人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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談話&蹂躙

 〝アンダーウッドの地下都市〟最下層・展示保管庫。

 ズドォォォォォン!!!と雷鳴が轟いた。

 迸る稲妻は全長5mはありそうな食兎植物を貫き、辺りに無残に飛び散る。

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!?万能素材のラビットイーターがぁぁ!!??」

「・・・勿体ない」

「お馬鹿言わないでください!こんな自然の摂理に反したものは肥やしになるのが一番なので御座いますっ!」

「・・・はあ。まあ僕の知ってるものと全く違ったし、別にいいか。できれば研究したかったけど」

「おやめくださいませ!!このお馬鹿様!!」

 

 その後〝ノーネーム〟は日が暮れるまで収穫祭を見学した。

 地下都市でバザーや市場を見て、農園に植える苗や種子を物色していく。他にも毛皮製の商品を試着したり、民族衣装を試着したりなどして過ごした。

 その間、蒼奇は財布として機能していた。

 後は〝ヒッポカンプの騎手〟を始めとしたいくつかのギフトゲームに参加登録をし終えた頃に黒ウサギが夕焼け色に染まる空を見て呟く。

 女性陣は収穫祭を楽しく堪能したが、蒼奇は自身の貯金を見て涙を流していた。

 

「そろそろ宿舎に帰りましょうか」

「うん」

「やっとか・・・ああ、懐が寒くなっちゃったよぉ・・・」

 

 そうして一同は自分たちに宛がわれた宿舎にまで行く。

 宿にある談話室に男性と女性でそれぞれ遠慮なく話せるように別れる。

 女性陣は椅子に座って今日一日を振り返る。

 対して蒼奇たち男性陣も別の談話室に集まって話していた。

 

「ああ、疲れた・・・」

「お疲れ様です。蒼奇さん」

「うん。ジン君もお疲れ。・・・ところで、黒ウサギがここに来てからなんか機嫌がよかったように感じたけど・・・」

「・・・おそらく、昔お世話になっていた仲間が南側の生まれだったので、一度来てみたかったのでしょう」

 

 ジンが悲痛な表情で悲しそうな声で話す。

 

「それって、魔王に連れ去られた一人かい?」

「はい・・・」

「・・・そう。さらに聞いちゃうけど、その人の名前って?」

「金糸雀様です」

「・・・金糸雀」

 

 蒼奇はその名前を聞いて少し記憶を探ったがすぐにやめた。

 

「・・・?どうしました?」

「いや、特には。・・・さて、僕は今日はもう疲れたから寝させてもらうよ」

「はい。おやすみなさい」

「うん。おやすみ。ジン君も早く寝なよー」

 

 蒼奇は自分の荷物を持って談話室を出て、宛がわれた部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 〝アンダーウッドの地下都市〟館野蒼奇・ペスト・ネロの部屋。

 

「あー・・・お金がー・・・。定期的に入ってくるとはいえこの出費はつらいなー・・・」

「なら、サラに市場に出させてもらえば良かったんじゃない?」

「・・・・・・・・・そ、そんな手があったなんて・・・!?」

 

 蒼奇がペストの言葉に戦慄した声を上げる。

 

「・・・気づいてなかったのね」

「・・・いや、まあこの収穫祭の分くらいなら十分な貯金はあるしね。ペストもネロも食べたいものや欲しいものがあったら言ってね?」

「そう?なら、ぜひそうさせてもらうわ」

「それにこれから働いてもらうしね」

「え?」

 

 ペストが疑問の声を上げるが、その直後。

 

「きゃっ!?」

「ほいっと」

 

 突然響き渡る激震にペストが体勢を崩すが、蒼奇によって抱きかかえられて持ちこたえる。

 

「きゅ、急になんなの!?」

「襲撃だよ―――――

 

「オオオオオオオオッォォォォォォォ――――――――!!!」

 

―――――巨人族による、ね」

 

 そんな二人に巨人族が大剣を振り下ろす。が―――――

 

 

「危ないなぁ。ネロ?早くこっちにおいで?」

 

 

―――――人外によって片手で止められる。

 蒼奇はすでに一万体もの青鬼と同化し、身体能力が巨人族ですら足元にも及ばないほどに強化されていた。

 蒼奇の部屋を、いや〝アンダーウッド〟を襲った巨人族は世界一不運だったろう。

 ネロがこっちによって来ると影に入れる。

 

「よし。あ、もう死んでいいよ?」

 

 蒼奇が巨人にそう声をかけると、突如崩れ落ちる。

 

「・・・なにをしたの?」

「ん?完全に生気を吸い取っただけだよ」

 

 軽い口調で恐ろしいことを言う蒼奇。

 

「じゃあ、外の奴らを始末しに行こうか。中の方は黒ウサギ辺りがどうにかするだろうし」

「え、ええ。わかったわ」

 

 蒼奇とペストは部屋だったものから出て、巨人族を殲滅しに向かった。

 

 

 

 

 

 二人が外に出るとそこには二百体程度の巨人族がいた。

 

「おお。おお。わんさかいるなー」

「そうね」

 

 暢気にそんな会話をする二人。

 

「じゃ、ペストはあっち。僕はこっち。巻き込まれないようにね」

「・・・マスターも巻き込まないように気を付けて」

 

 二人はそれぞれ別れて巨人族を分担する。

 

「さて?誰が相手してくれるのかな?」

「「「オオオオオオオォォォォォォォォォ!!!」」」

 

 蒼奇に三体の巨人族が襲い掛かり、剣を振り下ろす。

 

 しかし、それでも人外には遠く及ばない。

 

 

「うん。いい心意気だ。そういうわけで武器をもらうよ?」

 

 

 どういうわけかはまったくもって分からないが、巨人族の一体から剣を奪い取り強化を施して、三体を薙ぎ払う。

 その一振りで胴体を二つに分かち、三体の巨人たちは絶命する。

 それにより周囲にいた巨人族が蒼奇を警戒し、距離をとる。

 

 

 

 しかし、人外にはその行為は無意味、いや逆効果だった。

 彼らがすべき行動は距離をとることではなく、逆に全員で襲い掛かるべきだったのだ。

 

「せいやー」

 

 軽い掛け声で人の身には余る巨剣を光速を超えて振るわれたそれは剣圧を飛ばして巨人族を斬り払う。

 しかし、その代償に巨剣がボロボロになり使い物にならなくなってしまう。

 

「あちゃー。もうだめなのかー。やっぱジョンの造った武器じゃないと耐え切れないか・・・」

 

 そんな暢気な声を上げているときにも巨人族は襲い掛かってくるが、蒼奇は片手間でいなしては手刀で首を刈り取る。

 

「弱いよ弱いよー」

 

 蒼奇がそんなことをいって巨人と遊んでいると、飛鳥のディーンの声が響き渡る。

 

「DEEEEEEEeeeeEEEEEEEN!!!」

「・・・あっ。飛鳥とか耀のこととかすっかり忘れてたや」

 

 ディーンの声を聞いて蒼奇は飛鳥と耀の存在に気が付いた。

 

「・・・一応、様子を見に行こうか」

 

 しばらく巨人を蹂躙してた蒼奇はそう考え、巨人族を足場にして二人の下へ向かう。

 そのうえ足場にされた巨人族は触れた瞬間に生気を吸われて絶命していく。

 

「・・・っと。二人とも、無事だったんだね」

「ええ。一応ね」

「・・・うん」

 

 蒼奇が二人の下に着いて安否を確認すると同時に安全を知らせる鐘が鳴り響く。

 それを聞いた耀は何かを思い出したかのように旋風を巻き上げて宿舎の方へまっすぐ駆けていった。

 

「か、春日部さん!?」

「・・・なにを焦って・・・?・・・ああ、あれを見つけたんだ」

「あ、あれって・・・?」

「行けば分かるよ。一先ずは襲撃は落ち着いたみたいだしね」

 

 そうして二人は自分たちが先ほどまでいた宿舎へと向かった。

 

「・・・転移で向かわないのかしら?」

「いや、こういう時に先回りされたら飛鳥はどう感じる?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「ほら、そういう嫌そうな顔になる。だから、ちょうどよく着くくらいで移動すればいいんだよ」

 

 会話をしながらのんびりと。

 

「あ、でも先に行ってて。玲那とペストを連れてくるから」

「・・・いつものことだけれど、その締まらない癖はどうにかならないのかしら?」

 

 

 




テスト期間に入るので次話は未定です。
遅くなり過ぎないように頑張ります。
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