ハルケギニアの[使い魔]光の戦士   作:シャイニングピッグEX

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今回も前回の続きです。

三期最終回に当たり私がやりたかった零のパワーアップがようやく出来ます。

この日を何日待った事か・・・!それでは始まります!


零の暴走

ガリアを出発したその日の夜、零は一人目を覚ましていた。

 

眠れなかった訳ではない。

 

疲労ならたっぷり溜まり、今すぐにでも眠りにつきたい程だったが、そろそろ放置している場合では無いものをどうするか考えていたからである。

 

(・・・アニエスとの特訓の時には剣を持っていた右手が動いた時には右上部分のルーンが、そして今日は石から身を守る時明らかに人が出せる技じゃ無いものが手のひらから出て、その時は左部分上のルーンが光った・・・。)

 

【・・・その全てのルーンが光る時は何が起こるのだろう。】

 

(さあな。こればっかりは全部光らないと分からないし。その時はその時だ。)

 

【ふむ、何も無ければ良いのだが・・。】

 

[・・・。]

 

(どうした、リュウセイ?)

 

[・・いや、何でもない。]

 

(・・?ああ。)

 

ゼノとリュウセイと会話していると、木陰で読書をしているタバサを見つけた。

 

「タバサ、・・ずっと起きてたのか?」

 

「ううん、ちょっとだけ。」

 

「その本は?」

 

「イーバルディの勇者・・。思い出の本。」

 

「そうなんだ・・。」

 

零はタバサの本を後ろから覗きこんだ。

 

「俺も字が読めれば良いんだけどなぁ~。」

 

怪獣達は今は寝ているので教えてもらえない。

 

当の本人も読めるようにしようと思った気は無いのだが。

 

「・・教えてあげる。」

 

「え?」

 

「貴方は、命の恩人だから。」

 

「そんな・・俺は出来る事をしただけで・・。それに仲間は見捨てれないし・・。」

 

「恩返し・・。」

 

「イーバルディ・・。勇者の名前。」

 

タバサは一文の中の一部を指さしながら言った。

 

「こっちは?」

 

「ルー、助けられた少女の名前・・。」

 

「へぇ~・・。」

 

「昔、母さまが読んで聞かせてくれた・・。」

 

「零・・。」

 

すると、二人の前に悲しそうな表情をしたルイズが来た。

 

「ルイズ?どうした?」

 

「私・・私、魔法が使えなくなっちゃった・・。」

 

「え!?」

 

「どうしよう・・!?このままずっと使えなかったら・・!」

 

「きっと、連戦続きで疲れてるんだ。ちゃんと休めば治るはずさ。」

 

「いい加減な事言わないで!」

 

「?」

 

「カラッポなの!何も感じないの!」

 

「ルイズ・・なるほど、確かにこれはただ事じゃなさそうだな。」

 

すると、タバサが零に近付いた。

 

「魔法が使えないなら、私が守る。」

 

「・・・!タバサ?あ、アンタ、何いってんの?」

 

「零は私を助けてくれた。今度は私が零を守る。これは私の気持ちの問題・・。」

 

「ちょっと君達・・。こんな時間に何を騒いでるんだい?」

 

ギーシュが眠い目を擦りながら間の抜けた声で言った。

 

「て、敵襲なの!?」

 

その後ろでマリコルヌが焦っているのかいないのか分からない声で言った。

 

「大丈夫。追っ手は無い。」

 

マリコルヌの質問にタバサが素っ気なく答えた。

 

「ほ、本当?良かったぁ~。」

 

零達はもう一度眠りについた。

 

強大な闇が彼らを狙っているとも知らずに・・・。

 

 

 

 

次の日の朝、零達は馬車で国境に向けて出発した。

 

「龍を倒したイーバルディは、ど、どう・・。」

 

「洞窟。」

 

「洞窟の奥の部屋へと向かいました。」

 

零はタバサに手伝って貰いながら昨夜の本を音読していた。

 

「どうだ?ルイズ、結構読めるようになってきたんじゃない?」

 

『ええ、ここまで読めれば立派に暮らしていけますよ!」

 

『まあ、読める分には困りませんね。」

 

「・・・。」

 

しかし、当のルイズは手のひらを眺めるばかりで返事をしなかった。

 

そんなルイズを見て零はため息をついた。

 

「しっかし、不思議だ。タバサに教えて貰うとドンドン読めるようになっていくぜ。」

 

「それもガンダールヴの力。ガンダールヴの力に支配されると、身も心も変化すると言う話よ。」

 

「・・・!それホントなの!?ガンダールヴになると、身も心も変わっちゃうって!」

 

「それは貴女が一番良く知ってる筈。」

 

「・・・。」

 

「・・・?」

 

ルイズは何か思い詰めているようだった。

 

「・・零!」

 

「ん?」

 

「アンタ、ガンダールヴじゃなくなってその額のルーンが出たとき、どんな感じだったの!?」

 

「いや、どんなって言われても特に・・。」

 

「嘘!気持ちに何か変化があった筈よ!」

 

「変化、かあ・・。」

 

「じゃあ、どうして私と再契約したの!?」

 

「お前自身が読んだんだろうが・・。」

 

「私は真剣なのよ!」

 

「お~い皆~!見てくれ~!」

 

「お?何だ?」

 

零はマリコルヌのいる先頭部分から顔をだした。

 

「何だ何だ?」

 

「あれを見ろ。」

 

「?」

 

前方には国境の前の橋が見えていた。

 

「・・国境だ!」

 

「橋を渡ればもうトリステインだよ!」

 

「突っ走れなのねー!」

 

そう言いながらイルククウは元気よく拳を前につき出した。

 

しかし、零は辺りが暗くなったと同時に何者かが近付いて来るのに気が付いた。

 

「・・・どうやらそう簡単には事を進ませてくれないみたいだぜ。」

 

「ん?それってどういう・・。」

 

「馬車を止めろ!」

 

零に言われ、ギーシュは慌てて馬を止め、その直後に巨大な物体が零達の前に降り立った。

 

「・・・今回ばっかりは勝てるかどうか分かんなさそうだ・・。」

 

零達の前には、甲冑で身を包んだゴーレムが行く手を阻むかのように佇んでいた。

 

「お久しぶりね、ガンダールヴ。」

 

「・・・!シェフィールド!」

 

ゴーレムの肩にはシェフィールドが立っていた。

 

「まさかこのまま逃げ切れるって思ってたんじゃないでしょうね?」

 

「・・・!」

 

「シルフィード!」

 

「分かったのね!」

 

タバサに呼ばれたイルククウはマリコルヌを踏み台にして飛び上がり、シルフィードへと姿を変えた。

 

「奴らの狙いは私。隙を見て橋を渡って!」

 

そう言ってタバサは杖を取り、馬車を降りた。

 

「タバサ!」

 

そして、タバサは魔法の詠唱を唱え始めた。

 

「これは姫君、ご無事で何より。このヨルムンガンドと闘おうとは見上げた勇気よ。」

 

「ヨルムンガンド・・!」

 

タバサは詠唱が終わり、巨大な氷の塊をヨルムンガンドに向けて放った。

 

しかし、謎の壁のような物に防がれ、それは地面に突き刺さった。

 

「残念ながら貴方に用は無いの。邪魔よ!」

 

「ならば、僕達がお相手しよう!」

 

「!?」

 

「ワルキューレ、あいつをやれ!」

 

「炎よ!」

 

ギーシュとキュルケはヨルムンガンドに同時に魔法を放った。

 

「やった!」

 

「まだ!」

 

ヨルムンガンドは自分を囲っていた煙を払うために剣で強烈な風を放った。

 

その余りに強い風に立っているのが精一杯であった。

 

「ガンダールヴ、そろそろ切り札を出したらどうかしら。」

 

「切り札?・・・!」

 

零はすぐにルイズの事だと気が付いた。

 

「良いわ、分からないなら、そこの馬車を叩き潰すまでね。」

 

「そうは行かせるか!」

 

零は馬車から飛び降り、リュウセイを展開させて飛び立った。

 

「零!」

 

「出るな!奴の狙いはお前だ!」

 

「イヤよ!私も一緒に・・!」

 

「駄目ですルイズさん!」

 

「イヤ!離して!」

 

自分も行こうとするルイズをテファとモンモランシーが抑えた。

 

「マリコルヌは早く馬車を出して!」

 

「わ、分かった!」

 

マリコルヌはモンモランシーに言われ、直ぐ様馬車を出した。

 

「良いから離して!」

 

「ルイズさん!」

 

ルイズは二人の手を振りほどいて馬車から飛び降りた。

 

「零・・!」

 

 

 

 

「炎の精霊よ!」

 

「土の精霊よ!」

 

ギーシュとキュルケは協力してヨルムンガンドを土の中に閉じ込める作戦に出た。

 

「やったか?」

 

しかし、辺りに地響きが鳴り渡り、ヨルムンガンドを閉じ込めた岩にヒビが入り、ヨルムンガンドは自分を閉じ込めていた岩を破壊して脱出した。

 

「やっぱりダメみた~い!」

 

二人はヨルムンガンドの前から逃げ出した。

 

「俺が行く!」

 

零はそう言ってリュウセイ・エクスカリバーとカリバーンを上に構え、体を丸めて高速回転させてヨルムンガンドに向かっていった。

 

「無駄よ!」

 

しかし、奮闘虚しく零は弾き飛ばされ、地面を転がりながらも宙に戻って体勢を整え直した。

 

その直後にヨルムンガンドの剣が襲いかかるも零は素早くかわした。

 

「キャアアアアーーッ!」

 

突如悲鳴が聞こえ、その方向を見るとルイズがヨルムンガンドに捕まっていた。

 

「離して!離してったらー!」

 

「ルイズ!何で戻って来たんだ!」

 

零は素早くヨルムンガンドの手の元まで飛んだ。

 

「虚無の担い手・・。さあ貴女の力を見せて。虚無の担い手の本当の力を!」

 

「・・離してよ!卑怯者!アンタなんかに命令される筋合い無いわ!」

 

「自分の立場が分かってないようねぇ・・。」

 

シェフィールドは額のルーンを光らせ、ヨルムンガンドはさらにルイズをキツく握り締めた。

 

辺りにルイズの悲痛な叫びがこだましていた。

 

「ルイズ!」

 

零はリュウセイ・エクスカリバーを振りかざし、シェフィールドに向かって行った。

 

「無駄だと言った筈!」

 

零はまた透明の壁のような物に弾き返され、吹っ飛ばされた。

 

「うわああああ!」

 

エネルギーが切れたリュウセイが解除され、落下していく零を素早くシルフィードが背中に乗せて助けた。

 

「何!?」

 

「タバサ!」

 

「援軍。」

 

「え?」

 

二人の見つめる先にはオストランド号が飛んできていた。

 

「・・オストランド号!」

 

タバサは零の言葉に頷いた。

 

そして、シルフィードはヨルムンガンドの前を飛んだ。

 

「ルイズ!」

 

「零・・!?来ないで!」

 

「ルイズ・・?」

 

「・・・・・シェフィールド!アンタの欲しいのは私なんでしょ!?皆を巻き込まないで!」

 

そして、ルイズは杖を持って魔法を唱え始めた。

 

「ルイズ・・!お前・・。」

 

「煩いわね!アンタの面倒見てる暇無いの!傍に来ないでよ!」

 

「・・そんな事が出来ればとっくに使い魔やめてんだよ!」

 

零はジャンアックスを取りだし、ルイズを握っている手を攻撃した。

 

すると、手の甲のルーンと額の左上部分のルーンが光り、ヨルムンガンドに大ダメージを与えた。

 

ヨルムンガンドは思わず手を離し、零とルイズはそのまま落下していった。

 

それをシルフィードが受け止め、直ぐ様避難した。

 

「何で助けに来たのよ。人が折角時間稼いでたのに。」

 

「何言ってるんだよ、それは俺のーーー」

 

「どうして分からないの!?ただのゼロのルイズに戻っちゃったんだから、守って貰う価値なんて無いんだから!」

 

「何でお前を見捨てなきゃいけないんだよ?・・・お前、まさか自分を犠牲に・・?」

 

「・・・。」

 

「・・・全く、本当にうちのご主人様はバカ野郎だぜ・・。」

 

零はそう言いながらルイズを抱き締めた。

 

 

 

そして、シルフィードはオストランド号の元に降り立った。

 

零はすぐにシルフィードから降り、コルベール先生の元に駆け寄った。

 

「コルベール先生!これは・・?」

 

「大いなる槍だ。」

 

コルベール先生の後ろには巨大な砲台が置かれていた。

 

「何でこんな物が・・!」

 

「時間が無い!説明は後だ!」

 

零は頷き、砲台に手を置いて使い方を調べた。

 

「レイナールは照準を合わせて!少し重たいが持てない重さじゃない!」

 

「分かった!」

 

「ギーシュ、ギムリ、マリコルヌは三つのハンドルを回してエネルギー充填!」

 

「「了解!」」

 

「え、エネルギー?」

 

「早く行け!」

 

零達は早速砲台の準備に取りかかった。

 

「レイナール!標準修正50度!」

 

「了解!」

 

「エネルギー充填率70・・80・・90・・100!エネルギー充填完了!」

 

「待て、奴の装甲にはカウンターが掛かっている。解除するにはディスペルを砲台にかけるしかない!」

 

「ディスペル・・?」

 

零はルイズの方を向いた。

 

「ルイズ!」

 

「出来ない・・。」

 

「え?」

 

「出来ない!出来ないのよ!胸がカラッポなの!アンタはガンダールヴで、私が虚無の担い手だから仕えてるだけなんだわ!」

 

「ルイズ・・!」

 

「何の為の契約なの!?主人と使い魔なんて魔法が使えなくなったら終わりじゃない!」

 

「自分を信じろルイズ!」

 

「え・・?」

 

「俺がお前を信じるように、お前が俺を信じるように、お前はお前自身を信じろ!」

 

「でも・・・今はただのルイズなのよ・・?それをどう信じろって言うの・・?」

 

「大丈夫!俺が保証する!だからお前もお前自身を信じろ!可能性はゼロなんかじゃ無いだろ!」

 

「・・!」

 

すると、ルイズの体が青く光り、ルイズはディスペルを唱え、砲台にかけた。

 

「全員耳を塞げ!」

 

零に言われ、一同は耳を防いだ。

 

「デキサス砲、発射!」

 

その砲台から放たれた光線、デキサス砲はカウンターをものともせずに貫通した。

 

そして、数秒の静寂の後にヨルムンガンドは爆発した。

 

 

 

 

「・・・!?」

 

しかし、一同は目を疑った。

 

「そ、そんな・・・!?」

 

「確かにあの時・・!」

 

煙の中から現れたのは貫かれた場所にΦの文字を刻んで修正されたヨルムンガンド、いや、ファイヨルムンガンドが佇んでいた。

 

「なんと素晴らしい!あのお方の力はここまで凄まじいのか!やれ!ファイヨルムンガンド!」

 

ファイヨルムンガンドは目を光らせると、目から光線を放ち辺りを凪ぎ払った。

 

「ぐっ・・!」

 

零は腕で顔を守り、風が止んだ瞬間、辺りを見回した。

 

「・・・!」

 

周りの仲間は皆地面に倒れていた。

 

「れ、零・・。」

 

「ル、ルイズ・・ルイズ!」

 

「ハハハハハハ!哀れだねぇ!もう一度放ってあげようか!?」

 

零の拳は怒りで震え、辺りの空気も震えだし、地面の石や岩が浮き始めた。

 

「な、何だ?」

 

零の額のルーンが全て輝き、零の体にも変化が現れた。

 

「う、うおお、ウオオオアアアア!」

 

やがて、零の声は龍の雄叫びとなり、零の目は赤く光り、翼が生え、身体中が銀色の龍と化していった。

 

そして、零、いや、時空神龍アークは雄叫びをあげた。

 

「グアアアアアアッ!」

 

その様子を、ギーシュ達は見ていた。

 

「あ、あれが・・・零・・?」

 

「ウ、ウソ!?あれって伝説の・・時空神龍じゃないの!」

 

「零・・!?」

 

アークはファイヨルムンガンドの前に降り立ち、重たく素早い一撃を浴びせた。

 

そして、空中に浮いて口から青い光線を吐いて攻撃し、その後音速よりも速い速さでファイヨルムンガンドに体当たりをした。

 

その衝撃に思わずファイヨルムンガンドは尻餅をついた。

 

「グオオオオアアアアッ!」

 

そして、力を示すかのようにファイヨルムンガンドの辺り一帯に青い光線を吐いて焼き払った。

 

「な、なんて奴だ・・!」

 

「こ、こんな事が・・!」

 

「殺しますか!?」

 

「バカ言え!あいつは元は零だ!それに・・・あんな奴に敵いっこない・・!」

 

そう言うギーシュの脚は震えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

『お、おい、アイツ龍になってしまったぞ!?」

う~ん、本来なら自分の意思でなれる筈なんだけどなぁ・・?

『そんな事を言ってる場合か!』

『零様なら大丈夫だよ。きっと。」

『ゴモラ・・。そうだな。彼を信じよう。きっと大丈夫だ。』

ええ。零を信じましょう!

では、ゼロの使い魔三期最終回、こうご期待!



「感想、リクエストも!」

「随時待ってるぞ。」

「誤りや抜けている字があったら・・・報告頼む・・!」

「おーい、ワタル?」

「何泣いてんのよ。」

「だって・・・あの二人見てたら泣けてきて・・・ううっ・・。」

「ワタルさん、気持ちは分かりますけどもう少し抑えましょうよ・・。」

「仕方ねえだろう!?」
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