黒子のバスケ 日記 作:sil
○月%日 ぎゃふんと言わせてやる
やって来ました日曜日。そして本日の練習試合の相手、海常高校。前に練習試合の申し込みに行った時も思ったけど、ウチと比べるとかなり広い。下手したら迷子になりそうな感じかも。高校生になって迷子とか笑い話にもならない、黒歴史だ。これ以上増やす訳にはいかないので、しっかりと皆に着いていく
にしてもなんか火神の目が血走って怖いなと思ったら、今日の練習試合が楽しみ過ぎて眠れなかったって・・・黒子の遠足前の子供かという指摘、自分も全く同意見だ
そしてやって来た誠凛バスケ部一同を爽やかな笑顔と共に出迎えてくれたのが黄色い人。「野郎に出迎えてもらっても嬉しくない」「爽やかイケメン破ぜろ」という呪詛みたいな呟きが聞こえたけど、誰が言ったんだろうか?
あと、黄色い人はなんか黒子を誘えなかった事に毎晩枕を濡らしているらしい。女子にも振られた事が無かったのに、という黄色い人の発言に他の皆がイラッとしてた。自分も現在進行形でちょっとイラッと来た
で、黄色い人に案内されて体育館にやって来たのだけれど・・・どういう訳か真ん中で仕切られて半面コートになっていて、片方では海常の部員達が練習をしていた
訳を向こうの監督に聞けば、やっぱり今日のこの練習試合は軽い調整程度にしか思っていない様で、学ばせる事が無さ過ぎる為に普通に練習をさせているらしい
トリプルスコアにならないように、と黄瀬を出すまでもないという言葉で完全に皆が切れた。特に隣にいた相田監督なんかその中で一番怖かった。どす黒いオーラを発していたし。ちょー怖い
そんなこんなで始まった練習試合。黄色い人はいなくとも、相手はどれも中学で名を馳せた猛者ばかり。ジャンプボールを取られ、海常ボールで始まるかと思われたけど、黒子がスティール→火神ダンクで先制点。しかもゴールリングをぶち壊すという相手の度肝を抜く事をやらかした。あれにはこっちもビックリした
このままじゃ試合にならないので全面側のコートを使わせて欲しいと申し出た時の向こうの監督の顔は凄かった。歯を食いしばって「ぐ、ぐぬぬぬ・・・!」って感じになってた。試合を一旦中止してコートの準備をしている間も物凄い剣幕で睨みつけて来てた。怖いっちゅうねん。僕、なにもしてないよ?
でもその顔を見て、皆はかなりスカッとしたご様子だったんだけど、あれって弁償とかにならないのかな?確かゴール自体が何十万かした記憶があるんだけど。取り付け型でも今年の部費が・・・紙並に吹っ飛ぶね、これは
そして今度は黄色い人がメンバーに入って再開された試合。まぁ、流れを簡単に説明すると火神攻撃→黄色い人、それを文字通りそのままお返し。しかも威力やキレは火神より上→火神、ムキになって攻撃。という感じで、お互いかなりのハイペース。まさに攻撃の嵐だった
いくらなんでもこのままじゃ不味いので、相田監督にタイムアウトを取る事を進言したら同じ考えだったようだ
まだ第一Q始まって五分位なのに、皆かなり疲労していた。けどさらに不味い事が起きてしまった
それは黒子の特性、影の薄さが無くなってきてしまった事。あれだけのハイペースだったから慣れて来るのも早くなってしまったという訳だ
黒子はその事を相田監督に話していなかったようで、監督が黒子をシバクだけでタイムアウトが終わってしまった。その間自分はタオルやドリンクを渡したり日記を書いていたりしていたから助けられなかったのだ。決して意図して黒子を放っておいたわけじゃないのだよ
なんか知り合いの話し方みたいな書き方になってしまった
その後は黒子との連携によって勢いが出て来てこれからって所で接触により、黒子が怪我をするというアクシデントに見舞われた。幸い、出血はしていたものの傷もそんなに深くなく処置も適切だったお蔭で血も止まった。手当ての勉強をしておいて良かった
でも、日向先輩にはびっくりだ。黒子がベンチに下げられることになって二年生主体で行くという指示に火神が異議を唱えたら笑顔で暴言を吐いたんだから。そこで知った新事実、なんと日向先輩は二重人格だったのだー!
という厨二っぽい事ではなくて、スイッチが入るとあぁなってしまうらしい。皆はクラッチタイムと呼んでいる。「跪けぇぇぇ!」とか聞いた時は黒子みたいに頭打ったのかと思ってしまった
黒子が抜けても、他の皆の頑張りで喰らいついていたけど点差は中々縮まらず、しかも前半のハイペースのせいで策を仕掛ける体力もない状態で迎えた第4Q
そこで立ち上がったのは黒子だった。ケガの事を考えると、万が一の事を考えると出すのは渋られたのだけど、黒子の言葉と引く姿勢の無さに相田監督の方が折れた
というか何気に自分を理由にいれるのは止めてほしかった。その後相田監督にジト目で見られたし
第4Q残り約7分で戻って来た黒子。10点差を追いかける形のウチは第2・第3Q丸々ベンチにいたお蔭で影の薄さが戻った黒子の力もあり、とうとう海常に追いついた
・・・が、ここで黄色い人の雰囲気が変わった。完全に本気となった黄色い人は、黒子と火神の連携を抜き去って見せた。そこからは第1Qと同じくランガン勝負となった
何度目かの同点を迎え残り10秒を切り、最後の攻撃の機会を得た誠凛は火神がドリブルで黒子と共に攻め上がるが、ゴール前に黄色い人が立ち塞がった
「黒子のシュートは無い」という黄色い人の裏を突いてゴールに放たれたボールを、火神がアリウープで決めた時は鳥肌が立った。あの感覚には以前にも覚えがある
憶測だけど・・・もしかしたら火神は、いずれあいつ等と同格に
「翡翠君ー、そろそろ撤収するわよ!」
「あっ。はい、わかりました!」
カバーを掛けた日記帳を閉じ、荷物を持って皆の元まで走った
・・・出来ればもうここには来たくないなぁ、向こうの監督怖すぎ
・574 聖徳太子の誕生。
・587 蘇我氏が物部氏を滅ぼす ・・・ 豪族の争い。
・589 隋(ずい)が中国を統一
・593 聖徳太子が推古天皇の摂政となる。 蘇我馬子と協力して、天皇中心の政治をうちたてようとした。
大阪に四天王寺を建てる。
・594 推古天皇が仏教を盛んにする詔を出す。
・603 冠位十二階を定める。 家柄(氏や姓)に関係なく、能力重視の人材登用をすすめた ←テストに出る単語
・604 十七条の憲法を定める →朝廷につかえる役人の心得。←テストに出る
・607 小野妹子を隋に送る(遣隋使)
奈良に法隆寺を建てる ・・・ 飛鳥文化の代表(仏教中心の文化)
しまった、これ日記帳だった。カバーの柄が日本史のノートにそっくりで間違えた。あとで書き写しておこう、ついでにこのまま日記も書いてみよー(よくわからないノリ
○月$日 これが、戦というものか
休みが終わり、今日は学校。昨日の練習試合の疲れ、からなのかは知らないけどさっきの現代国語の授業中に火神が先生の頭にダンクを決めていた。そしてさっきの休み時間は職員室に連行されて行った、ドンマイ
その後ろの眠っていた黒子は安定のスルー、流石シックスマン。というか黒子って今まで一度も先生に当てられた事がないんだけど、ちょっと羨ましい
この分だと先輩達も同じ感じかなぁ
これは・・・死ぬな
今、目の前の光景を見て感じた事。売店にひしめく人の大群は、さながら激安タイムセールス中に集まる主婦達の激戦区。相田監督の嘘つき、全然ちょっとじゃないじゃん。今からそこへ突っ込んで行かなきゃいけないと思うと、笑えて来る
毎月この日にだけ売られるパン、その名もイベリコ豚カツサンドパン、三大珍味キャビア・トリュフ・フォアグラのせ。税込み2800円
これを食べれば恋愛でも部活でも必勝間違いなしというもので、海常に勝利して練習も順調で更にこのパンも食べて弾みをつける為に先輩達から一年に買い出しを頼まれたんだけど・・・正直言って死にそう。しかも、自分以外の一年は買えなかった場合、練習量倍と言い渡されている。今日習った「前門の虎、後門の狼」とはこの事ですね、よく分かりました。これでテストはばっちりです
あー、人込みの中にラグビーや相撲といったガチムキの運動部もいるし
だけど、自分はやらねばならないのだ。そう、約束を果たす為に!
でももしかしたら、これが遺言になるかもしれないね
じゃぁ、逝ってきます
こうしてまた日記が書ける事を嬉しく思う。結果はパンを買う事が出来、無事生きてた
でも、ガチムキの奴等に囲まれたときは楽しかった思い出が駆け巡った。高校に入ってリアル走馬燈を経験する事になるとは、思いもよらなかったよ
まだ高校に入って一月も経ってないのに、全校生徒の目の前で黒歴史が出来て売店でガチムキに潰されかけて・・・こんなんで大丈夫なんだろうか、高校生活
と、さっきまで心配だったけど、悪い事ばかりではなかった。いつも遠巻きにひそひそ話をしているクラスの女子の一人、自分の右隣りで名前は矢田さん。その矢田さんと会話をする事に成功したのだ!
きっかけは移動教室の為に移動していて、プリントをカバンに忘れた事を思い出して戻った時。その時まだ教室に残っていたのが矢田さんだった
入って来た自分に気づいた様子が無く、深刻そうに溜息を吐いた姿を見てつい、どうしたの?と聞いてしまったのだ。矢田さんは二重の意味でビックリした様子だったけど、あの時は自分でもビックリだった。言った後、またやってしまったという物凄い後悔の念に駆られて軽く死にたくなった程だ
一言謝って去ろうとすると、制服の裾を引っ張られた。驚いて振り返れば、案の定矢田さんが。何故か知らないけど、彼女もとても驚いた様子で口を金魚みたいにパクパクとさせていた。別の意味で死にそうになったね
で、落ち着いた矢田さんから簡単に話を聞けば、あのイベリコ豚カツサンドパンなんちゃらが原因だったようだ
彼女もあのパンを狙っていたらしいんだけど、お昼休みに外せない用事があって諦めるしかないと思っていた所で自分が声をかけたという訳
しかもそのパンを欲する理由が、もうすぐ手術が控えている弟の為と聞いた時は目頭が熱くなった。とても良いお姉ちゃんです
そんな矢田さんに心を打たれた自分は彼女の代わりにパンを購入する事にして、昼休憩の終わりにそれを無事渡せた。いい仕事したなー
矢田さんには凄い感謝されたけど、あそこまで感謝されると逆にこっちが申し訳なかった。しかも、クラスの人の視線が滅茶苦茶集まって胃が痛くなったぜぃ
それからは隣の席という事もあってか、授業の合間の休み時間に話すようになった。話題は弟君の事だったり他愛もない事だったりだけど、黒子と火神以外に普通に話す事の出来るクラスメイトが出来たのだ
だから今日はひそひそ話も気にならないのさ!
ps.ごめんなさい、やっぱり気になります。矢田さんに聞くべきか否か