人外召喚士が異世界から来るそうですよ?   作:猫屋敷の召使い

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拠点&襲撃

「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」

「あら、駄目よ春日部さん。次に挑戦する時は対等の条件で挑むのだもの」

「ああ。吐いた唾を飲み込むなんて、格好つかねぇからな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」

「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ」

「君らも僕と同じで負けず嫌いなんだね・・・」

「「「蒼奇にも挑むからな?/蒼奇君にも挑むわよ?/蒼奇にも挑むよ?」」」

「・・・じゃあ、楽しみにしてるよ。心の底からね」

 

僕は薄ら笑いとも微笑みともとれるような笑みを浮かべる。

 

「ただ、年上は敬ってほしいな。これでも五百年は生きてるんだけど」

「・・・は?」

「え?」

「・・・え」

「ええ!?」

 

それぞれが驚きや戸惑いの声を上げる。・・・ドッキリ成功。

 

「おいおい、マジかよ・・・」

「・・・信じられないわね」

「・・・うそ」

「く、黒ウサギより年上・・・」

「まぁ、敬語も何もいらないしさっきのように接してよ。君らは教え子たちよりは僕の扱いはいいし」

 

これぐらい生きてなきゃ教え子百人とかは無理だしね。しかもあいつらの大半が視線があえば即バトル、即殺し合いで終わった後に世間話とかだし。これって順番逆だよね?

 

まったく誰に似たのやら!

 

「・・・今さらだが、一つだけ聞かせてくれ。おんしらは自分達のコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しているか?」

「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」

「ならそれを取り戻すために、〝魔王〟と戦わねばならんことも?」

「ごめんね。戦闘狂(ジャンキー)なんだ」

「・・・では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」

「そうよ。打倒魔王なんてカッコイイじゃない」

「〝カッコイイ〟で済む話ではないのだがの・・・。まぁ、魔王がどういうものかはコミュニティに帰ればわかるだろ。それでも魔王と戦おうとするのなら・・・そこの娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ」

 

 

 

「大丈夫。死なせないよ。この三人には、僕に挑んでもらって、勝ってもらう。それまでは死なせないし、その域までは僕が育て上げる」

 

 

 

白夜叉の言葉に対して、僕はかぶせるように言った。

 

 

 

「だから、それまでは、絶対に守りとおすよ」

 

 

 

「・・・そうか。なら、安心だの」

「・・・守られっぱなしになるつもりはないわよ?」

「・・・うん、すぐに自分の身は守れるようになる」

「なら早く、僕にそう思わせられるようになってほしいかな?」

「・・・ええ、望むところよ」

「うん」

「じゃあ、白夜叉。今度は本気でやり合おう。お互いに、ね。いずれ彼らにも挑ませに来るよ」

「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。・・・ただし、黒ウサギをチップに賭けてもらうがの」

「いいだr「嫌です!」

 

なん・・・だと・・・?僕の速さに追いつくとは・・・やるな黒ウサギ!

 

それを最後に僕らはコミュニティに向かった。

 

 

 

むぅ。でも、黒ウサギをチップにしたら白夜叉と全力でやれるのか・・・。

 

 

 

 

 

・・・・・・悩みどころだけど仲間を売るのはだめだよね、うん。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

黒ウサギに案内されてコミュニティに着く。コミュニティの門を開け、中に入る。

 

そこには、何もかもが朽ち果てた光景が広がっていた。人の生活の一部が残っており、以前に人が住んでいたことを示している。・・・これが、三年前か・・・。

 

「――――――い。おい、蒼奇」

「ん?・・・ああ、ごめん。どうかした?」

「・・・いや、お前はこの光景、どう思う?」

「・・・正直なところ――――――――――――

 

 

 

 

 

四人が僕の言葉の続きを静かに待っている。

 

 

 

 

 

――――――――――――()()()()かって、少し、がっかりしてる」

 

 

「「「「・・・っ!?」」」」

 

「この程度の惨状なら僕の教え子の多くの魔術師なら可能だし、直すこともできる。もちろん僕もできるよ。期待してた魔王がこんなちっぽけな存在だってことに反吐が出る」

「も、戻せるのでございますか!?」

「戻せるよ。でも、戻すつもりはない」

「な、なぜですか!?」

 

 

「僕らを呼んだのってコミュニティを戻すためじゃなくて再建のためだろう?元に戻したら未練がましく過去の栄華に、以前の人たちの功績に縋ったまま前に進めない。――――――――だから栄華を取り戻すんじゃなくて、また新しく築き上げる。今の、ここにいる人たちで。コミュニティもだ。一からゲームでギフトを獲得し、栄えさせる。〝ノーネーム〟の前にどんな名前だったかは知らない。・・・でも、以前の〝ノーネーム〟じゃなくて、僕らの〝ノーネーム〟として、一から築きたい」

 

「「「「・・・」」」」

 

 

「だから、戻すつもりはないよ」

 

 

四人が何を思って僕の話を聞いてるかは知らない。・・・これはただの、僕の身勝手な『わがまま』だ。

 

 

「・・・わかりました」

「・・・まぁ、一番はつまらないからなんだけどね」

「・・・・・・はい?」

「いやぁ、人生に一度でいいから開拓とか街づくりとかしてみたくてねー♪戻したらそれもできないし?」

「・・・ハァ」

 

ふふ~ん♪楽しみだな~♪

 

「・・・やっぱ、蒼奇は蒼奇か」

「・・・そうね、肝心なところでしまらないところとか」

「・・・でも、それが蒼奇の長所」

 

 

・・・この短い間に僕のことが把握されている件について・・・・・・。いや、うん。悪いことじゃないよね、理解が深まるのはいいことだよ、うん。前向きに行こう。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

廃墟を抜けて水路のような場所にジン君を含む多くの子供がいた。黒ウサギをを見つけるとわらわらと群がってくる。それを見た十六夜、飛鳥、耀の三人がそれぞれ違う表情を浮かべる。

 

本当に子供ばっかりなんだ・・・魔改造・・・いや、やめておこう。子供は純粋なほうがいい。

 

そんなことを考えながら、ぼーっと辺りを見回していると話が終わり、ようやく水樹を設置するようだ。

 

コミュニティの子供たちの苦労話を聞いて待っていると黒ウサギが声を上げる。

 

「それでは苗の紐を解きますよ!十六夜さんは屋敷への水門を開けてください!」

「あいよ」

 

へぇ、遠目でもすごい水路だとは思ってたけど近いとなおさらだね。

黒ウサギが紐を解くと一気に水が溢れ、貯水池を埋めていく。

 

「ちょ、少しはマテやゴラァ!!流石にこれ以上濡れたくねぇぞ!」

 

おお、十六夜が焦ってる。貴重かな?この光景は。

ん?十六夜。どうして僕の足を

 

「オラァ!」

「え、ちょ!?僕だって今日はもう濡れたくないよ!?」

 

十六夜に足をつかまれ投げられる僕。ってマズイマズイ!!

 

「しまさん!座標交換!」

 

僕は投げ、薄ら笑いしている十六夜と場所を――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ではなく、黒ウサギと入れ替わる。

 

 

「え!?な、なんで黒ウサギが!?」

「ふぅ、焦った~」

 

 

ポチャン、と黒ウサギを水に落ちたのを確認して三人のもとへ戻る。すると十六夜から、

 

 

「蒼奇」

「ん?」

「よくやった」

「十六夜はそれを見越したうえで僕を投げたんだろう?」

「ヤハハ、そうだぜ」

 

そういって僕らはハイタッチをする。

 

「いらないところで妙な結束力を発揮しないでくださいませ!このお馬鹿様方!!」

 

全身を水で濡らした黒ウサギがはたいてくる。

 

「「これが俺達だぜ/これが僕達だよ」」

「黙らっしゃい!!」

 

二発目入りましたー。・・・結構痛いけどそのハリセンの材質は何?私、気になります!

 

 

そのあとは十六夜がジン君に対していろいろ言ってたけど、コミュニティをどう開拓しようか考えていて、聞いてはいなかった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「ふう、やっと一人になれた」

 

 

女性陣はお風呂に、十六夜は気配の()()()なほうに向かった。ちなみに僕はネロと部屋でくつろいでいる。()()()()()()()ほうの気配は〝しまさん〟と〝青鬼〟を向かわせたし、いいかな。

 

「風呂の時間まで少し休もうか、ネロ」

 

ネロをベッドのわきに置いて、少し眠r『ズドガァン!』・・・まったく、静かにやれないのか、あいつは・・・。

 

・・・しまさん、相手が子供を狙ってるからかな?・・・ブチ切れてたなぁ・・・。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

~襲撃者視点~

 

 

 

「ははは、本当楽な仕事だよな!子供を攫うだけでいいなんてのはよ!」

「まったくだぜ!攫っただけで金も女もくれるなんてガルド様は太っ腹すぎるぜ」

 

俺達はいまガルド様の命令で〝ノーネーム〟の敷地内で子供を探しながら移動している。だが夜だからかなかなか子供の姿が見えない。

 

「しかしなかなかいねぇもんだな。夜だからか」

「そうだろうよ。やっぱり建物の中に・・・ん?おい、見ろよ」

「あ?・・・はっ、ちょうどいいところにガキがいるじゃねぇか。一人か?」

「・・・ああ、そうみてぇだ」

 

一人がそのガキに近づき肩に手をかける。でも、なぜこんなところにたった一人で

 

「おい、少し俺達と来てもらおうか?」

 

 

 

 

 

話しかけた瞬間―――――――

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ガキが青い二頭身の巨人の化け物に変わり、そいつの手をつかむ。

 

 

「ひっ、な、なんだよあいつ!?」

「と、とにかく逃げろ!」

「お、おい!助けてくれよ!こいつ放さねぇんだよ!!」

「んなもん自分でなんとかしろ!!」

「まっ、待って、やめろ、放せ、ひっぎぃああああぁぁぁぁぁ・・ぁぁ・・・ぁ・・・・・・」

 

化け物がつかんだやつを持ち上げたと思ったら―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――ソイツを口に入れ少しずつ、食べ始めた。

 

 

小さくなっていく悲鳴に触発されたのか、

 

 

「に、にげろ!失敗だ!!」

「あ、ああ!」

「ひいぃぃ!!」

「うわあぁぁぁ!!」

 

その声を聞くと全員が散り散りに逃げる。

 

 

 

だけど、逃げる途中に声が聞こえて・・・すべてが狂いはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――さあ、子供を攫おうとするような悪い子は、どんどんしまっちゃおうねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら周りの声は聞こえなくなり、他の奴らは見えなくなっていた。

 

「はぁ、はぁ、他の奴らは一体どこに・・・いや、今は逃げることだけを・・・たしかこっちだったはずだ・・・」

 

そういって俺は敷地内へ入ってきた場所へと向かう。

 

「・・・っ!あった、あそこだ!!これで助かる!!」

 

そのとき俺は油断してしまっていたのかもしれない――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――あの声の主がすぐ近くにいるのに、気づかないほどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――さあ、つかまえた

 

 

 

 

 

 

 

俺が最後に見たのはピンクの斑模様だった・・・

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ん?・・・ああ、おかえり。どうだった?

 

 

 

『・・・』

 

 

 

そう、クズだったから始末したんだ。・・・満足した?

 

 

 

『・・・!!』

 

 

 

もう少しいたぶりたかったって・・・子供好きだもんね、君。

 

 

 

『・・・!・・・!!・・・・・』

 

 

 

ああ、ストップストップ・・・しまさんと子供議論すると長いから、また今度ね。

 

 

そうだ、青鬼は?

 

 

 

『・・・』

 

 

 

うわ、食事中か・・・聞かなきゃよかった。それじゃあ、しまさんも疲れただろうからゆっくり休んで。

 

 

 

『・・・』

 

 

 

・・・うん、お疲れさま。

 

 

 

 

 

 

 




次話は三日後に投稿予定



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