ハルケギニアの[使い魔]光の戦士 作:シャイニングピッグEX
目には目を、歯には歯を、大勢には大勢じゃあという謎の道理を思い立った次第です。
慈愛の巨人も出るよ!
零達は捕らわれた生徒達を救う為、作戦を練っていた。
「奴らは私達の存在を知らないもの。奇襲の鍵はそこよ!」
「彼らはプロなんだ!小細工が通用するような相手ではない!」
コルベール先生はキュルケを止めようと必死だった。
「先生は引っ込んでてよ!」
「しかし・・。」
「良いから、具体的な作戦を立てましょう。最初に誰かが囮になって飛び込んで・・。」
「ただ飛び込むだけじゃ、駄目。」
「敵の目を派手に引き付けなきゃ・・。」
「待ちなさい。」
「何よ!?」
「私ならこの事態を収拾できる。だから、ここは私に任せなさい。」
コルベール先生は強い意思を持った目で言った。
先生・・。」
「零君、手伝ってくれ。」
零はコルベール先生の後を追いかけた。
零と怪獣達は総力を上げて紙風船のような物を黙々と作り始めた。
「君の世界では、誰もが平等に技術を扱えると言ったな。」
「ええ。勉強なり練習なりすれば。」
「そうか、素晴らしい事だ。・・いつか、君の世界を見てみたい。」
コルベール先生は静かに、どこか哀愁を感じさせるような声でいった。
「先生、出来ました。」
「よし、行くぞ!」
そして、暫くして大量の紙風船は完成し、箱に詰めた。
コルベール先生と零はそれを持ってキュルケ達の元へ急いだ。
大丈夫、アニエス達が被害を食い止めてくれていると信じながら。
そして、零とコルベール先生は橋の下に着いた。
「零君、君と怪獣達が東に行くときにな、元の世界に戻ろうとするときにな。」
「はい。」
「私も連れて行ってくれ・・。」
「!!」
そして、二人は待ちくたびれてキュルケ達の元へ着いた。
「零!」
「悪い、待たせたな。」
「遅すぎ!」
「それなに?」
ルイズは零達が持った箱を見ながら言った。
「君達全員の力を借りる。」
コルベール先生は力強く言った。
早速零達は作戦を開始した。
キュルケとタバサは紙風船を膨らませて飛ばし始めた。
そして、零と怪獣達、ルイズ、コルベール先生は階段の下に隠れていた。
「良いな、あくまでも皆の救出が目的だ。敵を相手にするな!」
コルベール先生は小声で言った。
「分かりました。」
怪獣達は頷いた。
「よし!今だ!」
コルベール先生の合図でキュルケは飛ばした紙風船を一斉に爆発させた。
「今よ!」
キュルケの言葉に零達は一斉に飛び出した。
キュルケとタバサが敵の足止めをしている間に、零達は生徒達の救出を始めた。
怪獣達も戦い始めた。
しかし、キリがないと感じた零は、怪獣二人に呼び掛けた。
「シルバーブルーメ、ベムスター!」
「はい!」
「なーに?」
「兵士達全員食って良いぞ!」
「・・・。」
「「はーい!」」
そして、シルバーブルーメとベムスターは怪獣の姿になり、触手で補食したり、お腹の口で兵士達を食べていった。
「零!」
「アニエス!」
零はアニエスに落ちていた剣を渡した。
アニエスはその剣をキャッチした。
「作戦成功ね。」
「ちょっと荒いけどな。」
すると、急にキュルケとタバサが炎で攻撃された。
そこには、一人のとりわけ強そうな男が立っていた。
キュルケは杖に手を伸ばしたが、その杖を目の前で踏みつけられた。
「惜しかったな。」
「もしかして・・」
そのキュルケの声は恐怖で震えていた。
男は自分の目玉を取り出した。
「俺はあのとき目を焼かれて以来光が分からん。」
「な、何で、見える、の・・。」
「蛇は温度で獲物を見つけると言う。」
男は目を気味悪く動かし、キュルケの方に見えていない目を向けた。
「俺も炎を使う内にずいぶんと敏感になってな。」
男はキュルケの頭を掴んだ。
「温度で人の見分けすらつくのだ。」
「えっ・・!」
キュルケは恐怖で動けなかった。
「焼きたい・・。お前の焼ける薫りが嗅ぎたい・・!」
そう言って男はキュルケを持ちながら立った。
そして、キュルケを放り投げた。
「やだ・・!」
男は不適に笑い、杖を振りかざした。
そして、男は炎を放った。
その時、青い炎が男の炎をかき消した。
「先生!」
「コルベール先生!」
コルベール先生は男に向けて慄然と歩いていった。
「私の教え子から離れろ!」
男は一瞬怪訝そうな顔をしたが、その顔は狂気の笑顔に変わっていった。
「おお、お前は!お前はお前はお前は!探し求めていた温度だ!お前を探し続けていたんだぞ!なんと懐かしい!隊長殿!」
「何!?」
それを聞いたアニエスの顔が変わった。
男は不適に笑った。
「貴様、視力を失っていたのか・・!」
「そうさ、隊長殿のおかげでなあ!
「コルベール先生が、隊長?」
「先生・・。」
「先生?」
それを聞いた男は高らかに笑った。
「貴様が教師か!戦場で会わぬ筈だ!まさか教師になっていたとはなぁ!炎蛇と呼ばれた貴様が!」
「えん・・じゃ?」
「今は兎に角こちらに。」
ゼットンはキュルケを抱き抱えてテレポートした。
「そう、この男はかつて炎の蛇、炎蛇と呼ばれた使い手だ!女だろうが子供だろうが構わずに燃やし尽くした男だ!」
アニエスは目を丸くしてコルベール先生を見た。
「そして俺から両の目を、光を奪った男だ!」
残っていた兵士がコルベール先生に襲いかかったが、コルベール先生は咄嗟に反撃し、シルバーブルーメは飛んできたのを補食した。
「流石は隊長殿。腕は衰えておらぬようだ。そうだとも・・・そうでなくては!」
そう言って男は高笑いをした。
「零君、ミスヴァリエール、皆を連れて逃げなさい!」
「はい!」
零達は言われた通り生徒達の縄を切り、生徒達を脱出させた。
「こっちよ!」
「急げ!」
「あまり持たないと思うから!」
アギラとウィンダム、ミクラスは生徒達を出口まで誘導した。
その時、コルベール先生と男は激しい炎の対決をしていた。
そして、正体が分かり我慢出来なくなったか、アニエスはコルベールに切りかかった。
「引っ込んでろ平民!お前に用はない!」
「はあっ!」
二人は同時に炎を放ち、衝突した。
そして、アニエスがもう一度切りかかろうとしたのを狙い、男はアニエスに炎を放った。
コルベール先生はアニエスを押し、アニエスの身代わりとなって男の炎を喰らった。
「ぐおおおお・・!」
コルベール先生の体は炎に包まれ、唸るような悲鳴を上げて倒れた。
男は先程よりも高らかに笑った。
「隊長殿!焼け死ぬ気分はどうだ!」
コルベール先生は倒れながらも顔を上げた。
すると、アニエスはコルベール先生の首のアザに気付いた。
そのアザは、アニエスを助けた男のアザとよく似ていた。
「ずっとこの瞬間を待っていた!お前を焼き殺す日を!感謝しているぞ!隊長殿!」
「カン・・ジェイラ・・。」
「お前への復讐心で、俺はこんなに強くなったぞ!」
「ディ・・リョフ!」
コルベール先生は素早く立ち上がり、力を振り絞って男を攻撃した。
「流石だな、炎の蛇!」
しかし、男はその炎をかき消した。
コルベール先生はもう一度攻撃した。
しかし、炎は男には当たっていないようだった。
「今の俺は、あのときの若造ではない!俺の炎は!隊長を越えたのだ!」
そう言って男は炎を消した。
「あの頃の・・ままだ・・。」
「何!?」
「慢心は・・あの頃のままだな!」
そう言ってコルベール先生は最後の力を振り絞り炎を放った。
男は炎に包まれた。
「おのれぇ!」
男は炎に包まれながら、自分を包んだ炎を杖に吸収した。
男の炎の球はこれまでよりも随分大きい。
コルベール先生は立ち上がろうとしたが、力が残っておらず、座りこんでしまった。
そして、特大の炎を放とうとした時だった。
「我が故郷の恨み!」
そう言ってアニエスは男を刺した。
すると、炎の球は消え去り、アニエスが剣を抜くと同時に倒れた。
そして、アニエスはコルベール先生に近付いた。
「大丈夫か?」
コルベール先生はアニエスを見上げて、振り絞るようにして声を出した。
アニエスはコルベール先生を睨み付けていた。
コルベール先生はそれを見て安心したように微笑んだ。
「良かっ・・た。」
そう言ってコルベール先生は倒れた。
「何故助けたのだ・・ダングルテールを焼き払ったあの日・・。」
「間違いに・・気付いたのだ。」
「!!」
零達はコルベール先生に駆け寄った。
「コルベール先生!」
「先生!」
「先生!」
零達はコルベール先生を介抱した。
「退け!」
「どうするつもり!?」
「邪魔するな!」
そう言ってアニエスは剣を構えた。
「止めてアニエス!」
「お願い止めて! 」
「止めろ!」
零はアニエスの前に立ち塞がった。
「退け!私はこの日の為に生きてきたのだ!二十年・・二十年だぞ!」
「止めて!お願いだから!」
「退け!」
「・・・ミス・・ゼルプストー・・ど、いて、くれ・・。」
キュルケはコルベールの先生の声を聞いて退いた。
「アニエス君には・・私を殺す・・・権利が・・ある・・。」
「先生・・!」
キュルケの声は既に泣きそうだった。
「あの時、初めて罪に気付いた・・。命令に従うのは、正しい・・こ、とだと思っていた。でも、違う!例え戦争でも、人を殺すのは・・罪だ!アニエス君、私を殺せ。だが、これを最後に、もう、人を殺すのは、止めて、くれ・・。」
「貴様!何をヌケヌケと!」
アニエスはもう一度剣を高く振りかざした。
「アニエス!」
「止めて!」
「邪魔するな!」
すると、アニエスの目が紫に輝き始めた。
「邪魔するのなら・・貴様らも殺すっ!」
アニエスは姿を変えて行った。
「う、うあああ!」
アニエスは頭を抱えながら外に出て、姿を変えて巨大化した。
「あれは・・!?」
「ヤプール!」
「こいつの復讐の念は強い!こいつを利用・・・何!?」
「貴様らを一人残らず消す!」
ヤプールは復讐の念に駆られたアニエスに乗り移ったが、逆に体を乗っ取られてしまった。
それほど彼女の怨念と恨みは強いのだろう。
「キュルケ、タバサ、ルイズはコルベール先生を!早く!」
「ええ!」
キュルケ達はコルベール先生の遺体を運び、避難した。
零はゼノブラスターを取り出して振り上げた。
「消えろぉぉお!」
アニエスヤプールが校舎を壊そうとした時だった。
「セャッ!」
ゼノは間一髪のところでヤプールを蹴り倒し、なんとか校舎の破壊を防いだ。
そして、ゼノは立ち上がり、悠然と構えを取った。
アニエスヤプールも立ち上がり、構えを取った。
見ると、アニエスヤプールの手は片や剣で、片や銃の形をしていた。
「グウウウウッ!ハァッ!」
アニエスヤプールの声はアニエスの声にそっくりであった。
ゼノはアニエスヤプールの剣を受け止めたが、力が強く地面に叩き付けられた。
「グアッ!」
「私はずっと恨みを晴らしたかった!カゾクノ、トモノ、ムラノミンナノウラミヲ!ソレガキサマニワカルノカ!?」
そう言いながらアニエスヤプールはゼノに猛攻していった。
ゼノは受け止めるのが精一杯で、やがて攻撃を喰らってしまい、地面に叩き付けられ、倒された。
そして、アニエスヤプールはコルベール先生の遺体を持ったルイズ達の元に移動し、銃口をコルベール先生の遺体に向けた。
「シネ!ワガウラミヲイマハラス!」
そして、銃口から光弾を発射したときであった。
「シュワ!」
一つの光が人型に姿を変え、ルイズ達を守った。
そして、その光に色が付き、青い巨人となった。
「慈愛の巨人・・・コスモス・・。」
ルイズは以前見た本のことを思い出した。
「確か、蒼き巨人は怪獣を殺さず、全て生きて返したって・・。」
「ゼノ、久しぶり。」
「コスモス!」
「話は後だ。今は彼女を止めよう。」
「ええ!」
コスモスは赤いコロナモードへ姿を変え、そこから赤と青のエクリプスモードへ変身した。
「シュワーッチ!」
「セャッ!」
ゼノとコスモスは同時に構え、アニエスヤプールに向かっていった。
「ジャマヲスルノハダレデアロウトケシサル!ウアアアアッ!」
アニエスヤプールも二人の戦士に向かって走り出した。
ゼノとコスモスはアニエスヤプールの両腕を掴み、動きを抑えた。
そして、同時にアニエスヤプールに蹴りを入れ、安全な所に二人がかりで投げ飛ばした。
「セャッ!」
ゼノは走って勢いを付け、ヤプールにジャンプキックをいれ、その後ろからコスモスが拳を入れた。
アニエスヤプールは剣を奮い、ゼノとコスモスはバック転でかわして間合いを取って構えた。
「あれじゃあキリがない。ゼノ、君はあいつの動きを抑えてくれ。僕がそこにコズミューム光線を撃ち込む。」
「分かった!コスモスは準備しておいてくれ!」
コスモスは頷き、ゼノはアニエスヤプールに向かっていった。
「セャッ!」
ゼノはアニエスヤプールの光弾を弾き飛ばし、剣を掻い潜ってアニエスヤプールを羽交い締めした。
コスモスはそこにコズミューム光線を撃ち込み、ヤプールの要素だけが消えていった。
そして、ゼノはアニエスを地面に下ろし、ルナモードに戻ったコスモスとゼノは、フルムーンレクトとゼノレクイエムでアニエスの心を浄化した。
「ありがとう、コスモス。」
「彼女と取り憑かれた彼女が救われて良かった。しかし・・・。」
ゼノとコスモスはルイズ達の方を向いた。
そこには、動かなくなったコルベール先生の遺体の手を握って泣いているルイズ達の姿があった。
「・・・俺にもう少し力があれば・・。」
「僕は決して神ではない。届かない思いもあれば、助けられない命もある。君も、流石にそうはいかないだろう・・。助けられないのが残念だ・・。」
「・・・そうだな、コスモス。俺達だって決して全知全能じゃないしな。」
「でも、僕達だからこそ助けられる命もある。その事は忘れないでね。」
「コスモス・・!ああ!」
「ルイズ、キュルケ、タバサ、そして、あのアニエスにも。人は、憎しみなんかには負けたりなんかしない。人の心の闇は大きいけれど、その分光も大きいんだ。だから、決して、人を一時の感情だけで殺してはいけない。それは他の国の人の事も、怪獣も一緒だ。」
「・・・ええ。」
「分かったわ、コスモス。」
タバサも小さく頷いた。
そして、ゼノとコスモスは朝陽に向かって飛び去って行った。
次の日の朝、零は整備する人が居なくなったガッツウィングを一人磨いていた。
ルイズも近くで座っていた。
すると、その近くにアニエスが歩いてきた。
「アニエス。」
「ここにいたのか。」
「ああ。」
「昨日はすまなかった。」
「その事はもういいさ。」
「そうか。・・お前宛に手紙がある。」
「手紙?」
「コルベールの部屋を整理していたら、出てきたんだ。」
「俺、読めないんだ・・。」
座っていたルイズが立ち上がり、手紙を受け取って読み始めた。
「零君、この手紙は君が戦争に行かねばならなくなったときに、渡そうと思って書いている。君には話しておこう。私はかつて罪を犯した。その罪を購おうと思って研究に打ち込んで来たが、最近、思う様になった事がある。それは、罪を購う事は出来ないと言う事だ。零君、だから約束してほしい。人の死に慣れるな。戦いに慣れるな。殺し合いに慣れるな。零君、君は沢山の話をしてくれたね。君がいた世界の話を。私はその世界が見たい。いつか、連れて行ってくれ。・・これで終わりよ。」
「・・・ありがとう。」
零は手紙を受け取った。
「勝手なことを並べて・・。」
「先生の事、ずっと許せない・・?」
「・・・そんな事は分からない。だが、今までより何か楽になった気がしている。」
硬い表情のままアニエスは言った。
「アニエス・・。」
「・・・コルベール先生、零の世界に行きたかったのね・・やっぱり変わってる・・。」
「・・・。」
零は無言で涙を流し、宙を仰ぎ見た。
「泣かないで・・。」
「・・・そんな・・こと・・ねえさ・・。」
零の声は明らかに震え、嗚咽が混ざっていた。
「隠さなくて良いわよ。」
ルイズも涙を流しながら零に抱きついた。
倉庫には零の泣くのを我慢する声だけが響いていた。
今回はここまでです。
そう言えば私が今まで書いてきた話数を数えてみたらもう少しで100話行きそうでやんの。
正直ビビりました。
後、今日はコスモス15周年なのでコスモスを出しました。
どうやってここに来たかはセブンの時と同じです。
では、また次回!
『感想、リクエストも!』
『随時待ってるわよ!,』
『誤字、脱字とかの報告も宜しくお願いしますね。』
『ペガちゃんだけテンション低くない?』
『えっ?そ、そうですか?』