ただの雑談ですので気にしないでくださって結構です。
では本編どうぞ!
―――〝アンダーウッドの舞台区画〟観客席。
そこに碧生と指輪状態のペストがそこにいた。二人は精霊列車の出入り口付近を見つめていた。
「………頑張ってもらいたい、とか以前に無事に終わるかどうかだな、こりゃ」
『………そうね。どうするの?来ないように妨害するかしら?』
「………放置だ。前世の影響もあってか正史を捻じ曲げたくないと感じてる。変に介入して正史を壊すのは怖い。下手したら消される。その二つが怖い」
『………わかったわ』
「でもまあすでに大分ぶっ壊れてそうだけどな!」
『おい』
突然雲行きが怪しくなってきた空を見上げ、周りに聞こえない程度の声量で呟く。
多くの人が参加者の方を見ている中、たった一人だけ空を見ていた彼を不思議に思ったのか一人の男性が彼に声をかける。
「なあ、お前さん」
「ん?なんだおっさん」
「いやな、アンタだけスタート地点じゃなくて空を見上げてたからな。どうかしたのかと思ってな」
「ああ、ちょっとな。雲行きが怪しくなってきたから降り始めないうちにゲームが終わったらいいと考えていただけだ」
「そうかい?………ああ、それと」
「なんだ?」
「お前さんは参加者の兄ちゃんたちと一緒にいたはずだが、参加しなくていいのかと思ってな」
「………このゲームはあいつらが決めたもんだからな。それに水を差すようなことしたら悪いと思ったんだよ」
「そうなのか?」
「ああ。それに、今日が初舞台なんだ。そんならなおさらお邪魔だろ?」
「………ハハハッ!違えねぇやっ!!」
碧生の言い分に納得したのか、男性は焰たちの方に視線を向けている。
「………さて。あわよくば、もう一体の方も来てくれることを願おう」
静かに祈るように呟く。
それから少しして、
「それでは〝ヒッポカンプの水上騎手〟―――スタートなのです!」
ドオオォン!!!と、銅鑼が大きな音を立てる。同時に響く開催の汽笛。それぞれが同時にスタートする。
「………まあ、今は観戦するとしようか。楽しまなきゃ損だ」
『そうね、そうしましょう。今から心配しても仕方ないわ。もし、なにか起きたときは―――』
「『全力で楽しむ』」
そういって二人は微笑み、焰たち三人と白雪姫の方を見た。
それからは静かに碧生とペストはゲームを観戦していた。焰の設計した馬車と彩鳥の技術、鈴華の能力のおかげで水神である白雪姫を相手に三人は優位に立ちまわっていた。
彼女が姿を隠して攻撃し始めるまでは。
「まあ、そうなるわな」
『あの蛇はそこまで馬鹿じゃないわ。最初の方は相手の観察をして、鈴華のギフトを見抜いて対処したようね。まあ、油断もあったようだけれど……』
「お前は白雪とは仲良かったもんな」
『ハァッ!?どこがよ!?あの米派と私のどこが仲良いってのよ!?』
「そういうとこだ。俺は嫌いなやつとそこまで延々と議論するなんてできない。つまり一緒にいることができ、且つそういう風に話して喧嘩できる時点で相当仲がいいと思うが?」
『………フンッ!もう知らないッ!!』
「ハハハッ、素直じゃねえの………でもまあ、そこがお前の可愛いとこなんだがな」
ツンデレ気味なペストに笑う碧生。そのあとに唐突に可愛いと言われた彼女は指輪のままだが、碧生に羞恥の感情が伝わってきた。
そんなことを話している間にもゲームは進行し、焰たちは工業区画に突入した。
そして、空を覆っている暗雲も、始めより色濃く、重くなっていた。
それから少ししてのことだった。
巨大な稲妻が〝アンダーウッド〟を襲ったのは。
激しい雷鳴が鳴り響き、風が吹き荒れる。
碧生を含め焰たち四人は大樹を見上げると、巨大な牛頭が視界を過ぎった。
「あークソッ。いいとこだったってのに」
『言ってる場合かしら?マスターと違って三人は普通の人間でしょ?』
「死なない限りはどうにでもなる。それよりも、俺が相手すべき奴も来たな」
稲妻を帯びた大戦斧が三人の乗る水上馬車に投げつけられるのを横目に、大樹の外へと目を向ける。二本の斧槍を持つ巨躯の人影に向けて。
逆廻十六夜、御門釈天、プリトゥ=マータ、深水碧生、三神天衣の五人は〝ドン=ブルーノ〟の店を出ると、
「それで、これからどうするんだ釈天。仏様の〝忉利天〟でも使わせてくれるのか?」
「いや、今回はもっと最寄りで済ませよう。四人とも乗りな」
「さすがにその車に四人はきびしいだろう。仕方ないから俺はあとから行くぞ」
「ん?来れるのか?」
「ああ、行ける。それにさっきメールでちょっと呼び出し食らってな」
釈天がキッシュを食べている間に碧生は社員から一通のメールを受け取っていた。
その内容は、『開発部がまたやらかした』だった。そのために後処理のために碧生も呼び出されたのだ。
「そういうわけだから先に行っててくれ」
「……お、おう。ま、またあとでな」
メールの内容が碧生を怒らせるのに十分すぎるものだったのか、彼から発せられる凄まじい怒気に押されながらも三人が乗り込んだことを確認して車を発進させた。
「………さて、あの三馬鹿は今度は何を作りだしやがったッ!?」
そんなことを叫びながらディープブルー本社に転移する。
「あっ!社長!お待ちしてました!」
「あの三馬鹿は今度は何をやらかした!?道具を取り上げたうえ出禁だったんじゃないのか!?」
「そのはずですが、どこからか侵入してッ!」
「クソッ。それで何があった!?」
「変なスライムです!」
「……………………………はっ?スライム?なんでまた?」
「また何かに影響されたようで、女性の服だけを溶かすスライムです!」
「……………(ブチッ)」
「(あっ、三馬鹿死んだわ)」
何かが切れる音が碧生からして、その音を聞いた社員は三馬鹿に対してザマァみろと心の中で呟いた。
碧生は無言のまま開発部の扉を開けた。
「おいコラァッ!!ミナカァッ!タカァッ!ムスビィッ!この変態共ォッ!!まァたやらかしやがったなァッ!!!何度思い知れば理解しやがるッ!!!!!!」
中に入ると同時にスライムを大火力の炎で一瞬で灰にしながら元凶の三人、いや三柱をロックオンする。
既に周りには避難したのか、三柱以外の人影はなかった。
彼の存在に気づいた三柱は驚いた。
「なっ!?予想よりも三十分早いだと!?」
「クソッ!?なんてこった!!俺らへの対応力が上がってきてやがる!!?」
「こうなったらどうしようもねえッ!!徹底抗戦だ!!」
「「おう!!」」
三柱、
が、
「オラァッ!!」
「あべしッ!?」
「うわらばッ!?」
「ひでぶッ!?」
どこぞの世紀末のやられキャラのような叫び声を上げながら地に沈む三柱。
物作り専門でインドアな彼らでは戦闘大好きでアウトドアな碧生に敵うはずもなかった。
碧生に一発ずつ殴られた三柱は目の前で正座していた。
「さあ、言い分を聞こうかぁ!?」
「「「ノリで作った。反省も後悔もしていない」」」
「よーし!ギルティ!!こいつらをしばらく拘束して閉じ込めとけ!!」
『『『イー!』』』
「「「うわなにをするやめr」」」
どこからともなくAMTが現れて三柱を連行していった。
AMTは今回三柱の行いはアザトースの害になると思ったのか、既に被害が出たかしたのだろう。そのため快く協力してくれているようだ。
「ったく。懲りない奴らだ」
碧生がそんなことを言っていると、服の裾をギュッと掴まれた。それに気づいた碧生はそちらに顔を向けると、
「………(ふるふる)」
「……………………………はい?」
アザが震えながら碧生のことを見上げていた。
AMTが協力してくれたのはこれが原因だろうと碧生は瞬時に考えた。
「………怖かった(ふるふる)」
「そ、そうか…(俺はお前の真の姿の方が怖いとは言えない……言ったら絶対AMTに狩られる……)」
碧生は内心そんなことを思っていた。
現に二人の周りはAMTが包囲していた。
「それなら、しばらくは誰かと一緒にいるといい。それなら安心だろう」
彼がそう言った瞬間、周囲にいたAMTが、
『『『イーイーイーッ!イーイーイーッ!!(あいこでしょッ!あいこでしょッ!!)』』』
「………(こいつらいつまでショ○カーみたいにイーイー言ってんだろ…?いっそのこと開発部の人間に変身ベルトでも作らせてみようか………?)」
ジャンケンを始めた。おそらく誰がアザの面倒を見るかのものだろう。
しばらく黒尽くめの集団のジャンケンは決着がつかずに続いたが、ようやく一人の人物が勝ち残り二人のそばに来る。その一人以外は絶望に打ち拉がれて両手と両膝を床につけて暗い雰囲気を醸し出していた。
「イーッ!」
「ほら、アザ。こいつがしばらく一緒にいてくれるってさ」
「………や、碧生がいい」
「………orz」
「あちゃー………」
アザは碧生の後ろに隠れながらそんな言葉を発した。
彼女に、自身の崇拝している人物に拒否され、その言葉が思いっきり心に刺さったようで最後の一人も絶望に、いや他の奴らよりもさらに深い絶望に包まれていた。
それを見かねた周りのAMTがフォローに回っていた。
「………あー、結局、俺はどうすればいいんだ?」
「………(ギュッ)」
碧生はそんな光景をどうすればよいかわかりかねていた。
そんな中一人がそばに来て、言った。
「イーッ……(アザトース様をお願いします……)」
「………………………うん。なに言ってるか全然わかんないけど、とりあえずこっちで面倒見るわ」
それを聞いたAMTは満足して例の一人のフォローに向かった。
その様子を見届けた碧生はアザを抱き上げて、開発室を出た。
「あの、大丈夫でしたか?」
「ああ。だが、なぜこんな大事になっている?アザはともかくとして、月夜見や天照、伊邪那岐もヨグもいたはずだろう。それに俺だって社長室にいたはずだ」
「はじめはみなさん迎撃していたのですが、決定打にかけたり、女性ということもあって戦線を離脱してしまい…その………。社長は『どうせ俺がどうにかする。それなら俺たちは書類整理と事後処理に徹しよう』と………」
「いや、わかった。ひとまずはいい。それよりも被害は?」
「開発室にいた女性数名が被害にあいました。他にも迎撃した天照様を含む女神数柱が被害に…」
「………神すらも相手どれるもんを作り出してんじゃねえよ、あの馬鹿ども…。わかった。その被害者には特別手当を出しとくように」
「はい。もちろんです。………それで、あの三馬鹿はどうしますか?」
「継続してしばらくは開発室には出禁だ。期間は延長。そのうえで個人的な開発も禁止しろ。あいつらが開発を行うときは俺がそう指示したときだけだ。それに二十四時間体制で監視を」
「わかりました。そのように全社員に通達しておきます」
「助かる。俺はアザを連れて社内をふらつく。一応社長室にも俺がいるはずだし、なんかあればそっちを頼れ」
「………他にも用事があるのでは?」
「ああ。それはそうだが、アザが離れないから仕方ない。そっちの用事はもう一人呼び出して向かわせるさ」
そういってスライムを焼き尽くした後の灰を綺麗に消し去る。
「………これでいいか。それじゃあ他の後処理は頼んだ」
「はい。ご苦労様です、社長」
そしてすぐに碧生は自身をもう一人呼び出して十六夜たちの下に転移させた。
自分はアザトースの相手に徹することができるように。
下手に離れて癇癪でも起こされたらたまったものではないのだから。
・深水碧生
主人公。箱庭では特に何もせず観客席でボーッとしていた。会社の方の二人は書類整理。最後の一人は三馬鹿の捕縛後アザのお守。増えた一人は十六夜たちと合流する模様。
・ペスト
碧生の召喚獣。姿を見せず声だけの存在、それがペスト(嘘)。だが、外から見れば碧生は一人でブツブツ喋っているように見える←危険。
・逆廻十六夜
問題児。特になし。
・御門釈天
運転手。同上。
・プリトゥ
特になし。マジで書くことがない………さて、どうしようか?
・三神天衣
碧生の会社の研修社員。従兄妹。仕事モードの時は会社の異常性はへっちゃらだが、私事に切り替わると対応できずに混乱して気絶する。
・一般社員
逸般社員。まあ、こんな異常な会社で働いてる時点で普通なわけがないよね!なお佐藤君は(ry
・スライム
神工生命体。ネロではない。ピンク色。三馬鹿が作り出した。数名の女性と数柱の女神が被害にあった模様。サービスシーン?知りません。脳内補完でお願いします。
・AMTの皆さん
アザトース信者(ロリコン)。大半がクトゥルフの名状しがたき存在だが、一部人間の社員(逸般)も加入している。
・アザトース
ロリ。なお、幼女ではない(本人談)。総帥。言葉では言い表せないほどの何か。だが可愛い。余談だがファンクラブの加入者が後を絶えないらしい。
・天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
開発部三馬鹿のリーダー的存在。この作品では男。しょっちゅう勝手に変なものを作っては碧生に見つかって怒鳴られている。だが、指示されて作り出すものは想像以上の出来で必ず作り出し、そのうえで趣旨から大きく外れない。ただ開発の方向性とかで他の二柱ともめる。ロボットを作るならばドリル派。
・高御産巣日神(タカミムスビノカミ)
開発部三馬鹿の脱獄担当。この作品では男。同上。ロケットパンチ派
・神産巣日神(カミムスビノカミ)
開発部三馬鹿の潜入担当。この作品では男。同上。複数合体派。
次は一週間以内に上げられれば良い方。
それと前書きの宣言(?)通り、今作の前半部分を一人称から三人称へと改稿し、後半の方が思いつき突っ走ってますので前半部分の矛盾部分を改善していきたいと思います。
その関係で投稿が遅れたらごめんなさいm(_ _)m。