資格勉強の息抜き、ダクソ3のクリアした勢い、スランプ脱却を目的とした作品です。
主人公は放浪者、ヒロインは誰得なあの人。
原作前に始まり原作前に終わります、話もオリジナルメインでいつかぶん投げると思います。
第一話 新生
––––––––––指先から、身体がソウルの粒子になって行く。
俺の身体が王のソウルによる熱に耐えられなくなったのだろう、その証拠に胸のダークリングを中心に全身に炎が吹き出してやがる。
俺は負けた、最期の最期に奴の前で気を許し、一撃で形成をひっくり返された、まぁ俺に相応しい終わり方だ。
そう思いながら背中を向けて去って行く好敵手の姿を眺め、俺は灰になった筈だった。
「なのになんで俺は生きてんだよ……」
目が覚めたら何処か見知らぬ土地の路地裏に倒れていた、そもそも火の炉でくたばった上に、王のソウルに魂まで焼き尽くされた筈だ、生き返れる訳はねぇんだが一体全体どうなってやがるのやら。
しかも周辺の建物は完全にロードランのそれらとはかけ離れている、技術レベルが桁違いな事が一目で分かるほどのものだ、時空の歪みに飲まれて未来に来ちまったってか? 笑えねぇ冗談だ。
取り敢えず身体は十全に動く、得物はロードランに足を踏み入れた初期に使っていたシミター、コンポジットボウ、それに呪術の火が残って居る、戦闘面は問題ないとして状況の把握が必要だなこりゃ。
そんな事を考えながら通りに出ようとした時だった。
「きゃん!!」
「あン?」
考え事をしていたせいか黒髪の子供と出会い頭にぶつかっちまった、まぁ死を確信してた状況で目を覚ましたんだ仕方ねぇわな。
「あたた、は、鼻打っちゃった……」
「あー、大丈夫か?」
「あ、はい、全然バッチリ大丈夫です、ゴメンなさい考えごとしてて……」
「俺も似たようなもんだから謝んな、むしろ謝るのはこっちだ」
実際普段の俺なら人の気配を察知して避けてた筈、我ながら情けねぇなと思いながらも目の前の子供に手を貸して起き上がらせてから今度こそ街中に溶け込んで行った。
その後一月かけて街の構造を頭に入れて行ったのだが、完璧にロードランとは別世界だと言うことが分かった、正確には気の遠くなる程先の未来っつーか、まあそんな所か。
先ず分かっていた事だが技術レベルが桁違いに高い、ロードランでは考えられ無い物ばかりであり、おかげ様で恥をかいちまった。
生活水準も跳ね上がっている、貧富の差はあれどロードランの様な物ではない、あのドブネズミにも劣る生活をしてる奴は一人もいなかった。
スラム街で犯罪に手を染めながら生きて来た俺にはこの世界は酷く場違いな世界に見える。
ミッドチルダ、それがこの世界の名前だったか、一昨日この世界の字を覚えてから昨日までぶっ通しで歴史書やら技術書なんかを読み漁っていた所為でいまいち覚えてねぇ、つーか未だに太陽信仰は存在するのな、あのバカ共も根強い事だぜまったく。
太陽の信徒、そーいやあの野郎も太陽の信徒だったか、するってーとこの世界は彼奴が創った世界か? だがそれだと俺が生きている意味が分からん。神の力を手に入れた奴が俺を蘇らせたなら話は別だが、俺は王座を争った間柄だ、生き返らせる意味はねぇ。そもあの戦いは俺たちの因縁を断つ戦いだった、態々生き返らせる真似なんぞ奴がする訳が無い。
「チッ面倒くせぇ、いっそ死に直してやろうか、ぐだぐだ考えているよりはそっちのが手っ取り早ぇだろうしな」
「ちょっ!? こんなお日様ポカポカのお天気な日に何物騒な事言ってやがるんですか!?」
俺の独り言に後ろから慌てた様なツッコミが入る、振り向くのも面倒な為、そのまま空を見上げていたんだが、声の主はそのまま俺の前に回り込み膨れっ面を晒す。
「そんなネガティヴ発言はダメですよ!! と言うか今日も会いましたね旅人さん」
「煩えぞ
そう、声の主はこの間ぶつかったガキ、此奴は何故か俺が行く先々居やがる上に毎度毎度犬みたいに寄ってきやがる、アレだ知り合いを街で見かけたら用が無くても声をかけるタイプって奴だ。
「さあ? 私にも分かりません、用事がある場所には必ずと言っていい程貴方が居るので私の方が聞きたいくらいです、後ビアトリスって誰ですか!! 私の名前はプレシア・テスタロッサです!! ほら私も名乗ったんですから次は貴方の番ですよ旅人さん」
「知らん、興味ねぇ」
「自己紹介拒否!? ぐぬぬぬ、なんで貴方は私を邪険に扱うんですか!! いい加減名前くらい教えてくれても良いと思います!!」
「オメェと居ると疲れるからだよへっぽこ魔導士」
「あーっ、またへっぽこって言ったー!! だから私は(自称)大魔導士(予定)なんだってば!!」
「なら杖を落として交番に取りに行ったり、何もねぇ場所で足引っ掛けて転けたり、飴に釣られて変なおっさんに連れてかれそうになってんじゃねぇよ」
此奴と居ると疲れるのはその所為だ、先々で出会う旅に何かしらのトラブルに巻き込まれる上に俺を見つけると真っ先に駆け寄って来て助けを求めて来やがる、涙目のガキを邪険に扱う事も出来ず毎度毎度助けてる所為で起きる魔のスパイラルに沈んでるのが実感できる。
「うぐっ、痛いところを突きますね……、ですが私はめげません!! 何故なら私は大魔導士(自称)ですから!!」
「ほー、えらいえらい、んじゃあ俺は帰るな」
「あっ、はいさようならです!!」
(毎回毎回同じ手で帰ってるんだが、此奴学習しねぇな)
あまりのアホさ加減に呆れながら、ふと帰り道に見上げた空は雲ひとつ無く、確かに良い空だった。
だからこそ俺は太陽に向けて唾を吐き付け、日当たりの悪い拠点に向けて帰って行く。
俺にはこの世界は酷く居心地が悪い。
この作品のプレシアさんは13〜14程度の年齢スタートです、つまり大魔導士プレシアが(自称)大魔導士(笑)ぷれしあだった時代ですね。