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始まりの日
薄暗いバーの中で黒いコートに金の装飾を付けた男と同じコートを着ている少年が睨みあっていた。
「ようやく見つけましたよ師匠・・・・・・」
「アレンか?」
男がドアから漏れる光で良く見えない少年の顔を目を細めつつ問いかける。
「ええ、散々僕から逃げ回って・・・・・・」
「今日こそはアンタが作った借金全額払わせますからね師匠っ!!」
ダンッ、とテーブルを叩きながら口火を切った。
「っち、ばれちまった」
「ばれちまったじゃないですよぉおおおおおおおおっ!!何でアンタの借金がいまだに僕の所まで来るんですかっ!!」
「だって弟子だし?」
「弟子に借金を押し付けるなっ!!僕はそんな事一度もやった事はありませんよっ!!」
「うるせえ。俺は俺、お前はお前だ。俺は弟子に借金を押し付ける奴だったってことだ」
「何堂々と胸張ってんですか師匠っ!!このろくでなしっ!!」
「ああ、俺はろくでなしだ。だが何が悪いっ」
「開き直るなっ!!とりあえずこれはあなたに返しますからねっ」
男に持って来ていた紙の束を押し付けバーから出て行った少年に男がやれやれと首を振る。
「ま、強くなったなぁアレン・・・・・」
男のまなざしは成長しつつある息子を見る父親の様に優しげだった。