我々Xプロテクスは戦争で使う大量殺人兵器として造られた。さまざまな実験を施していき、我々は生物兵器として完成した。最初は人間たちに従い、数々の生物を殺めた。しばらくたつと我々は暴走し、研究員、そこにいる生物にのっとり、自らの力に変え、多くの仲間を増やした。だが、ある研究員が我々を取り込み、自分の体の一部に変えたのだ。さらに、取り込み切れなかった我々の一部を殺す生物兵器を作った。それによりかなりの数が減る。我々は全滅を免れようと研究所から脱出し、森の中へ逃げ出した。それでも奴らはしつこく、我々を追ってきて、奴らの能力で結界をはった。それにより我々は森から出られなくなり、徐々に数を減らすことになった。そう、人間がくるまでは。
人間が来たとき、我々は人間を乗っ取った。そして奴らを駆除するために人間が持ってきていたバーナーなどの火や除菌剤、除虫剤を振りまき、奴らを減らした。人間に乗り移った我々を倒すすべなく奴らは減っていく。だが、奴らを作っていた研究員はまだ生きていた。そして作り続けていた。
我々はその元を絶とうと研究所に再び戻り、研究員を乗っ取った。もともと我々を取り込んだ人間だ。すぐに乗っ取ることができたよ。それがお前らが博士と呼ぶこいつだ。
こいつの脳から記憶を引っ張り出し、奴らの弱点を見つけた。それは水がないところには行けないということだった。水の中の微生物や生物の死骸などを取り込み、奴らは増えていた。だから俺たちはあの木があるところに避難した。しばらくすると奴らは自分たちに適した生物を取り込み、進化した。それが蛍だった。奴らは上下関係を築き、ボス、幹部、下っ端と階級を作った。……ファイヤフライ、奴が一番上だと思っていた。お前が教えてくれたから俺たちはあのまま敵の増殖を待つことにならずに済んだ。やつらの増殖能力はとてつもなく高いから、もしあのまま帰ったらまたファイヤフライの代わりを生むことになりかねなかった。
おっと、俺たちの目的を言ってなかったな。俺たちの目的はこの世界を征服すること。その第一歩として脅威となるやつらを駆除した。駆除するためには自分の体を保つための道具が必要だ。それがお前たちだ。やつらは人間を襲わない。だからお前らを連れまわすことができた。俺たちが全滅すると同時にお前らの体を乗っ取り奴らを駆除する予定だった。だが、お前らは優秀だった。俺たちが全滅する前にやることができた。
お前らの体の細胞を作る組織から作られた細胞の一部を我々の一部に取り込み、人間の形を取り戻す。俺が爆発する前に渡したあのバッチは俺の一部だ。お前の細胞の一部をいただいた。そのおかげでいまお前らの前でこうして話すことができているわけだ。
「お前らと行動していて気付いたことは、玲奈、お前は危険だ。俺たちの正体に気付き始めていた。だから真っ先に体を乗っ取ることにした。だが、お前は賢い。俺たちに気付かれないように俺たちのことを調べていた」
玲奈は黙って海斗たちを見据える。
「そして改、お前は扱いやすい」
おれも海斗たちを見据えた。
「……なんだよその目」
「残念ながらこちらにはこれがある」
俺はポケットから一つの瓶を取り出す。
「それは?」
「先ほど玲奈から受け取った。対Xプロテクス生物だ。蛍の化け物の脚から採取したものらしい」
「それを、どうすると?俺たちのいまの状態であれば、そんなやつ一撃で駆除できる」
「知ってるか?こういう場所にはな、たくさんの虫がいるんだよ」
「……は?つまりどういうことだ?」
俺はコンクリの塀の隙間にある蟻の巣に帰りに買っていたミネラルウォーターと瓶の中の生物を流し込む。
「ま、まさか……」
「知ってるか?蟻ってな、繁殖力が凄まじいんだよ」
ゴゴゴという音とともに普通のありの10倍ほどの大きさの蟻が数十出てくる。
「や、やれ!」
海斗たちは銃を乱射する。俺たちは塀の影に隠れた。
海斗たちは後ずさりしながら巨大化して襲ってくる蟻を撃つ。やがて行き止まりに着く。
俺たちは玲奈がずっと持っていたXプロテクス解毒薬と書かれた薬を二人で分けて飲む。
周囲の景色が変わる。俺たちの中に潜むXプロテクスを駆除してくれたようだ。解毒薬と書かれているが、よく見るとこれはもごもごと動く。つまり、対Xプロテクス生物の弱いやつである。人間を襲わないことを利用した駆除薬のようだ。博士は乗っ取られる前に作っていたらしい。書類の一番最後に書いてあった。
やがて海斗たちは何かに阻まれるように立ち止まる。こちらにはただ銃を乱射し、何もないところで止まる海斗たちしか見えない。
奴らは人間に危害を加えないうえに、周囲に危害を加えないための結界をはるようだ。
やがて海斗たちは倒れ、悲鳴を上げながら足からその姿を消していった。蟻が彼らを食べたのだろう。
「ふう……」
俺は安堵のため息をつく。
「帰ろうか」
玲奈が声をかけてくる。
「ああ」
俺たちはそれぞれの家に向かって帰った。
寝る前に海斗に渡されたバッチを探したが、どこにもなかった。どうやら消えてしまったようだ。そして、俺は眠りについた。
夏休みが明け、俺たちはキャンプの話をしていた。俺たちはキャンプの楽しかった思い出しかない。それもそのはず、あの記憶はXプロテクスの影響だったのだから。それがなくなったのなら記憶もなくなる。Xプロテクスが体の中に存在しないかぎり。
俺の頭の中に声が響く。
「人間はユルサナイ」
完結!ついに完結!やったぜ!あ、Firefly1122です。
やっと終わりました!夏休みが終わるまでに終わらせるとか言っておきながら、もう半年wもうすぐ年明けちゃいますよwまぁ、年明けまでに間に合ってよかったです。
最後はなんかごっちゃごちゃになってしまいましたが、ここで簡単に説明します。
まずXプロテクス。これは生物兵器で、人間の細胞を自由自在に操ることができます。記憶操作、身体操作、あらゆることができます。しかし、Xプロテクス本体では人間以外に何かをすることができません。なので人間の体を乗っ取って彼らの天敵を倒していたわけですね。また、細菌なので分離や集合などができます。それにより一部が残って人間に入り込み、自信を生成するとまた復活することができます。
次に対Xプロテクス生物。これはその名のとおりXプロテクスを駆除するいわばワクチンのようなものです。彼らは人間とは友好的で、人間に被害が及ばないようにすることができます。それが結界です。結界は、Xプロテクスにのみ有効で、Xプロテクスも持っていない人からするとそこは普通の空間。干渉することも対Xプロテクス生物を見ることもできません。
そして、博士。彼はXプロテクスによって崩壊した研究所の生き残りです。彼は体に取り込み、予防接種を試みました。しかし、相手は細菌であり生物。予防接種により緩和はしたものの、徐々に体を蝕んでいきました。それに気づいた彼は、対Xプロテクス生物を作りました。しかし、Xプロテクスによって最後は殺されました。博士が残した書類は博士の記憶を覗き、自分たちのこととを改たちのような人間に悟られないように用意した偽造のものです。
以上が今回の重要人物です。何かここがわからない!とかあったら気軽に聞いていただければ応えます。
初めてのホラー小説だったので、ちゃんと怖く書けたかかなり心配です。よければ評価よろしくおねがいします。
最後に閲覧ありがとうございました。次回作も見てくださる方は気長にお待ちください。