D.Gray-man 少年元帥の物語   作:亀さん

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マテールの亡霊 1

 

マテールの街を丘の上から見下ろしながらアレンは呟いた。

「一、二、三、四・・・・・・・。アクマが沢山いますね・・・・・・」

「見えるのか?」

「いえ生まれつきアクマが分かるんです。急ぎましょう、アクマが一匹レベル2に進化しています」

「っち、厄介な事になりやがった」

二人は荷物をファインダーに預け、二人は走ってマテールの街に向かう。

 

 

「ほらほら、さっさとぶっ壊せ!!」

他のアクマに命令しているのは人型の形を取った怪物。

それはまだ息があるファインダーを踏みながら老人と子供を守っている結界が崩れるのを待っていた。

 

踏まれてるファインダーは途切れそうな声でしゃべる。

「無駄、だ・・・・・・。もう、エクソシストが来る・・・・・・・・・。お前ら何かに、イノセンスは・・・・・・・渡さない・・・・・」

「あぁ?シネシネシネシネッ!!」

アクマはファインダーの言葉が癇に障ったのか彼がひき肉に変わるまで踏み続けた。

 

 

「さ~て、そろそろカ?」

ゆっくりと結界に近づき、結界を破壊しようと腕を振り上げる。

 

「待て・・・・・・」

「あぁ?」

一人のファインダーが何とか足止めしようとそのアクマに向けてたった一基の結界発生装置を使い閉じ込めようとする。

 

「こんなん、レベル2にはきかねえヨっ」

簡単に結界を破壊すると、アクマは猛スピードでそのファインダーに近づきがファインダーを殺そうと足を振りかぶる。

「シねッ!!」

 

だがアクマはファインダーを捕らえる前に横から音速を超えた速度で伸びてきた鋼の左腕によって防がれる。

「させないっ!!」

そのままアレンは腕を振るいアクマのガードごと薙ぎ払う。

 

「ッ!?そうか、お前が・・・・・・」

その腕の爪を防いだ自分の手の平がボロボロに崩れてるのを見てアクマはニヤリと笑う。

 

 

「エクソシスト、はっけ~ん!!」

 

 

ニヤニヤと笑うアクマを前にしてアレンは思う。

「(うわ、バカっぽい・・・・・)」

内心ひどい事を言いながらアレンはファインダーを背中に庇うように立つ。

 

 

「あ、ありがとうございます」

「イノセンスは?」

「あそこの結界内に」

「分かりました。あなたは神田の所に行ってイノセンスの事をっ!!」

「はいっ!!」

駆けだしたファインダーを援護する為にアレンが数体のレベル1のアクマを破壊してファインダーを逃がした。

 

「ん?もう一人いたのカ?まあいい、マズはお前をコロすからな」

アクマは跳躍すると距離を詰め、アレンを殴り飛ばす。

そのパワーはただ殴り飛ばしただけで飛んで行ったアレンが壁を数枚も突き破る様を見て大喜びをした。

「ヒヒヒヒヒヒッ!!紙くずみたいに吹っ飛びやがった」

 

 

そんな中、向こうでアレンがゆらりと立ち上がる。

「ごほっ・・・・・」

「まだ生きてんのか」

アクマは瓦礫の中で立ちあがるアレンに向けて再度攻撃を仕掛ける。

 

「くっ・・・・・」

アクマは自分の攻撃を捌くだけで下がっていくアレンにイライラとしながらドンドンと追撃をしていく。

「おらおらっ、さっさとシネよッ!!」

「(そうだ、そのままこっちに来い・・・・・)」

アレンにイノセンスから引き離されているとも思わず、アクマは唯、新しく手に入れた自分達を狩る側であったエクソシストをなぶれる程の戦闘力に酔いしれていた。

 

そんな中、アレンがぼそりと呟く。

「さて、そろそろですかね?」

十分アクマを引きつけたアレンはようやく反撃に転じる。

 

さっきまでとは一転、アレンは素早い身のこなしと、左腕をうまく使いアクマをどんどんと追い詰めていく。

「なぁッ!?さ、さっきまで全然つよくぅ、なかったノニ!!」

アクマが必死にアレンの左腕を避け始めるが、ボディのいたるところに大小の傷が出来ていく。

「くそっ!!おいっこいつをやっちまえっ」

このままでは危険と思い、空中を漂いながらイノセンスを探していたアクマに命令してアレンに砲撃させる。

アクマの血で出来た弾丸が何十もアレンに降り注ぐが、全てを防がれ避けられ、砲撃していたレベル1のアクマ達は皆同様に左腕に引き裂かれた。

 

「・・・・・・まぁ、ずいぶんと逃げ足は速いですね・・・・・・」

アレンはずっとむこうを猛スピードで逃げていくアクマの魂を見て呆れつつ、神田と合流する為に移動し始めた。

 

 

「なんなんだアイツ・・・・・?メチャクチャつえーじゃねえか!!」

先ほどのアクマが街の反対側まで逃げて、やっと安心して愚痴り始める。

「あんなんにどうやって勝てるってんだヨ」

そんなアクマの前にある少女が物陰からゆっくりと出てきた。

 

「おい、アクマ・・・・・」

「ッ・・・・・。ノア様・・・・・・」

そこには褐色の肌に額に浮かぶ十字の聖痕を持った少女が棒についた飴を舐めながら立っていた。

 

「なんでここにいる訳?お前等はイノセンスを取りに行かされた筈だよねぇ?」

「そ、それが・・・・・。エクソシストの一人にメチャクチャつえー奴がいて・・・・・」

「ふーん。勝てないんだ?ならここで自爆する?」

「いえっ!!い、今は少し疲れたので休憩していたんです」

「そっかぁ。てっきりそいつを恐れて逃げたのかと思ったよ」

「そ、そんなわけは無いデスよ、ただあの白髪頭をどうやって殺してやろうかと・・・・」

 

「・・・・・分かった、そういうことにしといて上げる。そうだ、いい事を教えてあげるよ。アクマはレベルアップすると個々に自我が出来るとともに新しい能力が使えるようになるんだ」

それを使ってみたら?と褐色の肌をした少女は言い残し、突然現れた扉を潜って行った。

 

アクマは不思議そうに自分の手のひらを見つめた。

「能力・・・・・・?」

するとあることに気が付いたアクマがニヤリと笑う。

 

 

「まってろよあの白髪頭ッ!!」

 

 

アクマは雄たけびを上げながらアレンに反撃するため、イノセンスを手に入れるために動き始めた。

 

 

「あれ・・・・・・?」

そんな中、アレンは見覚えのある道に首をかしげていた。

アレン・ウォーカー

所持スキル:不幸A、迷子B、イカサマB、戦闘続行B

ちなみに迷子スキルがBだと知らない場所で一人になると必ず自力では辿り着けない。

海賊王を目指す少年の仲間である某剣士も持っているマイナススキルである。

 

「迷ったぁ~~~~~~ッ!!」

 

アレンが頭を抱えていると服の中から金色のゴーレムが出て来た。

「って、ティム?何でここに・・・・・・」

師匠のとこにいたんじゃ、と思っているとティムの口がパカッと開き、空間に映像が映し出された。

『馬鹿弟子。どうせ内容が決まった任務なんかに行ったらお前が迷子になるだろうからティムを付けてやる』

「くぅうううううううううっ!!」

師匠の有りがたい心配(顔はどうだ、当たっているだろと言わんばかり)にアレンは地団駄を踏む。

だが事実ではあり、その心配のおかげで何とか合流できそうな事に安堵したアレンはティムの先導について行った。

 

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