人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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十三番目の太陽を撃て
興奮&会議


 陽も沈み、星の光が輝き始めた頃。

 蒼奇は十六夜とレティシアの気配を探知した。

 

「二人もようやく着いたか」

 

 自分の部屋のベッドで横になっている蒼奇が呟く。

 

『・・・そろそろ出してほしいのだけれど?』

「喧嘩しないなら」

『・・・・・・』

 

 蒼奇の言葉に黙るペスト。喧嘩をしないという保障が出来ないからだろう。それからは少しの間、静寂が包む。

その間も二人は影の中にいるはずなのだが、牽制しあっていた。

 

『『・・・・・・・・・』』

「・・・仲良くは出来ないの?」

『『無理』』

「はあ・・・」

 

 そんな時、ある異変が発生する。

 

―――目覚めよ、林檎の如き黄金の囁きよ―――

 

『何!?一体なんなの!?』

『・・・』

「・・・始まるか」

 

 事情を聴いていないペストが一人で騒ぐ。

 

「さて、もう一仕事だ。外に向かおう」

『・・・う、ん』

『ちょっと!?説明くらいしなさいよ!』

「・・・魔王のゲームが始まるんだよ。正しくは再開、かな」

『えっ・・・!?』

 

 驚くペストをよそにどんどん外へ向かう蒼奇。

 

「今回は、楽しめるかな?」

 

 

 

 

 

 そして大樹の外へ来た蒼奇が目にしたのは、

 

「GYEEEEEEEEYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaEEEEEEEEEEEEEEEEEYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaa!!!」

 

 天地を揺るがす雄叫びを上げる巨龍に大量の巨人族。

 そして巨龍から鱗が降り注ぎ巨亀や大蛇になって街を襲う光景だった。

 

「・・・っ!!ああ、ああ!いいなぁおい!!はははははははははは!!!龍ってマジかよおい!!よぉし!お前ら、出てこい!!」

 

 蒼奇は召喚獣たちを呼び出す。

 巨神・アース。

 黒太陽の申し子・J。

 強化寄生体(ブレイン・コントローラー)

 そしてグルメ貴族・ブルーニトロ。

 この四種類。強化寄生体は多めに三十体出しており、ブルーニトロは三人出している。

 

「さあ!巨人族やそこらにいるバケモノ相手に思う存分暴れろ!!俺は巨龍の相手をしに行く!!くれぐれも邪魔はするな!!」

 

 目の前の戦線を召喚獣に任せて自分は期待している巨龍に向かう。そしてしまっちゃうおじさんの力によって巨龍の目の前に転移する。

 

「GYEEEEEAAAAAAaaaaa!!!」

「ははは!!威勢がいいなぁ!?とりあえず手始めに、青鬼・一万!!」

 

 一万の青鬼と同化して巨龍の頭を地に向けて落とすように殴る。

 

「GIAaa!!?」

 

 呻き声を上げて、巨龍は凄い勢いで地面に向かう。そのままの勢いで巨龍は地面に激突して地を揺らす。

 

「おいおいおい!?こんなもんかぁ!?」

「ちょ、ちょちょちょっと!?蒼奇さん!?」

「あん?ああ黒ウサギか。どうした?」

 

 巨龍の傍にまで降下した蒼奇に黒ウサギは大樹の中から声を荒げて話しかける。

 

「も、もうすぐ〝審判権限〟の発動が受理されます!!そうなったらすぐに交戦を中止してください!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(ギリギリギリ」

「い、いえ・・・そんな怨めしそうな顔で血涙流されながらのうえに歯ぎしりをされても黒ウサギが困るのですが・・・?」

「・・・・・・ちっ。わかったよ」

「そ、そうですか。それはよかっ」

「じゃあ、こいつを誰かに取られないように遠ざけるから待ってろ」

「た?」

 

 蒼奇は巨龍の影を操り、巨龍を握れるほど巨大な手を形成する。そして巨龍を掴み上げる。

 影の手は蒼奇の現在の身体能力に依存するため、巨龍を簡単に持ち上げた。そして、勢いをつけると〝アンダーウッド〟から遠ざける方向に、

 

「オッラァァァァ!!」

「GYEEEEAAAAAaaaaa――――――・・・・・・」

 

 思いっきり投げ飛ばした。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「これで良し。さて黒ウサギ。発動受理はまだか?」

「えっ?はっ?え、ええと?」

「〝審判権限〟の受理はまだかって聞いてるんだが?」

 

 今の光景に口を開けたまま茫然としている黒ウサギに声をかける。

 

「は、はい!たった今受理されました!」

「なら早く宣言してくれ」

「は、はい!!」

 

 そして黒ウサギは〝アンダーウッド〟全域に届くような声で宣言した。

 

「〝審判権限〟の発動が受理されました!只今から〝SUN SYNCHRONOUS ORBIT in VAMPIRE KING〟は一時中断し、審議決議を執り行います!プレイヤー側、ホスト側は共に交戦を中止し、速やかに交渉テーブルの準備に移行してください!繰り返します―――――」

「・・・今回で、どれくらい成長してくれるかな?」

 

 そんな中、蒼奇は自分にしか聞こえないほどの声でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 それから一夜明けて大樹の中腹にある連盟会議場に蒼奇たちは足を運んでいた。

 作戦会議が始まる前、いや始まってから少し一悶着があったもののその後はうまく戻り順調に進んでいた。

 最初にサラから〝黄金の竪琴〟とともに〝バロールの死眼〟も奪い去られたこと。

 そして現在、南側だけでなく北側の〝階層支配者〟である〝サラマンドラ〟と〝鬼姫〟連盟や東側の〝階層支配者〟である〝サウザンドアイズ〟幹部の白夜叉が同時に魔王の強襲にあっていること。

 それを聞き黙っていた蒼奇が口を開く。

 

「・・・すべての〝階層支配者〟が襲われている、ってことか。まさか魔王の狙いは上位権限の〝全権階層支配者〟か?」

「おそらくはそうでしょう」

「「「「・・・?」」」」

 

 蒼奇の発言にフェイス・レスが肯定する。

 

「あ、あの〝全権階層支配者〟とは何でございましょうか?」

「・・・あまり知られていない制度なのか。あー何だったかな。〝階層支配者〟が壊滅か一人になった場合に、」

「暫定四桁の地位と太陽の主権の一つ与え、」

「あーそれだ。そのうえ東西南北から次の〝階層支配者〟の選定権を与えられる、だったか?」

「ええ、その通りです」

「なっ!?太陽の主権に暫定四桁の地位だと!?」

「そんな制度が!?・・・あ、あれ?ですがなぜ蒼奇さんはそのことを?」

 

 蒼奇とフェイス・レスは無駄に息の合った謎のコンビネーションで説明する。

 しかし黒ウサギが今の話を聞いてそんな疑問を口にする。

 しかし蒼奇は答えずに一旦流した。

 

「今はそんなことは置いておけ。それよりもその制度が適用された前例は、」

「白夜叉とレティシア=ドラクレアの二名だけです」

「それが〝箱庭の騎士〟の由来でもある」

「レティシア様が・・・!?」

 

 黒ウサギの声を荒げる反応にフェイス・レスが逆に驚く。

 

「〝箱庭の貴族〟ともあろう者が、〝箱庭の騎士〟の由来を知らないのですか?」

「うぐっ。く、黒ウサギは一族でぶっちぎりの若輩ですので、古い話はあまり・・・」

 

 そのことから黒ウサギは十六夜、飛鳥、そしてフェイス・レスまでが参戦して弄り始める。

 しかしこのままだと収拾がつかなくなりそうだと判断した蒼奇は割って入る。

 

「はぁ・・・。〝箱庭の貴族(笑)(恥)〟の戯言はとりあえず置いといて話を戻すぞ」

「置いとかないでください!!」

「事実だから黙ってろ」

「はい・・・」

 

 蒼奇にそう言われてウサ耳をへにょらせる黒ウサギ。

 

「・・・まぁいいでしょう。・・・そうですね。確か〝全権階層支配者〟となったレティシア=ドラクレアはその権力と利権を手に、上層の修羅神仏に戦争を仕掛けようとしたそうです」

「レティシア様が・・・?」

 

 フェイス・レスの話を聞いて、一斉に顔を見合わせる〝ノーネーム〟一同。・・・いや蒼奇だけは不快な表情をするだけで他者の顔を見ることはしなかった。

 

「それは魔王としてということかしら?」

「それは聞いていません。その後は戦争を阻止しようとした吸血鬼たちが革命を決起し、同族同士の殺し合いの末に滅んだと」

「同族同士の殺し合いを・・・?」

「はい。これについては当時を知るクイーンの話で「当時を知る、か。どうやらクイーンとやらは随分と記憶力が乏しいみたいだな」・・・どういうことでしょう?」

 

 突然自身の主を貶されたフェイス・レスが声を遮った蒼奇へ鋭い視線を向ける。

 

「どういうことも何も、今の話には虚偽しか存在しないだろうに」

「・・・では貴方は真実をすべて知っていると?」

「ああ、知っているさ。お前の何者かさえもな」

「・・・っ!?」

「安心しろ。俺は言うつもりはない」

「・・・そうですか」

「あ、あの。それよりも今の話が嘘だというのは・・・?」

 

 そこで二人の会話に放っておかれた黒ウサギが割って入る。

 

「・・・こんな話は俺からではなく本人から聞くべきだと、いつもなら言うが今回はゲームのためにも話そう。ただ、聞いていて気持ちのいい話ではないことは予めわかっていてくれ」

 

 それから蒼奇はレティシアの過去について少しずつ話し始めた。

 

 




次話は一週間以内、にあげられるといいなぁ・・・。
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