人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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短めです。


報酬&愚痴

 蒼奇は三人を運んでいる際に意識を取り戻したグリフィスを放して、取り巻きの治療に専念した。

 とはいってもエリクサー一本で済む話なのだが。

 取り巻きの治療も終わり、耀の調子を確認するために部屋を訪ねる。

 

「失礼するよ」

『あっ!人外の兄ちゃん!お嬢は変わりなく眠っているで』

「そうかい?それじゃあそのまま傍にいてあげてよ。僕は皆のところに行くからさ」

『分かってるで!』

「じゃあ、頼んだよ」

 

 蒼奇は翻訳された三毛猫の声を拾い、会話をする。そして三毛猫に耀のことを頼むと部屋を出て会談を行っている部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 蒼奇が部屋へ到着し、中へ入るがそこはすでに宴会の席へと変わっていた。

 

「あちゃー。のんびりしすぎたか?」

「蒼奇か。随分と遅かったな」

「まあね。それで?どんな感じに落ち着いたんだい?」

 

 十六夜が事の顛末を話す。それによると二日後に行われる〝ヒッポカンプの騎手〟にて決着をつけるそうだ。

 

「なるほどね。・・・ところで君らって報酬とかでモチベーションが上がるタイプの人たち?」

「・・・そうね。ものによるわ」

「そうだな。例えばどんなものを用意してくれんだ?」

「そうだね・・・。・・・優勝したらサラの龍角の治療と霊格の強化。優勝ではなくとも良い結果だったなら前者のどちらかの劣化版、とかでどう?」

「・・・それは、絶対に治せるのね?」

「保障するよ。だって、僕だよ?治せるし、強化もできる」

「なら、それで構わないわ」

「フフッ。そう。それなら頑張ってね。応援してるよ」

「・・・・・・追加で私用のギフトとかは、」

「はい、カタログ。もし欲しかったら僕から買い取ることだね」

 

 そう言って五百ページほどの本を飛鳥に渡す。

 

「値段も性能も記されているから頑張って貯金してね」

「・・・・・・・・・・・・・・・そ、そう・・・」

 

 飛鳥はカタログを受け取り、口元を引きつらせながら、何とか返答した。

 

「それじゃあ、僕は帰って休むよ」

「あ?こいつの話を聞いてかないのか?」

 

 十六夜は蛟劉を指さしながら聞いてくる。

 

「今日あまりかまってあげられなくてすねてる子が二人もいるんだよ。そっちで手いっぱいだよ」

「・・・両手に花ってか?」

「右から呪詛、左から死の風をやられなければ、そうかもしれないね」

「・・・・・・・・・」

 

 笑顔で楽しそうに話す蒼奇に対して、引きつった笑みを返す十六夜だった。

 その後、部屋を出た蒼奇は二人のいる宿舎へ帰った。

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

(・・・気まずい。この静寂が実に気まずい。この二人の機嫌をどう取ろうか・・・?)

 

 部屋に戻ってきた蒼奇は玲那とペストの二人と対面して座っている。そして二人はただじっと蒼奇のことを見つめていた。

 

「あの、お二人さん?何か言ってほしいんですけど?」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あの?」

「・・・・・・明日こそ、」

「・・・ん?」

「明日こそ祭りを見て回れるんでしょうね?」

「・・・・・・もしかして結構楽しみにしてた?」

「・・・そ、そうよ!悪い!?」

「いや、別に。明日は特に何もないから普通に満喫しようか(見た目通り、子供っぽいところもあるんだなー)」

 

 どうやらペストは収穫祭を楽しみにしていたらしく、明日一緒に回ることを約束する。

 

「それで玲那は?」

「・・・デート、邪魔、された」

「・・・・・・あっそう」

「・・・だから、お詫びに、こづく「却下」・・・よと「却下」・・・セ「却下」・・・むぅ」

「玲那も明日は普通にデートしてあげるから我慢して」

「・・・それ、で妥協、する」

 

 玲那にも何とか許してもらえた蒼奇。しかし、明日のことが少し・・・いや、かなり不安になった。

 

 

 

 

 

 時間は少し過ぎ、〝ヒッポカンプの騎手〟ゲーム当日。

 ゲーム会場には蒼奇と水着姿の玲那とペストがいた。ただし蒼奇は昨日さんざん扱き使われた様でやつれていた。

 そして今彼は一人の人物の愚痴を聞かされ、慰める羽目になっていた。

 

「私が酔いつぶれている間に勝手に水着の着用を義務付けるなんてとんでもないことをやらかし、そのうえ―――――」

「ソウダネー。キミモタイヘンダネー」

「聞いているんですか?」

「ダイジョウブ。キイテルキイテル」

「・・・・・・はぁ。貴方に愚痴っても仕方ないことですね。もう当日になってしまったのですから」

「ソウダネー。・・・ハッ!?ああ、うん。そういえば薬は残ってるのかい?」

「・・・いえ、愚痴のついでに頂ければと思いまして・・・」

「そう?えーと・・・じゃあ、はい。いつもの。お仕事、頑張ってね」

「はい。ありがとうございます」

「・・・あーごめん。お客さんが来たみたいだからこれで失礼させてもらうよ」

「そうですか・・・。白夜叉様の暴走を一緒に止めていただければと思ったのですが・・・」

「ごめんね。無視するとうるさそうだから。・・・あ、それと水着、似合ってるよ」

「・・・そ、そうですか」

 

 蒼奇の言葉に頬を赤く染めつつも返答する店員。

 そして蒼奇は玲那を連れて〝アンダーウッド〟の外へと向かう。外へ出ると少し離れた場所に移動する。

 

「・・・さて、来てるんだろう?四人とも」

「「「「・・・」」」」

 

 蒼奇が声を出すと何もない空間から山田、ミカ、ミリア、ジョンの四人が現れる。

 

「それで?何の用だ?遊びに来たっていう雰囲気ではないが」

 

 四人の気配はいかにも臨戦態勢といった感じで怒りが見て取れた。

 

「・・・誘拐犯を始末したと聞いたので、その詳細を聞きに来ました」

 

 山田が代表して答えた。

 

「・・・まあ、その話だよな」

「犯人は単独犯ですか?それともまだ他に仲間が」

「待て待て!ちゃんと説明する!補足も加えてな」

「・・・そうですか」

「ああ。そうだな・・・まずは―――――」

 

 蒼奇は一息おくと玲那も加えた五人に今回の顛末を話していく。

 ・・・自身の身の上話も含めて。

 

 




次話も一週間以内にできるように頑張ります・・・。



レポート怖い。
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