ハルケギニアの[使い魔]光の戦士 作:シャイニングピッグEX
「最早テンションがおかしいな・・・ま、まあ、本編始まるぜ!」
その夜開かれた舞踏会で、零はルイズと踊っていた。
が、しかし、そのルイズの顔は浮かなかった。
「ダンス、上手になったろ?どう?」
「え、ええ。そうね、まあまあね。」
しかし、ルイズはそれどころではなかった。
リーヴスラシルの能力で零が死ぬ。
信じがたい事ではあったが、あの二人はそう言っていた。
ロマリア教皇とジュリオの会話を、会場に行く途中聞いてしまったのである。
次の日の朝・・。
「零さん、ミスヴァリエール、朝ですよ~!」
シエスタは部屋の扉を開けた。
「昨日は遅かったみたいですけど、そろそろ起きて・・?」
ベッドの上には、熟睡している零と目にくまを作って座っているルイズがいた。
「おはよう、シエスタ。」
「ミスヴァリエール、どうしたんですか?」
シエスタは部屋に入ってルイズの元に近寄った。
「べ、別に・・。」
「何かあったんですね。」
「な、何も無いってば。」
シエスタは首を傾げ、ため息を吐き、口を開いた。
「嘘をつくのが下手だって事、そろそろ自覚してくださいね。」
「・・・実はね、零が・・。」
すると、扉をノックする音が聞こえ、二人は扉の方を向いた。
「失礼する。ミスヴァリエールは起きておられるか。」
その声の主はアニエスであった。
「え、ええ。」
「アンリエッタ女王がお呼びだ。ミスヴァリエール、ミスウェストウッド、それに零殿に至急来て頂きたい。」
「すぐ行くわ!」
そして、零はテファ、ルイズと共にアンリエッタの部屋に来た。
「失礼します。」
「よく来てくれました。零殿、ルイズ、それにティファニア。」
「どうかしたんですか?」
「・・戴冠式の後、ロマリアへお帰りになった教皇聖姫が、先程使者を寄越されました。貴女方三人に、至急ロマリアへ来て欲しいとの事です。」
「ロマリア?」
「実は・・火流山脈の麓にある村が、昨夜一晩の内に壊滅してしまったらしいのです。」
「えっ!?」
「「!!」」
「何があったんですか?」
「分かりません。ただ、何か大変な事が起こっているのは確かです。聖姫が貴方を必要とされると言う事は、もしかしたら・・。」
「・・!」
「・・。」
「大丈夫だろ?そんなに心配しなくても。」
「でも零・・。」
「とりあえず、行かないと話にならないし、行ってみようぜ。それに、教皇聖姫の頼みじゃ断れないし。」
「それはそうだけど・・。」
「では零殿、頼みます。アクイレイヤ付近の国境へ。ジュリオさんが迎えに来るとの事です。」
「はい!姫様!」
「シャルロット女王に、竜の手配をしましたので。」
「お待たせなのねー!」
そこに入ってきたのはイルククゥであった。
「お姉さまも心配してるのね。だから私が一肌脱いで、お前達をロマリアまで乗せて行ってやるのね。」
「おお!じゃあ、頼むぜ。」
「誇り高き銀竜の私がわざわざ送ってやるんだから光栄に思えなのね!」
「はいはい!イルククゥは元気で気持ち良いぜ。」
そして、イルククゥはシルフィードに変化した。
外には、シエスタが見送りに来た。
「気をつけて行って来てくださいね。」
「ああ。後の事は頼んだぜ。」
「あの、ミスヴァリエール。」
「?」
「私、難しい事は分かりませんけど、きっと大丈夫です!」
「・・!」
「またここに帰ってきたら、毎日美味しいご飯を食べて、お風呂に入って、ベッドの取り合いをしましょう?それで、皆で一緒に歳を取るんです。そうなるって信じていれば、絶対そうなります。」
「シエスタ・・。」
「だから、早く戻って来て下さい。零さんと、ミスウェストウッドと、三人で。」
シエスタはルイズの手を強く握った。
「・・うん!そうするわ。」
「「?」」
三人はシルフィードに乗り、ロマリアへ向かった。
「・・・きっと、大丈夫。」
夕方になり、零達は山脈にまで着いた。
「ジュリオのやつは一体どこにいるんだろうな~・・・ん?」
零は、オレンジ色の光を見つけた。
「夕焼け、でしょうか・・。」
「・・・違う!急いでくれ!シルフィード!」
シルフィードはスピードを上げ、その光の場所に向かった。
「・・・!」
その光景に零は言葉を失った。
そこは一面焼け野はらで、地獄の様な光景であった。
「町が・・・あれ・・まさか・・!」
「アクイレイヤだ!」
アクイレイヤの町は燃え盛り、その炎は全てを焼き尽くして行った。
零は逃げ惑う町の人を発見した。
「人がいる!早く助けないとまずい!」
零は怪獣達を怪獣の姿で出し、町の人達の救助に向かった。
「零!横だ!」
すると、右から竜の大群が押し寄せて来た。
「クエエエエーッ!」
バードンが火炎を吐き、竜達と交戦を始めた。
「すまない、バードン。シルバーブルーメ、竜達の対処を!」
バードンとシルバーブルーメが戦っている間にシルフィードはその場を離れた。
「奴らはどうやら気を失っている様だ。」
「何だって!?」
「・・?」
すると、ルイズは山から出る光に気が付いた。
「何だ!?」
零も山から出る光に気が付いた。
「零君、上昇しろ!」
次の瞬間、山から炎が放たれた。
「!!シルフィード!」
零はシルフィードに命令し、上昇して炎を避けた。
「一体何が・・!」
「落ち着け、零君!」
三人の元に颯爽と現れたのは、竜に乗ったジュリオであった。
「遅くなってすまなかった。」
「ジュリオ!一体何が起きてるんだ!?」
「説明は後だ!とにかく、ここから離れよう。・・残念だが、もう・・。」
「・・くっ!」
ジュリオの乗った竜は高く上昇し、シルフィードもそれを追うように上昇した。
「あの竜は一体何なんだ!?」
「ここ一帯にいた竜が全てああなってしまったんだ。この竜はなんとか、僕のヴィンダールヴの力で正気を保たせている。シルフィードは心配ないよ。銀竜は普通の竜とは違うからね。」
「でも、何でこんな事になっちまったんだ・・。」
「あいつの体から出ている鍾馗のせいだ。」
そう言ってジュリオは先程炎を放って来た影を指さした。
ここからでは二つ目が光っているだけで、姿は見えないが、これまでのとは桁違いの恐怖を零達に植え付けた。
ルイズも恐怖を感じたのか、零の服の裾を掴んだ。
「あれは一体・・!」
「伝説の古代竜、エンシェントドラゴン・・!」
その夜、零達はジュリオに連れられて教皇聖姫がいるロマリア大聖堂に来た。
「教皇聖姫、お連れしました。」
「皆さん、ご足労ありがとうございます。」
「教皇聖姫、私達、アクイレイヤが燃えていたのに、何も出来なくて・・。」
「・・あの怪物は、忽然と火流山脈に現れました。我々も急いで市民に呼びかけたのですが・・。」
「・・・。」
「教皇聖姫、もしかして、あれなんですか?聖姫が心配されていた世界の危機って。」
「!!」
「・・・!」
「ええ、恐らく。」
「!!」
「世界の危機について、古書には世界を燃やし尽くした大きな災厄、赤き大地の巨人が封ずとしか記されておらず、私を含め、幾人もの学者が研究に努めてきました。巨大な竜だとする説も一部にありましたが、確証にかけていたのです。しかし、それがはっきりした今、何を置いてもあの怪物を止めなければななりません。書物に書かれた巨人がいない今、虚無の担い手たる我々が、力を合わせる時なのです。これ以上の被害を出さないためにも。」
「・・・・・。」
「我々に策があります。ミスヴァリエール。」
「・・?」
「貴方の呪文、エクスプロージョンが要です。最後は貴方にお願いする事になるでしょう。」
「は、はい。」
「ですが、報告によれば、ドラゴンは攻撃魔法を跳ね返す鍾馗の壁。魔障壁を体に纏っているのです。まずそれを無力化しなければなりません。」
「それも私がディスペルで・・。」
「いえ、それは私が引き受けましょう。貴方の力は出来るだけ温存しておきたいですからね。ミスウェストウッド。」
「・・・。」
「貴方はドラゴンの下僕となった竜達に忘却の呪文をかけて、聖堂騎士達を守って下さい。」
「は、はい!分かりました!」
「そして、零殿。貴方にもお願いせねばなりません。使わせて頂きたいのです。貴方の・・リーヴスラシルの力を。そして、後もう一つあるのですが、それはその時にお伝えしましょう。」
「ああ。良いですよ。」
零は快く承諾した。
「ま、待って零。少し考えて。」
それをルイズが引き止めた。
「考える事はあんまり無いだろ。それに、皆が助かるなら俺は何でもします。」
それを聞いて教皇聖姫は頭を下げた。
「・・?」
「心から、感謝いたします。」
「・・・。」
「では、我々もオルチエの谷に向かいましょう。」
「ええ。急ぎましょう。」
そして、ジュリオと教皇聖姫はジュリオの竜に乗り、零達はシルフィードに乗り込んで谷に向かった。
「ドラゴンを谷間におびき寄せて、崖を崩して足止めするのか。魔障壁があっても、物理では勝てるって事だな。」
「零・・。」
「前見たいに、デキサス砲やロケットランチャーがあればな・・。」
「・・聞いて、零。」
「な、何だよ。」
ルイズは立ち上がり、零をじっと見つめた。
「教皇聖姫に協力するのを止めて。」
「・・今更何いってんだよ。」
「リーヴスラシルの力は使わないで!」
「使うなって言っても・・あれを使う事で虚無の力が増えて・・。」
「その代わり零の命が削られて行くの!」
「・・・!?」
「リーヴスラシルの力は回復する事はない。使い果たした時、その使い魔は死んじゃうのよ!」
「死ぬ?そんなまさか・・。」
「教皇聖姫が言ってたの!きっと確かだわ・・!」
「・・・成る程。死をも顧みないと倒せないってか。リーヴスラシルって、そう言う事か・・。」
「零・・。」
そう言ってルイズは零に抱きついた。
「あいつは私だけの魔法でどうにかするから。貴方を死なせたりしない・・!」
すると、後ろで聞いていたテファが姿を現した。
「テファ・・?」
「私、何て事を・・!私が零さんを使い魔にしてしまったから・・!」
「あ、あのねテファ・・。」
「全部私のせいだわ・・ごめんなさい!」
そう言ってテファはどこかへ行ってしまった。
「・・・。」
すると、巨大な竜の咆哮が辺りを震わせた。
「!!」
「怯むな!やつは時期来るぞ!」
「いつでもこい!」
「聖堂騎士の力見せてやれ!」
そう言って兵士達は己を昂らせた。
「・・ルイズ。やろう。」
「・・!」
「この闘いで死ぬかもしれないのは俺だけじゃない。死くらいで怖じ気つくわけにもいかないしな。」
「でも、零・・。」
「大丈夫。俺は死ぬために戦うんじゃない。生きる為に戦うんだ。だから、絶対に生きて帰る。」
「零・・。」
「零君、そろそろ時間だ。準備は良いかい?」
谷の向こう側からジュリオが聞いた。
「ああ。いつでも良いぜ。ルイズ、テファを頼んだぜ。・・・大丈夫。俺はまた帰ってくる。」
「零・・うん!」
一同は二手に別れ、ルイズとテファは竜達を元に戻しに、零、ジュリオ、教皇はドラゴンを倒しに行った。
そして、教皇はドラゴンに向けて魔法を放ち、魔障壁を取り除いた。
「おお・・!」
「浄化の魔法か・・考えたな。」
「本来は癒しの力だから、悪しき存在には攻撃以上の効果があるんだ。」
「ええ。私の持つ虚無魔法です。では、零君、お願いします。」
「はい。」
零は教皇に手を置き、胸のルーンを光らせて教皇に力を与えた。
そして、下僕の竜は全て飛び去り、ジュリオは竜をドラゴンに近寄らせた。
「始祖ブリミルよ・・力をお貸し下さい・・!」
そう言って教皇は魔法の力を強めた。
すると、零の身体にも異変が起き始めた。
「ぐっ・・・!」
「零!」
「零君!」
「だ、大丈夫だ・・!続けてくれ。」
すると、ドラゴンの額から第三の目が出現し、ジュリオ達が乗っている竜を操った。
「上昇しろ!動くんだ!」
しかし、竜は言う事を聞かず、ドラゴンの元に近付いて行った。
それを待ち受けるかのように、ドラゴンが口を開き、炎を吐く準備をした。
「・・!」
「零!私を使え!」
零の背中からカリバーンが行った。
「分かった!」
零はカリバーンを引き抜き、教皇の前に出てカリバーンを構えた。
そして、ドラゴンは炎を放った。
零はそれをカリバーンで吸収し始めた。
「ぐっ・・くく・・!」
「零・・すまないがどうやら私はここまでの様だ・・。」
「・・!」
「最初会った時はまだまだひよっ子だったが・・今じゃ立派な面向きだ・・!」
「お、おい!嘘だろ!?」
「さらばだ・・ガンダールヴのレジスタンスよ・・。」
そう言った次の瞬間、炎を吸収し終えたと同時にカリバーンは砕け散った。
そして、それと同時に零の身体は空中へ投げ出された。
「零君!」
「嘘・・だろ・・カリバーン・・。」
そこにシルフィードが飛び込み、零を受け止めて上昇した。
「零!しっかりして!」
そして、ロマリア教皇を乗せた竜は、ドラゴンの口の中へ消えた。
今回はここまでです。
一眠りしたら何とか正気に戻りました。
それでは、また次回!
「感想、リクエストも~!』
「随時お待ちしておりますよ。」
『誤字や脱字があればいつでも報告を頼むぞ。』
『ねえ、聖姫さん。』
「ゴモラさん、何でしょう?」
『さっき食べられなかった?』
『ああ。あの口の中に・・。』
「確かに死にました。が、本編に出れない以上、こちらに出ても構わないでしょう?」
『まあ、確かに・・。』
『死んですらいないのに出番が無い私達って・・。』