルン〟印』

 

 

 

 




次も一週間以内の予定
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