ハルケギニアの[使い魔]光の戦士 作:シャイニングピッグEX
シルバーブルーメ大活躍!
また今回も零少しキャラ崩壊するかもです。
今日も今日とて零は冷たい水の中で洗濯をしていた。
「あー、さびぃ・・・。手が・・。」
すると、後ろからシエスタが近付いてきた。
「おっす、シエスタ。」
「どうも。」
シエスタは、洗濯を手伝いながらシルクの洗い方を教えてくれた。
「シルクは陰干しにしてくださいね。はい。」
そして、シエスタは零に洗濯桶を渡した。
「助かったぜ。一応経験はあるんだけど、どうにも慣れなくて。」
零は頭を掻きながら言った。
「そう言えば、零さんはどちらの出身なんですか?」
「う~ん、何と言えば良いか・・。簡単に言えば、別の世界。とても遠くのな。」
「あの、零さん・・。」
「ん?」
「・・ありがとうございます!」
シエスタはいきなり零にお礼をした。
「え?」
「何があってもめげないし、ただの冒険者なのに貴族に立ち向かったり・・・そんな零さんに沢山勇気を貰いました。零さんのおかげで、私これからも頑張れます。」
「・・・なんかよくわかんないけど、ありがと。」
「お休みなさい。」
「あ、おう。」
そして、シエスタはその場を去って行った。
その背中はどこか寂しげだった。
『・・・彼女、何か思い詰めてるんじゃない?』
「ブルーメ・・。」
スマホの中からシルバーブルーメが話しかけてきた。
『誰にだって悩みはある物だよ?また明日相談にでものってあげれば?』
「・・・そうだな。」
そして、零は廊下を歩いていた。
「しっかし・・・あんなシエスタを見るのは初めてだな・・。」
すると、キュルケがまた部屋の中から出てきた。
「うわあ!」
「あら。」
「・・・忙しいんで、帰らせて貰いまーす・・・はは。」
零がその場を立ち去ろうとした時だった。
「ねえ、この間アタシが買った剣だけど。」
「あの光って大きい奴か?」
零は立ち止まって聞いた。
「アタシには不要だし、折角買ったんだからプレゼントする。」
「良いのか!?」
零はキュルケの方に移動した。
「勿論よ。兎に角、中で話しましょ?」
キュルケは、零の腕を自分の胸に触れさせながら言った。
「う~ん、まあ、いっか。」
零は部屋の中に入った。
そして、零はキュルケが買った剣を見た。
「・・・見た目は悪くないな。見た目は。」
「遠慮しなくて良いのよ。」
「て言うかルイズがいるし。」
「ヴァリエールなんて気にしないで。アタシの愛の証なんだから。」
「・・一つ聞いて良いか?」
「何?」
「いつも山程男がたかってんのに、何で俺なんだ?」
「あなた、アイツラに無いもの一杯持ってるもの!比べ物にならないわよ。」
「・・・例えば? 」
零は疑いの目でキュルケを見た。
「えっと・・育ちが悪そうな言葉使いや仕草とか、見た目とか・・。」
「・・・・・。」
零はスマホからゼットンとバードンを出した。
「・・どうしました?」
「あら?なにそいつら。」
零はキュルケの言葉を無視した。
「・・・二人共、怪獣の姿でアイツが死なない程度に燃やして良いぞ。」
「ちょ、待って!アタシ何か気に障る事言った!?」
「言って良いことと悪い事があんの!」
そう言って零は剣を返してルイズの部屋に戻ろうとした。
そこをキュルケがひき止めた。
「じゃあじゃあ、これはどう?」
キュルケは宝箱のような物から指輪をだした。
「これは?」
「タリスマンのリングよ。凄い貴重なんだから。」
「いらない。」
キュルケは今度はピアスを出した。
「じゃあこれはどう?キクイドリの血のピアス。」
「使わない。」
今度は本を出した。
「じゃあこれは?この本!ウチの家宝なのよ!」
「だから、いらないっつってんだろ。物に簡単に吊られる俺じゃない。愛って言うのはそう言うことじゃ・・うわあっ!」
零が部屋を出ようとした瞬間、キュルケが抱きついてきた。
「逃がさない・・。」
「ああ・・・またかよ。」
「愛の狩人、ヴォン・ゼルプストーの血が騒ぐわ。」
「狩人って・・。」
「アタシ、仕留めるのが困難な獲物ほど燃えるの。」
キュルケは胸を押し付けながら零に迫った。
「だ、誰か・・。」
その時であった。
扉が開き、そこにはルイズが立っていた。
「ル、ルイズ・・。」
「ワンパターンの登場ね。」
「帰るわよ、犬。」
「ち、ちょっと待って。半分ほどスイッチが・・。」
「帰るわよ!」
「は、はい。」
零はなんとか立ち上がり、ルイズの跡を着いていった。
「あれほど言ったのにまたのこのこ誘いにのるなんてバカすぎるわ。」
零はルイズに正座させられていた。
「面目ない。話を聞くだけ聞いて帰ろうとしたら襲われちまってよ・・。」
「アンタがあの剣で良いって言ったんでしょ。それに、護身用に買った剣でしょうが。」
「いやー、ホントに面目ない。」
「たわけ!あのような飾りの剣など使えるか!」
カリバーンが言った。
「エサに釣られてのこのこ着いていくような使い魔は改めてお仕置きが必要ね・・。」
そして、ルイズはムチを取り出した。
「・・確かに、キュルケの言う通りワンパターンだな・・。」
零は苦笑いしながら言った。
「この馬鹿犬ーっ!」
「でもこれには慣れなーい!ぎゃあああっ!」
次の日、零はルイズに言われ、他の使い魔と共に待ってることにした。
「はあー・・・暇だ!」
零は待ちきれず、廊下を歩いていた。
すると、突然肩を叩かれた。
「よおー!我らの拳!」
「どわあ!」
そこにいたのはマルコニーだった。
「我らの拳、また厨房に来な。」
「あ、はい!」
「いつもすみません。食べ物をご馳走になって。」
「遠慮はいらねえよ。どうせ貴族連中の残り物だ。」
「そういや、シエスタは?朝から姿が見えないんだけど・・。」
零は辺りを見渡しながら言った。
「?」
「ああ、シエスタは食事を作る仕事じゃないし、いつもいる訳じゃ・・。」
「お前、シエスタから聞いてねえのか?」
「え?止めた!?」
零はマルコニーから話を聞いた。
「ああ。急遽モッド伯に仕える事になってなあ。今朝早く、迎えの馬車で行っちまったんだ・・。」
「・・・・。」
「結局、平民は貴族の言いなりになるしかねえのさ。さ、仕事仕事!」
そう言って、マルコニーは調理場へ行った。
「モッド伯爵は王宮の勅使で、時々学園に来るわよ。いつも偉ぶってて、私は好きじゃないけど。」
ルイズは髪をとかしながら言った。
「でも、何でシエスタがそんな偉い奴の所に?」
「貴族が若い娘を名指しでってことは、普通自分の目かけになれって事を言っている。そんな事も知らないのか?」
「似たような事は経験したことあるけどさ・・・。あんときは楽勝だったし、何か影響があるわけでも無かったからなぁ・・。」
零は以前、宇集院の事を思い出した。
「そう言う話も聞くわね。貴族も色々いるし・・。」
零は外へ向かった。
すると、またギーシュがモンモランシーを口説いていた。
「下品で悪いね。浮気者には言われたかないけど。」
「零!き、君はまた人の恋路の邪魔を!」
「そんな事するわけないじゃん。ちょいと聞きたい事があってよ。」
「え?」
「よし、着いた。ありがとう。シルバーブルーメ。」
「走れば良かったじゃん。」
シルバーブルーメは怪獣の姿から人の姿に変えながら言った。
「それもそうなんだけどね。」
「誰だ!」
すると、横から槍を持った男に見つかった。
「げ・・。ちょっとさ、モッド伯って人と会って良いかな?」
「何かと思えば下らぬ事を・・・帰れ!わざわざ平民と面会に応じてやっただけでも有難いと思え。」
「頼む!シエスタを学院に戻してくれるなら、俺はなんだってする!」
「・・お前はシエスタとどのような関係なのだ?」
モッド伯は零に問いかけた。
「シエスタは・・俺の大切な仲間なんだ!・・・職場違うけど・・。」
「フン、学院の使用人か。」
「そ、そういや、貴族が名指しにするのって、愛人とか、そう言う類だって聞いたんだけど。」
「シエスタはモッド家の正式な使用人だ。使用人をどう扱うかは主の自由。」
伯爵は髭を撫でながら言った。
「やっぱり!」
「だからなんだと言うのだ。名もなき平民が私のような高級貴族に奉仕することはこの上無い名誉ではないか。」
「ふざけてんじゃねえ!シエスタが断れねえことを良いことに好き勝手しやがって!」
二人の兵士が槍で零を抑えたが、零は槍を片手で同時に折った。
そして、その槍を地面に叩きつけた。
「てめえみてえな髭親父は地獄に落ちろ!」
しかし、伯爵は怯まなかった。
「貴様!平民の分際で貴族を侮辱するか!」
そう言うと、伯爵は杖を取った。
「そこへなおれ!」
「やめて零さん!」
そこほ入って来たのはシエスタであった。
「シエスタ!」
「伯爵!この者の無礼をお許し下さい!」
「ならぬ。下様な平民の無礼を捨て置いては、ルール・ド・モッドの名が廃る!そこをどかぬか、シエスタ!」
「出来ません!」
「何?」
「モッド伯、お願いでございます!私はどのような罰でもお受けいたします!」
「シエスタ!ダメだ!」
「・・ふむ、零とやら、貴様何でもすると申したな。それは真か?」
「え?ああ。」
「私は書物のコレクションが趣味でな。実は欲して止まぬ本があるのだ。」
「何の本だ?」
「ある魔法使いが魔法の実験中に偶然何処から召喚したという本だ。それをゲルマニアの名家が家宝にしているらしい。その娘が学院に在籍しているのだ。」
「ゲルマニア?確か聞いた事が・・。」
「平民のお前が見知っているかは知らぬがゼルプストー家の娘だ。」
「ゼルプストー・・・キュルケの事か!」
「シエスタを返して欲しくば、ゼルプストー家の家宝を持って来るのだ。」
零はシルバーブルーメを外で出した。
「出番だ!」
「ラジャー!後で美味しい物頂戴ね!」
「幾らでもくれてやる!」
シルバーブルーメは変化し、怪獣の姿になって上に乗れる位の大きさになった。
零はそれに乗り、学院に戻った。
ルイズが見えた気がするが、スルーして行った。
そして、真っ直ぐキュルケの部屋に行った。
「ウチのお宝?ああ、アレ。」
キュルケは杖をかざし、箱から昨日の本を取り出した。
「タバサじゃあるまいし、興味無いから、鍵を開けた事も無かったわ。」
「なんにせよ、助かったぜ。」
「因みにこの本、殿方の欲情を駆り立てる効果があるんですって。」
「あの髭親父が欲しがる訳だ。ま、助かった。」
零はキュルケの抱きつきを華麗にスルーし、外に出た。
「ここ三階よ!?」
しかし、零は慌てず、シルバーブルーメを出して向かった。
「急ぐぞ!」
シルバーブルーメはそれに応えるように最高スピードを出した。
そして、数分と掛からずにお屋敷に着いた。
「何処か入れる場所は・・。」
「誰だ!」
兵士らしき男性に見付かり、零は伯爵のもとへ連行された。
「離せよ!」
「離してやれ。」
伯爵の命令で、兵士は零の腕を離した。
「ったく、来てやったのにこの扱いは無いだろ。」
「平民風情に宝を差し出す崇高な貴族などおらん。お前が足掻くのを楽しみたかったのだが、諦めの早い奴だ。つまらん。」
「諦めた訳じゃねえ。俺はレジスタンス!反逆位訳ねえ!」
零はリュウセイ・エクスカリバーを出して構えた。
すると、二人の兵士が伯爵を衛るようにして槍を構えた。
「剣を抜いたな?」
そして、伯爵も杖を構えた。
「お前のような愚かな平民は初めてだ。」
「言ってろ!俺はそんじょそこらの奴とは違うんだ!」
「私の二つ名ははとうのモッド。トライアングルのメイジだ。」
「魔法なんて関係ねえな!」
モッドは置かれていた花瓶を倒し、水を出してその水を操って零にぶつけた。
「はあっ!」
零は水を切り裂いて攻撃を掻き消した。
「何!?だが、こんな事も出来る。」
伯爵は水を氷の槍に変え、零に飛ばした。
「この程度!」
零は目にも見えない速さで氷の槍を全て粉砕した。
すると、その時であった。
「零!」
ルイズが入ってくるなり爆発を起こした。
辺りには煙が立ち込めた。
「ルイズ・・。」
その後からタバサとキュルケも入ってきた。
「学院の門弟もレベルが落ちた物だ!オールド・オスマンに厳罰を要請せねばならん。」
モンド伯爵は腕と膝を組みながら言った。
「急を要した物で、許可なくお屋敷に侵入したした事はお詫びいたします。そして、使い魔の始末は主人であるルイズ・ド・ラ・ヴァリエールの不始末です。どのような罰でもお受け致します。」
ルイズは片膝を付きながら言った。
「ルイズ・・・。」
「王宮の管理に剣を向けた事は重罪に値する。家に類が及ぶ事も覚悟しておくのだね。」
「待ってくれ、悪いのは俺だ!」
すると、キュルケが押し出ようとする零を止めた。
「モッド伯爵、これで手を打ちませんこと?」
キュルケは服の中から例の本を出した。
「申し遅れました。私キュルケ・ホン・ゼルプストーと申します。」
キュルケは御辞儀をした。
「ゼルプストー!?ではそれは!」
「はい。わが家の家宝、召喚されし書物。」
「おおーっ!」
「どうぞ。」
キュルケは鍵と本を渡した。
そして、伯爵は本の鍵を開け、シエスタは返して貰った。
「って、エロ本じゃねえか!」
「エロ本?」
「要するにいやらしい本のことだよ。」
そして、零達六人は学院に戻った。
「本当にありがとうございました。」
シエスタは深く礼をした。
「ま、これくらい訳ないさ。とは言っても、キュルケがいなけりゃヤバかったけど。」
「でも、零さんが頑張ってくれたから・・!」
「別に大したことじゃ・・。」
すると、シエスタは零の頬にキスをした。
「お、お休みなさい!」
そう言ってシエスタは走って行った。
「お、おう。」
すると、ルイズが通りかかってきた。
「あ、あのさ。」
「部屋に戻るわよ。」
「ありがとう、ルイズ。その・・ごめん。」
「少し黙ってて!これからアンタにどんな重い罰を与えれば良いか考えているんだから!」
「あ、やっぱり?」
「当たり前でしょ?ムチ打ち百回じゃ軽いわねえ・・。あ、ご飯抜き死ぬ寸前までもありか。」
「・・え!?ちょ、嘘だろおい!少しは情けを!」
「無理。」
「そこをなんとか!」
「ダメ!無理!」
「そんなあ~!」
「柊零・・・以前よりも強くなっているが・・・今の僕には敵わない。絶対に。」
紫のフードを被ったその男は姿を消した。
はい。本来なら二話に分けるところなんですが、一話にまとめました。
次回その続きです。