人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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そう・・・巨龍召喚
競争&報告


 〝黒死斑の魔王〟ことペストとの戦いから約一月。

 蒼奇はペストを膝にのせながら木陰でのんびりと過ごしていた。先ほど〝ノーネーム〟の会議に誘われたが長い話が嫌いな蒼奇は分身すらも出席させずに堂々とサボっていた。

 

「・・・出なくてよかったのかしら?」

「長い話は嫌いなんだ。だからあんまり出たくない。こうやってのんびりしてる方が僕は好きなんだよ」

「・・・そう。じゃあ、あの物陰にいる彼女はどうにかならないの?」

 

 そういってペストはちらりと建物の物陰にいる人物を見る。そこには歯ぎしりをしながらペストを睨む玲那がそこにはいた。

 

「・・・ああ・・・。玲那!こっちにおいで!」

 

 蒼奇が玲那を呼ぶと彼女は二人のほうへと駆け寄ってくる。

 

「ちょっと!?」

「平気だよ。僕がいる限りはね」

 

 玲那が傍までくると蒼奇が横に座るように促す。玲那はそれに従い大人しく座る。すると玲那は蒼奇の肩に頭を乗せながらペストを睨む。

 

「こら。睨まない」

「・・・チッ」

「舌打ちもしない」

「・・・本当に大丈夫なのよね?」

「ダイジョウブダイジョウブ。ソウキウソツカナイ」

「・・・・・・・・・・・・」

 

 片言で話す蒼奇に疑わしい視線を向けるペスト。そして問題の玲那は蒼奇の肩に寄りかかりすでに幸せそうな顔で眠っていた。

 

「・・・すぅ・・・すぅ・・・・・・」

「ほらね?」

「・・・そうね」

「ペストも少し寝たら?」

「・・・お言葉に甘えさせてもらうわ」

 

 ペストはそういって蒼奇の膝の上で目を閉じる。

 二人が眠ってから少しすると黒ウサギがこちらへ駆けてくる。

 

「そ」

「静かにね?」

 

 黒ウサギが大きな声で蒼奇の名前を呼ぼうとしたためにすぐに蒼奇がくぎを刺す。

 

「は、はい。それで蒼奇さんの畑の件ですが何とか話が付きました」

「そう?じゃあ後で案内してくれるかな?」

「はい。それと収穫祭についてですが・・・」

「収穫祭?」

 

 蒼奇は先ほどの会議で話題に、もとい問題になっていた収穫祭について尋ねる。

 

「はい。正式に成果を上げたので招待状が来たのですが・・・」

「・・・もしかしてその収穫祭って期間が長かったり?」

「はい・・・」

「・・・なんとなく読めたよ。誰が残るかでもめたんだね?」

「ええ。結局前夜祭までに最も多くの成果を残した順で行くということになりました」

「前夜祭ってことは本当に長い祭典なんだね。言ってくれれば僕が残ったのにね」

「あの、その、おんぶにだっこは、嫌いだそうですヨ?」

「・・・そう。くくっ、いいね!じゃあ三人がどれぐらい成長したかを大人しく見させてもらうよ。ありがとう黒ウサギ」

 

 蒼奇は三人の成長を楽しみ、大人しく静観することにした。誰が一番になるかを予想しながら。

 

「はい♪」

「それと、畑に植えるのはなんでもいいの?」

 

 蒼奇が黒ウサギに尋ねる。

 

「・・・例えばなんでしょう?」

「マンドラゴラとかマンイーターとかトレントとかラビットイーターとか」

 

 蒼奇はどこでも危険指定されるような植物を平然と言う。元の世界でも研究目的や薬の材料として育てていたため、その扱いには長けていた。

 

「蒼奇さんまでそんなこと言うんですか!?」

「静かにねー?それに僕まで?」

「あっ。す、すみません。い、いえあの御三方もラビットイーターなんて言ったものですから・・・。ですが、ラビットイーターなんて実際にあるんですか?それに管理については・・・」

「実際にあるんだよ?人工的なものじゃなくて自然に自生したものがね。用途はたくさんあるんだ。驚くことにあれは余すことなく使えるんだよ。葉はエリクサーの材料に、根っこは万能薬に、花は不老不死の薬に、実は食べたら神になれるとも言われてるんだよ」

「なんかすごい植物なんですね!?」

「でも栽培が大変だからね。育つのも遅いし。アレは芽が出るまでに十年以上かかった例が大半なんだ。稀に八年ていうのもあるけど。花や実に関していえば実例がないほどなんだ。それにアレはある程度育ったら生きたウサギしか食べないし、そのうえわざとグロイ食べ方をして育てさせる気をなくさせるんだよ。まったくもって賢いよね」

「却下です!!子供たちの教育によくありません!!」

 

 黒ウサギが小声で怒鳴るというスゴ技を見せる。

 

「そう。まあ子供たちが誤って迷い込んだら危ないしね。じゃあ、危険じゃないのを育てるよ。薬草とかハーブとか」

「ぜひそうしてください」

 

 黒ウサギは安堵の息を吐いて去っていった。

 

「・・・さて、どうなるかな?あの三人は」

 

 蒼奇は静かに三人の成果を期待した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして戦果発表の日。昼食を終わらせた十六夜たちは大広間に集まっていた。

 

「あら?蒼奇君もいるのかしら?」

「うん。君らの戦果が気になったからね。それと物陰の人物は気にしないでいいよ」

 

 大広間にはすでに蒼奇と物陰に玲那がいた。

 

「戦果ですが、まず飛鳥さんは牧畜のための土地の整備と山羊十頭です。準備が調い次第、連れてくる予定です」

「牧畜ね。小屋とかなら普通に作れるけどやろうか?一日あれば大丈夫だけど」

「・・・一応土地の整備に含まれていますが、できれば早い方がいいのでお願いしてもいいですか?」

「任されたよ」

 

 蒼奇が飛鳥の報告を聞いて満足そうにする。

 

「次に耀の戦果だが、凄いぞ。〝ウィル・オ・ウィスプ〟から招待状が送られてきたうえ、主催のゲームに勝利した」

「それで耀さんはジャック・オー・ランタンが作る、炎を蓄積できる巨大キャンドルホルダーを無償発注したそうです。そして、これを機に竈などの生活必需品を〝ウィル・オ・ウィスプ〟に発注することになりました」

「ふうん?まあ、あそことつながりを強く結ぶのは素直に良い判断だと思うよ」

 

 そのおかげでこれからの生活が大きく変わるだろう。蝋燭や薪を消耗することもなくなる。

 

「それで十六夜は?」

「おいおい、その前にお前の戦果はどうなんだよ?」

 

 十六夜が蒼奇に対して戦果を聞く。

 

「蒼奇さんは・・・」

 

 ジンが蒼奇に戦果を言おうとして申し訳なさげな表情をする。

 

「ジン君。僕は在庫を処分しただけだよ。僕の戦果はエリクサーとかの薬や強力なギフトの売り上げだよ。それに薬草やハーブ、霊草なんかも売ったかな」

「・・・蒼奇さんは自身の所有するギフトを対魔王用として多くのコミュニティに売りつけて、多大な利益や良好な関係を築き上げました。そのうえペストとのゲームで使用したエリクサーなどの薬についての連絡が止まらず追加注文や作成依頼が殺到しています」

 

 だが、当の本人の蒼奇は暇だからとマンドラに押し売りをしに行き、改めて薬やギフトに驚いた〝サラマンドラ〟がせめてもの恩返しとしてなのかなんなのかは知らないが、周りに吹聴して根回しをしたのだ。そこからはてんてこ舞いで〝サウザンドアイズ〟などの大手や〝ウィル・オ・ウィスプ〟。その傘下に出張販売をしないといけなくなってしまったのだ。

 

「さすがに疲れたよ。まさかあんな大騒動になるとはね。まあおかげで在庫や失敗作を処分できたからいいけど」

「「「・・・」」」

 

 在庫や失敗作でそれほどの成果を上げていることに十六夜たちは開いた口がふさがらず、唖然としている。

 

「それに僕は今回の競争には不参加だよ。増殖したら嫌でも行けるんだから。それより早く十六夜の戦果を教えてよ」

「・・・ああ。とりあえず〝サウザンドアイズ〟に受け取りに行かないといけないが」

 

 十六夜は〝サウザンドアイズ〟向かうようだが、他のメンバーにも聞いてほしいことがあるようで全員で店に足を運ぶことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 支店に着くと店先で女性店員が掃除をしていた。

 

「・・・また貴方達ですか」

「やあ、店員さん。あれから薬の売り上げは?」

「それは上々です。ですがまた品切れを起こしたので卸してほしいのですが・・・」

「別にいいよ?こっちも儲けさせてもらってるし。それでいくつぐらい?」

「これぐらいなのですが―――」

 

 蒼奇と店員は出会うとすぐに商談の話をはじめた。

 

「ああ、なるほどね。・・・あ、時間かかりそうだからみんなは先に行っててよ。あとで行くから」

「いえ、先にそちらの用事を終わらせていただいて構いません」

「いいの?」

「こちらこそ商談は慎重にやりたいので、ゆっくりと話せる状態で行いたいのです」

「・・・それもそうだね」

「それでご用件は?」

「・・・?白夜叉から話は通っていないのかい?」

「は・・・?」

 

 蒼奇がそう聞くと女性店員は疑問の声を上げる。

 

「おお、すまんな。伝えておらんかったの。重要な案件故に急ぎで通してやってくれ」

「・・・薬は残ってる?」

「・・・・・・商談の際にお願いします」

「わかったよ。じゃあ、入らせてもらうよ」

「ええ、どうぞ」

 

 蒼奇たちは女性店員の許可をもらい白夜叉のいる座敷へ向かう。

 

「・・・いつの間に仲良くなったんだ?」

「商談と個人的な売買でだよ。ああいう仕事のできる女性は貴重だから仲良くしていて損はないよ。商売でもコネでも」

「・・・案外、腹黒いのね」

「こういうやり取りはあまり好きでも得意でもないから、きれいな関係を保つ程度にしてるよ」

 

 〝ノーネーム〟一同が白夜叉の座敷へ向かうにつれて女性のあられもない声が聞こえてくる。

 白夜叉と思しき影は二人の女性の影に迫っていく途中だった。

 

「・・・十六夜。僕は商談に向かうから、拠点に帰ったら戦果の報告をよろしくね」

「まあ待てよ」

「正直これ以上白夜叉のバカ騒ぎに付き合いたくない。・・・あ、そうだ。玲那!」

「・・・ここにいる、よ?」

 

 蒼奇がここにはいないはずの玲那のことを呼ぶとどこからともなく現れた。

 

「あのな・・・を・・・こい」

「わかっ、た」

 

 蒼奇が玲那に何かを耳打ちすると玲那は座敷の中へと消えていく。

 

「なにを言ったんだ?」

「中にいる白髪ロリをシメてこいって言ったんだ」

 

 すると中から声が聞こえた。

 

「む?誰だ?おお!おんし良い体つきを」

「すこし、死んで?」

「してって、うぉい!?きゅ、急に何をするのかの!?」

「蒼奇、にあなたは変態、って聞いたから撲滅する、よ?」

「うおおおおぉぉぉ!!?」

 

 白夜叉の悲鳴が聞こえ、少しして静かになると玲那が出てくる。

 

「・・・もう大丈、夫」

「お疲れさま」

「「「・・・」」」

 

 三人が鬼を見るかのような目で蒼奇を見ているが二人は意にもしないで座敷へ入っていく。

 そこで六人の目に飛び込んできたのは、ミニスカの着物を着た黒ウサギともう一人女性がいた。

 

「・・・はあ・・・」

「黒ウサギ?どうしたその恰好」

 

「十六夜、お前は黙ってろ。話がこじれるからな。それともお前もあそこの変態みたいにシメられたいか?それとそこの二人はさっさと着替えてこい」

 

 

 

 蒼奇の口調が変わり、機嫌が悪くなったことを悟った三人は言われたことを迅速にやり始めた。

 

 

 

 




次も一週間以内、だと思います!

それと三巻と四巻は召喚獣が比較的出しやすいので、出してほしいキャラクターや伝承・伝説の生物などがある方はお早めに教えていただけると嬉しいです!

別にこの作品から誰でもいいから出してほしいというのでも構いません!

お待ちしてます!
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