人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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閑話2~美少女剣士の来訪2~

 それから八人と影の中から出されたペストとネロ、そして遅れてやってきたメイド服姿のレティシアを加えた十一人は談話室へ集まっていた。

 

「・・・先にそこの八人。聞きたいことがあるなら先に聞くが?」

「・・・じゃあ」

 

 蒼奇がそのように促すと耀が口を開いた。

 

「・・・その柊さんは、」

「里桜でいいよっ!」

「・・・里桜さんは蒼奇の教え子の一人ってことでいいの?」

「ああ、そうだ。以前から話している通り、たくさんいる教え子の内の一人だ」

「・・・それで、里桜さんはその中で一番弱いっていうのは・・・?」

「それについては少し訂正しよう。正しくは戦闘系の中では、だ」

「・・・?」

「俺は才能のあるやつを見つけては育ててきた。戦闘の才能、生産の才能なんかは関係なしにな。その中で戦闘の才能を開花させてきた奴らを戦闘系と呼んでいる。さらに言えば教え子の中で大まかな順位付けをしている。その順位付けは戦闘系、生産系関係無しにつけられている。上から上級、中級、下級と分けられていてその中にさらに上位、中位、下位と分けられる。それでいうと里桜の順位は中級の中位、ど真ん中だ」

「ちなみに下級は三百人弱。中級は五百人強。上級が三百行くか行かないかぐらいです」

「・・・そんなにいたっけか?」

「はい、師匠が覚えてないだけでいます。それに今は上級の上に師匠級ってできましたよ。まだ一人しかいませんが」

「・・・ああ、もしかしてそいつって中二病剣士か?」

「はい。あの人が変わらずトップです。やっぱりちょっと納得いかないですけど・・・」

「納得しておけ。あいつの発想の勝利だ。さて話を続けるが、下級と中級の下位はもちろん全員が生産系だが、決して弱いわけではない。ここにいる七人が束になってもかなわないほどの実力を有している。それに生産系でも上級に位置づけられている者も多くいる。もちろん相性なんかもあるだろうがな」

「おいおい、生産系にすら劣るのか?俺らは」

 

 十六夜が文句あり気に言う。しかし蒼奇はすぐにそれを肯定する。

 

「ああ。お前らは自身の身体を毒にして襲ってくる薬師や料理を化け物にして攻撃してくる料理人を相手どれるか?そのうえ今言った二人は転移や音速で移動するんだぞ?」

「・・・ははは、マジで新しいマスターの周りは化け物ぞろいかよ・・・?」

「ああ。俺がそういう風になるように育てたからな」

「・・・あの、それで私の用件は・・・?」

 

 そこで里桜がおずおずと声を上げる。

 

「・・・ああ、そうだったな。話せ」

「はい・・・。その、私たちの世界にある師匠が開いたと思われる世界門を閉じてほしいんです・・・」

「その世界門というのは?」

 

 飛鳥が疑問の声を上げる。その疑問に里桜が答える。

 

「世界門というのはまんま世界から世界へ渡る扉のことです。正確には世界の(ひずみ)らしいですが。まあ、それを人工的に造る技術を師匠が生み出して何人かの弟子に継承させたものです。しかし、閉じれるのは開いた本人しか・・・。それで今私の世界には謎の世界門が開いていまして・・・。開けられる人全員に尋ねたんですけど誰も開いていないっていうのでてっきり師匠かと・・・」

「・・・・・・いや、俺は開いても使い終わったら絶対に閉じているから、それはない」

「じゃあ誰が・・・?」

「・・・俺ら以外、ってことだな。他には何か異変はなかったか?時期とかは?」

「それが確認されたのは師匠が消えてからです。それから下級の人たちが少しずつ行方不明になっていって、いま上級の人たちが鋭意捜索中です」

「・・・無駄だろうな。おそらく行方不明の奴らはもうその世界にはいないだろう。世界門を使って異世界に拉致されたと思われる。今無事な下級の奴らはどうしてる?」

「上級と中級上位の人が常に護衛についてます」

「そうか・・・念のために中級の奴らにも一人ではなく二人か三人で行動するように伝えろ。護衛についてる奴らにもな。それと他人の開いた世界門の閉じ方だ。開けられる奴ら全員にバラまけ」

 

 蒼奇は影から一冊のノートを取り出し、手渡す。

 

「・・・師匠は来ないんですか?」

「やることがある。・・・と思ったが、お前に一つ提案がある。・・・それに乗るなら俺が直々に行ってもいい」

「・・・何ですか?」

「まあちょっと待て。おい黒ウサギ。ジンをここに連れてこい」

「え?は、はいなのですよ!」

 

 蒼奇は黒ウサギにジンを連れてくるように頼む。

 

「一体、何なんですか・・・?」

「来たら話す」

 

 里桜が疑問を投げかけるが蒼奇はそれを制した。

 そして数分後。黒ウサギがジンを連れて戻ってきた。

 

「お待たせしました!」

「黒ウサギ?急に来てほしいって一体・・・」

「・・・ショタキタコレー!!」

 

 里桜はジンのことを認識すると音速で近づき抱きしめる。

 

「えっ!?ちょっ!?」

「はぁはぁ、いい感じのショタだぁ~クンカクンカ!」

 

 里桜は戸惑うジンを押さえ込み好き放題する。

 

「・・・なぁ蒼奇」

「どうした?十六夜」

「あいつって、」

「ショタコンだ。とびっきりのな。ショタに性癖を合わせるぐらいの行き過ぎたショタコンだ」

「・・・なんで御チビに会わせた?」

「これから話す」

 

 そう言って蒼奇は里桜に話しかける。

 

「さて提案なんだが・・・ソイツの護衛としての「受けます!受けさせてください!!むしろ受けさせろ!!!」

契約を・・・わかった。じゃあ早速契約に移ろう」

 

 蒼奇は里桜の気迫に押されながらも契約書を作成する。

 

『契約書

 

一つ、柊里桜は契約によりジン=ラッセルの護衛となる。

二つ、柊里桜は護衛対象であるジン=ラッセルの命令は絶対である。

三つ、柊里桜はジン=ラッセル以外の子供に接触することを禁ずる。

 

柊里桜は上記の内容に同意したものとし、契約を履行することを此処に誓う。

 

〝館野蒼奇〟印』

 

 

「・・・・・・・・・・・・!!?」

「ん?どうしたんだ里桜?」

 

 そう尋ねる蒼奇の口角は明らかに上がっていた。

 

「何ですか三つ目の内容!!?聞いてませんよ!!??」

「言ってないしな」

「いやいやいや!!やっぱ無し!!無しですよこんなの!!」

「契約内容を言う前に『受けさせろ』と言ったのはそっちだろ?俺に責任はない」

「うっ・・・」

「それに一体何度、猥褻容疑で捕まっては俺を警察署に呼ばせる気だ?これを機に少しは自分の行動を反省しろ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「わかったな?」

「・・・はい」

 

 蒼奇の言葉に力なく返答する里桜。

 

「でも!!今の私にはジンきゅんがいるもん!!!!」

「ジンには申し訳ないが生け贄になってもらう。ジン、悪いが命令でどうにか縛ってくれ」

「わかりました。正座してそのまま動かないでください」

「と、突然の裏切り!?」

「「もとより味方じゃない」」

 

 蒼奇とジンは声をそろえて里桜を一蹴する。その言葉に里桜はしょんもりと沈んだ。

 

「それと里桜。お前を腕輪と同化させておく。これで腕輪と人とを自由に変化できるからな」

 

 蒼奇は無骨な腕輪を里桜と同化させる。

 

「じゃあ、そろそろ行ってくる。その間は本拠を頼む」

「「「「「ああ/ええ/うん」」」」」

 

 問題児三人とヴェーザーとラッテンは返事をした。

 

「黒ウサギ、俺がいない間は頑張ってくれ」

「は、はい・・・」

 

 黒ウサギはこれからのことを考えたのか、少々元気がない。

 

「できるだけ早く帰ってくる。それじゃあな」

 

 蒼奇は最後にそういって姿を消した。

 

「・・・おい、里桜」

「はい?何ですか?」

 

 十六夜が正座のままの里桜に尋ねる。

 

「・・・実際、蒼奇はどれぐらい強いんだ?」

「ん?・・・うーん?私は師匠の本気を見たことがないですから、何とも言えませんけど・・・師匠が言うには、本気でやるなら絶対に壊れない世界を創らないといけないから面倒だ、と言っているのを聞いたことがあります」

「・・・世界を・・・創る?」

「はい。師匠は世界を創ってそこで中二病さんと殺し合ってるそうです」

「・・・さっきから中二病さんや中二病剣士と言っているけど、一体誰なの?その人が一番強いのはわかるのだけれど・・・その、名前とかは?」

「えっと・・・・・・・・・山田・・・・・・さんです」

「はい?」

「・・・ああもう!山田✟黒炎の竜騎士(ダークフレイム・ドラグーン)✟さんですよ!!」

「・・・・・・本名なのか、それ?」

「・・・そう、らしいです。師匠もそれはないだろうと思い、出生記録と戸籍を調べたら本名だったそうで・・・」

「・・・本人は・・・中二病なの?」

「いえ、今はいたって普通です。強さと名前以外は弟子の中では珍しいほどの常識人ですよ」

「・・・今は?」

「やはり名前のせいなのか、中二病に一時期なってしまいまして・・・ですが、その時期にすでに師匠の弟子だったので技の数は中二的発想によって急激に増え、強さに拍車がかかったそうです」

「「「「「・・・」」」」」

「そいつが今の弟子最強かよ・・・」

「私は納得いかないです」

 

 談話室の空気は何とも言えないものとなってしまい、そのまま解散となってしまった。

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?・・・あ、あの?正座をやめさせてほしいんですけど?あの、誰かー?ちょっと?ホントに誰か!?足が痺れてきたんですけど!?ホントに誰かいないの!?誰かー!ヘルプミィー!!!」

 

 

 

 

 その後、里桜は翌朝まで放置され、しばらく自身の足を押さえて悶えていた。

 

 

 




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