人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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閑話
閑話1~美少女剣士の来訪1~


〝黒死斑の魔王〟のゲームが終わり本拠に戻った翌日。蒼奇は契約を上書きして手に入れた三人。ペスト、ヴェーザー、ラッテンを召喚して契約内容について話していた。

 

「一つは基本的に自由。コミュニティの仲間たちさえ傷つけなければいいよ。十六夜と戦っても、飛鳥をからかっても、ペストを愛でてもかまわない」

「「わかったぜ/わかったわ」」

「待ちなさい」

「「「なんだ?/なんです?」」」

「私を愛でるっていうのはどういうことよ?」

「「・・・?かわいいものを愛でるのは当然のことでしょ?」」

 

蒼奇とラッテンは声を合わせて言い放った。

 

「だからそれg「とりあえず二つ目話すよ」言わせなさいよ!」

 

蒼奇はペストの文句を遮って契約内容の二つ目について話す。

 

「君らはこの本拠の防衛をしてほしい。公に対魔王コミュニティって名乗ってるし、実績もできたからね」

「「了解」」

「ちょっと?無視しないでくれない?」

「あとでかまってあげるから少し黙ってて」

「・・・・・・むぅ」

 

ペストは蔑ろに扱われ、これ以上言っても無駄だと判断して押し黙る。

 

「三つ目は僕とリーダーのジン君の命令は絶対。これで全部だよ。君らは基本出しっぱなしにするからよろしく」

「「「ああ/ええ」」」

 

蒼奇は三人に一通り話し終えて一息ついた。三人はそれを聞くと部屋から出ていこうと立ち上がりドアへ向かう。

 

「・・・今日は比較的平和だね。・・・でも、平和って長く続いた記憶がないんだよなぁ・・・」

「・・・・・・ちょっと?」

「ん?」

 

蒼奇が声の方を見るとまだペストがそこにいた。

 

「あれ?まだ居たんだ。どうかしたの?」

「・・・施設の紹介ぐらいしてほしいのだけれど?」

「・・・・・・・・・そうだね。それじゃあ、案内するよ」

「~~~~~~♪」

 

ペストは施設の案内をしてほしいと言っているが、どうやら蒼奇にかまってほしくて律儀に待っていたようだ。返答を聞いたペストは上機嫌で蒼奇の前を歩いていく。もちろんその腕にはネロを抱いている。

そこからは屋敷や工房を案内したりし、畑を見に来たときにペストが聞いてくる。

 

「・・・小麦はないのかしら?」

「・・・・・・視野には入れてる。でもこのコミュニティって米派が多いんだよね」

「・・・そう」

「いずれは僕が貸してもらっている場所で育てて、パンでも作ろうかとは思ってるけどね」

「・・・・・・それなら小麦が実ったら見せてほしいのだけれど・・・」

「さっき言ったはずだよ?基本的には自由だって」

「・・・ふふっ、そうだったわね」

 

ペストが嬉しそうに薄く笑う。

そして蒼奇が本拠の出入り口の方面を案内しようと近づいた、その時。

 

「・・・・・・・・・っけたぁぁぁぁ・・・・・・」

 

どこかから少女のような声が聞こえた。すると蒼奇が突然、張り詰めた雰囲気へと変わる。

 

「・・・ペスト、影に入るか全力で離れろ」

「え?ど、どういうこと?」

「いいから。死にたくなければ選べ」

「・・・影に入らせてもらうわ」

 

ペストはそう言われて影の中の方が安全と判断したのかネロと一緒に影に入り込む。それを確認した蒼奇は召喚獣のリィナを筆頭とした妖精たちを呼び出す。

 

「リィナ。妖精たち総動員で結界を張ってくれ。余波でできるだけ被害は出したくない」

「はい、わかりました。・・・頑張ってください」

「ああ」

 

蒼奇は妖精たちが本拠に結界を張るのを確認すると召喚獣たちと同化を始める。

 

青鬼に〝個群奮闘(個にして群、群にして個)〟を使わせて手始めに百体と同化する。

 

〝個群奮闘〟は青鬼を無限に召喚できるギフトだ。しまっちゃうおじさんの〝増殖〟に似てるかもしれないが少し違う。しまっちゃうおじさんの〝増殖〟は召喚してから増える。しかし、青鬼の〝個群奮闘〟は召喚していなくとも多数存在しているのだ。そうやって蒼奇は青鬼すべてを召喚して身体能力を同化させて人外へと昇華している。

 

それに加え、アースと身体能力を同化、ブライトとは〝再生〟を同化して得る。そこからさらに鬼やゴーレムとも身体能力や硬度を同化する。

 

そして同化が終わるとちょうど先ほどの声がまた聞こえた。

 

 

 

 

「見つけたああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!このクズ師匠おおおぉぉぉぉ!!!!!!」

 

「うるっせぇんだよ!!!このアホ弟子がぁ!!!!!!」

 

 

ドガアアアアァァァァァァァァン!!!!!!

 

 

黒髪の少女の剣と蒼奇の拳が交わり、とてつもない衝撃波と爆音を生み出した。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ドガアアアアァァァァァァァァン!!!!!!

 

 

「な、何事でございますか!!?」

「さぁな。蒼奇がなんかしたんじゃないか?」

「うん、きっとそう」

「そうね。彼ならできるわ」

 

黒ウサギ、十六夜、耀、飛鳥は四人で集まりお茶を楽しんでいたが突然の爆音と衝撃で黒ウサギが驚く。

 

「そういって蒼奇さんじゃなかったらどうするんですか!?」

「・・・・・・それもそうだな」

「・・・・・・一理ある」

「・・・黒ウサギにしてはまともなことを言ったわね」

「「ああ/うん」」

「あーもう!!早く行きますよ!!!」

 

四人は音のした方へと向かっていく。

するとそこにはヴェーザーとラッテンがすでにいた。二人も音を聞いて駆けつけたのだろう。

 

「よぉ、お二人さん。なんの騒ぎだ?」

「「・・・・・・・・・」」

 

二人はただ一点を見たまま固まっている。その顔には冷や汗が見える。それが気になった四人は二人の見ているものに目を向けた。

 

 

 

「死ね!早く死ね!!疾く死ね!!!」

「死ね死ね、うるせぇなぁ!!もっと他の言葉も使ったらどうだ!!?このバカ弟子!!!」

「・・・殺す!!」

「ボキャブラリーが少ねぇんだよ!!」

「うるさいうるさいうるさい!!!とりあえず師匠は死ね!!!修行つけてもらおうと思った途端消えちゃってさあ!!!!!」

「んなもん、自分で頑張るって言いだしたお前の責任だろうが!!!!!」

「黙れ人外!!!!!!」

「お前もその域に九割入ってることに気付けよ!!!!??」

「えっ!!?ホント!!!???」

「喜んでんじゃねぇよ!!このドアホッ!!!!」

 

 

 

お互いに罵詈雑言をぶつけ合って剣と拳で打ち合っている蒼奇と少女がいた。

 

ただしその光景は普通じゃなかった。

 

余波で地面は抉られており直撃したらどうなるかは予想できない。

 

また二人の動きは速く、六人の目ではまったく追うことはできない。

 

そして何よりその戦闘の中であれだけ言葉を交わす余裕があるということだ。

 

それはつまりまだ二人は本気ではないということを意味している。

 

 

 

「・・・こ、これは一体・・・?」

 

黒ウサギが驚きで疑問を漏らす。それに先客のヴェーザーが答えた。

 

「さぁな。俺らが来た時にはもうすでにあんな感じだ・・・だが話を聞いてる限りじゃ、あいつらは師弟関係だろうな」

「へぇ?じゃああれが蒼奇の教え子の一人か。・・・ヤハハ、とんでもねぇな・・・!」

「・・・うそ。教え子全員あのレベルなの・・・?」

「・・・私達、とんでもない人に目を掛けられたのね・・・」

 

ヴェーザーの言葉に改めて三人が状況を認識する。

 

「で、ですが止めないと・・・!?」

 

そんな中、黒ウサギは蒼奇と少女の戦闘行為を止めようとするが、

 

「「そこのウサギィ!!邪魔するならお前から潰すぞ!!!」」

「・・・・・・うっ・・・」

 

動く前に蒼奇と少女の二人に一喝されて、あえなく撃沈される。

 

「止められないならどうすれば・・・?」

「「そこで待ってろ!!!すぐに終わらせる!!!・・・ああ!?弟子が嘗めたこと抜かしてんじゃねぇぞ!!!!!!(師匠が弟子を嘗めんな!!!!!!)」」

 

そこから戦闘はより一層激しくなり音も衝撃も強まった。

 

そして六人が待つこと五分。

 

「そろそろ・・・やめろ!!!」

 

蒼奇が少女の頭を蹴って地面に叩きつける。

 

「うぐぅ!!?・・・・・・」

「・・・満足したかよ?」

「うう・・・は、はい・・・憂さ晴らしが出来てすっきりしました・・・」

「じゃあ帰れ」

「わあっ!?待って!!他にもちゃんとした用事があるから!!」

「・・・・・・チッ、わかった。とりあえず中に入れ。リィナたち、結界を解いて戻っていいぞ。あとでお礼を持っていく。さてと中に・・・ああ、その前に他の奴らに挨拶していけ」

 

蒼奇と少女は六人に歩み寄り少女の紹介をする。

 

 

 

「お前らに紹介しとく。俺の戦闘系の教え子の中では()()()()柊里桜(ひいらぎりお)だ」

 

「柊里桜です!師匠の弟子の中では一番新人ですが、よろしくお願いします!」

 

 




次は土日に投稿予定。
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