人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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そういえばいつの間にかお気に入り100件超えてたんですね・・・。
普通に、いやものすごい嬉しいですね。というわけで今後もこの作品をよろしくお願いします!
それでは、本編をどうぞ!



正体&食事

 宇宙に多数の異形の神が空間を漂い、蒼奇(修正力)は何事もないかのように鎮座していた。

 

「僕に協力してくれた神話は一つは日本神話。もう一つは、見ての通りクトゥルフ神話だよ。日本神群は君が日本人ということで協力してくれた。それに対してクトゥルフ神群は僕と契約して君を()()()()だけ協力してくれることになったんだ・・・っていっても、もう聞こえてないかな?」

 

 蒼奇(修正力)の視線の先には蒼奇(転移者)とクローンは発狂して奇声を上げている者や虚ろな目で空を見つめてぶつぶつと何かをつぶやいている者、幻覚を見て他者には見えない何かに恐れる者などと、症状は違えども全員がクトゥルフ神群を見て戦意を失っていた。正しくは戦えるような状況ではなかった。

 

「うん。これなら楽そうだね。それじゃあ、神様方。彼らの始末を契約に基づき『処理』をお願いしまー、す?」

 

 今度は蒼奇(修正力)が目を疑うことになった。なぜならばクローンと本体の処理に向かった神群の一部が()()()()()()()のだから。

 

「うっそぉーん・・・?こりゃあ、想定外だぁな。ここまで成長してたんだぁ。読みミスったかなぁ?」

 

 しかし、幸いにも神話生物たちがケガをした様子は見られなかった。

 蒼奇(修正力)はその光景を目にすると、すぐに行動に移した。

 

「Summon. Zathog(ザソグ)! ごめん!本体と僕だけ元の場所へ移して!!」

 

 時間と空間を行き来できる能力を持ったグレート・オールド・ワンを新たに召喚し、その力を借りて元の場所へと戻った。

 

「・・・ふぅ。焦ったぁ・・・ッ!?」

 

 そして、安心したのも束の間。危険を感じた蒼奇(修正力)はすぐに腕をクロスさせて防御態勢をとる。

 

「ガッ!?」

 

 しかし、ギフトを奪われ【同化】も使えない身では、まともに攻撃をとらえることができず下方向から腹部を蹴り上げられる。

 

「ゲホッ!ゲホッ!!くっそッ!!全然見えねぇ!?」

「なら、さっさと死ね」

「だが断る!」

 

 蒼奇(修正力)は魔術で身体強化を施し召喚術でないよりはまし程度の下級使い魔を召喚して対抗する。ギフトは奪われたが、まだ自身が習得した技術は残っていた。

 

 

 だが、

 

 

「オラァ!!」

「アグッ!?」

 

 

 それでも()人外では()人外には到底及ばなかった。

 蒼奇(修正力)は吹き飛ばされ足を地面にこすりつけて衝撃を殺す。

 どうにか止まると片膝をついて攻撃された腹を抑える。

 

 

「ハァ、ハァ・・・。なぁ、もうちょいおしゃべりしない?」

「・・・今更命乞いでもするつもりか?」

「まさか。もとよりそっちは僕を殺す気で来てるんだ。しても無駄なのはわかりきってる」

「じゃあ、何の話をするんだよ」

「おっ?ちょっと興味出てきた?」

「・・・今のお前なら簡単に殺せることが分かったからな。そら、俺の機嫌がいいうちにさっさと話したらどうだ?」

「そりゃどうも。じゃあ、昔話をしよう。僕の誕生秘話だ」

 

 それを聞いた蒼奇(転移者)は完全に動きを止めて話に耳を傾ける様子を見せる。

 

「・・・話せ。それについては俺も興味がある」

「おっ、マジでか。いいよいいよー話してあげるよー」

「ちっ・・・ウゼェ・・・」

「でも、質問は勘弁なー。・・・よっし!それじゃあ、お話ししましょう!この僕の、修正力の誕生秘話を!」

 

 そして蒼奇(修正力)は自身の生い立ちを話し始めた。

 

「僕は君に造られた。これは揺るぎない事実だ。そしてほかにも四人が同時期に造られてたよね。でも、なぜか僕だけが先に『人』として完成した」

「ああ。そうだ。お前が一番最初に完成してほかの四人は失敗作として切り捨て—――」

「うん。それ、間違いだよ」

「・・・なに?」

「僕が、僕こそが『失敗作』だった。そうなるはずだった」

「・・・一体、どういう・・・?」

 

 蒼奇(失敗作)の言葉を聞いて困惑する蒼奇(転移者)

 

「本来なら僕は『人』としても『物』としても完成することはないはずだった。ただただ消滅を待つ存在だった。でも、そんな僕を助けてくれた存在がいたんだ。それが君の行動を許さない『世界』だった」

「て、めぇ・・・!まさか最初から修正力として生まれていたのか!?」

「その通り。でも、僕は『世界』の修正力でもどうにもならないほど()()()いたんだ。だから世界は僕とある存在を、()()()。そうすることで『僕』という存在を確立させた。一応は『人』としてね。それでも本質は『人』とは言えないから、今は少しずつ体は崩壊し始めている」

「・・・あっそ。どっちにしろ死にかけなわけか。こりゃ楽ちんだな、とっ!」

 

 話を聞き終えた蒼奇(転移者)は修正力を殺すために手刀で首を刎ねようと横薙ぎに振る。

 しかし、

 

「なっ!?」

「まだ、僕の話は終わってないよ?」

 

 その攻撃は蒼奇(死にかけ)によって止められた。

 

「僕と混ぜられた存在ってのはとても力が強くてね。扱いに困るぐらいだったんだ」

 

 蒼奇(修正力)・・・のようなナニカは手を掴んだまま立ち上がる。

 

「その存在は〝青鬼〟。僕の最初の召喚獣でもある存在だよ。いや、むしろ僕と同一の存在だから最初に召喚したのかもしれない。今、僕は青鬼の力で自分の身体の中に無限の青鬼を宿しつつある。そしてすべての青鬼の身体能力が僕に加算される」

 

 蒼奇の体は徐々に青く、ブルーベリー色に染まっていった。そして染まっていけばいくほど、その存在感は増していく。

 

「ひっ・・ぅっ!?」

「僕は正史を知らないし、そんなものに興味もない・・・。ああ、興味がないは言いすぎかな。ただ俯瞰していたいとは思うぐらいに興味はあるよ。でも、僕はただ君を消すためだけにここに存在してる。それだけが僕の存在意義で、そのための力も『世界』から与えられてる。ここで君を殺したら、僕はやっと、この長い、長い呪縛から解き放たれるんだよ。・・・だから、ここで君を消す」

 

 次第に掴んでいる手に力が入っていく。

 そして完全に青に染まったとき、その存在感は消え失せた。

 

「・・・えっ?」

 

 その違和感に蒼奇(転移者)は呆けた声を出す。当たり前だ。いままで圧倒的存在感を放っていたものから急に何も感じられなくなったのだから。

 しかし、それが逆に得体の知れない恐怖を醸し出していた。

 そして、すぐに逃げなければと考えた、次の瞬間、蒼奇(転移者)の視界は黒く染まり、最後には意識も薄れていった。

 

 

 

 

 

「ふぅ、ごちそうさま。っと。・・・これでやっと僕の最大の目的は達成できた。あとはズレそうなら『世界』から指示が来るはずだしね」

 

 ナニカ、無限の〝青鬼〟と融合した蒼奇は腹をさすりながらつぶやいた。

 蒼奇(転移者)を一飲みで体に取り込み、消化をすぐに終える。

 

「それにしても、時間食っちゃったなぁ。クローンの方も終わったみたいだしゲームの観戦にでも行こうか。・・・僕の世界と箱庭でだいぶ時間差があるのも予想外だったや・・・。のんびりしてもいっか。どうせズレないだろうし(かっこ)フラグ(かっことじ)

 

と、自分からフラグを立てておけばそんな事態は起きないだろうという願望が多分に含まれた考えをして歩いていくのだった。

 




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