人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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蒼奇くんの死後のお話し。


その後?

(・・・僕は体が崩壊して死んだ、はず。・・・だよな?でも、まだ意識があるのはどうしてだ・・・?死ぬ間際に失った手足の感覚もある。ここは死後の世界か?でも、魂のない僕は死んでもそういう場所に行くわけがないはず。だけどこの奇妙な現象は、なんだ・・・?)

 

 蒼奇は死んだ後に奇妙な現象にあっていた。意識はまだ暗い海の底でまどろんでいるような感覚ではっきりしない。しかし、次第に意識が浮き上がっていくような感覚がし始めた。

 そして、意識が覚醒する。

 

「・・・えっ、暗っ!?いや、暗いっていうより黒い!?なにこれ!?ここどこ!?」

 

 横になった状態で意識がはっきりした蒼奇は上体を起こして周囲を見回す。しかし、何も見えないが自分の体だけははっきりと見ることができる。体には手足があり、ひびすらなく完全に元通りとなっていた。

 

「えぇー・・・どゆことぉ・・・?」

 

 自身の体の変化とこの状況ではどうすることもできずに途方に暮れていると突然、黒い空間が輝き始めた。

 

「えっ!?うぎゃああああぁぁぁぁ!?目が、目があああ!?」

 

 急に発光した空間に黒い空間に目が慣れていた蒼奇は目を押さえてどこぞの大佐のような悲鳴を上げる。

 そして、光が収まり、目の痛みも引き目を開けると。

 

『『『『正史の修正成功おめでとう~!!!』』』』

 

 パンパンパンッ!とクラッカーのなる音が響いた。空間には多くの人影とテーブルに料理、飲み物が存在した。

 

「・・・ハッ?」

 

 蒼奇は訳が分からず呆然とする。そこに一人の人物が近寄って話しかける。

 

「いやーお疲れ様!まさか成功させるとは思って—――」

「吹っ飛べやッ!!このくそ『世界』!!!」

「あ~れ~~~!!?」

 

 蒼奇は話しかけてきた自身の創造主であるはずの『世界』を思い切り蹴とばし、星にした。

 

「ふぅ・・・。で、これってどういう―――「いきなり何するのさ!?」うわぁ!?びっくりしたぁ!?」

 

 この空間にいる者たちにこの状況がなんなのか尋ねようとしたとき、床の一部が下から押し上げられて先ほど星にしたはずの『世界』が出てきた。

 

「一応これでも君の創造主なんだよ!?」

「いや、その創造物を信じてない奴が何を言うか」

「だって、相手側の成長が目まぐるしいほどの速さだったから『あ、これ勝てねえわ』って思っちゃったんだもん」

「ショタが『もん』っていってもそれに萌える趣味はないんだが・・・」

「今はロリだよ!」

「なおさらだわ!?両性になんて興味はねえよ!?かわいいは正義とか言ってきたけどお前という存在+両性は無理だわ!!」

「ひ、ひどい・・・。オヨヨヨ・・・どうしてこんな子に育ってしまったんでしょう・・・」

「十中十お前の放任主義のせいだと思うがなあ!」

 

 蒼奇のその一言でとどめを刺された『世界』は落ち込み、orzの状態になったまま動かなくなった。

 

「それで、これは一体なんだい?日本神話の神が揃い踏みじゃないか」

 

 蒼奇の視線の先には伊邪那岐と伊邪那美がギャーギャーと喧嘩している様子や

 

「お祝いですよ。あなたが正史の修正に成功した、ね」

「・・・・・・それはどうも、天照様。成功と言えるものであったならよかったですけど」

「〝様〟は必要ありませんよ。私とあなたの仲じゃないですか!それに今日は無礼講です!そんな堅苦しいのはやめて楽しみましょう!」

 

 酒を片手に微笑みながら教えてくれる日本神話の神、天照大神。酒を飲んで頬を少し赤く染めたその表情は見る人を魅了しただろう。・・・・・・足元に数え切れない数の空き瓶が落ちていなければ・・・。

 

「うわぁー・・・」

「ほら、主役なんですからもっと中の方に行きましょう!」

「ってちょっと!?おい月夜見!お前の姉貴もうすでに酔ってんぞ!?」

「あっはははははは!!とりあえず頑張ってください!!」

「ふざっけんなこのもやし野郎!?あとで覚えてろよ!?」

 

 蒼奇は天照大神に引きずられるように宴会会場と化してる空間の真ん中まで連れられていき床に座らされる。そこへ一人の男性がやってくる。

 

「おぉー蒼奇!やっと来たか!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰だ?」

「おいおいやっと喋ったと思ったらそれかよ!?俺だよ俺!!」

 

 蒼奇は目の前の神に対して面識はないはずと考えたが気配を感じてようやく判断できた。

 

「ふ、副王ヨグ=ソトース!?姿が伝承と全然違えじゃねえか!?」

「そんな堅苦しい呼び名はやめろよ!それと伝承は所詮伝承だ!それに化身の姿ってのは一つじゃねえんだぜ?俺のこの姿は私用だ!そして今日は無礼講だ!!どんなに失礼なことも許されるさ!」

「えっ?なに!?ごめんちょっと待って頭が追い付かないんだけど!?ここって日本神話群だけじゃなくてクトゥルフ神話群もいんの!?」

「おうよ!ここにゃお前さんに協力した奴ら()は全員来てるぜ!」

「おっふ・・・」

「そんなことよりも飲め飲め!」

「うっす・・・」

 

 ヨグ=ソトースに勧められるままに酒を飲む蒼奇。少し酒を楽しみながら話していると突然ヨグ=ソトースが、思い出したかのように言った。

 

「おぉっ!そうだったそうだった!」

「・・・今度はなんだ?」

「アザの奴がお前に面と向かって会いてえと言ってたからな!ちょっと連れてくるから待ってろ!」

「えっ?あざ?・・・痣?・・・字?・・・まさか、あざ、とーす?・・・ちょ、ちょっと待って!?その相手と会うための心の準備がッ・・・ってもういない・・・」

 

 蒼奇が止める間もなくヨグ=ソトースはアザと呼んでいる存在を呼びに行ってしまった。

 すると背後で気配がした。

 

「えへへ~そうきさ~ん、のんれますか~?」

「天照!?って酒くさっ!?何この匂い、飲みすぎだろ!!?何本飲んだんだよコイツ!!」

 

 唖然としている蒼奇の背中に何かがよしかかってきたと思ったらすでに出来上がってしまっている天照だった。彼女からは常軌を逸した酒の匂いを漂わせて蒼奇へと絡んでくる。

 

「そこの嬢ちゃん百本ぐらい飲んでたぜー!!」

「おう!すげえいい飲みっぷりでなあ!!あんなに強い酒を水のように飲む奴ぁ初めてだぜ!!」

「嘘だろ!?しかも絡み上戸とか面倒くせえ!?」

 

 と、外野から天照の飲んだ本数やそれに対する称賛の声が沸いてくる。

 

「おいぃ保護者伊邪那岐ィ!!もしくは月夜見ィ!!回収しに来やがれぇ!?」

「やあぁ~離れたくな~い!」

「おーい兄ちゃん情けねえぞー!!」

「そうだー!そんな別嬪さん絡まれんなら本望だろう!?」

「いやならアンタら相手しろよ!?仮にもお前らの上司だろぉ!?」

「「「「・・・(スッ」」」」

「さっきまでの騒ぎようが嘘のように静まり返って目ぇ逸らしてんじゃねえー!?」

 

 周囲の日本の神に助けを求めるも空しくも失敗に終わる。仕方なく絡んでくる天照を片手間に相手をしてちびちびと酒を飲む。そのうち酒が完全に回りきったのか、天照は眠ってしまった。・・・蒼奇の膝を枕にして。

 

「・・・おmゴフゥッ!?」

 

 『重い』とつぶやこうとした瞬間に寝ているはずの天照から的確なボディブローをもらう蒼奇。

 

「Zzz・・・」

「ぐっおおぉ・・・!?本当に寝てんだよねぇ、この神はぁ・・・!?」

「おーい!待たせて悪いな!」

 

 蒼奇が痛みで苦しんでいると横の方から行く前より薄汚れているヨグ=ソトースの声が聞こえてきた。

 

「・・・なんで服装がぼろくなってんだ?」

「いや、ちょっとAMTに見つかってな」

「・・・AMT?」

(A)ザ様(M)守り(T)

「・・・えっ?なに?そんなのができる外見なの?」

「それについては見た方が早えよ。ほら」

「・・・面と向かって話すのは、初めて。私はアザトース。よろしく、蒼奇・・・」

「・・・・・・無口系幼女?」

「おう」

「・・・幼女じゃない。ロリ」

「いや、意味一緒だからな、それ」

「・・・・・・っ!?!??」

「えっ?なにその『今初めて知った』みたいな顔?」

 

 蒼奇から指摘されたことにこの世の終わりを聞かされたかのような驚きを返すアザトース。

 

「あー・・・こいつ、AMTの奴らに色々吹き込まれてるからなぁ・・・」

「・・・なるほどね。把握」

「・・・一緒に飲んでもいい?」

「いいよ。でもお酒h「ここにある」うん。わかった(くそ、逃げきれねえ・・・)」

 

 そのまま流れるままにヨグ=ソトースとアザトースの二人と酒を呷る。

 

「・・・でも、何で僕の足に座ってんの?」

「・・・?座り心地が、いいから・・?」

「いや、僕に聞かれても・・・」

「だめ・・・?」

「いえ、大丈夫です。だからAMTの皆さん、僕を包囲しないでください」

 

 アザトースが涙目で蒼奇のことを見上げると蒼奇自身がその行動で折られることはなかった。だが、周囲のAMTが許すはずがなかった。驚くほどの速度で蒼奇を包囲して圧力をかける。ただ一部日本神話の神が混ざっていたのは気にしないことにした。

 

「やあ、飲んでるかな?」

「んあ?ああ、月夜見と『世界』か」

「『世界』なんて呼び方やめてよー。今はちゃんと『セリカ』っていう名前があるんだからさー」

「あっそ。それはそうと月夜見。酔い潰れてるお前の姉貴を回収しろよ」

「はっはっは!やだね」

「くたばれ、悪趣味野郎」

「悪趣味だなんて酷いなあ・・・。僕はただ誰かが困ってるのを見るのが好きなだけなのに。これなら君も同類だろう」

「否定はしない」

 

 そういって二人で笑いあう。

 

「あっ、それとこの子。早々に潰れちゃったから回収しといたよ」

「ん?・・・ペスト?えっ、何でいんの?」

「それは「私がここに呼んだからだよ!」・・・彼女が言った通りです。他の召喚獣たちも呼ばれているようですよ」

「へー」

「それでそれで?何か言うことがあるんじゃないの?」

「ありがとな、セリカ」

「「「・・・(゚д゚)ポカーン」」」

 

 蒼奇が素直に感謝したことにヨグ=ソトースと月夜見とセリカは呆気にとられた。

 

「こ、この偽物め!?私の蒼奇をどこにやった!?」

「さーてどこだろうなー?お前の頭とか割ったら出てくるんじゃないか?どっかのギリシアの神みたいにさ。あとお前のじゃねえ」

 

 蒼奇はセリカにアイアンクローをする。もちろん全力で。

 

「ぎにゃああああぁぁぁぁ!!?こ、この容赦のない仕打ちは本物だあああぁぁぁぁ!!!」

「わかればいいさ、わかれば」

「それにしても、驚きましたね。貴方がまさかそんな素直にお礼を言うとは・・・」

 

 月夜見のそんな言葉に蒼奇は笑いながら言った。

 

「セリカには少なからず感謝はしている。短い命をかなり延ばしてくれたしな」

「おー!そうだそうだ!もっと私を敬いたま「お前は黙ってろ」ぷぎゅッ!?」

 

 蒼奇はセリカの顔を天照の胸に押し付ける。すると天照はそのままセリカを抱きしめた。

 

「えへへへ~♪」

「もがぁー!?」

「しばらくそのままでいろ」

 

 その光景を横目で見ていた月夜見は呆れながらもその輪に参加する。

 

「・・・・・・・・・さて、それでは私も混ぜてもらいましょうかね」

「おう!飲め飲め!」

「月夜見、お前綺麗に流したな。・・・まあいいか。んじゃ!徐々に潰れてって人数も減ってるけど・・・しゃあッ!改めて・・・テメエらー!!潰れるまで飲むぞー!!!」

『『『『『『おー!!!!』』』』』』

「よし!じゃあ日本神話名物裸踊りだッ!」

「ハハハッ!誰がテメエの裸見て喜ぶんだよ!」

「おっ?じゃあ俺が元の姿で踊—――」

「「「「「待て!?お前ヨグ=ソトースだろ!?ここの大半の奴らがSAN値直葬されるわ!!?」」」」」

 

 その後は蒼奇も羽目を外してどんちゃん騒ぎへと発展し残りが蒼奇とセリカ、そしてアザトースになるまで続いた。

 

「・・・そんで?そろそろ僕がどういう状況なのか教えてほしいね」

「あれっ?言ってなかったっけ?」

「聞いてませんねぇ・・・」

「わたしも気になる・・・」

 

 蒼奇が場の雰囲気に流されてさっきからずっと気になっていたことを聞けなかったが、落ち着いた今になってようやく聞くことができた。

 

「ふぉれはね「飲み込んでから話せよ。そんなベタなことしなくていいから」・・・ゴクン。グビグビ。モシャモシャ。ゴクン。グビ「いい加減にしろよ?」ごめんなさい」

 

 飲み込んでもいつまでも食べ続けるセリカを睨みやめさせる。

 

「うん。蒼奇がここにいるのは私が呼んだからだよ」

「んなのはわかってる。僕が聞きたいのはどういう理由だってことだよ」

「うん?親が子に会いたいと思っちゃダメなの?」

「・・・・・・ないないない。お前がそんなことを言うなんて絶対ないわー」

「君を生み出した時から思ってたけど私の扱い酷くない?」

「ヒドクナイヨー。ウン、ゼンゼンヒドクナイヨー」

「腹ッ立つなー!もう!!」

「で?そんだけなわけないでしょ?」

「まあ、そうなんだけどね。今のは半分だよで、もう半分が—――」

 

 セリカはそこで言葉を区切った。蒼奇が次に発せられる言葉を待っているとすぐに言い放たれた。

 

「私の仕事の手つd「断る」早くない?」

「誰がお前の仕事を手伝うかよ。今僕の脳内にある選択肢は消滅か隠居。これだけだ。働く?知らんなそんなものは」

「よろしい。ならば戦争だ」

「いいぜ、やってやんよ!アザ、審判頼んだ」

「・・・ん。・・・じゃあ、すたーと」

「「死ね、オラァ!!!」」

 

 お互いの望みを掴み取るために二人は何でもありの戦闘を始めてしまう。その際の余波で回りで寝ていた神は吹き飛ばされてどこかに消えてしまうものもいれば、ギリギリで起きて逃げる者もいた。その戦いはどちらも一歩も引かない接戦だったが、

 

『『『『『『『お前らよくもやってくれたな!!?』』』』』』』

「「ああん!?やんのか雑魚ども!!?」」

『『『『『『『誰が雑魚だ!?テメエら覚悟しろよ!!!』』』』』』』

 

 吹き飛ばされた神たちが怒り、参戦してきたために蒼奇とセリカvs神連合軍ということになった。だがまあこの戦いも長く続かずに多くが胃の中身をリバースし始めたことで終わりを迎えた。

 

「・・・なんか締まらないね」

「こんなもんだろ。それで、諦めてくれたか?」

「ぐっ・・・いいよいいよ!諦めるよ!どこにでも行っちゃいなよ!!」

「よっしゃ!レッツ隠居生か、うっぷ、おえっ、オロロロロッ・・・」

「ちょっ!?吐かないでよ!?って私も、オロロロロッ・・・」

 

 そんなこんなで蒼奇は何とか隠居生活の権利を勝ち取る?ことができた。その後は特に何事もなく訪れる人と話したり戦ったりとそれなりにペストと、なぜかいた一部召喚獣たちと一緒に生活を送った。

 

「とはいえ暇ね。これからこんなほのぼのした生活が永久に続くとなると」

「それを言うのはご法度ですぜい、ペストさん」

 




 これで「人外召喚士」の「問題児」編は終わりです!
 それと「ラストエンブリオ」の方ですが、なんだかこれが終わると暇になりそうなので一応少しずつ書いてみようと思ってます。投稿する際は「人外召喚士」の方に続きとして上げます。良ければですが、そちらの方も継続して読んでくださると作者としては大変うれしいです!
 たぶん一週間以内には『ラストエンブリオ』編を投稿すると思います!
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