人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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降臨、蒼海の覇者
騒動&傍観


「・・・それで?なんで僕を、そのうえみんなにさえ内緒で呼んだんだい?」

「うむ・・・それなんだが―――――」

 

 いま、蒼奇は白夜叉に呼び出されていた。他の誰にも知らせずに。

 そして白夜叉の話だと、暫く東の〝階層支配者〟を退くからその間の代役を担う人物を探していて、もう一つの伝手がダメだった場合の保険として蒼奇のところへ頼みに来たのだ。

 

「でもなんで僕なんだい?」

「おんしは実力もあり、なおかつあの店員とも仲が良いからの」

「・・・あの店員さんと仲がいいのは取引相手だからだよ。それに、僕の性格からして断ることが分かっている上に、所属コミュニティは旗もない〝ノーネーム〟だよ?そんなことをしたら君の面目や〝サウザンドアイズ〟としてもまずいのは理解できてるんだよね?」

「十分に理解できておるぞ?・・・のう、〝青き魔王〟よ」

「・・・君もその名前で呼ぶのかい?やめてよ、もう。それは自分の実力を知りたかったっていう感じの若気の至りなんだからさ」

「若気の至りで『箱庭で最も恐ろしい魔王』なんぞと呼ばれておったらどうしようもないと思うのだが?」

「・・・ごもっとも。まあ、とにかく僕はやらないよ、そんなの。もう一つの方を当たってよ」

「・・・あい、わかった。・・・それでもう一つ相談があっての、」

 

 白夜叉がもう一つ話すべき内容を切り出すが、蒼奇はそれを許さなかった。

 

「ゲームの妨害役についてならしないよ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・では、また収穫祭での」

「うん。じゃあね。・・・ああ、でも」

「・・・ん?なんだ?まだ何かあったかの?」

 

 蒼奇が白夜叉の頼みごとを予測し、先手を打つことで話を切る。が蒼奇が思い出したように声を上げて白夜叉を引き留める。

 

「どうしても、もう一人の方がダメだったら()()()()()()引き受けてもいいよ」

「・・・そうか。ならばその時は遠慮なく頼らせてもらおうかの」

 

 それを最後に白夜叉は蒼奇の下を去っていった。そして蒼奇は

 

「・・・もう一つの伝手も気になるけど、今は自由にしようか。さて、どうしようか?・・・ペストや玲那と食べ歩きでもしようかな?・・・うん。そうしよう。そうと決まればレッツゴー!」

「・・・ごー」

「・・・・・・」

「・・・・・・?」

「・・・もしかして・・・盗み聞きしてた?」

「・・・?・・・大事、な話だ、ったから、聞いてない、よ?」

「・・・それなら、いいけど。じゃあ改めてゴー!」

「ごー」

 

 蒼奇は玲那が突然現れたことに困惑し、一応確認として白夜叉との密会を覗かれたかと心配したが、どうやら話が終わったのを見計らって飛んできたようだった。

 そして部屋で待機しているペストを迎えに行く。

 

 

 

 

 

「さて、どこから回ろうか?とはいえ僕はほとんど回ったから二人に行先は任せちゃうけど」

「そう?それなら・・・って、あそこの人だかりはなにかしら?」

「ん?・・・あれー?あそこの中心から耀の気配がするんだけど・・・なに店泣かしなことしてんのあの子・・・?」

 

 三人は人だかりに近づき、中心にいる大食いみたいなことをしている耀と調理に奮闘する店員たちを観戦する。しかし、人ごみにリリの姿を見つけた三人はそちらの方へ向かう。

 

「リリちゃん。なんでこんなことになってんの?」

「え、えっと・・・・・・わかりません・・・」

「・・・・・・ほっとこうか。他の年長組の子たちは?良ければ僕が何か奢ってあげるけど」

「・・・そうですね。お願いします。それでは私は年長組を集めに行ってきます!」

 

 そしてリリが蒼奇たちに背を向けて、年長組を招集しに行こうとしたとき、

 

「・・・何だ、この馬鹿騒ぎは。〝名無し(ノーネーム)〟が意地汚く食事しているだけではないか」

 

 熱気の中から冷めた声が聞こえた。

 リリもその声が聞こえたのか足を止めていた。蒼奇たちもその声の方へと視線を向けていた。その方向には人の姿に鷲と思われる翼を生やしている人物がいた。

 さらに、その人物の周りからも冷めた声が聞こえてきた。

 そして、侮蔑の言葉を聞いたリリが叫び、反論する。

 まさに一触即発の状況になる。

 

「・・・止めないのかしら?」

「まだ様子見。さすがに危なくなったら止めるって」

「・・・そう」

「―――――長になられる御方。南の〝階層支配者〟だぞ。〝ノーネーム〟如きに下げる頭なんぞないわッ!」

「・・・待って。それ、どういうこと?」

「おっと、僕もそれは初耳だ」

 

 しかし、取り巻きの放った言葉に食事に夢中になっていた耀と傍観に徹していた蒼奇が声を上げる。

 

「何だ、あの女から聞かされていないのか?あの女は龍角を折ったことで霊格が縮小し、力を上手く使いこなすことが出来なくなったのだ。実力が見込まれ議長に推薦されたのだ。失えばそれが消えるのも道理だろう?」

「・・・それ、本当?」

「そんな嘘など吐かん。本人にでも聞くと良い。龍種の誇りを無くし、栄光の未来を手折った、愚かな女にな」

「・・・これは少し、マズイかな」

 

 笑うグリフィスとその取り巻きと彼の話を聞いて動揺した観衆たちがいる中、蒼奇は冷静に判断していた。

 ・・・そろそろ耀の我慢が限界であることを。

 蒼奇の読み通り耀は無言で立ち上がり、男たちへ近づく。

 

「・・・どうしようか?」

「そんなこと、私が知るわけないでしょ?」

「右に、同じ」

「・・・君らって実際、仲悪いけど仲良いよね」

 

 三人がどう対処すべきかと考えている間に耀はすでに〝生命の目録〟を変幻させ〝光翼馬〟のレッグアーマーによって取り巻きの一人を吹き飛ばしていた。

 

「「「・・・」」」

「機を見計らおうか」

「「ええ/う、ん」」

 

 三人はもう少しだけ傍観することにした。

 そして、グリフィスが人化の術を解き、二人が臨戦態勢になった時も蒼奇はまだ動かずに傍観に徹している。

 

「ちょっと?止めなくていいの?」

「うん。予想が正しければ、僕が手を出さなくてもすぐに第三者が止めるよ」

 

 蒼奇がそんなことを言って、傍観したまま動こうとしない。

 そして二人が激突しそうになった瞬間、

 

「はい、そこまで」

 

 男の声が響いた。そしてその男は瞬時に二人を殴って気絶させた。

 

「ふぅ。そこの君ら。この子の同士なら早めに止めてもよかったんやないか?」

「悪いね。まったくもってその通りだけど、感情を抑えられるか確認したくてね。まあ、」

「まあ、なんや?」

 

 突然言葉を切った蒼奇を男は不思議に思い、尋ねる。

 

「いや、ただ、ね?喧嘩の仲裁ついでに両コミュニティの事後仲裁かなんかもしてくれたらなぁ~、と・・・」

「・・・なんや。そんな事かいな。それくらいならもとからやるつもりやったから気にせんでええよ」

「それはどうも。じゃあ僕は二人を、いや三人を運ぶから頼んだよ。治療をしていくから遅れていくってことも伝えといて」

「わかったで」

「玲那とペストは先に宿舎に帰ってて」

 

 そう伝えた蒼奇はグリフィスと耀、そしてしまっちゃうおじさんに回収させてきた取り巻きを持って、とりあえず本陣営に向かう。が、その前に、

 

「っと、その前に君の名前は?」

「ん?僕か?僕は蛟劉や。そちらさんは?」

「館野蒼奇。それとこれ、飲んどきなよ。一発もらってたでしょ?同士がごめんね」

 

 蒼奇はエリクサーを投げ渡して今度こそ離れていった。




次も一週間以内にできるように頑張ります!
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