ハルケギニアの[使い魔]光の戦士 作:シャイニングピッグEX
[私は本当いつになったら出番が・・・]
今回は出すから!安心して!
[そう言って出された覚えが無いぞ!]
次の日の朝、アニエスが急に零達の部屋に入って来た。
何でも、アンリエッタが誘拐されたという事らしいので、零とルイズは早速城に向かった。
「一体どう言う事なの!?姫様が拐われたって!」
ルイズは険しい顔をしてアニエスに言った。
「私の責任です・・。」
「それで姫様は?」
「現在、私の部下達が行っています。陛下をさらった賊はラグドリアン湖の方へ向かっているようです。」
「また何でそんなとこに?」
「とにかく、この件は表沙汰には出来ない為、我々十志隊とあなた方だけで陛下を奪還しなければなりません。協力して下さいますね?」
「当たり前よ。姫様の危機ですもの。放っておける訳ないじゃない!」
ルイズは力強く言った。
零も強く頷いた。
「では、お願いします。」
そう言ってアニエスは姫を探しに行った。
零達もガッツウィングに乗り込んだ。
「まだ、修理の途中なんだがね!?」
コルベール先生は零達に呼び掛けた。
「飛べれば問題ありませんよ。」
零はそう言って窓を閉めてガッツウィングを浮かせた。
『王宮から姫様が拐われるなんてね・・・。』
『この間も城にスパイがいるって事も聞きましたし、その人が手引きしたって事も考えられますね・・。』
操縦中で喋れない零のかわりにガッツ星人とペガッサ星人が喋った。
「私も聞いたわ。アンドヴァリの指輪も盗まれたって。」
『え?あれは水の精霊に返す約束じゃなかったの!?』
「うん・・・。その前に王宮で一旦預かっててもらってたんだけど・・。」
『確か、偽りの生命を死者に与えるマジックアイテムでしたよね?』
『そんな物、何に使うんでしょうか・・。』
「だから死者を操る為でしょう?」
『一体何に使うの?』
「知らないわよ。そんな事より急がなきゃ。ねえ、これもっとスピード出ないの?」
「何か調子悪いな・・。」
すると、機体の後ろが爆発して機体が揺れた。
「な、何やってんのよ!」
「し、知らねえよ!ちょっ、やばっ・・。」
少し落ちそうになったが、何とか立て直して飛行を続けた。
「姫様、大丈夫かしら・・。」
ルイズはそう言いながら窓の外を眺めた。
そして、雲が空をおおう頃、零達はガッツウィングと一緒に怪獣化したバードンの上に乗っていた。
その横にキュルケとタバサを乗せた竜も飛んできた。
「下・・・。」
タバサの声で一同は下を見た。
そこには、アンリエッタと死んだはずのウェールズを乗せた白い馬が森の中を走っていた。
「バードン!あそこに向かってくれ!」
「キィィーイ!」
バードンは零に応えるように一鳴きしてウェールズ達の前に降りた。
「姫様!ウェールズ皇太子!ウソ!?」
『皇太子さんは亡くなった筈ですよね!?』
「まさか・・!」
「アンドヴァリの指輪で!?」
そして、湖の上でウェールズ達を阻むようにしてバードンは着水した。
「姫様!」
ルイズはバードンの翼の端まで走って行ってアンリエッタに呼び掛けた。
「ご無事ですか!?」
ウェールズはアンリエッタの手を引いて別の方へ走ろうとするが、二人の前にはキュルケとタバサが立ちはだかった。
「姫様は返してもらうぜ!」
零はバードンから飛び降り、地面へ着地しながら言った。
しかし、ウェールズは余裕そうだった。
「おかしな事を言うねえ。アンリエッタは自分の意思で僕と一緒に来たんだ。」
「へぇー。じゃあその人形はなんだ?」
零は口の端を上げながら聞いた。
「え?」
ウェールズは自分の抱いているアンリエッタを確認した。
そこにいたのはアンリエッターーーではなく、アンリエッタを模した人形であった。
「いつの間に!」
「いやー、昨日は苦労したぜ。何せこう言う事があるかもなって思って作るかってなったらこんなに辛いとは思わないんだからさ。」
「じ、じゃあ本物はどこにいるの!?零!」
「ん。」
零はそう言って上に指を指した。
上には、アンリエッタを乗せたシルバーブルーメが浮いていた。
「しかしウェールズ、お前まさかアンドヴァリの指輪で蘇ったのか!?」
すると、辺りに雷鳴がなり始めた。
そして、ウェールズは不適な笑みを浮かべた。
「アンドヴァリの指輪か・・・。聞いた事があるな・・。死者に偽りの生命を与える、マジックアイテムだそうだな。本当だとすれば怖い話だ。」
そう言ってウェールズは不気味に笑った。
「姫様、あれはウェールズ様ではありません!亡霊です!」
零はアンリエッタに向けて叫んだ。
「しかし・・亡くなったのはきっとウェールズ様の影武者です。あの方は本物のウェールズ様ですよ・・。」
そう言ってアンリエッタはウェールズの元に駆けて行った。
「姫様!何を!?」
すると、辺りには雨が降りだした。
「さあ、ここを通して貰おう。」
「姫様!」
「何だかよく分かんないけど!」
「話しても・・・無駄。」
そう言ってタバサは氷の矢をウェールズに放った。
その氷の矢はウェールズの体を貫いた。
「・・・無駄だよ。君達の攻撃では僕を傷つける事は出来ない。」
ウェールズの体に空いた穴は全てキレイサッパリ消えた。
「ウェールズ様・・。」
「これならどう!?」
キュルケとタバサは魔法を合わせてウェールズに攻撃した。
しかし、ウェールズは魔法で防いだ。
「無駄と行った筈だ!」
ウェールズは魔法で二人を攻撃した。
「リュウセイ!」
[おお!]
零はリュウセイと呼ばれたISを瞬時に装着し、絶対防御で魔法を遮った。
「ふぅー、間一髪だったぜ。」
「零、あなたその鎧は・・。」
「これは後で話す。今はアンリエッタを!」
零に言われ、ルイズはアンリエッタの方を向いた。
「姫様!今のを見たでしょう!?それは偽りのウェールズ様なんです!」
「いいえ!いいえ!・・そんな筈ないわ!私を、このアンリエッタを永遠に愛してくれると!」
アンリエッタは頑なにこちらに戻ろうとしなかった。
「騙されては駄目です!」
「ルイズ!貴方は誰かを本気で愛した事がある!?」
「えっ・・?」
「本気で愛したら、何もかも捨てて、付いていきたいと思う物よ!・・だからどうか行かせて!ルイズ!」
アンリエッタは泣きながらも訴えた。
「いいえ姫様!お願い!目を覚まして!」
しかし、ルイズも譲らない。
「これは女王の命令よ。ルイズ・フランソワーズ。私の、貴女に対する最後の命令よ。道を開けて頂戴!」
そう言うアンリエッタの目は険しくなっていた。
「ふーん、ならこっからは俺の出番だな。レジスタンス、舐めてると痛い目見るぜ。」
零はリュウセイを装着したままルイズの前に出た。
「悪いが、寝言は寝てから言いな。そんなのは愛でも何でもない。」
「零さん、どいて下さい。もう決めたのです。私はウェールズ様に付いていくと!」
「・・・リュウセイ、準備は良い?」
[ああ、何時でも行けるぞgo。]
零は手にリュウセイ・エクスカリバーを手にした。
「命令に背くのがレジスタンスなんでね。通りたきゃ俺を倒してから行くんだな。」
そう言って零は剣を構えた。
「はあ!」
そう言ってウェールズは魔法を零に放った。
零は一気に飛び出し、魔法を切り裂いた。
「来ないで!」
アンリエッタも、持っていた杖で氷の魔法を放った。
「!!」
零はブレーキを掛けて氷に当たる寸前で止まった。
「零!」
「ウェールズ様には指一本触れさせないわ!お願い、私の邪魔をしないで!」
「・・・。」
「ルイズ!お願いだから手を引いて・・。」
「そうだ、そうした方が良い。」
ウェールズは杖を握るアンリエッタの手を握った。
「僕達はここを通りたいだけなんだ。」
二人の持つ杖から一つの風が起きた。
「水のトライアングルには風のトライアングルを!」
そして、巨大な魔法が零に向けて飛んできた。
「はっ!」
零は魔法の中へ飛び込んだ。
「くっ!抑えきれない!」
「零!」
すると、ルイズの横に浮いていたカリバーンが口を開いた。
「ルイズ、祈祷書を使ってみてはどうだ?」
「え?祈祷書?」
カリバーンに言われてルイズは懐から祈祷書を出した。
「何も書いてないわよ?あっ!」
すると、ルイズが開いたページに文字が浮かび上がった。
「ディスペルマジック?」
「それだ!解除だ!」
その時、ウェールズは杖を構えた。
「選ばれし王家の血のみに許される、ヘクサゴンマジック。誰にも僕達を止める事は出来ない。」
「ルイズ・・。」
そして、ルイズは魔法を唱え始めた。
「急いでくれ!向こうの魔法の威力が上がってる!」
零は風の中を通り抜けようと頑張っているが、風が強くて抜けられないでいた。
「呪文が完成するまで主人を守るのがお前の仕事だ、ガンダールヴ!」
「分かった!」
零は風の中から抜け出し、風を抑えた。
「そうだ、俺はゼロの使い魔だ!」
魔法の威力はどんどん上がっている。
「くっ・・!まだ・・・負ける訳には!」
零の片方の足が後ろに地面を抉った。
そして、ルイズの魔法の詠唱が終わり、その魔法はウェールズに直撃した。
「うああああ・・・!」
ウェールズは地獄の底から聞こえるような唸りをあげた。
そして、唸りが止むと同時に風の魔法も止んだ。
「・・・はぁっ。」
零は剣を下ろし、リュウセイを解除した。
そして、辺りにはアンリエッタの泣き声だけがしていた。
アンリエッタはウェールズの体を抱いて泣いていた。
すると、ウェールズは手を動かしてアンリエッタの顔に触れた。
「ウェールズ様!」
「アンリエッタ・・泣かないで!操られてたとは言え、僕がした事を許して欲しい、アンリエッタ。そして、誓ってくれ、アンリエッタ。」
そのウェールズの顔は先程とは違い、邪気が消え失せていた。
「何なりと誓いますわ。何を誓えば良いの!?」
「僕を忘れると。」
「・・・!」
「僕を忘れて、他の男を愛すると誓ってくれ。その言葉が聞きたい。このラグドリアン湖畔で、水の精霊の前で・・。」
そのウェールズの声は段々弱々しくなっていった。
「そんな事誓えませんわ・・。」
「お願いだ、アンリエッタ。」
「イヤ!厭です!」
アンリエッタは首を横に振った。
「嘘など言えません!誓えません!」
「僕にはもう、時間がないんだ・・。」
「ならば、どうか誓ってください。私を愛すると!永遠に愛すると!偽りのウェールズ様ではない、今の
ウェールズ様が誓ってくださるのなら誓いますわ!」
「出来る事なら誓いたいが・・・死んだ者が、永遠を誓う事は出来ない。アンリエッタ、許してくれ、アンリエッタ。三年前も、僕はその言葉を口に出来なかった。決して、結ばれる事のない運命だから・・。」
すると、ウェールズは急に苦しみだした。
「ウェールズ様!」
ウェールズの服には血が広がっていった。
「・・こうして君と会えて良かったよ、アンリエッタ。愛していた。君をずっと・・。」
そして、とうとうウェールズは動かなくなってしまった。
「ウェールズ様!ウェールズ様!」
アンリエッタの手から力無くウェールズの手が落ちた。
「お願い!目を開けて!ウェールズ様!ウェールズ様ぁー!」
アンリエッタは涙と声が枯れるまで泣き叫び続けた。
リュウセイが口を開いた。
[彼は、最後に真の心を取り戻した。これが本当の彼と姫との愛なのだろうな。偽りも真もない、二人の最後の愛だろう・・・。]
今回はここまでです。
リュウセイ良かったねー。
さあ、タグを追加しないと・・。